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2025年02月19日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第39弾!!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第39弾!!

”納得のマイナー・モデルを振り返る”第39弾は戦争の傷跡がまだ残る貧しい日本で商用車の”国民車”として広く普及した3輪軽トラックの『ミゼット』の再来を狙い1996年に登場した『ミゼットⅡ』を取り上げたいと…




ミゼットⅡ、非常にユニークなクルマで製廃四半世紀を過ぎた今でもファンも多く”変態”なんて言ってると怒られるかもしれませんが現役時代を振り返ってみるとそれはもう変態と言っても大袈裟ではないと思われますが(^^;
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1996年、既存ハイゼットのフレーム、エンジン、各パーツを使いコストダウンしながらダイハツ工場内に少量生産のため”ミゼット工房”という部門を作りミゼットⅡ専門でハンドメイドで造られていたというダイハツがそれなりに?気合を入れたモデル…

フレームや動力関係は既存ハイゼットを流用
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さすがに90年代ですので3輪とはならず通常の4輪でしたが初代ミゼットをモチーフ、面影もどことなく感じさせ愛嬌ある可愛らしさはデビュー時はかなりの話題、”ミゼットを飼おう”のキャッチコピーもクルマというよりペットに向けるような優しい目で迎えて欲しいというダイハツの願いでもあった訳です。

初代ミゼット(1957~1972)
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一応(?)トラックでしたがハナから本格商用には訴求せず遊び心で乗るようなモノ、ボディは旧規格360cc時代の軽寸法並みの大きさでデビュー時は1シーターと思い切ったものながら積載も大してできずしかも1人乗りでは実用性はほぼ皆無、このため見かけるミゼットⅡはカスタムされたり趣味的に弄られたものが多かった感じでしたネ~

一応業務用にベーシックなBタイプ、豪華バージョンのDタイプ、そしてレジャー重視のドレスUPのRタイプの3タイプが用意されており少量生産を謳いながらも幅広い選択が可能。
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これ、一度だけ転がしましたがそれはもうオモチャ感覚、31ps程度のハイゼット共有のFEエンジンでも圧倒的な軽さ(600㎏弱)で走りは意外にもパワフル、ただ軽すぎてちょっとスピードに乗ると吹っ飛びそうな感覚ながらハンドル握ると笑顔になる、そんなクルマでしねー。。。

タイトで足の置き場にも苦労するキャビン、追突したらひとたまりもないながらバイクよりはいいか と(笑)
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エンジンはアンダーフロアながら車軸の関係でFrミッドシップ!
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ミゼットⅡは好評をもって迎えられるも4速MTと一人乗りのみのラインナップが難でダイハツが見込んだ普及には遠くこのため3速ATの2人乗りや実用性の高いカーゴ、特別仕様やA/C標準モデル等次々に追加し拡販に務めます。

花屋や移動販売業にも訴求するカーゴ(バン)タイプを97年に追加!
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ミゼットⅡの概要

全長2895㎜
全幅1335㎜
全高1650㎜
ホイールベース1840㎜

エンジン
FE-CK型 660cc 水冷直列3気筒 31ps(前期)
FE-FS型 660cc 水冷直列3気筒 33ps(後期)  

タイプ
トラック/カーゴ(バン)

駆動方式/ミッション
FR/4速MT、3速AT

サスペンション
前: ストラット
後:リーフリジット

車重 580 kg(トラック)

1998年、ミゼットⅡにとっては難関となる軽自動車規格改正に伴う衝突安全基準の見直しが行われ簡易的なキャビンのミゼットⅡがこの基準に適合できるかが危ぶまれましたがFrバンパーを大幅に拡大し基準をクリア、同時にMCを実施。

後期型トラックとカーゴ
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しかしこのMCは基準クリアのためとは言えミゼットⅡ最大のチャームポイントであったフロントに設置されていたスペアタイヤを荷台に移設した事、これと相まって大型化されたバンパーにより従来型のユニークで可愛らしい顔付を失い不評を買ってしまいます、テールはトラック、カーゴとも丸形3連の高級なイメージになりますがFrの余りの変貌ぶりは元々大量販売されなかったミゼットⅡの普及をより鈍化させてしまいます…

元来が遊びクルマ的な訴求でしたので実用には向かず少量生産とはいえダイハツの見込んだ人気は得られず2001年、5年のモデルライフを終えています。

カーゴは小規模な商店などのマスコット的な存在感もありある程度は市場では成功しましたが本命のトラックはその中途半端な車格が災い、前述の通り遊びにも仕事にも使い辛く初代ミゼットの如く”国民車とはなり得なかったのは残念、それでも5年間で15万台を売り上げており軽メーカー=ダイハツのブランドをより高める事には成功したと思います!
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現代ならばこのボディを活かしたEVなんかが出たらどうなんでしょうか?シティコミュター的な手軽なEVとして人気が出そうですがねぇ。一部マニアに大事にされているミゼットⅡ、変態の称号は失礼かもしれませんが少数なのは間違いない、しかし日本独自の軽自動車文化が広く賞賛される一台である事も間違いないのではないかとも思います(^^)v

変態度指数:★★☆☆☆
Posted at 2025/02/19 17:47:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ
2025年01月08日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第38弾!!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第38弾!!

新春一発目の企画ものは”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る”からスタートしましょーかねぇ(^^)v


今回はホンダがなかった事にしたい?往年の145シリーズを取り上げます!



正式名称SD型ホンダ145/CD型ホンダ145クーペ、SD型はセダン、CD型が名称通りのクーペモデル…(ここでは総じて145で表現しています)
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ホンダ145、今となっては恐らく結構なホンダマニアでないと知らないクルマかもしれませんが1969年にそれまで軽、スポーツカーに特化していたホンダが初めてファミリーカーモデルとして発売したホンダ1300/同クーペが元ネタ、145はマニアックなド変態ながら1300は当時、ホンダが相当な熱量と愛を注ぎ込んだ意欲モデルで特に同クラスの有名どころであったカローラ/サニーに較べ一クラス上の高性能を誇りホンダらしく?スポーツモデル好きには結構注目されたモデル、ウチのカーキチ(死語)の叔父や父親も注目していて69年のモーターショーに行き展示されていた1300クーペ、特に精悍な丸目4灯に逆スラントの2分割マスクには見入っていた記憶残ってます、スポ車好きの叔父はすぐさま当時乗っていたベレGを売って1300クーペの最上級で1.3Lながら115psを誇る9S(ナインエス)を購入してました!

ホンダ初の大衆向けモデルのホンダ1300(セダン)とクーペ
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1300は卓越した高性能に注目が集まるも当時では異端なFF、そして本田宗一郎氏の哲学”エンジンは空冷”を多くのエンジニアが反対する中で突き通した事が仇になり売れ行きは低迷、特殊な設計で重い空冷エンジンのFFという事がせっかくのスポーティさも操縦性が悪くスポイルされ低い評価となってしまっています(この辺の詳細は こちら を参照下さい)

そんな事からデビュー後鳴かず飛ばずに近い状況だった1300シリーズは1972年、大幅なチェンジを断行して新たに145シリーズとなりました。

大幅なチェンジと言ってもエクステリアはFrフェイスやRrの意匠変更程度、インパネも1300をキャリーオーバーでありパッと見は1300のMC程度、しかしながら型式も145では変更され更に多くのエンジニアからダメだし続きだった宗一郎渾身の作、1.3L空冷エンジンを諦め水冷1450ccエンジンに換装、当時からFFに拘りが強いホンダなので駆動方式はそのままながら水冷化で格段に軽量とされたエンジンによりクセ強だったドライブフィールも改善、見かけは同じでもまるで別物となったのが145でした!
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ワタシもさすがに1300のドライブ経験はありませんが叔父の1300クーペの横に乗り空冷の独特なエンジン音が耳に残っておりフライトコクピットを謳うスポーツ心満載のインパネも刺激的、後年大人になり営業やってた時代に145は下取りで一度だけ乗りましたがFFのクセは当時としてはご勘弁って感じながら操縦性に特に悪い印象はなく同じFFのスバル1300Gや初代レオーナに較べるとよほど乗りやすかったです(スバルはとにかくドアンダーで大嫌いだった…)

スパルタンなクーペのインパネは1300から継承



ホンダ145の概要

(145)全長3995~4020㎜(145クーペ)4140㎜
(145)全幅1465㎜(145クーペ)1495㎜
(145)全高1360㎜(145クーペ)1330㎜
ホイールベース2250㎜(共通)

エンジン
EB5型 1450cc 水冷直列4気筒 SOHC キャブ仕様80ps FI仕様90ps

タイプ
4ドアセダン/2ドアクーペ

駆動方式/ミッション
FF/4速MT、ホンダマチック(AT)

サスペンション
前: ストラット
後:クロスビーム

車重845~880 kg

EB5型エンジンは同年1972年に新ジャンルのファミリーモデルとしてデビューし大成功のNEWモデル、シビックに搭載された1.2Lをボアアップしたモノ、特性は旧1300の空冷時代よりはかなりマイルドとされるも扱い易さは格段に向上、普及型にキャブ仕様、僅かに1300のスポーティさを継承するFIにはホンダ初の機械式フューエルインジェクションを採用し90psまで出力UPした意欲モデルもラインナップしていました。

恨めしそうに?ラジエーターを備えるEB5型水冷エンジン㊤と旧空冷H1300E型エンジン㊦
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このように見かけはそのままに近いながら生まれ変わった145、しかし1300のイメージが残り商業的に売れ行き上昇とはならずまた、新車種でカテゴリーの被るシビックが大好評だったのもあり却って1300より売り上げは落とし知名度も下落、結果的に好調シビックに後に1.5LやRS等スポーツモデルを追加し1本化、145は2年程で存在価値を失い1974年には廃盤、1300から通しても5年弱のラインアップに終わります、異端なFF空冷高出力モデルという良くも悪くも強烈な個性を放った1300に対し145はいかにも平凡なクルマになってしまいカローラやサニーに対する劇的な差も少なくなりそれらに埋没していった感じでした…

145/同クーペのRrビュー、1300時代から高級意匠化
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結果論ながら空冷を押し切った本田宗一郎氏の社長として寿命を縮めた失敗作1300シリーズ、そしてその汚名挽回を目論見ながらシビックの登場により早期退場となった145シリーズ、どちらも悲運のモデルで再販価値もなく80年代でも見かける事は稀でせいぜい1度位の中古販売で姿をこの時期に消していると思います、現在ではあまりにもレアで知名度はある1300はかなりの高額で”大化け”モデル化、145の流通はまだ見かけませんがあればこれも高額間違いないですね!

145はよほどのマニアでないと1300と混同され認知度低い現在、これの変態度もかなり高いと思われますが如何でしょうか~…


変態度指数:★★★☆☆

Posted at 2025/01/08 18:36:51 | コメント(1) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ
2024年11月21日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第37弾!!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第37弾!!

変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る、今回は変態車の宝庫!?いすゞからビークロスをを取り上げたいと思います(^^)v

ビークロス、本来なら”ヴィークロス”とされる筈だったそのネーミング、ショーモデル→市販化の際に時の運輸省に『ヴィ』を『ビ』としてしまったためそのまま『ビ』-クロスにしたとう逸話も。


届け出の間違いという何ともマヌケな話ですが過去東洋工業(現マツダ)もルーチェレガートで出すつもりが『レガート』を記載し忘れシブシブ『ルーチェ』として出した等結構こうした初歩的ポカもあったりしますがwww

そんな事はどうでもいい、ビークロスですよビークロス!!
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1993年、トラック本業のいすゞに未曽有の経営危機が訪れれまでは台数が出ないながらエンジニアの情熱?的に発売していた乗用車ラインナップ=ジェミニ、アスカ、ピアッツァ等がそれに当たりますが経営危機によりこれら乗用市場からの自社開発撤退を決断、ジェミニ/アスカはホンダOEMに切り替えピアッツアは廃盤、商用ファーゴを日産OEMとしいすゞは当時人気ジャンルの一つであり売れ行きの見込めるクロカンRVのビックホーンのみ継続生産/販売としました、そんな乗用撤退の最後の自社開発打ち上げ的に97年にリリースされたのがビークロスでした!

ビークロスは92年から開発がスタート、この時期ワタクシはいすゞ藤沢工場と取引のある仕事していた関係でこの試作車をナイショで見させてもらった事がありますが当時の3代目ジェミニをベースにしているコンセプトカー、実際世に出たモノより低く長く近未来的な出で立ちに衝撃受けたのを憶えておりますねぇ…

その時はどうせショーモデル、販売なんてねーベ!的に真剣には捉えてなかったので数年後に発売された時にには色んな意味で驚きましたねぇ~。

1997年、衝撃的にデビューした”ビークロス”
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1997年ですと既にいすゞはビッグホーンのみが自社開発、このためビークロスはUBS52型ビックホーンをベースに今で言うスポーツSUV的な出で立ち、常に時代の2歩位先取りしたデザインをしていたいすゞ、当然当時これ初めて見た時は「何じゃこりゃ~」とジーパン刑事バリの雄たけびを上げた程でwww
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まずセダン系のジェミニからRVのビックホーンのショートがベースになったため車高、てかクルマ全体の縦横比が当時では異様に見えサイドがやたら分厚くボディ下半分がFRPというのも凄い、Rrの視界はほぼ無いに等しくこれを補うため当時ではまだまだ普及前夜のバックアイで下がるという批評家に散々悪評書くかれた装備もある意味斬新、しかし時代が追いついた?現代目線だと別にカッコ悪くない、バックアイだって当たり前の装備になってるんでね、多分今このままビークロス出せばSUVブームの現代ではかなり売れたんでは?なんて思う次第です(^^)v

ビークロスの概要

全長4130㎜
全幅1790㎜
全高1710㎜
ホイールベース2330㎜

エンジン
6VD1型 3200cc V6 DOHC 215ps

タイプ
3ドアハッチバックRV(SUV)

駆動方式/ミッション
トルクスピリット電子制御パートタイム4WD、4ATのみ

サスペンション
前: Wウイツィュボーン
後:4リンクコイル

車重1750 kg

前述の通り諸元はサイズ以外ほぼベースのビックホーン(ショート)と同じ、エンジンはビックホーンがいすゞ得意のディーゼルを本命としていたところビークロスではサブ的存在のガソリン3.2Lのみを移植、これは当時”スポーツRV”を謡うビークロスならではの施策でした。

V6 3.2Lガソリンの6VD1型エンジン
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全長がもう少し長く低かったジェミニベースの”ヴィークロス”と比較するといかにも寸詰まり的な印象が当時大きく嫌悪感さえあり好意的には捉えませんが今見るとなかなか攻めたデザインで”スポ―ツRV”ならぬ”スポーツSUV”として現代でも立派に通用するんでは?と思うのはワタシだけでしょうか…

残念なのはこれほど個性的な外観なのにインパネはビックホーンの流用で実用車的でキャビンに座ってワクワク感はなかったかなぁ…
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いすゞに入っていた時、結構仲の良い社員さんでも乗っていて何度か運転したけどさすがV6 3.2L、鋭い加速とトルクフルさは驚くほどパワフル、当時のパジェロのV6やランクルなんかに加え軽量だったのもあり”スポーツ”に相応しかったですね、音も重厚感溢れて痺れた!

当時いすゞに在籍していた超有名デザイナーの作品であるビークロス(これ以前は3代目ジェミニ、ミュー等、その後日産に移籍)、今になって受け入れられるデザイン!?
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さて、そんなビークロス、1997年~2001年までの販売、比較的評判の良かった北米では2002年まで売られますが国内では僅か4年のモデルライフ、往時の評判はその個性の強すぎるスタイリングが大きな要因で芳しくなくお膝元の神奈川県では当時時折見れた(ほぼいすゞの社員さんの愛車という噂もw)ながら4年間で1800台弱という販売実績、この台数からして他県では(いや、神奈川でも)間違いなく変態車確定でしょう!

時代が時代ならばもしかしたら大人気となったかもしれないビークロス、今のところ中古車市場でも希少価格は僅かに付き始めているようながらそう驚くような金額でもなく知る人ぞ知るクルマですがいすゞが乗用最後に放った迷車変態車、いつまでも憶えておきたい逸品ですナ(^_-)-☆

変態度指数:★★★★☆
Posted at 2024/11/21 20:26:15 | コメント(2) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ
2024年10月29日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第36弾!!

 ”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第36弾!!変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る、大メーカーの立場を活かし以前から日本ではウケの悪い”小さな高級車”というカテゴリーに果敢に挑戦したトヨタの今回はブレイドを取り上げたいと思います(^^)v

ブレイド、ともすれば安っぽい、造りが華奢、質感がコストダウン丸出しという印象しかないHBモデルの概念を変えるクルマでもありある意味新カテゴリーのモデル、この命運がどうなって行くのか?を追っかけてみましょー(*^^)v

2006年発売のトヨタブレイド(E15H)
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”小さな高級車”言うは易し売るのは困難!? 日本人はどうしてもクルマにステイタスを求めるモノ、大きくデカい静々とした大トルクエンジンを載せる誰しもが想像できる高級車、四隅をピーンと張り威風堂々の存在感は昔から日本でもポプュラーな存在、トヨタクラウン、日産セドグロ/フーガが代表例ですがこれ以外にも三菱デボネア/プラウディア、マツダロードペーサー、いすゞベレルなど日本も高級大型(正確には普通車/小型車に分類される)車が花盛りの時代もありそれを示す80年代の有名なコピー「いつかはクラウン」…

しかしこうした高級車は当然高額で庶民には手の届かない存在、そこで各社高級車の概念を小型車にフィートバックし価格を抑えながらも高級感はそのまま!というモデルを提唱します。

最初にこれを始めたのはワタシの知る限り日産、1977年、当時の小型大衆モデルのバイオレットA10型をベースにセドリックのアイデンティティを持ち込み見かけもサイズが小さいのみで各部にセドリックの出で立ちを盛り込んだスタンザというモデル、装備そのものはバイオレットと大差ないながら内装の質感は大幅に上げられ商業的には芳しくないながらも”新カテゴリー”としての爪痕は残しこの後もローレルスピリット~ティーダラティオ等でスタンザの継承は見られましたねぇ…。

このように生まれた”小さな高級車”文化は他社にも波及、ダイハツのシャルマンや三菱ランサー/ミラージュ6、マツダエチュード等がそれらに充る感じ。

しかしどのメーカーもどのモデルもヒットから程遠くやはりステイタス、見栄を重視する日本人にはなかなか受け入れらえず売り上げ/人気はどれも低迷、そんな状況でもトヨタからもこれを提唱するモデルが90年代~そこそこリリースされプログレ、ブレビス等が思い浮かびその一つが今回のお題『ブレイド』になります!

クラウン、マークⅡ(X)、カローラ等の大量生産、多利益モデルの多いトヨタならではの余裕からハナから売り上げを期待せずにリリースされたブレイド、発売は”失われた30年”のど真ん中である2006年でした。

ブレイドは日本でも人気の高かったVWゴルフをターゲットに開発、ゴルフが日本ではコンパクトカーに扱われるHBの2BOXスタイルながら欧州らしいしっかりとした足回りや上質な内外装から国産コンパクトと同列に見られる事は皆無、価格的にも国産高級車並みながらそれらに勝るとも劣らない存在感が人気で車格からすれば”異例”な捉え方をされていました、そんな部分に商運を見たトヨタはゴルフを徹底研究、ルーツは2006年当時では先代に充るコンパクトモデルのE120系カローラランクス/アレックス、これの後継がオーリスとなりブレイドとオーリスは同じ2006年デビュー、つまりは大衆コンパクトのオーリスをベースに内外装、エンジンを大型化した”小さな高級車”であった訳です!

HBで何の抵抗もなく市場に受け入れられているゴルフにあやかりオーリスベースでコストを抑えながらHBモデルでは異例の3ナンバー専用モデル、2Lオーバーの2.4L(直4)の大排気量エンジンを載せ”大人しくない大人たちへ”をキャッチコピーにしてデビューしたブレイド、その異例な立ち位置に注目度は結構高かったです。

コンパクトには有り得ない?2.4L 2A-ZFEエンジン
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更に翌2007年にはよりブレイドの個性を際立たせクラウンやマークXに搭載されるV6 2GR-FE 3.5Lを搭載するブレイド・マスターも追加、これはさすがにやり過ぎ?3.5LのHB誰が買うの?って冷めた見方も多かったですがインパクトは凄いモノがあったと思います…。

ブレイドマスター
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3.5L V6 2GR-FEエンジン
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ブレイド、ブレイドマスターの概要

全長4260㎜
全幅1760㎜
全高1515~1530㎜
ホイールベース2600㎜

エンジン
2AZ-FE型 2400cc 直4 DOHC 16V 167ps
2GR-FE型 3500cc V6 DOHC 24V 280ps

タイプ
5ドアハtチバック

駆動方式/ミッション
FF,4WD(ブレイドのみ)/CVT(ブレイド)、6AT(マスター)

サスペンション
前: ストラット
後: Wウイツィュボーン

車重1400~1480 kg

ブレイド、同マスター共に商売柄?そこそこ経験はありますが確かに見かけオバチャンイメージのランクスなのに中に座るとクラウンと大差ない高級車!違和感しかなかったし今でこそ3ナンバーボディなんて当たり前ながら2000年代でHBモデルでやたら横幅だけ大きくて落ち着かない印象だったような…

質感はかなり高く中だけ見ればランクスやオーリスとは車格の違いを思い知らされる!?
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しかし乗ってみるとターゲットとしたVWゴルフには遠く及ばず剛性感、足回りのしなやかさも較べると悲惨でやはりアウトバーンで鍛える欧州とは根本的に異なる点を実感させられましたね、まぁ60年代からのクラウンやセドグロのようにフワフワとただ柔らかくグニョグニョなステアリングの高級車を知る世代ならば違和感ないかもしれませんがw

数値だけみれば車重とスペックから想像できるパワー感もない、いや、決してパワーがない訳ではなく充分ストレスなく走るけど2.4LはCVTの影響もありモッサリ感しかない、V6は期待したほどの静粛性はなくマークXやクラウン程の遮音性も実感できない、高級感というよりそれなりに速く踏めばスムーズな加速、さすが280psという感じはありましたが…

ブレイド/同マスターはデビュー時は一定の注目はなされますがとてもゴルフ同等の存在感は示せず2012年のモデルライフの中でMCや改良等のアップデートは行われるもジリ貧と言わざるを得ない状況、6年間で5万台強という生産台数で月販100台を割り込む時期もある等散々な結果となり1代限りで消滅、ベースのオーリスはこの後2世代目に継続するもブレイドは最早忘れ去られた存在になっていますねぇ。。。

VWゴルフという高い目標を目指したブレイド、
ゴルフの何が支持されているか?をもっと真摯に研究すれば結果は違っていた筈、ランクス(オーリス)にデカいエンジンを載せ内装を豪華にしただけのアンチョコな”小さな高級車”、、は受け入れれられず短い生涯を終えましたが60~80年代ではこのような車種でもある程度は成功できたものの2000年代では最早これに騙される庶民はいなかったって事でしょうかね!?

意外に変態度の高い車種の多いトヨタの中でも黒歴史に近いブレイド、決して悪いクルマではなかったながら”高級ランクス”以上のアピールができず変態車の烙印が相応しいと思いますが如何でしょうか!?!?

変態度指数:★★★☆☆
Posted at 2024/10/29 18:19:02 | コメント(1) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ
2024年09月15日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第35弾!!

 ”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第35弾!!
変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る、今回はメーカー肝入りの意欲作ながら市場では殆ど評価されず僅か2年で散った軽自動車の名作?迷作?であるスズキツィンを取り上げます(^^)v

1979年、それまでの軽自動車の贅沢化、高額化に将来の軽自動車界に危機感を持ったスズキは”軽自動車はあくまでシティコミュターであって登録車並みの贅沢装備や高級装備は不要では?”の精神から車両価格僅か47万円の初代アルトを発売、当時60~80万に達していた軽自動車の立ち位置に一石を投じたその姿勢はユーザーから高い評価を受け大ヒット、年々高級化する軽に対し”本来軽はこれでいいのではないか?”と庶民に思わせ街にはアルトが溢れた時代もありました。

旧税制(消費税導入前)で4ナンバーが大幅に節税になる点、そして大量生産乗用モデルのフロンテとボディ共用(但しフロンテは4ドアHBセダン、アルトは3ドアバン扱い)とし部品他を共用し徹底した無駄を省く低コストで47万円という低価格を実現したアルト、そんなアルトの再来として2003年にシティコミュターに特化したツインがデビューしています…。

2003年登場のスズキツインEC22S型!
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その名の通り2人乗りとし全長は僅か3m未満、軽トラ並みのショートW/Bで4輪最小の回転半径を持つチョイ乗り、買い物乗り等4輪の原付的な感覚は斬新でありデビュー時には話題となりました。

アルトの再来を謳うツイン、グレードは4体系で「ガソリンA」「同B」「ハイブリットA」「同B」となりA/CやAT、P/S未装備のガソリンAはアルトより2万円高い49万円!アルトの1979年当時の貨幣価値を考慮すれば実質アルトよりも低価格であり2000年代で異質とも取れる低価格は驚きでしたねぇ~…

驚きの49万円という低価格でデビューしたツイン・ガソリンA
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しかし2000年代ともなればACやPSは勿論、ATですら当たり前、こんな時代にカラーは白のみ、何も付いてない、見かけは商用然としながら荷物もほぼ載らないというマイナス点しか目立たずガソリンAはほぼ売れず終いでメインはガソリンB、こちらは一通りの装備がなされ見かけも貧ぼらしさを感じさせない仕上がりで84万円でリリースされていました。

高グレードのガソリンB
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上級となるハイブリット(HV)モデルは軽初のHV、ガソリンのスズキK6Aエンジンとミッション間にモーターを搭載しエンジンをアシスト、初期のHVのため蓄電池は鉛電池を使用しコストを抑えていました、しかしそれでも廉価版Aで129万、充実装備Bで139万と軽としてはあまりの高額から全く売れずに受注生産を経てガソリンモデルより先に廃盤となっています。


ツインの概要

全長2735㎜
全幅1475㎜
全高1475㎜
ホイールベース1800㎜

エンジン
K6A型 660cc 直3 DOHC 12V 44ps(HVは+5kw)

タイプ
2ドアガラスハッチ

駆動方式/ミッション
FF 5MT・3AT

サスペンション
前: ストラット
後: トレーディングリンク式ITL

車重570~600 kg

このツイン、2010年頃に昔のお客の娘さんが免許取得と同時に欲しいから探してくれ!と依頼がありあちこち探し最終的に栃木で理想の中古を見つけ栃木→川崎まで乗ってきて納車した経験があります。

当時、生産中止からまだ5年位でしたが圧倒的に売れておらず結構探すのに苦労、AAにも殆ど出ておらずでしたがその娘さん、ツインの可愛らしさに子供の頃から憧れだったとの事で可愛いか否かは個人的主観なので触れませんが何とか世話になったお客さん(お父さん)のために必死に探し回ったというワタシにとっては思い出あるクルマなんですねー…

ショートW/Bで乗った感覚は慣れないと異様、曲がる時ハンドル回すとケツからグニュっと回る感じが奇妙、おかげでPSなんくてもハンドルは軽くスッと回る、実際は有り得ない訳ですが身体の前側(足方向)からコーナーに入るのではなくお尻から曲がる感覚?かつての4WS出始めのプレリュードやセンティア、ギャランにもこんな感覚があったなぁと。

二人乗りで後席に小物なら置けるスペースがあり少しながらリクラインもでき意外にラクなドラポジが取れたりと…。
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当時はトヨタを始め推奨されていたセンターメーターも目新しかったインパネ
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HVは経験ないので触れませんが当時のスズキ車のメインだった名機K6A、44psという非力ながらも圧倒的な軽量さから走りに何らストレスもなくATでも不満なし、ツインやかつてのアルトもそうでしたが大したスペックなくともクルマはやはり重量が肝だなぁと強く思ったのを憶えていますね。

名機スズキK6Aエンジン
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そこそこの時間乗った経験から言えばメーカーの狙い通り一人二人でチョイ乗りするには便利なサンダル代わり、しかし荷物も載らないし長距離はとてもじゃないけど乗る気しない(実際栃木~神奈川回送で東北道乗ってきたながらフラフラで横風に弱くとても頼りなさと怖さを感じた)、二人しか乗れず使い勝手も限定されてしまう、そうしたモノにいくら安いとは言え5~15万足せば4人乗れて荷物もある程度乗るミラやアルトにも手が届く中、ツインは当初の話題だけで鳴かず飛ばず、ほぼキワモノ扱いだったという実情でした。

2004年、テコ入れに最高級バージョンの「ガソリンBカラーパッケージ」を追加するも市場は無反応…
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アルトの再来を目指し軽市場に低価格路線で殴り込んだツイン、しかしアルトの時代より軽であっても当たり前の装備、最低限の居室と荷室スペースを持たない点が災いして敬遠されスズキの気合も空回りに終わり2003~2005年で散ったツイン、2年で1万台強という少数さでそろそろ希少価値が出て”大化けモデル”となってくるかと思いきやそういう兆しもなく現役時の”キワモノ”感そのものを継続、変態らしい変態と言って差し障りないと思いますが如何でしょうか!?!?


変態度指数:★★★★☆
Posted at 2024/09/15 16:15:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ

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「オウチ弄り記 2025.7/26 http://cvw.jp/b/2682511/48564588/
何シテル?   07/26 18:01
元GureのHNで活動、新規ネタ&過去ネタをUP中、過去記事はかつてほぼ移住していた山梨や本拠でのクルマ弄り記録や過去シリーズ的に上げていた独自の企画モノを再U...

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あのクルマの系譜・その21~三菱GTO編~  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/04/16 22:31:38
《新企画》あのクルマの系譜・その1~三菱ギャラン編~ 
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2020/02/12 17:16:21
あのクルマの系譜・その2~三菱ランサー編~ 
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