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2013年02月02日 イイね!

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…カリーナvsカペラ後編

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…カリーナvsカペラ後編 “燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!”前回に続いて『TA/RA10、30系初代トヨタカリーナvsSU2A/SNA/S122A/CB1VS/CB12S型初代マツダカペラ』を後編として【排ガス対策・終息期】を取り上げたいと思います。

1970年発売以降、カリーナはトヨタ商法らしく新エンジンや新車型を相次いで投入しワイドバリェーションでNEWモデルのカリーナを順調に育てあげますがいよいよ世界一厳しいと言われた排ガス対策期を迎えます!

一方のカペラはマツダの最大の売りであった桁ハズレのロータリー(RE)エンジンを武器にしカペラの走り同様にスムーズな発進を果たすも発売3年で悲運なOILショックに遭遇、燃費に難のあるREを全面に打ち出していたのが災いしその人気/販売共に大打撃を受けます、しかし元々構造的に排ガスがレシプロに較べクリーンなREの特性を生かした排ガス対策を行い再浮上を目指します!

国産自動車史上で最大の難関であった我が国初の排ガス規制に挑んだ両車の運命は如何に…!!

~モデル改歴、前篇からの続き~

(74/2)
カペラMCで後期型となります。
Fr/Rrの大幅な意匠変更=“ビッグチェンジ”と称して型式がREのみ『CB125型』とされています。
Frはこの時期のマツダトレンドで上級ルーチェ(LA型)に相通じる前衛的な顔付が与えられテールはセンターにあったナンバープレートをバンパ下に移動、テールランプも角型2灯を踏襲しながら豪華なデザインに変更しています。
フェンダープレスやボンネット、トランクまで変更しており全長を110mmストレッチ、リ・デザインされた前後の新意匠から大きく、豪華なイメージがあたえられますが全体フォルムに大きな変更はなく特にサイドからの印象では従来型と殆ど変りませんでした。

↓ビッグチェンジで4年超に入る初代カペラ後期型(㊤セダン1800GL㊦REクーペGSⅡ)



↓インパネも従来型の基本を引き継ぎながら小変更


※尚、初代カペラの改歴はメーカーHPではこのMCで型式変更が行われた為、従来型を初代、74/2~を2代目としていますが実質的にはFr/Rrの意匠変更と一部搭載エンジンの変更、インパネの変更というMC。
確かに大幅ではありますがこの程度の大規模変更はライバルのカリーナ、そしてセリカも75年に行い型式変更も同様に行われています。他にも大規模変更は数多くのモデルが行われておりますがMC扱いとされ代替りとしてカウントしていませんのでワタクシの偏見ではありますが引き続き“初代カペラ”(後期型)と表させて頂きます!
この定義には文献やネット上でも様々な解釈がありますがワタクシの感覚ではこのMC程度で代替りは納得できませんのでこのように表現させて頂きました(-_-)

後期型は他社がまだ足踏みしていた排ガス規制に一早く取り組んだのもMCの目玉!
72にはルーチェREにてマツダ・アンチポリューションシステム(低公害の意=これを略し『AP』と表現していました)を採用、国内で最初に50年規制に適合していましたがその技術をカペラに移植、MCを機会に“カペラAP”としてOILショックで地に堕ちたREの名誉挽回を他社が厳しい規制に出遅れるのを好機と捉えこのAPモデルをカペラ以降サバンナ、ファミリア等他モデルも大々的にアピールしてゆきました。

3段階(50、51、53年)で世界一厳しい排ガス規制を達成せねばならなくなった日本の各社、この時の排ガス対策では主に2つのパターンが考えられ1つは燃焼前から対策してしまう=希薄燃焼方式 と燃焼させた後に有害物質を処理する=サーマルリアクター方式、そしてこれらに組み合わせて酸化触媒も用いられた研究開発を各社行っていましたがまだガソリンに鉛が入っていた時代、この鉛がクセ者で触媒を痛める等の理由で開発が進まずこれの実用を目論んでいた大メーカーであるトヨタはそれまでワイドバリェーションの拡充や見かけの豪華装備の追及ばかりに捉われたツケがまわった感もあり排ガス対策が後手になっしまい各社、50年規制を飛び越えた51年規制の目途がついた時期でさえも他社パテント(ホンダCVCC→トヨタTTC-V)を導入したりして取りあえずの規制適合にゴール、その後51年目前でようやく自社開発(TTC-C/TTC-L)を完了させブービーにて50年規制適合が叶ったという有様でした。

日産も同様に触媒方式(NAPS)を採用、トヨタ程の混乱はないながらも研究者からは「この規制では最終的にクルマが動かなくなる!」と言ったとか言わないとか…
各社それぞれ主張、方式は異なるも規制適合に全力を傾けていた点は共通でしたがそんな中、マツダのAPはまずREの特性から元来のレシプロより排ガスがクリーンだった点を生かし排気温度の低減をサーマルリアクターで処理するというREだからこそできた一早い公害対策だった訳です。
レシプロエンジンはバルブステム保護のため鉛入りガソリンを使っておりこれが触媒を使用するにあたり難関でトヨタや日産は遅れを取る原因でしたがマツダはいとも簡単に?72年の時点で第一段階の50年規制を突破しました。

尚、50年orまたは51規制に適合していないと昭和5or52年以降の生産/販売は認められず更に53年規制に不適合ですと53年いっぱいの販売しか認められませんでした。

カペラはREのAP技術をレシプロにも転用しRE同様のサーマルリアクター方式でパス、従来の1.5L UB型は出力低下によりカタログから落とされますが1.6L NA型は100ps→90psの10psダウンにて適合、そして1600の出力低下を補う意味で1.8L VC型OHC 4気筒100ps/15.2kgmシングルキャブエンジンをAPにて規制適合させて新設定、つまりは従来の1.5Lの役目(廉価)を1.6Lに移動させレシプロメインを1.8Lとした訳ですね。
補機装置によりレシプロのドライバビリティは大幅に損なわれますがREに関しては125ps(従来のGSⅡのpsに統一)のままパス!ドライバビリティ悪化も殆ど見られず他社スポーツモデルが標準車と同一エンジンの名前だけの勇ましいグレードになり果てたり高性能ツインキャブを維持しながらも目に見えた出力ダウンが数字以上に激しかったりと散々な状況だった中でREはその神髄を見せつけスポ車好きからは再び見直される事となっています。

ただ、マツダにとって残念だったのはこの時期世は正に低公害はもちろんながら低燃費が最高!という時代、レースやラリーなどのモータースポーツでさえも悪者扱いされる中でスポ車好きは公言が許されない?状況下、そんな中で相変わらず“走り”のイメージがあるREは一般からは「時代遅れ」の烙印が押され低公害という評価は高いモノの“極悪燃費”の印象は流石の低公害アピールでも拭えず支持上昇という好転には恵まれませんでした、この頃でもOILショックの悪影響、まだまだ市場は引きずっていましたからね~。。。

↓APによる排ガス規制一番乗りだった12A型REとVC型1800エンジン


カペラに限らずこの時期のマツダAP車はマフラー後端にバカでかいデフューザー(通称“弁当箱”と言われてました)が装着されており後ろ姿、ひと目でAPで分かるのも懐かしいです^_^;

後期型となりバリェーションを大幅に整理、内訳は下記となります。

1600AP:A-SNA型(A-=50年排ガス適合記号)NA型90ps搭載
標準車/DX/GL
※1600はセダンのみ
1800AP:A-CB1VS型 VC型100ps搭載
セダン、クーペGL クーペDX/GF
RE-AP:A-CB12S型 RE12A型125ps搭載
セダン、クーペ標準車 セダンGR/GRⅡ クーペGS/GSⅡ

(75/2)
カリーナ、一部車種にTTC-V(トヨタ複合過流方式)による50年規制適合車を追加。
75年になると各社続々と規制適合モデルをラインナップしてきましたがトヨタは前述のような有様でまだまだ自車開発の排ガス適合装置は未完成、タイムリミット(未対策車が販売できる期限)が迫りさすがに焦ったのかホンダパテントを購入、ホンダCVCC方式を採用した『カリーナセダン2000クリーンエンジン』としてラインナップしています。
はっきり言ってこのカリーナTTC-Vは他社が排ガス対策モデルが出揃ろった中、未だシステム開発できずにいたトヨタが「うちにも規制車、ありますよ!」的に出した急場しのぎのモデル、19R型(OHC 80ps/13.5kgm)と名付けらたエンジンは18R型を改良、副燃焼にて混合気を一度燃やし薄くしたそれを再度主燃焼室で燃焼させるというホンダCVCC技術を導入したのですがこれのドライバビリティは最悪の一事!
登坂は息継ぎするし加速も回転ばかり上がり進まないと言った有様でコレ、トヨタとしても“なかった事”にしたかったのでしょう、ワタシがディーラー営業時代に下取りで入ってくるとどんなに程度良くても問答無用で潰しでした(汗)
シビックのように軽量、小排気量でしたらそれほど気にならなかった回転フィール、カリーナでは荷が重すぎた感じです…。

↓“黒歴史”だった!?ホンダパテントの19R型TTC-Vエンジン


しかし現在、ハイブリットでしのぎを削るトヨタとホンダ、今や最大のライバルとして火花を散らしていますが40年近く前にこんな提携していたなんて何か信じられません(+o+)

尚、この19R搭載モデルはセダンのみ、グレードは冠されませんが装備や外装はスーパーDXに準じています、ミッションは5MTのみ、型式はA-RA13型(A-は50年規制適合記号)

(75/10)
カリーナ、MCにてセダン/HTとも後期型=最終モデルとなります。
排ガス適合に手を取られカリーナはセリカと共にFMC期を逸し従来型の大幅MCとなっていますがトヨタにとって幸いなのはカリーナ/セリカ、発売5年目ながら人気、販売は高キープしていたため続行!77/8、2代目A40系デビューまでの1年10カ月を人気継続しながら生き抜いたのは流石トヨタ車であり結果的に初代カリーナは陳腐化を嫌うトヨタとしては珍しく7年の長寿となっていました。

最終モデルは全車50年規制適合モデルとなり排ガス浄化の補機類を収めるため全長を75mm拡大し4200㎜(上級グレードはバンパーラバー装着もあり4220mm)としていますがこれ全てノーズ延長とされ車室やトランクは従来の大きさ、但し全長拡大に合わせてトレッドも拡大されておりこの事からCMコピーを“Bigカリーナ”とし大々的に大きくかつ豪華になった事をアピールしています。

外観上はFrのフェイスリフトでRrはHTは不変、セダンがガーニッシュ廃止程度ですがインパネは全面変更され現代に通じるマルチレバーや集中メーターに変貌しています。

↓ワイドトレッド、ロングノーズで“Big”になった後期最終型カリーナ
(㊤4ドアセダン1600ST㊥4ドアセダン1600DX㊦HT1800ST)





75年いっぱいは未対策モデルも販売可能でしたのでこの時、カリーナに関わらず全社の未対策車(在庫車)の駆け込み需要も見られる位に嫌われた排ガス規制モデルですが人気モデルだけあり極力従来型を踏襲したカリーナ、スムーズに未対策→規制車への転換が進んだとの事です。

この排ガス対策により搭載エンジンは大幅なリストラが行われ50年規制達成不可の一部搭載エンジンをカタログ落ちさせますが排ガス対策、取りあえずは自社開発した酸化触媒方式の『TTC-C』と希薄燃焼方式の『TTC-L』、そしてCVCCの『TTC-V』の3システムのエンジンを用意、前述のようにガソリンとの兼ね合いで不安視されていた触媒ですが51→53年には他社含め「三元触媒」が開発されて以降は触媒方式1本になります。
しかしこの時期はまだ試験的なラインナップとなっており搭載エンジンは多岐に渡ります、その概要は下記の通りです。

(TTC-C)
1.6L 2T-U型OHV シングルキャブ90ps/13.0kgm(Uは排ガス適合エンジンという意味のトヨタ社内呼称)
1.8L 16R-U型OHC シングルキャブ95ps/14.0kgm
2.0L 18R-GU型DOHC ソレックスツイン130ps/16.5kgm
(TTC-L)
1.6L 12T型OHV シングルキャブ85ps/12.5kgm
(TTC-V)
2.0L 19R型OHCシングルキャブ80ps/13.5kgm(74年ラインナップの継承)

上記のように旧1.4Lは排ガス対策のため出力不足となりカタログ落ち、1600ツインキャブ、同DOHC、2000EFIも規制不適合により廃版となっています。
1800が新たに加わりましたがこれは1600がやはり出力低下に陥っていたためこれを旧1400の廉価版エンジンに据え旧1600の代りに1800が設定されたモノです。(1600旧2T→2T-Uで10psダウン、12T-Uで5psダウン、2000旧18R→19Rで30psダウン、2000DOHC18R-GR→18R-GUで10psダウン)

↓酸化触媒方式で50年規制適合となった2T-U(TTC-C)エンジン


↓希薄燃焼方式にて適合の12T-U型(TTC-L)エンジン


但しバリェーションに大きな変更はなく従来のハード系、STやSRも健在!しかし従来ではツインキャブなどにより高出力エンジンを載せていたものが名前だけのスポーツグレードになってしまっています。
ドライバビリティはTTC-LだろがTTC-Cだろうが最悪となっしまいスペック以上の走らなさ!やや大袈裟に表現すれば排気量が500cc位下がった?という出来で回転は重々しく吹け上がりも悪く加速もモタモタし息をついてしまうような何ともストレスだらけのエンジンになってしまいカリーナの魅力が大幅にスポイル、これは1600~2000、共通のインプレでした…

カペラのレシプロ1600AP/1800APと較べても“トヨタ、公表馬力ごまかしてるんじゃない?”と言う程力の無さは顕著でマツダやいすゞのこのクラス、未対策とは比較してはいけませんがトヨタ、日産(L16/L18)に較べガサツでやかましさはありながらもドライバビリティの部分では勝っていた印象です。

↓硬派モデルとして人気のSRも健在ながらエンジンはDXやSTDと同一になってしまいorz…


ただ、そんな中でも希望を持たせてくれたのが18R-Gがソレックスのまま何とか生き残ってくれた事です!
各社の多くのスポ車がツインキャブを廃止、カリーナも同様でしたし名機1.6L 2T-Gも残念ながら廃版となった当時、唯一のソレックスDOHCで残った18R-G(U)、やはりその出力低下(レギュラー140ps→130ps)は悲惨な状況ながら他社含め魅力的パワーユニットが消えた中、いすゞのG180 DOHC(但しいすゞはインジェクション化)と並んで暗い時代にひときわ輝くモノだったと思います。
当時のトヨタの惨状を知る者にとって18R-Gの存続も絶望視されていたのでここはトヨタの踏ん張りに素直に拍手を贈りたい!って感じでした…

↓カリーナに残された唯一、真の走りが期待できたDOHC×ソレックスが生きる2000GT!!


↓旧18R-G(R)から10psダウンを余儀なくされましたがよくぞ残った18R-G(U)


18R-GUはpsこそ当時の4気筒2Lでは最高値を維持、RE12Aに対しても5ps上回っていましたがフィーリングはここで再びREに軍配を上げない訳にはいかんでしょう…
やはり未対策時代の鋭い吹け上がりは影を潜めてしまい他TTCモデルと較べれば格段に走れましたが加速の鋭さはもうREの敵ではありませんでした。

ワタシはカペラREのAPは経験ありませんがこれより重いルーチェAP(同じ12A搭載)は散々乗ってますのでこれからの経験ですが正直18R-GUは1600の旧2T-Gより非力だった気がしますネ、そんな訳でここでまたカペラが逆転、但し“速い”という部分だけに限りますが(汗)

尚、このMCで一部バリェーションと設定モデルの関係に変更がありました、概要は下記の通りです。

(セダン1600 型式A-TA14)
STD(4MT)/DX(4MT/5MT/3AT)/スーパーDX(4MT/5MT/3AT)…TTC-C/TTC-L
(セダン1800 型式A-RA10)
DX(4MT/5MT/3AT)/スーパーDX(4MT/5MT/3AT)/ST(5MT)…TTC-C
(セダン2000 型式A-RA13)
2000TTC-V(スーパーDX相当)…TTC-V
(HT1600 型式A-TA18)
DX(4MT/5MT/3AT)/スーパーDX(4MT/5MT/3AT)/ST(5MT)/SR(5MT)…TTC-C/TTC-L
(HT1800 型式A-TA16)
DX(4MT/5MT/3AT)/スーパーDX(4MT/5MT/3AT)/ST(5MT)…TTC-C
(HT2000 型式A-RA16)
GT(5MT)…TTC-C

以上のようにGTはHT専用モデルになり2000(TTC-V)はDOHCを除きセダンのみの設定、1400が消滅した事によりあのトヨグライドもカリーナから消滅、セダンの2ドアモデルが一時廃止されました。

(75/10)
カペラ、エンジン改良にて全種51年規制に適合します。
ラインナップやMCなどはなく搭載エンジン、スペック変更もありませんが型式は51年適合を示すC-が付記されています。
この時、外観で小変更が行われこれまでREモデルが誇らしげに付けていた【RE12】のグリルエンブレムが取り払われ特徴的だったRrサイドデフレクターも省かれています。

↓75/10~の最終カペラ(㊤セダン1600GL㊦REクーペGSⅡ)



↓51年適合でもREパワーは健在!!


初代カペラはこれが最終モデルに充たります、しかし更に厳しくなる排ガス対策の改良/開発に力を取られた事もありますが新型パーソナルクーペ『コスモ』の開発及び永年FMCをしていない『ファミリア』の10年ぶり新型の開発、コロナクラスからクラウンクラスにグレードアップを予定していた新型『ルーチェ』のFMC前夜等、カペラに手をかける余力がなくなり壊滅的打撃を喰らったREの印象が強いカペラとサバンナは小変更を除き基本をそのまま排ガス対策のみ完了させて放置せざるを得ない状況となっていました。
これはメーカーのRE政策の見直しもあり新政策に重要なコスモ、ルーチェの新型を優先した事も大きくカペラの場合このまま2代目CB型デビューの78/10迄、何と3年間も75年モデルを継続販売しています。

(75/12)
カリーナのテールゲートをカローラ(30系)から流用したバンモデルを追加。

(76/3)
TTC-Lの1600(12T)並びに2000TTC-V(19R)がエンジン改良にて51年規制に適合、19Rは出力を88ps/14.0kgmにアップ、またグレード名が付けられDX/スーパーDXの2バリェーション化、スーパーDXのみHTにも設定されました、1600の出力に変更はありません。
ここで一時途絶えた2ドアセダンが復活、1600のみにラインナップしています。

尚、51年規制適合から型式変更がなされ1600TTC-LがB-TA31型、2000TTC-VがC-RA31型と変更されこの時、セダン/HTで共通車型になっています。
※B-、C-、共に51年規制適合記号ですが1000kg以下がB-、以上がC-となっいました。

(76/5)
1600TTC-Cも51年規制適合、型式B-TA30、出力変更なしとなっています。

(76/12)
2000DOHCも51年規制適合、型式B-RA30、出力変更なしとなっています。

(77/2)
1800はエンジン換装により51年規制適合の新1800シリーズとなります。
ラインナップに変更ありませんがエンジンはT型ベースの3T-U型OHV 98psとなり旧16R-Uより3psアップがなされています。適合はTTC-C、型式はB-TA32。


~両車2代目へ…~

(77/8)
カリーナ、排ガス規制のゴタゴタがどうにか収まり来る53年規制適合に目途が付いた77/8、70年12月より6年8カ月に渡った初代がようやく閉幕、次期型2代目TA/RA40系のデビューとなりました!

↓約7年ぶりにFMCされた2代目カリーナ(77yセダン)


(78/10)
カペラ、こちらはカリーナを上まわる8年5カ月ぶりに2代目にバトンを渡し「長過ぎた春」に終わりを告げます。
2代目CB型カペラは何とレシプロ専用モデルに鞍替え!これは先代REが後発のサバンナとキャラが被りスポーツモデルを追求する層はサバンナに流れレシプロではルーチェ→同レガートにも1800が設定、1600は格下グランドファミリアにも設定されるため一番古いカペラは同一メーカーのラインナップに喰われ後半はほぼ引き合なし、このため永年放置状態になっていた事を反省、またOILショック後のマツダのRE搭載政策の見直しもあり2代目ではカテゴリー、味付けを考え直して完全ファミリー路線、レシプロ専用の中級車としての路線を歩むためのFMCとなりました。

↓8年5カ月ぶりの新型CB型2代目カペラ(78yセダン)


60年代の高度成長をまだ引きずった70年にデビューの両車、その後時代は一変し車業界にとって厳しい向かい風となったOILショックと排ガス規制という荒波の時期を奇しくも体験、華やかな時代に夢を与えるREをメインとしたカペラがその後の逆境には耐えられず排ガス規制ではREの特性を生かした技術力、最小限のパワーダウンで失地回復を賭けるもあまりにもOILショックの打撃は大きく弱小メーカーの哀しさでこの時もしFMCができていたらまた違った展開になったのでは?と感じます。
カリーナもも同じ時代に数々の魅力は失うもカペラのそれに較べれば大メーカーの人気車種だった為、最小限の損失で済んだのでは?と改めて感じます。

クルマとしての出来は決して劣ってはいなかったカペラですが生きる時期が悪すぎましたね…
「たられば」は禁物ですがもしあのOILショックがなければ初代カペラに対する世間の評価、認知度はかなり変わっていた筈、近いカテゴリーに同じような性格の車種を乱立させるという政策の失敗はありましたがカペラ、本当にデビュー3年経過後からは色んな意味で悲運なモデルだったと思います。

さて、トータルの販売台数はこれは当然の如くカリーナの圧勝!カリーナはFMCした77年を除いても66万台オーバーの実績を残しOILショックや排ガス規制以後も逆に販売はウナギ登りになるというさすがの強さ!!77年の初代を加えれば少なくとも70万台は超えたかな?という驚きの数字、対するカペラは70~78年の初代トータルが約22万5000台、うち約17万5000台がOILショック前までの3年での数字ですので74~78年の4年で約55000台の計算、この数字でいかにカペラにとってOILショックが致命傷になったかが解りますね。。。


燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!“初代カリーナvs初代カペラ”…完
Posted at 2017/08/24 19:02:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | ライバル | クルマ
2013年02月01日 イイね!

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…カリーナvsカペラ前編

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…カリーナvsカペラ前編 “燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!”今回は『TA/RA10、30系初代トヨタカリーナvsSU2A/SNA/S122A/CB1VS/CB12S型初代マツダカペラ』をガチンコライバルとして取り上げたいと思います!

※この2モデル、カリーナは7年、カペラは8年と生産期間が永い為、今回の前編を【誕生・繁栄期】・次回の後編を【排ガス対策・終息期】として分けてUPします!

この対決、パッと見若干違和感あるかもしれません…「ん?カリーナにはバイオレットだろ?」「カペラはカリーナの格上でライバルはコロナやマークⅡでは?」と思われる方も多いかもしれません…

でもちょっと待った!!

これからこれをガチンコせせる根拠を数点…

①両車とも1970年(昭和45年)登場のミドルクラスモデル。
②両車、上級と下級にBugネームモデルが存在しその中間にラインナップされた新興モデル。
③サイズ、搭載エンジンが近い
④当初はややカペラが上級ながら中期からは完全にカテゴリー一致!

以上です、では上記に倣った解説?お仕着せ(汗)を行わせて頂きます^^;

1970年、いたいけな?少年だったワタクシ、小当時の空気、鮮明に憶えています。。。
60年代の高度成長が持続、大阪万博も開かれ世はまさに発展と希望に満ちまだまだ貧しさもありましたが父母始め大人達の明るい表情、そして元気にアメリカに追い付け追い越せ!とみんなが頑張っていました、後年のバブル時代のように浮かれた、調子に乗った!とはまた違いこれから訪れる更なる発展を皆信じ活力に溢れる時代、これを思い出すと今の元気のない日本が信じられません、今の20~30代前半の方は未知の空気だと思います!!

そんな中、自動車界では60年代半ばからデビューしたサニーやカローラが中心となってすっかり“マイカー”が定着、こうなると人間欲が沸くのは今も昔も同じでそれら1L級モデルで満足しきれない人々にメーカーはこれらのスケールUP版(1000/1100→1200等)で対応していましたがそれすら通じなくなりこれまで『とにかく我が家にもクルマを!』というだけだったユーザーニーズはよりきめ細かい選択を求める時代となっていました!

それまでタクシーや公用車向けだったクラウンやセドリック等にオーナー向けグレードが設定されたりおよそ実用には向かないスポーツカー、スポーツモデルのデビュー(トヨタ2000GT、同S800、ホンダSシリーズにコスモスポーツやコロナを皮切りに続々デビューした各2ドアHTモデル)、そしてそれまでオーナーカーとしては最上級だったコロナやブルーバードを上まわりながら公用イメージを脱却したコロナマークⅡ、ローレル等のハイオーナーカーもデビュー、ユーザーの選択肢はこれでもか!と言う位留まるところを知らない幅広いラインナップとなっていったのも70年(前後)の出来事でした。

そんな1970年、トヨタとマツダ(当時東洋工業=以下マツダ)から新型車輛が発売!それが『カリーナ』と『カペラ』です!
両車とも60年代から引きずるモデルとは違い全くの新設計、新興モデルであり注目度は従来型のFMC/MCなんて目じゃない!という雰囲気、メーカーも大々的なアピールを行い好景気にも支えられ順調なデビューでした!(^^)!

~70年代をリードする新世代のファミリーモデルとしてカリーナ、カペラがデビュー~

《誕生・繁栄期》

【初代TA10系カリーナの登場】

カリーナはベテラン選手?のコロナとカローラ間を埋める中間車種、同時デビューでスポーツ色を前面に押し出した初代『セリカ』と同一シャーシを使いながらこちらはファミリー対象としたモノで同じシャーシでスポーツ~ファミリー迄をこなす“一粒で二度美味しいい”的施策を行いました。
これはパブリカ←→トヨタS800で学んだ究極のコスト低減でありその後、トヨタのみならず各社大いにこの方法が取られ国産メーカーはこれにより発展したと言っても過言ではないかもしれません!
(※このようにファミリーモデルのシャーシを使ったスポーツモデルを『スペシャリティカー』と言いこの時に産まれた言葉、有名なのは他に三菱ギャラン←→ギャランGTO、いすゞフローリアン←→117クーペ、マツダグランドファミリア←→サバンナ等があります。)

↓コロナ~カローラ間を埋め新たなニーズの掘り起こしにかかった新鋭『カリーナ』
(70y4ドア1600ST)


【初代SNA/S122A型カペラ登場】

一方のカペラはフルラインメーカーを名乗るべく開発した意欲作!当初はルーチェとの関係に悩んだ様子が見て取れ立位置的にはトヨタ同様、大衆車として老舗であるファミリア(対カローラ/サニー)とオーナーカー上級モデルであったルーチェ(対コロナ/ブルーバード)の中間に据えられたものでした。
ただ、車種の少ないマツダですから搭載エンジンは当時のルーチェを上回り絶対的パワーはトヨタマークⅡの最高峰GSS(DOHC1900cc140ps)には及ばないながらもこれ以外の普及グレード、そして日産ローレル(OHC1800cc100ps)をも超えた新開発の当時マツダのお家芸であった12A型ロータリー(以下RE)120psエンジンをラインナップ、これに関してはコロナもカリーナもライバルには成り得なくマークⅡやその後2Lツインキャブ125psを追加したC30ローレル2000GXを射程に入れていました。簡単に言えばレシプロでカリーナ/コロナを、REでマークⅡ/ローレルを相手にした訳ですね。

12Aは67年にコスモスポーツにて世界初の2ローターREをマツダの血の滲む努力の末、実用化し発売、当時は小さく軽くクリーンでなおかつハイパワーという“夢のエンジン”と言われたモノでした。
10A型と呼ばれるそのREはその後に量販型のファミリアに搭載されたりその静粛性をアピールする意味合いで高級パーソナルクーペのルーチェREクーペに10B型と改良されて搭載され一気に市民権を得、新たにこれら10A/Bを発展改良したものが12Aでありカペラで初搭載されました。

↓お馴染の10A/10B REエンジンを更に発展させたRE12Aが売りだった初代『カペラ』
(70yREクーペグランドスポーツ)


※余談ですが初代カペラ、このオレンジのクーペがあの伝説の刑事ドラマ“大都会PARTⅢ”のOPにて大暴れするのがマニアの間では有名です(汗)
この場面は前作“大都会PARTⅡ”の第一話『追撃』でのスタントシーンを挿入したモノです⇒動画はコチラ (出だし0:23で登場!)


それではココからカリーナvsカペラ、デビュー時の各項目の比較対決をしてゆきたいと思います。

~諸元比較~

[カリーナ]

(発売)
1970年=昭和45年12月
(ボディ)
2ドアセダン/4ドアセダン
(バリエーション)
1400
STD/DX
1600
DX/スーパーDX/ST
(型式)
1400→トヨタTA10型
1600→トヨタTA12型
(サイズ)
全長4135mm全幅1570mm 全高1385mm
(ホイールベース)
2425mm
(車重)
875~930kg
(搭載エンジン)
T型 1400cc 直4 OHV シングルキャブ 86ps/11.7kgm
2T型 1600cc 直4 OHV シングルキャブ 100ps/13.7kgm
2T-B型 1600cc 直4 OHC ツインキャブ 105ps/14.0kgm
(ミッション)
3速MTコラム/4速MTフロア/2速トヨグライドフロア/3速ATフロア
(脚廻り)
Frストラット/Rr4リンクリジット
(駆動方式)
FR

※2T-Bエンジンにはレギュラーガソリン仕様の2T-BR型100psの設定もあり。

[カペラ]

(発売)
1970年=昭和45年5月
(ボディ)
4ドアセダン/クーペ
(バリエーション)
1600
標準(1600)/DX/スーパーDX
RE
標準(RE)/DX/スーパーDX/グランドスポーツ
※グランドスポーツはクーペのみ
(型式)
1600→マツダSNA型
RE→マツダS122A型
(サイズ)
全長4150mm全幅1580mm 全高1420mm(セダン)
全長4150mm全幅1580mm 全高1395mm(クーペ)
(ホイールベース)
2470mm
(車重)
896~950kg
(搭載エンジン)
NA型 1600cc 直4 OHC シングルキャブ 100ps/14.1kgm
12A型 573cc×2ロータリー シングルキャブ 120ps/16.0kgm
(ミッション)
4速MTフロア
(脚廻り)
Frストラット/Rr4リンクリジット
(駆動方式)
FR

上記を見て頂けるとわかる通り、カペラが発売時点ではカリーナの1ランク上のサイズ(全長)を持っておりこれは当時のトヨタ“ブラボーコロナ”(RT80/90系)にほぼ近いサイズ(コロナ=4170mm)、しかしマツダの当時上級である初代ルーチェの4370mmよりは大幅に短くなっており自社内でのクラス分けには忠実です。
この事から分かるように当時のマツダはルーチェでコロナ~コロナマークⅡやブルーバード~ローレルをターゲットとしていた為、カペラはこれらの1ランク格下となりながらも若干被るカリーナ~コロナ下級やブルーバード下級がライバルとなっています。
当時コロナは1500~1900のラインナップ、ブルーバード(510)は1300→1400~1800のラインナップでしたのでこれらの下級モデルも視野に入れていた訳ですね。

ただ、カリーナとの車重はほぼ互角、サイズの違いも僅かなモノでしたしREエンジンを除けばカペラ1600とカリーナ1600に性能的な大差はなく互角でしょう、しかしカペラREモデルはカリーナ1600ツインキャブのスポーツモデルでも遠く及ばずこれはレシプロに換算すれば当時としては2L級DOHCのパワーでしたからまだ18R-G開発前(2LDOHCソレックスツイン145ps)のトヨタとしては先記の通り2ランク上のRT72マークⅡ1900GSSでないと敵いませんし日産ですとスカイライン系のL20ツイン(OHC6気筒ツインキャブ125ps)とこちらも2ランク上、つまりカペラREは1.5~1.8Lクラスに敵なし!のモデルでキャッチコピーの「風のカペラ」が現代まで語り継がれる所以はこんな部分にありますね。
かつて(68y)ファミリアにて当時50~60ps台の大衆車市場に100opsのREエンジンで殴りこんだ衝撃には敵いませんがカペラもまた、REにてクラスの常識を打ち破るハイパワーバージョンとしてREを前面に立て鮮烈デビューをした訳です!

↓孤高の存在だった?1.6L級モデルでは“最速”のカペラRE(70yクーペグランドスポーツ)


~スタイリング、エクステリア~

両モデルとも70年代という新時代に呼応したデザインが特徴でこの時期は第一次ハイパワーブームもあり仮に速くなくても“速そうな”イメージを与えるのが大事、アメリカから入っきた日本車文化は事如くアメリカの影響を受け“低い車高=ワイド&ロー、ロングノーズショートデッキ“もアメリカから伝わりこれがブームになり始めの頃でしたので両車、これに倣っています。
カリーナは兄弟に2HTのより派手な、スポーティなセリカが控えますがファミリーセダンの本質を崩さない範囲で従来のコロナやカローラに見られないデザイン上の遊びが見られFr/Rrは非常に個性的、保守層が多いカローラとコロナには見られないデザインでした、プロポーションもセミファストバックでスポーティなイメージです。

↓Frの独立したロービームヘッドライトに囲われるようにグリルとハイビームが入る特徴的な顔付と縦長テール、セミファストバックがスポーティなカリーナ(70y 2/4ドア1600スーパーDX)


カリーナのグレードはSTD~STまで基本4種、兄弟のセリカは内外装を自由に組み合わせができる『フルチョイスシステム』が導入されていましたがカリーナにそれはなく専用に設置されています。

カペラは特にクーペに従来のファミリアクーペを彷彿させる部分もありますがやはりそのテイストは確実に70年代に進化、フルファストバックのクーペボディはファミリアより流麗に美しさを加えています。
また、最大の特徴はクーペでありながら流行の2HTのようにRrサイドガラスも巻き上げ式であった事が挙げられます。
ハメ殺しorヒンジ式で僅かな開閉だった従来型クーペのような窮屈さを低減、これは結構評判が良く翌年発売されたサバンナクーペ/グランドファミリアクーペにも採用されています。
セダンはクーペに較べるとファミリー使用が前提ですので正統派のスタイリングながらカリーナ同様にオーソドックスなノッチバックではなくセミファストバックのスタイリングを採用しイメージをクーペに近付けています。
米国で義務付けされていたRrのサイドリフレクターが対米輸出仕様同様にそのまま装着されており国内では同時期に発売された三菱コルトギャランHTと並び珍しい装備でした。

↓Rrスタイルはクーペイメージが表現されたカペラセダン、丸型テールはREの象徴!
(70yREセダンスーパーDX)


カペラはファミリアと同様、REとレシプロでRrの意匠を分けFrは共に角目2灯式、Rrはレシプロが角型一体式2分割テール、REはファミリアRE同様にローターリーを象徴させる丸型独立2灯式を採用しイメージを異にしています。

↓スポーティなREのRrに対し落ち着いた豪華さをアピールするレシプロのRr
(70yクーペ1500DX)


カペラのグレードは標準車(グレード名はなく単に1600/REと表現)~グランドスポーツまでやはり4種の設定、基本となるセダンは3種です。

~エンジン、シャシ、ロードインプレ~

カリーナは格下であるカローラが70/10に追加した1.4LT型とこれのスケールUPである1.6L2Tをセリカと同様に搭載、但しセリカに搭載されたDOHCの1.6L2T-Gは発売時にはセリカの性格を印象深めるためか?カリーナにはラインナップされていません。
T系エンジンは当時でも時代遅れ気味なOHVですがK型同様のなかなかよく廻るエンジンでしてワタシも散々T系は乗っていますが排ガス対策前のモノに何らストレスを感じた事はありません!

最強のツインキャブ付き2T-B、105psのスペックは900kg台のカリーナを走らせるには充分にパワフルでシャーシ(脚廻り含む)とのバランスも良く何の神経も手強さも感じずトヨタらしく安心してスポーツドライブが楽しめましたねー!

↓カリーナ最高峰に搭載される1.6LOHVツインジャブの2T-B型エンジン


↓2T-Bを搭載した最高峰である1600ST


サスはFrにコストがかからずかつ軽量なストラット方式、Rrはまだまだ乗用と言えどもリーフリジットが多い中、この辺も先進性が高い4リンク式リジットを採用しています。この事からカリーナはキャッチコピーに“足のいいやつ!”をCMで謳い脚まわりに対する自信をのぞかせていました!
リーフに較べゴツゴツ感が抑えられ日産のセミトレ独立には敵わないながら路面の追従もレベルが高いサスでST以下はセダンらしく乗り心地、STはセリカSTと同一の硬めセッティングがなされていました。

ワタタシはもちろん大人になった後年にこれを味わっています、当然中古ですし6、7万㎞走ったモノですがRrに関してはヘタリを考慮してもリジットとしてはなかなか良い出来だったと思います。
ただ、出来のいい脚はステアリングにやや打ち消されておりセリカも同様ですがこの時期のトヨタ車、と言うか日本車は総じてダルいもの、良く表現される“ゴムをよじるような”までは酷くはなく当時の最新だけありややシャープには振っていましたが後年に較べるとそれでも応答性が悪く自分のイメージと切れ角が合わず切り足すという感覚、まぁ、この時代の日本人はこういうハンドリングが好みだったのでしょうねー…

尚、カリーナには当時としては常識である4MTの他に2速ATである『トヨグライド』とB/Wタイプの3ATをラインナップ、イージードライブ層に訴求しています。
3ATは当時の常識的範囲の出来でしたがハッキリ言ってトヨグライドはカローラにての経験ですがまだまだ過渡期のATで使い勝手は決していいものではありませんでした。(トヨグライド=1400DX、3AT=1600スーパーDX)
また、スポーティが売りのカリーナながら1400STDと同DXには昔ながらの3速コラムも残され年配ユーザーに配慮したのはいかにも至れり尽くせりせりのトヨタらしいモノですね!
MTに関しては縦置きらしくダイレクトミッションがカチッと気持ち良く決まり爽快な運転をサポートしてくれていたのが懐かしいです…

カペラはレシプロの経験はありませんがマツダのレシプロ、ついREの影に隠れがちですがなかなかパワフルですし同時期や後年のルーチェやコスモのレシプロ経験からしても車重とpsの関係から見てもなかなかパワフルで力強い走りをしたのではないか?と思われます、もちろんREのインパクトはないですが初代カペラの売り??はやはりREですからどうしてもレシプロは廉価版!?イメージになってしまいますよね~。。。(*_*)

REは卓越した運動性能を武器に当時レース界では常勝だったスカイラインGT-RにカペラREにて闘いを挑んだのも有名な出来事!結果は惜しくも敗れましたがこの経験から後発のサバンナGTがGT-Rを打ち負かすという快挙を成し遂げる原動力となっている訳です。
REのパワーはここでも散々触れていますのでもう長々は語りません、当時としてはまるでジェット機でしたでしょう…
これにしても後年にやはりかなり距離がいったモノでの体験でそろそろOH真近?レベルの12Aでも舌を巻く加速していましたから!ねー。
但しシャージは弱い、てかそれ通り越した“危険”レベルに近いですorz…
そりゃそうですよね、1.5L級の設計に2L高性能と同等パワーが載っているのですから(笑)

ファミリアREでもそうでしたが明らかに脚がパワーに負けており音もない鋭い加速はいいのですが前も尻もパワーに負けたサスは安定感に乏しくその勢いでコーナーでも入ろうものならそれは命の危険を感じる“挙動不審”を起こし誤魔化しながら直線をカッ飛んでライバルを引き離してももコ-ナー手前ではかなりの減速が必要でライバルに追い付かれる、正に“直線番長”そのものでそれでもファミリアREよりはかなりマシに姿勢を保ちましたがパワーに見合う脚と納得できたのは後発のサバンナGTまで持ち越されていた訳です。
サスはカリーナ同様のFrストラット、Rr4リンクリジットですがカリーナよりかなり柔らかい印象、ハンドリングもカリーナ以下、と言っても当時の水準並でしょうがレスポンスも悪く個人的に好みではありませんでした。
勿論私が乗ったカペラRE、脚も当然ヘタっていたでしょうし私のインプレは一部例外を除きそこそこ走ったモノばかり(汗)ですので逆の視点で考えるとヘタれ具合は大体同じ、そこでの比較ですから新車時の体験でも少なからず共通すると思います、事実当時の新車インプレの記事などとそう変わる感覚はありません。

大概、脚がパワーに勝っているクルマは非常に扱い易いですし飛ばしても限界高くて楽しめますが逆はただ危険なだけ!カペラ以前、そして以後にもこうした例、特に第二次ハイパワーブーム時のチビギャング(軽スポーツ)に多かったですがまだまだ未完成な、過渡期のモデルだったんですナー(-_-)

↓ファミリアREで言われた“エンジン一流(足3流)”をまんま継承したカペラREの12A型エンジン


尚、カペラは『マツダRX-2』の名前でまだOILショック前のアメリカでもREは大人気を博しています。

~インテリア、インパネ、居住性室内~

この時代のFR車、全長4m少しに幅も1600mmに満たないモノですので現代目線では“窮屈”レベルは両車共同じ、しかしこの時代であればこれでも立派にミドルクラスでしたし当時目線に戻れば充分な居室空間をセダンは持っていたと思います。

カリーナにラインナップされていた今では死滅した2ドアセダン!チャイルドロックがまだ開発される以前は幼児が悪戯にドアを開けて転げ落ちるという事故を防止する意味で乗降性に難はありながらも意外に需要は高く以前は大概のセダンに設定されていました。
乗降性は悪いながらも居住性は何ら4ドアと変わりませんでしたがやはり後席のウィンドゥがヒンジ式で僅かしか開かなかった為、冷房普及の前夜ですのでキツかったと思われます。
後年にチャイルドロックの開発がきっかけに衰退、どうしても2ドアという層はクーペに吸収され80年代には消滅しています。

カリーナのインテリアは基本的にカローラやコロナで見慣れたイメージ、特にインパネはT80/90系コロナのデザインに近くセリカから与えられた迫力、インパクトは露ほどありませんでした。

↓コロナのイメージが強いカリーナのインパネ(70y1400DX)


カペラはセダン、メジャーな4ドアのみで居室性は当時のこのクラスとしては及第点!ややサイズが小さいカリーナよと比較して後席は若干有利だった事と思います。
クーペですが大柄ボディとこの種のモデルとしては長いホイールベースのお陰で意外に窮屈感はなく後席であっても充分ヘッドスペース、足元スペースは確保され大きなドアのお陰で乗降にもさほど苦労しなかったと記憶しています!

↓決して居住性は悪くなかったカペラ、クーペモデルの室内


インパネデザインはコスモスポーツやファミリアREのエキサイティングで特徴的なT字型ダッシュは採用されずにオーソドックスな造形、そこはやはり中級モデルとしてスポーツに特化せずといったところでしょか…

↓オーソドックス過ぎて面白味もない平凡なカペラのインパネ(70y1600スーパーDX)


それではここから両車のモデル改歴に入ります。

カリーナは計3回のMCを行いますので4パターンのモデルが存在するため前・前期、前・後期、中期、後期最終型と表現、カペラは計2回のMCですので前期、中期、後期と記しています。

尚、小変更、安全対策等の変更は全てを網羅しておりませんのでご了承願います。

(70/10)
カペラにレシプロ1.5Lモデル(セダン/クーペ)発売。
1600があるのにわざわざ100ccしか変わらない1500の追加はあまり意味のないものと思われますがコロナの1500やカリーナの1400に合わせた廉価版の勝負だったのでしょう…。
1500はかつてルーチェに搭載していたUB型OHCシングルキャブ92ps/13.2kgmを搭載、これまでの1600(例:セダンDX)で比較すると1500DXは3万円安(1600DX:67万円 1500DX:64万円)でした。
尚、カペラ1500の型式はSU2A型となっています。

(71/1)
カペラ、1600にスーパードライブ(3AT)モデルを追加

(71/4)
カリーナ、シリーズ最高峰となる『1600GT』を追加設定。
GTは2ドアセダンにラインナップ、発売時にデビューした『セリカGT』の2T-G型DOHCソレックスツイン1.6L 115ps/14.5kgmという高性能モデルがセリカに4カ月遅れてデビュー、当初カリーナにはGTモデルの設定予定はなかったもののセダンながら好評でセリカの派手さを嫌ったユーザーからの要望が高くラインナップしたとか!
実際セダンGTの販売期間は短く現役時代も滅多に見かけませんでしたが当時としては“羊の皮をかぶる”的なモデルですし非常にソソられますねー。

※2T-Gエンジンにはレギュラーガソリン仕様の2T-GR型110psの設定もあり。

ワタシの知る限り、トヨタDOHCの歴史で2ドアセダンでGTを名乗ったのは後にも先にもこのカリーナが唯一の存在の筈!クーペやHT、4ドアのGTは数多く存在するも2ドアセダンGT、非常にレアです!
GTには5速ミッションを搭載、外観もSTをベースに太いストライプ等が配されスポーツマインド全開のモデルに仕上がっていました。

↓新たに追加された『カリーナ1600GT』(71y)


↓セリカGTから高性能DOHCの2T-Gエンジンを移植搭載!


2T-G搭載、GTのデビューでようやくカペラのREに近づいたカリーナGT、セリカGTとコンビでカペラREクーペとデビュー直後のサバンナクーペ、カリーナGTでカペラREセダンとサバンナセダンに立ち向かったという感じですね~。

2T-GとRE12Aの乗り較べでは静粛性ではREに敵ナシって感じですがソレックスの咆哮は“いかにもスポ車に乗っている”的な緊張感を与えてくれ満足感、高揚感はこちらが上!絶対的走りは音も静かなREに相変わらずの速さは感じましたが脚廻りやハンドリングのバランスからするとカリーナGTがここで上回るスポーツマインドを見せつけた感じです。
尚、カリーナGTの型式は従来型1600同様にTA12となります。

(71/10)
カペラ、REモデルにマツダ初となるAT(3速)、REマチックを追加、従来はATの特性から発進、加速が鈍い部分で嫌われたATでしたがREエンジンと組み合わされ0→400m=17.5secというATらしかぬ俊足は大いに注目されていたとの事です。

この時、『Gシリーズ』がラインナップ、Frに丸目4灯ライト、Rrも大柄な角型テールランプを採用、殆どのグレードに設定し二つの顔を選べる運びになっておりRE/レシプロに関わらず選択可能。
Gシリーズは角目2灯の従来型と比較して高級かつスポーティで精悍なイメージが与えられワタクシ個人的にもカペラはこの丸4がカッコ良かったと感じます(まぁ、好みの問題ですが…笑)
このGシリーズデビューと同時に従来のクーペRE最高峰だったグランドスポーツは新たに『GS』とされ丸4モデルに移行、従来型角目2灯は『スポーツ』とされています。また、セダンにはRE最高峰として『GR』レシプロ最高峰にセダンが『1600GL』、クーペが『1600GF』を設定、全てに“G”が付くグレード編成となり前後バンパーに大柄なオーバーライダーが装着され外観でも高級感を高めています。

↓“Gシリーズ”のREセダン最高峰『GR』


↓セダンのレシプロ最高峰『1600GL』


(72/3)
カペラ、クーペにRE最高グレード&スパルタンモデルとなる『GSⅡ』を追加設定します。
GSⅡはカペラ以降に相次いでデビユーしたトヨタGT群に対抗、2T-Gにより差をつけるため12Aを更に5psアップの125psチューンエンジンを搭載、GSをベースにラジアルタイヤ、5速ミッションを装備した本格GTモデルであり71yにFMCし3代目となったマークⅡ最高峰である2000GSSも視野に入れた充実ぶりを見せていました

↓REシリーズの最高峰『GSⅡ』でトヨタGT群を迎撃!!



(72/8)
カリーナMCにて前・後期型型となります。
お約束のFr/Rrの意匠変更になりますが安全基準の改正から赤1色の特徴的テールはアンバーが入り米国の安全基準の改正にも合わせこれまでガソリンタンクが最後方の床下に置かれていた事から給油口がRrセンターにあったものをタンクをRrシートとトランク間に移設、これにより給油口が左クォータピラーに移動、開閉部が消えた事によってバックパネルにセンターガーニッシュが設けられRrは豪華なイメージに変身しています、Frもこれに合わせ太い格子状グリルに変更、精悍な顔付になりました!

↓MCにて前・後期型となったカリーナ(㊤2ドア1600ST㊦2ドア1400DX)


また、この時にインパネも変更されセリカ譲りの連メーターや高級大型コンソロール、大型空調吹き出し口を装備する等の高級化が図られています!

↓新デザインの前・後期型のインパネ(72y1600GT)


尚、同時に48年規制に適合に関するエンジン関係の改良が行われ低グレードモデル(STD/1400DX)に設定していた3速コラムを廃止→4MT化、さすがにこの時代になるとコラムは営業用(タクシー)以外は消えてゆきました。

(72/9)
カペラ、Gシリーズの呼称を廃止しこれの特徴であった丸目4灯、角型2灯テールに統一しデビュー以来の角目2灯、丸型2灯テールは廃止されています。

↓“従来のGシリーズ”の顔付にフェェイスリフトされたセダン1500DX


(72/12)
カリーナ、2ドアHTモデルをラインナップ!元来、セリカのセダン=カリーナという暗黙の了解でしたがカリーナの予想を超える人気と派手さを嫌いながらもジェントルな流行のHTモデルの要望は高く前述の方程式を破ってカリーナにもHTが設定された訳です。

ドアサッシュレス&センターピラーレスの流行のHTですがカリーナのイメージを崩さずに派手過ぎず地味過ぎずの成り立ちが好評でセリカと並ぶ人気モデルとなり後年の中古車市場でもSR/ST/GTなどのスポーツグレードは高値取引されていました。

↓コロナ、クラウン、マークⅡ、セリカに次ぐHTモデルがカリーナに登場!!(㊤HT1600GT㊦T1600ST)



スタイリングはセダンよりも強調されたサイドライン、4つ目のヘッテドライトの中間にスモールランプを設けたセダン以上の個性的かつスポーティなグリルと真一文字で彫の深いテールランプ、そして後方視界を助ける三菱で言う“ファストノッチ”が特徴!
ファストノッチは71yデビューのギャランクーペFTOが初採用、後方から(運転席からも)見たら視界のいいノッチバックながらサイドから見るとクォーターフィンによりノッチバックに見えるというデザイン上の工夫でして見事にFTOをパクリましたが哀しいかなこれを有名にしたのはFTOではなくカリーナHT!!菱ヲタとしては許せん!しかも翌年のセリカLBではGTOもダックテールをパクられましたし(怒)
まぁ、しかしGTOの場合は元々がアメ車のパクリですから怒れませんがこんなトヨタ商法、少しイラっと子供心に感じていました(-_-)

あっ、そう言えばHTは左のクォーターにある一見エアアウトレットに見える部分、パカっと開くとそこにガソリン給油口があったのが笑えましたねー、右はそのまんまエアアウトレットでしたが遊び心がありました(笑)

カリーナHTのバリェーション、型式は下記となります。

HT1400DX…T型搭載 4MT/5MT(TA15)
HT1600DX…2T型搭載 4MT/5MT(TA17)
HT1600スーパーDX…2T型搭載 4MT/5MT/3AT(TA17)
HT1600ST…2T-B型搭載 5MT(TA17)
HT1600SR…2T-B型搭載 5MT(TA17)
HT1600GT…2T-G型搭載 5MT(TA17)

HTも基本、セダンのバリェーションを踏襲しますがHT専用にラインナップされたのが『SR』、E20系カローラ/スプリンタークーペで初めて設定されたグレードで“スポーツ&レース(ラリー)”の意味が示す通りエンジンはSTの2T-BながらスタビライザーをST以上にハードに固めたGTと同一の脚廻りが奢られ内装もGT以上にスパルタンなイメージが与えられラジオやライター、時計等贅沢装備を廃した走りのグレード、漢の硬派モデルながらGTに較べ安価であった点もあり現役時代は結構人気のあるモノでした!

尚、この時からこれまで設定のなかった4ドアセダンにもGTをラインナップ、この時代ではRT104型コロナセダン2000GTがいぶし銀のDOHCセダンとして有名ですがこれに先んじた(コロGセダンは73/8デビュー)カリーナ4ドアセダンGT、トヨタ初の4枚ドアDOHCモデルという事は意外に知られていません…。

↓ファミリーな4ドアに2T-G DOHCを搭載した“元祖”いぶし銀の『4ドアセダン1600GT』


(74/1)
セダンのみMCが施され中期型となります。
MCと言ってもFr意匠がHTと同一のデザインとされただけで新鮮味には欠けますがHT顔が好評なのと共通化する事によるコストダウンを図っていたのでしょう、セダンの独自性は薄れましたがスポ-ティ度合いは高まった印象です。
但しグリルセンターのオーナメントがHTが縦長に対してセダンは小ぶりの5角形とされており若干イメージは異なっていました。

↓HTと同一の顔付となった中期型セダン(74y4ドア1600GT)


またこの時、前年T100系にFMCした新型“安全”コロナやマークⅡ4気筒に搭載されていた2Lエンジンをセダン/HT両種に移植、カリーナ2000シリーズが加わりトヨタ得意のワイドバリェーションを形成します。
この2000シリーズの追加によりカリーナも2L級へ移行、この時にカペラと完全にカテゴリーが一致して完璧な?ライバルとなっています!

後発モデルが次々にグレードUP、排気量UPで並ぶ中カペラは…
73yに到来していたOILショックの影響はパワフル&スムーズながら欠点とされるガソリン消費の大きさが致命傷のREエンジンをメインイメージにしていたカペラを含むサバンナ及びルーチェ等マツダREの売上は深刻な事になっており71年のカペラ、4万台を販売しており72年でも3万台弱ながら73年は一気に9000台に激減、対するカリーナは71年7万台弱、72年約85000台、73年15万台オーバーと新追加モデルの途切れないデビューに合わせ年々人気/販売はウナギ登りでしてこの時点でカリーナ、販売成績的にははカペラを撃沈させています。
トヨタとマツダの販売力という点を差し引いてもカペラの販売低下は異常でこれ全てOILショックが原因、国内は勿論、REの桁外れなパワーが大人気だったアメリカでも相次ぐ返品、キャンセルが相次ぎTVニュースでも取り上げられていましたねー、この時マツダは経営不振に陥ったのは今でも語り継がれています。

尚、カリーナ2000シリーズの概要は下記の通りです。

2/4ドアセダン2000(グレード名無)及びHT2000(グレード名無)
18R型2000cc OHCシングルキャブ110ps/16.0kgm 4MT/5MT/3AT…型式:セダンRA11型、HT RA15型
※3ATはセダンのみの設定
2/4ドアセダン2000EFI及びHT2000EFI
18R-E型2000cc OHC EFI 130ps/17.5kgm 5MT/3AT…型式:セダンRA11型、HT RA15型
※3ATはHTのみの設定
HT2000GT
18R-G型2000cc DOHCソレックスツイン 145ps/18.0kgm 5MT…型式:RA15
※18R-Gはレギュラー仕様(140ps)も設定あり。

2000シリーズは従来の1400/1600と大きく意匠が異なる点はありません、GTでストライプに“2000DOHC"と入る点、後のトヨタGTモデルの定番となるGTマグタイプホイールの装備程度で他2000はエンブレム、モール(EFI)で識別する程度です。
全てがマークⅡやコロナからの流用ですがサイズが小さく車重も軽いカリーナへの移植は1600ですら充分な走りを提供していた同車をトルクフルで余裕をも与えた2Lの威力、凄かったですねー…
標準の18Rでも充分以上のパワー、なので18R-Eと18R-Gは正直、オーバースペック?と感じさせる程でした。
18R-Eはツインキャブに変わる次世代のスポーツエンジンでこの時期、日産がブルU610にてL18Eを既に実用化、ホンダも機械式インジェクションを搭載する145クーペをラインナップしだした頃であり排ガス規制を睨んだモデル、混合気が濃いツインキャブは規制対応に赤信号が灯っていましたからこれに代る高性能版としてラインナップしたものです。
但し生産と当然、普及率は低く先んじて搭載していたマークⅡ/コロナ、そして同時搭載のセリカ共々車輛価格は高額となりこれがまた普及の妨げになるという悪循環!カリーナの場合は専用グレードでしたがコロナやマークⅡ、セリカのベースであるキャブモデル(コロナ2000SL、マークⅡ2000GSL、セリカ2000ST等)とEFI仕様では同じ装備、外観でもEFIというだけで15万もの開きがあったのが致命的でしたねー…
そりゃそうです、各車もう少し(約10万)足せば最上級のHOTモデルであった2000DOHCが買えましたから(*_*)

↓高性能ながら高額が災いしたEFI付の18R-E型エンジン


そして18R-G、当時の2L 4気筒としては最高psを誇るモノでありこれを積む2000GT、1600GTでもスペック的にはまだ勝てなかったカリーナもようやく性能的にカペラREを上回る事ができました。

さすがのカペラREも2Lのトルクフルかつパワフルな18R-Gには敵わず加速、コーナー、全てカリーナ2000GTが上回るインプレでして勝つのは相変わらずの静粛度だけでした…。

↓145ps、MAX200kmという高性能を誇った74y追加のHT2000GT!!


↓12A型REにトドメを刺した?2LDOHCソレックス×2の18R-G型エンジン


尚、安全対策での改良とセダン1400にスーパーDXが追加されたのもこの時同時でした。

両車、“1970年のこんにちは!”よろしく(三波春夫の万博の歌の一説です、知らないナウなヤングはスルーして下さいナ…爆)華々しくメーカーの期待を背負ってデビュー、カリーナは順調に車型、新エンジンを次々と搭載しカローラ、コロナに次ぐトヨタの量販車種に成長しますが片やカペラはデビュー3年後に襲われた不幸なOILショックの直撃を喰らいそれ以来、厳しい茨の人(車)生となってしまいました。

ただ、順風満帆なカリーナの行く先にそびえるのは…!? そしてカペラは再浮上できるのか…!?


次回、“燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!”…カリーナvsカペラ 後編に続く!お楽しみにー(^^)v
Posted at 2017/04/19 22:07:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | ライバル | クルマ
2013年01月17日 イイね!

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…パブリカトラックvsサニートラック編

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…パブリカトラックvsサニートラック編 (2013.1/17UP)

“燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!”今回のガチンコは『トヨタパブリカトラック/ピックアップ(UP/KP10,20,30系)vs日産サニートラック(B20,B120系)』となります!

いやー、この二つはライバルらしいライバルですよね、現在では両車、絶えて久しいですが20世紀の街角を小忙しく走りまわっていた商用貨物モデル!

後年~現在にかけては商用故に70年代のモデルのまま比較的近年まで生産されておりまた、ベースの乗用系がトヨタ、日産とも当時の言葉でボトムとなる“大衆車”、今で言うエントリーモデルながら70年代車のため当然の如くFR駆動!これが今や希少なFR=“スポーティ”という要素で受け止められ未だに改造パーツの入手も可能、現在では本来の役目からかけ離れた走り仕様にドレスUPされたモノが多く生産が早く終了したパブリカピックアップ(以下パブトラ)はさすがに見かける度合いも少なくなってきましたがサニートラック(以下サニトラ)は最近まで生産していた事もあり今でも普通に街中で見かけられますネ!

パブトラ(発売時のネーミング=パブリカトラック)は64/2(昭和39年)の発売、一方のサニトラは67/2(昭和42年)の発売でそれぞれベースとなった乗用セダンに遅れ追加ラインナップされたものでした。

当時は現在とは違いまだまだ5ナンバー乗用車をレジャー主目的として持てる家庭は少なく“平日は仕事、休日はレジャーに!”を可能とする貨客兼用車=バン/トラックの需要が非常に高く道路整備も悪かった時代でしたので大中小関わらずトラックもボンネットがまだ主流、S40年代でサニーやカローラ、パブリカ(5ナンバー)の立派なライバルとなったマツダファミリアやダイハツコンパーノ等のS30年代発売組はまずバン型(4ナンバー)を発売しその評価を見て乗用追加がなされた程でした。

小型トラックに関しては戦前から存在しネームバリューも最大で市場を独占していた日産の『ダットサントラック(以下ダットラ)』が優位でしたが元々積載1t以下で1000cc以下の排気量だったダットラ、市場の要求もあり代を追うごとに積載、排気量も大型化しておりこれの1ランク下、小型トラックとして新たにボトムに名乗りを上げたのがパブトラでした。

パブトラは「ダットラでは大き過ぎるが軽トラでは役不足」という小口配送のユーザーに受け入れられ商業的には成功、これにより前述のファミリア、コンパーノ、コルト、サニー等のトラックモデルが65年を境に続々と発売され一つのマーケットを築きました。

余談ですが今や拡大に次ぐ拡大とキャブオーバー化によりすっかり軽トラックに需要を奪われ絶滅した小型クラスのボントラですが当時はこれも激戦でありパブトラの上級クラスでは60年代、一人勝ちのダットラに対抗しいすゞがベレットをベースとする『ワスプ』、トヨタは日野(自)と提携後は日野のボントラ『ブリスカ』(後のハイラックス)をぶつけマツダはルーチェベースの『プロシード』、三菱は中型トラックの王者、ジュピターのイメージを与えた『ジュピタージュニア』等をラインナップ、60~70年代にかけては更にトヨタvs日産は激しい争闘いを繰り広げトヨタはセダンの各クラス主力のコロナ、コロナマークⅡ、クラウンにも続々とトラック(ピックアップ)やWキャブ(Wピック)をラインナップ、日産もダットラの上級によりヘビー級1.0~2t積ボントラである『ジュニア』を投入、更にこれに対抗したトヨタが『スタウト』を発売、ほぼ2社でボントラ市場を2分した状態が80~90年代まで続きました。
他社=マツダ(ファミリア、プロシード)いすゞ(ワスプ→ファスター)、三菱(ジュピタージュニア→コルト→フォルテ)も細々ながら一定の販売がなされ車種にもよりますが比較的長寿で90年代迄生き残ったモノもあり現代の事情から還り見ると信じられない!って感じがしますネ^^;

それでは本題の“パブトラvsサニトラ”を振り返ります!

【パブリカトラック】

先記のように1964/2に発売、ベースの乗用セダン(UP10型)は55y、時の通産省提唱の『国民車構想』を発端として開発され61yに発売、当初は軽自動車と変わらない質素な造りが災いし販売は苦戦するも年々のDX化と庶民の所得UPも重なり徐々に人気/販売は上昇、乗用の成功により知名度も上がりトラックモデル(UP16型)の発売となりました。

↓64/2発売の初代前期型モデル、Bピラー迄は見慣れたセダンと全く同一。


パブリカはセダンがモノコックボディだった為、ネーミングはボンネット/キャビン部が荷台と分かれる「トラック」としていますが正確にはボディ+荷台一体の「ピックアップ」タイプ、ペリメータフレームを使う先人達(ダットラやブリスカ)等が“トラック”であり本格積載(耐久力)では万全、反面モノコックの“ピックアップ”であったパブトラはその耐久力に不安を持たれていたようですが400kgという軽い積載には何ら問題もなく小口配送を主とするユーザーに急速に浸透しました!

積載400kgでも当時の360cc軽トラの200~350kgに対しては充分な内容でダットラクラス~軽トラの狭間を突いたラインナップは大成功を後にもたらしました。
また、セダンで“低燃費”として好評の空冷U型エンジンもそのまま採用しコストをかけたくない商用モデルを選択するユーザー層のハートを捉えていました!

スタイル的には前半分はセダンそのもの、顔付やFrドア迄がセダンとパーツを供用、センターピラーから後ろを荷台としRrbュー等はリデザインされていました。

それではモデル概要です。

(エンジン)
U型700cc空冷2気筒OHV28ps
(駆動)
FR
(ミッション)
3速MT
(脚廻り)
Fr:Wウイッシュボーン/Rr:リーフリジット
(バリェーション)
基本モデルのみ
(サイズ)
全長3595×全幅1415×全高1385(mm)
(荷台内寸)
長さ1270×幅1145×高さ385(mm)
(定員及び積載量)
2名、400Kg


【サニートラック】

小型ボンネットトラックボトムとして王者ダットラを有する日産がパブトラに対抗して67/2に発売、ベースは前年の66/2に発売された乗用モデルのB10型初代サニー1000でトラックの場合、型式は『B20型』となっています。

サニー(乗用)発売当時、トヨタはカローラ発売前であり既にこの時、乗用/商用ともに700cc→800ccにスケールUPし大幅なMCを施しより豪華になったパブリカ(UP20系)に対して“1000cc”を武器にしたサニーはパワー的にも車格的にもパブリカの1ランク上な部分で爆発的人気を呼びました。

しかし同年11月には有名な“プラス100ccの余裕”のコピーの通り1100ccを引っ下げてデビューしたカローラの前でその人気は急速に衰えてしまいましたがパブトラを持つトヨタは立位置が近いカローラにトラック(ピックアップ)モデルをラインナップしなかった事から日産はサニーにこれを設定、5ナンバーでは“100ccの余裕”で負けましたがトラック部門では逆に“200ccの余裕”でより信頼性が高く耐久力も優れる商用としては贅沢な?水冷4気筒エンジンを武器にパブトラに対抗、後年まで5ナンバーとは図式の異なるライバル関係を永年続け70年代後半以降、サニトラがシュアNo1となっています!

↓“プラス200ccの余裕”からトヨタ(パブトラ)にパワーで圧勝した67/2発売の初代B20型サニトラ(画像は後期モデル)


サニトラもパブリカ同様モノコックのピックアップタイプ、スタイルもやはりセンターピラーを境に前半分はセダンそのままとし後部を荷台に改めたモノでした。


それではモデル概要です。

(エンジン)
A10型1000cc水冷4気筒OHV56ps
(駆動)
FR
(ミッション)
3速コラムMT
(脚廻り)
Fr:Wウイッシュボーン/Rr:リーフリジット
(バリェーション)
基本モデルのみ
(サイズ)
全長3815×全幅1450×全高1385(mm)
(荷台内寸)
長さ1535×幅1230×高さ380(mm)
(定員及び積載量)
2名、500Kg

以上から分かるようにサニトラはあらゆる面(パワー、サイズ=ボディ、内寸)でパブトラを1ランク上回っていますがこれはベースの乗用がパブリカの1ランク上のカローラである点から至極当たり前の事、しかしながらカローラにトラックモデルをラインナップしなかったトヨタが結果的にサニトラの8年も前に製廃となってしまった基本がここにあった気がしますね…。

【モデル改歴(デビュー含む)】
※時系列にて記載、小変更などは省略している場合もありますのでご了承下さい。

(64/2)
パブトラ発売(初代前期UP16型)
(66/4)
パブトラ、MC実施。
セダンに準じFrの意匠変更並びに搭載エンジンを700→800ccにスケールUPした2U-C型36psに換装しました。
この時に型式はUP26型に変更されています。

↓お馴染“省燃費”で評価が高かった空冷エンジンは100ccUPの2U-Cとなりパワーアップ!!


↓乗用に準じてFrファエイスがスラント化され高級感を増した後期型


↓後期型Rrビュー


(67/2)
サニトラ発売(初代前期B20型)

(67/9)
サニトラ、発売1年を経たゼダンに準じ早くもMCがなされグリルエンブレムが『D』(DATSUNの意)→『S』(サニーの意)に変更、ラジエータグリル意匠を高級化しサイドマーカーランプも大型化、初代後期型となっています(型式変更なし…上記写真モデル)

(69/4)
パブトラ、セダンが2代目にFMCしたのと同時にこちらも2代目に移行しました。
2代目となりサニーをカローラとパブリカで挟み撃ちする作戦をより鮮明化、従来の800cc(これも36→40psにUP)に加え1000ccの水冷4気筒2K型エンジンをセダン同様にラインナップ、サイズや積載も拡大され先代ではサニトラの1ランク下であったパブトラ、サニトラに遜色ないモノへとグレードアップしています。
尚、この時から名称を『パブリカピックアップ』と本来のボディ形式のネーミングに変更、また、トヨタらしくトラックモデルでもラジオ/シガーライターやヒーター他メッキパーツ等を施す『DX』グレードを設定、従来の基本モデルを『STD』としています!

2代目パブトラの概要は下記の通りです。

(エンジン)
2U-C型800cc空冷2気筒OHV40ps=UP36型
2K型1000cc水冷4気筒OHV58ps=KP36型
(駆動)
FR
(ミッション)
3速コラムMT/4速フロアMT
(脚廻り)
Fr:ストラット/Rr:リーフリジット
(バリェーション)
800STD(UP36)/1000STD(KP36)/DX(KP36-D)
(サイズ)
全長3835×全幅1490×全高1390(mm)
(荷台内寸)
長さ1535×幅1250×高さ390(mm)
(定員及び積載量)
2名、500Kg

目立つ変更はサスペンション(Fr)をより生産性が良くコストダウンに繋がるストラット式にした点及び時代の要請から4速フロアシフトモデルがラインナップされた点、当時は乗用市場はハイパワー/スポーツカーブームでもありよりスポーティに素早くチェンジできるフロアシフトが主流となってきており商用車にも波及した感じですね!

※尚、2代目パブトラは計4度もMCをしているため前・前期、前・後期、後・前期、後・後期、最終型と示します。

↓FMCでサニトラと遜色ない実力となった2代目前・前期型『1000DX』


↓カローラの3K型をデチューした2K型水冷4気筒も仲間入り!


(69/8)
サニトラ、パブトラがDXモデルを追加した事に対抗しやはり当時は贅沢装備であったヒーター、ホワイトリボンタイヤ、時計にライター等を備えたこちらも『DX』を設定、但し従来型に特にSTD等の表記はなされていません。

↓ラジオ他が装備されたサニトラDXのインパネ


(70/10)
パブトラ、セダンのMCに準じて前・後期型となります。
この頃は現代と違い各社、「イヤーモデル」と言われた年一回のMCを行うのも稀ではなくパブリカにもこれを施しており1970年型のデビューとなった訳ですね。
変更点はFrフェイスの意匠変更とインパネが新設計されています。

↓70年型の前・後期型1000DX


↓前・前期時代にセダンSLの新設計されたインパネを全面採用!(opのクーラー付)


(71/1)
サニトラ、初のFMCを実施!
お馴染のB120型サニトラがこの時にデビューしています、ここから製廃となる96年迄25年間基本を変えずに歩むとは誰が想像した事でしょうね(笑)

パブトラが2代目になってサニトラに肉薄してきた事により今回のFMCでは再びパブトラを突き離すようにパワーアップとサイズ拡大が行われたのは言うまでもありません!

OHVながら高回転までストレスなく廻りハイパワーかつ低燃費で“名機”と言われるA12型エンジンを初搭載!
先代B20型のA10のスケールアップですがこれにより先代より若干大きく重くはなりながらも全くオーバーウェイト感はなくキビキビ走るサニトラ、私も幾度となく乗りましたがドラポジを除いてこんなにおもしろいクルマも滅多にないと感じますね!
スペックも大した事なく平凡(当時は)なFRでしたがトラック故にセダンやクーペに較べても軽量、特にRrにはトラクションが空荷せあれば殆どかからないため思うがままに振り回せコントロールも楽、アクセル加減でいかようにもドリフトに持ちこめる手軽さが非常におもしろかったです、但しLT(トラック)タイヤのままでは留まるところを知らない位に流れるのでタイヤと少し脚に手を入れるのは必須ですが(汗)

2代目サニトラB120も先行して前年FMCしたB110型サニーをベースに先代同様ピックアップ化したもの、こちらは先代から継続して『サニートラック』を名乗っています。

↓71/1にデビューした2代目B10型サニートラック(前期)
あまりにも見慣れているのでとても42年前のデザインに感じませんね!


2代目サニトラの概要は下記の通りです。

(エンジン)
A12型1200cc水冷4気筒OHV68ps
(駆動)
FR
(ミッション)
3速コラムMT/4速フロアMT
(脚廻り)
Fr:ストラット/Rr:リーフリジット
(バリェーション)
STD/DX
(サイズ)
全長3840×全幅1490×全高1390(mm)
(荷台内寸)
長さ1670×幅1285×高さ410(mm)
(定員及び積載量)
2名、500Kg

上記を見て分かる通りパブトラに追い付かれた荷台内寸始めボディサイズ、パワーはこのFMCで再びリード、この頃から徐々にイーブンだったパブトラとサニトラ、サニトラが販売/人気ともパブトラに差を付け始めました。
尚、サニトラもパブトラ同様に3速コラムに加え4速フロアを設定、サスペンション(Fr)をストラット式に変更、理由はパブトラと同一。

※尚、コラムモデルはパブトラ、サニトラ共モデル途中で廃止され4速フロアに統一されています。

↓後に名機と呼ばれるA12型エンジンを搭載!
セダン系/バンがA→E型他新エンジンに切り替わっても最後まで不変でした!


※尚、2代目サニトラの場合は計3回のMCを経験、このため前期、中期、後期最終型と表記させて頂きます。

出揃った2代目パブトラとサニトラ、この2車はかつて結構乗った経験が多く憶えている限りで書くとドラポジ、つまりは車室ではややパブトラが勝ちでした。
両車の写真を見て頂ければ分かると思いますがパブトラはベースのセダンが2ドアの設定しかなかったのでドアが大きめ、対するサニトラは4ドアセダンのFrドアを使用している関係上キャビンはパブトラの方が若干大きくドラポジもリクラインしない状況に変わりないながらパブトラの方が自然に近かったですね~。
Cピラー(トラックですのでRrピラーです)がサニトラの方が太い分、そう大差はないのですがただでさえ狭いボントラですから数mmの差が結構大きくサニトラはあくまでも感覚的には直立の状態がしんどかったです。
パブトラはこれに較べ若干シートバックに余裕が感じられましたが荷台内寸はサニトラと全長5mmしか変わらない(サニトラが長い)のに13.5mmも短くトラックですから積載が命で居住性は二の次!!と考えればサニトラ、それだけしか変わらないなら居住性がいいパブトラ!!と別れまぁ、個人的には大差ナイ!が本音ですが業種や考え方でしょう…。

走りの部分ではサニトラが先記のようにパンチのあるA型エンジンで勝っていましたがトヨタK型もOHVとしてはよく廻り軽量でもあったのでサニトラに致命的に劣る、と言う感覚は皆無、あえて選べばサニトラって感じですかね…!?
因みにUP(空冷)は論外です(笑)燃費はいいのだけれど30系では明らかにオーバーウェイト。

(72/1)
パブトラ、MCにより後・前期型となります。
セダンに関してはドア以外のパーツを新たな金型で起こしてほぼFMCに近い変更が行われましたがトラックに関してはボンネットを含むノーズ部とフェイスリフトのみ、テールは従来型のままです。

↓72/1発売のパブトラ後・前期型


尚、カローラ用の1200cc OHV水冷4気筒 3K型68psエンジン搭載のパブトラ1200も追加、パワワー的にようやくはサニトラに追い付いています。
1200はDXのみのラインナップで型式KP37Nとなっています。
廉価版にセダンでは引退となった800cc 2Uエンジンも健在ですがメインは3Kに完全に移行、800はほぼ受注生産的モデルになっています。

※(73/5)
サニトラベースの2代目サニーB110系は3代目B210型にFMC、トラックは下記の点を改良/追加を施し継続。

(73/5)
サニトラ、荷台を295mm延長したロングボディを追加、他安全装備及び公害対策装置(タンデムマスターシリンダー/燃料蒸発防止装置等)を採用。

↓長寸物にも対応する荷台内寸1860mmのロングボディを追加!


尚、ロングの型式はGB120型となっています。

(73/10)
パブトラ、MCにより後・後期型になります。
変更点はセダンに準ずるFrマスクの意匠変更が主でした。

↓後・後期型パブトラ1200DX


(75/10)
サニトラ、50年排出ガス規制適合。
A12型エンジンは規制に合わせ改良、酸化触媒による日産排出ガス清浄化システム「NAPS」を採用します。
乗用では悪名高きこの50/51年規制でしたが商用4ナンバーモデルは規制値が5ナンバーに対して緩くpsもダウンなく68psのまま、ドライバビリティ低下はやや感ずるもセダン用A12程のダウン感は感じられずキビキギさは失っていません!

尚、型式は50年規制を示すH-が頭に付記され標準H-B120、ロングH-GB120となっています。

(75/11)
パブトラ、50年排出ガス規制適合。
これにより小排気量の規制適合が困難のため800ccの2U並び1000ccの2K型はカタログ落ち、残る3K型を触媒(TTC方式)により50年規制適合の3K-HJ型に換装します。
サニトラ同様に4ナンバーのため規制が緩くトヨタは日産以上に5ナンバーでは深刻な出力ダウン(セダン用3Kは68→64psへ4psのダウンとなった3K-Uに換装)ながら3K-HJは僅か1psのダウンに留まっています。

型式はH-KP37型に統一。

(76/2)
パブトラ、外観的には最終型へMCが行われます。
変更点はFrグリルの意匠変更となっています!

↓最終型パブトラのFrビュー


↓最終型Rrビユーとなりますが69y発売の前・前期からほぼ不変!


※(77/11)
乗用モデルのサニーは4代目B310型にFMCしますがサニトラはそのまま継続。

※(78/2)
パブトラのベースであるKP30系パブリカ(乗用)がKP61型スターレットに後を託し製廃、トラックのみ継続。

(78/4)
サニトラ、MCにて中期型となります。
デビュー8年になり大幅改良が行われこれまでB110セダン系のグリルだったモノを同じB110のクーペのモノに変更(但しオーナメントはクーペの丸型から縦長に変更)、やはりB110セダン標準グレードと同一だった長方形メーター→GL/GX系の丸型メーター採用、他に内装色変更、平型ミラー→タルボ型ミラーに、バンパーコーナーラバー装着、セミホイールキャップを廃止してセンターキャップ付スチールホイールに、テールランプ枠をメッキからブラック塗装に、間欠機能が追加されたワイパーもブラック化され80年代に向けたリフレッシュが行われました!
このMCにより日産社内記号はMCが行われると末尾数字が0→1となる事から型式H-B12i/H-GB121型となっています。

↓2代目デビューから7年目の78/4、大幅にMCされたサニトラ中期型!


↓B110GL/GX系と装備充実にて80年代にも通用した中期型のインパネ&インテリア



中期型発売時、既に乗用モデルは110の次々型であるB310型がデビューしていましたが基本は110でライトスイッチ他に古さは隠せないも明るい新色(ブラウン)でコーディネート、丸型メーターの採用で古さはそれほど感じさせずかえってこの頃で既に旧車チックな味わいも出てきた感じでマニアも注目し始めた頃に思います。

(79/7)
パブトラ、54年排ガス&騒音規制適合となり型式をJ-KP38型とします(MCなし)

(79/8)
サニトラも同様に54年排ガス&騒音規制適合、型式をJ-B121/J-GB121型とします(MCなし)

(81/10)
サニトラ、56年度排出ガス規制適合、型式をL-B121/L-GB121型とします(装備に小変更、エンジン出力64psに変更)

※(81/10)
乗用サニーは5代目B11型にFMC、2代スルーのサニトラはもはや孤高の存在感(笑)

(82/1)
パブトラ、56年規制適合のためエンジンを換装します。
78年デビューの後続KP61スターレットやKE50/60系カローラ/スプリンターに搭載していた4K-U型1300ccOHVを商用に改良した56年規制の4K-J型69psに換装、4KはベースをK型としますが相次ぐ排ガス規制による出力ダウンを補う為、ベースのK(1100)→3K(1200)から更に100ccアップ、MC前の3K-HJ67psから2psの出力UPがなされました。

↓1300、4K-J搭載のパブトラ最終型のカタログ


これにより型式はL-KP39型としています。

※(85/9)
乗用サニー、6代目となるB12型にFMC

(86/11)
サニトラ、小変更で安全装備充実(ELRシートベルト、合わせガラス採用等)

(88/10)
サニトラ、2度目の大幅MCにて後期最終型となります。
中期型デビューから10年超!!2代目デビューからはこの時ですら17年を数え他社が全て撤退した事もあり唯我独尊の状態、当時550ccとなっていた軽トラとそれ程積載能力は変わらなくなってきてはいましたが乗用車並のドラポジと装備、運転のしやすさと乗り心地でまだまだサニトラの需要は一時期よりは減りましたが一定レベルをキープ、灯油配送や缶物店や米屋配送などで特に人気が高かったですね!

↓後期最終型サニトラのFrビユー


大きな変更点は三元触媒方式にて63年度排出ガス規制適合した点と外観では角型2灯ライトを装備、後期最終になりそれまでB110セダンやクーペの流用だったFrマスク(グリル)が専用デザインにされた点となります、他にバンパをブラックアウト化し室内、インパネを新色に変更。

↓デザイン変更はないながら新色採用でイメージを変えたインパネ&インテリア



63年規制A12型はpsをネット表示とし52pstなっています、63年規制のため三元触媒以外にO2センサーによる混合比フィードバックシステムや電子制御キャブレター、点火系をフルトランジスタ方式に変更。

↓名機A12を味わうには既にこの時期、唯一サニトラしかなくなっています!
(同じA型を搭載するバネットは1.5LのA15型がボトムでした)


↓Rrビユーは71年デビュー時からほぼ不変!!


尚、型式はR-B122/R-GB122となっています。

※(90/1)
乗用サニー、7代目B13型にFMC

(88/11)
パブトラ、69/11の2代目30系発売から19年にて生廃の時を迎えます…。
もはや設計の古さが目立ち商品価値の低下が著しい点、同クラス唯一のライバルであるサニトラにほぼシュアを取られた点、そして550ccとなった軽トラの台頭に新車種追加やFMCを行う価値を見いだせずの引退で後続車種はなし!無理矢理挙げるとすれば子会社ダイハツのハイゼットトラックになりますね~^^;

サニトラが基本は同じながらも意匠やインテリアに比較的延命治療を施していたのに対しパブトラは76年を最後に排ガス対策以外はほぼ放置プレイ、この事がサニトラへのシュア拡大を許し積極的な販売はなされませんでしたので現在残っている台数もサニトラに較べ少数、逆にこれがパブトラよりはありふれたサニトラに対して希少価値が見出され現在、実働車が流通に出てくれば信じられないプライスとなっています!

飽きられない努力をしたサニトラよりも後半放置だったパブトラが希少度/プライスも高い…何か皮肉に感じるのはワタシだけでしょうか!?!?

一方のサニトラは88年のMCから6年間生産を続行、94年、平成6年にさすがに660ccになり更なるサイズアップが施された軽トラ群にあらゆる面で勝ち目がなくなり遂に製廃の時を迎えました。

このように最終B122は比較的近年まで生産されながら今も街で見かけるのは殆どが中期B121が多く122の販売台数の低下がこの事からも推測できます。
但し海外中近東などでは人気のサニトラ、当然高年式B122は中古市場に出ると外人が競って購入し輸出しているので上記推測、あまりアテにはなりませんが(汗)

尚、サニトラは南アフリカにて1.4Lエンジンを搭載した『1400 BAKKIE』のネーミングで驚く事に2008/9、平成20年まで生産、37年基本を変えずに例え国外でも生き続けた国際的“名車”であると思います!!

サニトラは冒頭で触れたように改造パーツもまだ豊富でノーマルで現役(本来のトラックという意味での)というのはさすがに少ないですがカスタマイズされた個体はまだまだ元気に走っておりクルマ好きの一つの文化になっている点が嬉しいですね(^.^)
60~70年代の香りを持つモデルで台数がまだあるのはこのサニトラのみ!サニトラマニアの皆さんの大事な動態保存を応援したい、このクルマを見かけるとそんな心境になります…。


燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!
“パブリカトラック/ピックアップvsサニートラック”…完
Posted at 2017/08/07 13:45:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | ライバル | クルマ
2012年08月25日 イイね!

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…フェアレディZvsサバンナRX-7編(後編)

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…フェアレディZvsサバンナRX-7編(後編)(前編より続く)

~バリェーション対決!~
Zが3種、7が4種のグレードを設定しますが価格からお分かりのように7の最高グレードが(200)Zの中間グレードに近くZの廉価版ですら7の上位2番目(GT)より高い…
つまりZは車格的には7の1ランク上に充たりマツダで言えば車格的にはコスモが真のライバルかもしれませんが今回は仮にも同じ時代に“スポーツカー”を名乗ったとい点でこの2車をガチンコさせていますのでご了承願いますm(__)m

まぁ、Zは見かけスポーツでも中身は高級クーペですしサイズ的にも性格的にもこの時期、コスモの方が相応しいのは充分承知ですが7が全く外れか?と言えばそうでもないですし…(汗)

バリェーション的には7のカスタム、Zの200Zが完全なる廉価版orベースモデル、7のスーパーカスタムやZの200/280Z-Lが普及モデル、7のGTが走り&ファッショナブル、LTD及びZの200Z-T/280Z-Tが高級バージョンです。

↓Z、バリェーションの一部
(上から280Z-T 2シータ、280Z-L 2シータ、200Z-T 2シータ、200Z-T 2by2、200Z-L 2by2 200Z 2by2)



↓RX-7、バリェーションの一部
(上からLTD/スーパーカスタム/カスタム)




~エンジン対決!~

正にこの手のクルマの一番の選択ポイントがエンジンと言っても過言ではないでしょう!
ただ、この2車は大排気量レシプロとREという全く特性の違うエンジンを搭載しており単純に比較じゃできずそれはある意味投げやりかもしれませんが当時はまだ『慣れたレシプロがいいか?スムーズで未知のREがいいか?』というレベルになっていたのではないかと?推測します…

重量級ボディを大排気の大トルクでグイグイ引っ張るアメリカンなZ、留まる所を知らないか?の如く高回転までスムーズに回り軽量ボディを俊敏に走れせるヨーロピアンな7かはもう個人の好みですしねー、あまりにも特性も違いどちらが上とか下とかは判断できませんがドライバビリティだけで論じるならば少なくとも2L、L20Eを積むZは7との闘いの土俵にも乗れていなくあくまで2.8LvsREしか比較対象はできない、これはスペック以上に両車に乗り少しでも乗り較べたら素人でも簡単に解る筈です、その位200Zは残念ながら“廉価版”“狼の皮を被る羊”でした。

スペックだけ見ればL20Eは12Aをトルクで0.5kgm上回りpsは同等ながら車重300kgの差はそのまま走りに現れ特に加速フィールは7の圧勝!スピードが乗ってしまい巡航すればL20Eでもさほど不自由はないものの再びシフトダウン若しくはキックダウンしスピードを上げようとしても7は瞬時に反応しても200Zは2テンポ遅れる感じでしかも音ばかり勇ましくても重いボディはイメージ通りには加速しない…そんなジレンマを感じました。
やはりZをZらしく走らせるには12Aの1割以上のpsと7kgのもトルクアップがなされた280Zでないと7にも太刀打ちできなかったですね。

↓当時の2Lクラスには敵はいなかった7の12A型ロータリーエンジン!


↓“スポーツカー”の面目を維持するために280Zに新搭載されたL28E型エンジン!


確かに280は7と比較しても遜色なく加速は23kgmという大トルクがなせる技で体感的にはスタイルに似合わない獰猛さがあったと思います、セミトレのRrサスを八の字にして尻を路面にこする程に沈めFrを浮かせながら蹴飛ばされたように飛び出す280Zの迫力は相当のモノで本命としている米人好みを痛感しましたネ~。
ノーマルであれば加速時も大して姿勢を崩さず静かに滑らかにスマートな発進をする7とは対極的でしたがどちらがいい、悪いではなく迫力はなくとも7のスマートさに好感を持ちました。
勿論、クルマの走りはエンジン性能だけでなく組み合わされる各ギア比、脚廻りの味付けやタイヤetc…
これにより大きく特性は変わりますがあくまでエンジン性能だけで言えばZは2.8Lでようやく7と互角だったと言う結論に両車を知る方に異存はないと思われます従ってこの比較は200Zは対象外、280Zと7は互角としておきましょうか^^;

~シャーシ対決!~

脚廻りに関しては上記で述べましたようにZにコストがかかっているだけあり7はどうしても悪く言えば雑で安っぽい乗り味、Zは刻々と変化する路面に極力対応する高度な脚でした。
Zはそれでも米人に照準を合わせているので個人的には柔らか過ぎの感が強くもしマイカーにしていたら真っ先に強化をしていたに違いないと思います。フィーリング的にはロ-レル/スカイラインよりは固め、重圧で長距離乗っても疲れないレベルながら先代のALLストラットの味わいがしなやかで細かな動きにも追従した素晴らしい出来でしたからどうしても物足りなさを感じこの部分ではスポーツカーとしては退歩、逆に言えばGTカーとしては進歩でしょう…。
7は常識的なリンクリジットでしたがサルーン/ファミリーを兼ねていた先代に較べれば大幅な進歩!やみくもに固いだけでは失格ですがしなやかさもリジットとしては感じられコーナリング、直線路でのバランスをコストとの兼ね合いの中で真面目に追求されていたものだと思います。
GT以上にはFrだけではなくRrにもスタビライザーを設け“暴れ”が抑えられていますがスーパーカスタム以下にはこれがなくややじゃじゃ馬的だったと以前記事を読んだ事があります(ワタシはGTとLTDしか経験ありませんです)

この分野でも乗り手のライフスタイル、好みで評価は分かれるでしょうからこれも勝敗は付けられませんです^^;

ただ、7の場合は売りである“フロントミッドシップ”がスポーティなドライバビリティに大きく貢献!
50.7:49.3という50:50の理想的な重量配分とする為、コンパクトなREエンジンの利点を最大限に生かすFrミッドと低い重心、全体的に“スポーツしてる!”的悦びは7が上だったように個人的には思います!

↓“スポーツカー”としては理想的重量配分がなされ話題となったRX-7の透視図


ただ…7で唯一不満があったのはブレーキ!
ZはFrベンチレーテッドディスク/Rrディスクだったのに対し7はFrこそベンチレーテッドディスクながらRrはドラム(但し冷却フィン付)でした。
逆に言えば重量級のZでこれは必需、軽量の7ではここまでの必要はなかったのかもしれませんが極限の走りをする可能性の高さは7が上!! マツダはこれの装備によるコストUPを避けたのでしょうがこれだけはスポ車好きには装備して欲しかったと思うのはワタシだけではない筈。。。
ただ7のブレーキ性能、かつてのロータリークーペやカペラで言われた程の否定的意見は聞きませんでしたから普通に走る分には充分だったのかもしれませんね(笑)
しかしスポーツカーには極限に対応する装備も大事な魅力の一つですからいかに軽量と言えども欲しい装備でした~。

ステアリングに関してはZがラック&ピニオン、7はボールナット方式。7は軽いエンジンでしたしボールナット式としてはシャープさもあり楽しいハンドリングを実現、Zの場合長く重いL型エンジンですからOP(廉価版Z以外)のパワステが付いてないといかにラック&ピニオンであっても街中、据え切りでは並の体力では乗れた代物ではなかったと思います。私はノーパワステの130Zは経験ないですがジャパンのGT-ESでパワステなしは経験済、それよりもフロントヘビーな130Zですから想像は容易ですね。。。
パワステ付130Zは低速では軽く高速ではそれなりに重くこの時代としては出来がいいものだったと思います。
その証拠にハンドリングに悪印象は残っていません!

~インテリア対決!~

この部分はどちらも性格を表すかのようにとても気を遣いドライバーの5感に訴えるムーディでスポーティな演出がなされていました。
短いシフトストロ-ク、運転席と助手席を独立させ拘束感を強めた大型のセンターコンソロールに当然、低く設定された着座位置と遠く配された各ペダル類から嫌でもストレッチアームとなるドラポジは両車共通でした!

Zは2シータと2by2で味付けを異にし2シーターはエキサイティングなスポーツ度を、2by2にはサルーンに近い高級感を与えていました。
基本デザインは同一ながら2シータは先代S30で好評だったスポーツカーそのままの雰囲気!ハイバックバケットタイプシートに黒を基調としていました。

↓S30Z同様にスパルタンな印象のZ2シータのシート&インテリア(280Z-T)


一方の2by2は明るい色彩でヘッドレスト調整機能付セパレートシートを採用、このシートの相違は2by2では後席乗員の前方視界確保のためでした。

RX-7はカスタムのビニールレザーを除いてタータンチェックを基本としたお洒落さを演出、カスタム/GTはスポーツ度合いを高めた黒のインテリアにやはり黒基調のチェック地(GT)を、他グレードは明るい色調を基本(外装色によりカラーバリェーションあり)としLTDが全面ファブリックシート、スーパーカスタム(GT)は部分ファブリックの採用でした。
LTDのみヘッドレスト別体のバケットタイプ風味のセパレート、他はヘッドレスト一体のハイバックシートとなっていました。

↓RX-7 LTDのシート&インテリア


インパネですがZは伝統の連メーターを現代風にリニューアルしながら採用、この頃は60~70年代のテイストだった連メータのインパネはさすがに飽きられスポーティモデルも次々にこれの採用を転換してゆきましたがZは基本的に継承、但し先代よりも目線は下げられデザイン的にはS30を色濃く踏襲しますが80年代に向け広い前方視界を確保しています。

↓S30Zの“ヤル気”をそのまま継続させるS130Zのインパネ(2シータ280Z-T)


RX-7は先代サバンナのマツダREモデルの象徴だった“連メータ+T字ダッシュ”を止め新鋭スポーツらしく運転席メーターパネル内に全てのメーターを集中させるデザインに変更、センターを際立たせる“T字”のみは継承しますがあくまで個人的主観ではやや迫力不足、と言うかあまりファミリーセダンと変わらず個性的な7の中で唯一?という部分でした。座ってもZのよにドキドキする感じはなく確かに視線も低く先代にはなかった良好な前方視界は得られましたが先代やZにある“ヤル気”にさせる興奮度合いはなかったです。
お洒落感もさほど感じず没個性、これがルーチェやカペラなら全然構いませんがスポーツカーとしては如何なもの?と未だ思います…

↓面白味もスパルタンさも感じない平凡なイメージのRX-7のインパネ(LTD)


この分野ではワタシの独断と偏見ではZ(但し2シータ)が勝ち!です…
DATSUNスポーツから長きに渡りスポーツカーを造り続けた日産、この種のモデルのインテリア、雰囲気が如何に大切かを良く知っていたと思いますね!

【モデル改歴】

それでは恒例ですがここからは改歴順にこの2車を見ていきます。

※細かい仕様変更、特別仕様、安全対策などは網羅していません。

(79/3)
RX-7、小変更。
上級LTDとGTにデタッチャブル方式(取外し式)のサンルーフを装備する『SE-LTD』『SE-GT』を追加しました。同時に従来グレードもチェック地シートが「ガキっぽい」と評判が著しくなく柄を変更、カスタム/GTはそのままですがこれ以外は大人っぽくシックなイメージに変更しています。
また、GTもLTD同様のセパレートシートに変更、最上級のSE-LTDには当時流行りだした本革シートが奢られていました!

↓最高峰のSE-LTD


サンルーフはセリカXX(MA40系)やプレリュードで採用、当時国産では死滅していたオープンンカーの“オープンエアモータリング”に近い感覚が楽しめるアイテムとして注目された装備をRX-7も採用し注目されました!

(79/10)
RX-7、搭載エンジンを変更します。
ただ、変更と言いましても基本RE12A型はそのままですが排ガス浄化システムをこれまでのサーマルリアクター方式から希薄燃焼方式に変更、相変わらず“極悪燃費”の陰口に対抗し燃費の大幅向上(40%)を果たしています。

(80/3)
Z、280Zの2.8LのL28E型エンジンを改良、日産ECCS=エンジン集中電子制御システムを採用します。
これは燃費改良されたRX-7への対抗でレシプロながら2.8Lエンジンで7並に走ればZも立派に“極悪燃費”で7より悪いケースも多々、このためクルマの各部に取り付けたセンサーがキメ細かく走行状況を把握しインジェクションからの燃料噴射量や点火タイミングをコントロールし燃費を10~15%程度の向上がなされています。
この時同時に最上級Z-Tに今でも130Zと言えばこのイメージが浮かぶ方も多いのでは?シルバー/ブルーの所謂“マンハッタン”と呼ばれる2トーンカラーがop設定されています。

(80/11)
Z、L20Eの200ZもエンジンをECCS化、同時に日本初のTバールーフ仕様を追加設定します!
このTバーも今も130Zの象徴になっている程の人気装備でサンルーフを上まわるオープンエアモータリングを楽しめるモノとして大人気を得ました。

↓“オープンエアモータリングを実現するTバールーフ
(㊤280Z-T 2シータ㊦同マンハッタンカラー仕様)



Tバーはその名の通り上から見るとルーフ中央のみを残しサイド部は完全にオープン!T字型に切れ込みデタッチャブルトップの変形でしたが当時としては国産唯一のオープンに限りなく近いモノで非常にZのイメージUPに貢献、Tバーデビュー後は街を走るZの半分以上はコレだったような気がします。
Tバールーフは200Z-T/280Z-Tに設定。

↓Tバールーフは2シータ、2by2及び200/280共にZ-Tに設定。



(80/11)
RX-7、デビュー2年半にてMCが施され後期型となります!
Frバンパーとエアダムの改良とテールをリ・デザイン、FrフェイスのチェンジによりCD値は0.36→0.34に向上、テールは“ブラックテール”と呼ばれる横一直線(テールランプ~ガーニッシュ)をスモーク状とされて静観なデザインとされています、これによりRrのナンバープレートはバンパー下に移設。

↓80/11~後期型となったRX-7!!(80y SE-LTD)


↓後期型7の精悍な“ブラックテール”(80y SE-GT)


またこのモデルから上級モデルのSE-LTD/LTDにREエンジンのローターをモチーフした新デザインのアルミホイールがお目見え、正直個人的には「やり過ぎしゃね?」と当時思いましたが個性的である事には間違いなかったですね。

↓ローターをイメージしたデザインのアルミホイールを装備した後期型LTD


この時、新グレードの『GT-J』を追加。

(81/10)
Z、MCにより後期型となります。
こちらも外見上はFrバンパーとエアダムの変更、テールランプの意匠変更となりますが中身も変更点が多くまず2.8LのL28エンジンは圧縮比UP、フリクション低減等により10psの出力向上がなされ145ps→155psとなっています!
そして200ZのATモデルはセドグロ他で既採用の全段ロックアップ方式に変更、しかし全段がロックアップしても大した意味はないと思われるもこれにより日産は大幅燃費向上を謳ってはいましたが…!?
他にサスペンションチューニングを固めにセッティング変更がなされ全般的に軽量化を実行し前期モデルに対しグレードにより3~5%前後の軽量化を実施しています。

↓81/10~後期型Z!!(81y 2シータ200Z)


大型ソフトカラードバンパーや対米モデルと同一のフード上エアアウトレットの採用はZをより高級感を溢れさせていましたが他ににも減光式ルームランプ、ドアキー照明など80年代最新の装備も施されまた、本革/人工皮革シートがop設定されています。

(82/3)
RX-7、小変更。
搭載エンジンの12Aを6ポートインダクション(6PI)に変更し更なる燃費向上がなされています。
他にLSD、ポテンザハイグリップタイヤ、オートスピードコントロール、ELR付シートベルトをグレードにより装備!他に新グレード追加。

↓6PIの12A型REを搭載した82/3~のRX-7(GT)


(82/10)
Z、待望のターボモデルを追加!!
79yに日本初のターボモデル(430セドグロ)を発売した日産、その後ローレル、スカイライン、ブルーバード、レパード、シルガゼと次々にターボモデルをラインアップしてきました。
Zは日産ターボ勢のトリを努める格好になりましたがこれは図ったモノではなくまだまだ頭の固い時の運輸省、ターボ=暴走行為という発想→不認可を恐れ他車種でターボの市民権を得てからスムーズに認可を得る作戦だったのは有名です!
Zターボ、セドグロから3年、非力な2000NAで我慢してきたZファンにはこの上ない朗報でありモデル末期にきて最大のZからの贈り物でしたねー。。。
同年、輸出先の主要マーケットであるアメリカにはより強力なL28E+ターボがラインナップされ残念ながら税制上の関係で国内は2Lターボのみでしたがこれでも充分魅力的!今思えばオリジナルL20Eのたかが10%程度の出力UP、インタークーラー装着もないモノではありましたが当時はこれこそが“スーパーZ”的に憧れの眼差しで眺めたものでした(笑)
因みにアメリカの280Zターボは発売1年で10万台の生産/販売という数字を叩き出した超人気モデルでした。

↓満を辞してデビューしたS130Zターボ!


Zターボは200Z-L/200Z-Tに設定、Z-Tには国内初装備であった“超扁平”である60%ワイドタイヤを装備しこれも話題となりました。
今では超扁平なんて言われたら一笑に付される60タイヤですがこの頃は70が扁平で標準の時代でしたので60はやはり衝撃的装備でありZファンでなくとも大注目、これに合わせたように独特な手裏剣のようなデザインの新アルミも装着されたマンハッタンのZターボは掛け値なしにカッコ良かったです!(^^)!

↓60タイヤ/新デザインのアルミが大注目の200Z-Tターボ(82y 2シータ)


尚、ターボはセドグロ~レパード(ブル、シルガゼ除く)でお馴染のL20ET型エンジンでありスペックは直6 2Lエアリサーチ社製ターボチャージャー付145ps/21.0kgmという280Zに迫る高性能大トルクの280Zの余裕には敵わないながらもこの時代特有のドッカンターボは2500~3000rpmで過給が始まるとまるで別物のように元気になるL20ETの味は慣れるまでは乗りにくさも感じるも280の半分の税金でこれだけの性能が味わえる喜びは並のモノではなかったです。

↓ボンネットに納まるのはお馴染のL20ETエンジン!


(83/9)
Z、S130は寿命の長いスポーツカーとしては比較的短期の4年でFMCを行いZとしては3代目となる『Z31型フェアレディZ』にバトンを渡します。

↓セダン並に4年でFMC、83/9にデビューした3代目Z31型フェアレディZ


ZのFMC後もRX-7はより戦闘力をUPしライバル関係は継続しますが基本設計が新しくなったZ31型Zと比較ガチンコさせるのはアンフェアと思われます、従って両車のガチンコはこのZのFMCをもって終了、と言うかそれぞれ次期モデルへのガチンコに継承したいと思います!
ただ、SA22はZ31デビュー後も約1年は現役でしたのでその後の改歴もご紹介しておきます。

(83/9)
RX-7、反則技?12A型REにターボを+した『RX-7ロータリーターボ』を追加します!
反則?と言っても既にこの時はトヨタからDOHC+ターボ(3T-GTE)もデビューしており日産が79年にターボを発売以来“DOHCvsターボvsRE”の図式は崩れ高性能なベースエンジン(DOHC/RE)に更にターボを+するという過激な第二次ハイパワーブームに突入してゆくのでした~。

7REターボは小型軽量ユニットのターボチァージャーを採用、極力タイムラグを抑え低地位速域のトルクを太くしたのが特徴でコスモ/ルーチェREターボに次ぐデビュー。
スペックは165ps/23.0kgmと言う旧130Zの280Z以上の数値を実現、もはや従来の2L級のスペックとは隔世の感がありました。
尚、この性能に応えるべくクラッチ、デフは当然強化され4輪ベンチレーテッドディスクブレーキ、可変ダンパ(マニユアル)、車速感応パワステが装備、60扁平タイヤや認可されたばかりのドアミラー(NAモデルにも装着)が装着されています。

↓83/9、“鬼に金棒”的なREターボが追加されたRX-7!!


↓ターボチャージャーが装着された12A型RE+ターボエンジン


しかしこのREターボ追加もライバルZのFMC、他スポーツモデルの過激化(トヨタ3T-GTE DOHCターボ軍や新鋭16バルブDOHCの4A-GE搭載の86レビン/トレノ、ソアラ/XXの2.8LDOHC、日産スカイラインの16バルブDOHC/同ターボのRSシリーズ等)の相次ぐデビューの中ではさすがにREターボも霞み更にデビュー5年を経過しクルマそのものが飽きられ後発新鋭スポーツモデルの前ではさすがにRX-7の商品力もに低下気味、デビュー直後には爆発的人気と販売台数を誇ったRX-7も83yでは約1500台強まで販売を落としREターボ追加も人気再沸騰の起爆剤にはなりませんでした…

この後RX-7はモデル末期の常で特別仕様等を追加しながら84/9まで生産し7としては2代目、サバンナとしては3代目となる『FC3S型サバンナRX-7』にFMCします!
FCはSAの歩んできた“ピュアスポーツ”の経験を元にポルシェを徹底研究→目標と定めシャシ、エンジン、脚廻りなど全てを見つめ直し第二次ハイパワーブーム、バブル経済の入り口であったこの時代、颯爽とデビューしたのでありました!

↓マツダのピュアスポーツ第二章は84/9デビューの2代目FC3S型RX-7!



~ドラマでの活躍!~

130Z、SA22RX-7の現役時代はまだまだTVドラマではアクション物が全盛で両車もドラマの名脇役を演じカーマニアにはドラマ以上に注目を集めていました!!

[Z]
言わずと知れた80年代アクションドラマの代表作『西部警察』で主役、大門(渡 哲也)の愛車であった“スーパーZ”あまりにも有名でドラマを観なかったヒトも知ってる?程です。

↓『西部警察』で話題となったS130Zの特別仕様“スーパーZ”


“スーパーZ”は130Z Tバールーフをベースにドラマ用に改造、ドアをガルウイングとし銃器やコンピユータを搭載し極悪人退治に大きな役割を果たした西部署特別仕様のパトカーであり初代スーパマシン(マシンX=210スカイラインジャパンの改造特別仕様パトカー)に次ぎマシンRS(DR30スカイラインRSターボの改造特別仕様パトカー)と共に配備されたモノでした!

このスーパーZは小樽の裕次郎記念館に隣接して開催されていた“西部警察展”(だったかな?)で実車を見ましたが画面で見ていた時と同様、西部ファンには申し訳ないですが個人的にはあまり好きではなくカッコいいとも決して思いませんでしたorz…
まず、ガルウィングに無理矢理改造した感が強くてオリジナルのボディラインの美しさ良さが失われてしまった感じが嫌でゴールド/ブラックの2トーンもオリジナルのマンハッタンの方が数倍カッコ良く感じました。

まぁ、西部警察放映時は成人にも近く西部以前の大都会シリーズと較べるとストーリーも『ドンパチガヤガヤのお子ちゃま向けドラマ』ってな感じで冷めた目で見ていたので余計に印象悪いのかもしれませんが最近になってもやたらCS等で再放送される同番組を観ても未だにこの“スーパーZ”、好きになれませんです(*_*)

ただ、一世を風靡したドラマですし130Z=西部警察という脳内インプットは我々世代には完璧に行われていますネ(笑)

[RX-7]
こちらは70~80年代前半に日テレで放送されていた“日テレ火曜9時アクションドラマシリーズ”中の一作品である『大激闘マッドポリス80(後半からタイトル変更となり“特命刑事”)』で主人公の氷室(渡瀬恒彦)の愛車として前期RX-7が登場していました。

↓当時バリバリの新車ながらかなりのカーアクションをこなしていた『大激闘』のSA22RX-7



大激闘は曜日、chは違えど西部警察と同時期に放映、西部の渡vs大激闘の渡瀬で“兄弟対決”として話題になりました。
日テレ火曜アクションドラマは大都会シリーズ、大追跡、探偵物語、プロハンター等の名作を生み出していますが79年の『探偵物語』からマツダがクレジットに入り車輛提供がALLマツダとなりました。
探偵~でも当時のコスモやルーチェ、RX-7も活躍しましたが7がレギュラー車になったのは大激闘が初で壮絶なカーアクションが人気だった大都会や西部~に対抗するため当時バリバリの新型車であった7もかなり際どいアクションをこなしていたのが印象的、間違ってもクラッシュシーンだけ旧型になる、なんて言う某番組?みたいな事はななかったですね(笑)
まっ、7の場合は旧型がないのでクラッシュする場合、氷室は最初から旧型カペラやサバンナに乗って出動していましたが…(爆)

残念ながら大激闘は西部警察のようなオバケ番組にはならず当時は低視聴率で打ち切りという憂き目に遭いましたが現在ではコアなマニアに人気のようです^_^;

この分野のガチンコ対決では間違いなくお兄ちゃん、いやS130Zの勝利でしょう!


~競技での活躍~

両車とも先代はレースにラリーに暴れまくりオールドレース/ラリーファンにはその勇姿が瞼に焼き付いている事でしょう…。
先代末期はOILショックや排ガス規制でそれら活動は罪悪みたいな風潮で活動も縮小していきますが78年、両車2代目デビュー後はそのような空気は払拭されかかっており再び競技活動に参加してゆきました。

[Z]
先代S30時代は国内外のレース/ラリーにブルーバードやスカイラインと共に積極的に参画し上位成績を収めたZですがS130はひと回り大きくなった車格、ボディによりこれらの一線はスカイライン等に譲りレース活動に絞り更に活動の主軸を北米に移しポール・ニューマンによってIMSA-GTOで活躍したのが目立った戦績です。
IMSA-GTOは日本車としてはZの独断場の様相を呈しその後のZ32型(4代目Z)まで大活躍をしました。

↓北米IMSA-GTO出場のS130Z!!


[RX-7]
Zが国内の表舞台から消えて行ったのとは裏腹にRX-7は先代サバンナが常勝し続てきた各レースでの活動を発展継続、その活躍は国内外のTSレースやG5、デイトナにWRCラリーと多岐にわ渡りますので戦績などはwikiをご覧頂く事としますが中でも忘れてはいけないのがル・マン24時間耐久レースへの参加でしょう…

ル・マンと言えばマツダが91年に787Bにて日本車としては初優勝を飾った事があまりにも有名ですがこれに繋がる道はSA22型RX-7が築いていました。

↓ル・マンに参戦したRX-7 IMSA-GTO仕様(一例)


ル・マンではマツダ本社の台所事情から販社からの参加を何度となく繰り返しながらも思うような戦績はRX-7で残せないながらその経験は確実に蓄積され遂にレースレギュレーションが改定(RE参加不可)されるギリギリの91年、7の経験から学んだ787Bにて栄光を手にしたという劇的な結果となり当時マツダファン、レースファンでなくとも誰しも“日本車NO.1”時代の到来を意識させるのに大いに貢献したのです。


この分野のガチンコ対決、これは車の実力は置いておいて参加意欲=チャレンジスピリットからしてこれは7に軍配を上げざるを得ないです!

~総評~

以上、延々(汗)お送りしてきました『S130型Z vs SA22C型RX-7』のガチンコですがどうでしょう?
個人的見解では“スポーツカー”としての価値としてはやはりそれを謳いながらも中身はGTカー的に変貌したZよりRX-7に軍配を上げたいと思います。
2.8で無理矢理?速く仕上げたZよりも基本からしっかり見つめて真面目に無理なく造られたRX-7に好感を持つのはワタクシだけではないでしょう…

しかし実際の生産/販売台数はZの圧勝!やはりこの時期でもまだ“特殊”な印象であったREエンジンのRX-7、燃費の悪さという印象がこのエンジンには常につきまといスポ車としての大きな魅力を感じながらもイマイチ踏み切れないマニアも多かったと思います。
実際ワタクシもたまに借りて乗るにはこの上ない楽しさを感じながらもレシプロ特有の“メカニカル”の魅力をターボが付こうがロータが3個になろうが上回る事はなかったです。

ただ、REの名誉の為に申し添えれば決してREを否定もしませんし燃費も大排気量レシプロやDOHCターボをブン回せば殆ど変わらなかったので世間一般的な悪印象も全くありません、それどころかスムーズさ、滑らかさでは未だこれの右に出るモノはないのでは?と思います。

要は130Z、7に関わらず5感でREか、高性能レシプロかは個人が決めるモノですし似て非なる両車、スポーツカーの命であり最重要となる搭載エンジンの思想が異なる“異質なスポーツカー”と考えればどちらに軍配という事にもならずそれぞれの長所短所を受け入れながら楽しめたのではないかなーと考えます、まぁ、それじゃこの企画自体が成り立ちませんがネ(*_*;

そんなモノ成り立たなくてもワタシにとって文句なく2車ともに夢多くを与えてくれた憧れの“ピュアスポーツ”であった事は間違いありません…!

燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!”S130型フェアレディZvsSA22C型サバンナRX-7…完
Posted at 2017/08/13 17:09:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | ライバル | クルマ
2012年08月25日 イイね!

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…フェアレディZvsサバンナRX-7編(前編)

保存版・燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…フェアレディZvsサバンナRX-7編(前編) (2012.8/25UP)

燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!

この対決はベタです…てか当時としては良く比較され各雑誌でもサーキットでライバル対決なんぞさせれれていたこの2台! 『日産フェアレディZ S130型』vs『マツダサバンナRX-7 SA22C型』のガチンコです^^;

さて、この2台は当時“日本が誇るスポーツカー”として売り出されており事実、2車が発売された1978年という時代は73年から日本を襲ったOILショック、それに続く厳しい排ガス対策の影響からそれ以前は隆盛を誇ったスポーツカー/スポーティカー/GTカー等は軒並み姿を消してしまいましたがこれら問題が一段落し再び夢を持てる“スポーツカー”にユーザーもメーカーも飢えており苦しい期間を耐え忍んで80年代に向けた新時代のスポーツカーの提案というべく発売されたモノでした!

《S130フェアレディZ・SA22CサバンナRX-7前夜…》

【フェアレディZ】
69yに日本初の本格的重量級スポーツカー、トヨタ2000GTに対抗してそれまでのオープンモデルのDATSUNフェアレディ(SP310/SR311型)をFMCしクローズドボディのスポーツカー『フェアレディZ(S30型)』として登場、2000GTのハンドメイド的少量生産/販売とは異なり大量生産/販売向けスポーツカーでスタイリングは教科書通りの“ロンブノーズ&ショートデッキ”で完全2シーター、スラントノーズ、フルファストバックの誰が見てもスポーツカー然としたスタイルで登場。
その流麗なスタイリングは由緒ある海外スポーツカーのポルシェ911やジャガーEタイプと比較しても何ら遜色のない美しさながら性能的には既存エンジンの流用やチューン版を搭載し大量生産という事もあり価格は大幅にリーズナブルな設定!その安価な戦略は国内はもちろん主要な市場である米国では元祖“プアマンズ・ポルシェ”“ダッツンZカー”としてスポーツカーとしては異例な販売台数(発売期間69/11~78/8約9年で全世界→55万台、うち国内8万台)を記録しています。

Zは国内外レースやラリーでも活躍、その名声を高めますがやはりOILショックや排ガス規制には敵わず73年以後、DOHCのZ432やオーバー2Lの240Z(国内販売)等ZらしいZが次々に製廃、76年以降は排ガス適合モデルとなり2LのL20EエンジンはNAPS化により極端にドライバビリティが低下、スタイルのみ相変わらずの“プアマンズ”を維持しながらも中身はローレルやスカイラインと何ら変わりない“実用車”になり果てていました。
これは74年に主マーケットの米国からの要望で追加された4シーター『2by2』の影響も多分にありもはやこの頃になるとZは“スタイルだけのスポーツカー”という印象に変わってきていましたねー、私も子供心に「何でZに4人乗り出すんだろう?スタイルも変になった」と怒り心頭?ではありませんでしが(笑)残念に思ったのは印象に残ってます。
まぁ、大人になれば営業戦略的に4シーターは必需だったと今更ながら理解しておりますが…。

↓“プアマンス・ポルシェ”を如実に表した国内最高峰だった初代S30フェアレディ240Z-G(72y)


そんな初代Zでしたが70年、トヨタ2000GTが製廃以降、例え逆境で牙を抜かれようがやはり当時のカーマニアには一目置かれる“国内唯一のスポーツカー”として存在感は揺るぎないモノだったと思います。
フラストレーションを貯めに貯め込み爆発するように78/8、遂にZは初めてのFMC(『フェアレディZ』としてという意味、フェアレディとしては先記のSP/SRや先祖となるDATSUNスポーツDC-3から数えると4度目のFMC)を行い今回の主役の1台である『2代目フェアレディZ S130型』がデビューします!!

【サバンナ】
コスモスポーツでセンセーショナルにデビュー(67y)したREエンジン搭載モデルの第4弾として71/9に発売された『S102型サバンナ』がSA22C型RX-7の前身になります。

少量生産で高額だったコスモスポーツはREの鮮烈な印象を広めるには充分なインパクトでしたがそれの普及には程遠くそれが託されたのがRE第2弾の『ファミリアRE』(68/6)、そして第3弾がファミリア上級となるカペラ(70/5)でありカペラにはコスモ/ファミリアに搭載された10A型(491cc×2、110→128ps、ファミリア搭載型は100ps)をベースにひと回り大きい573cc×2ローター 120psを搭載、当時サーキットでは無敵を欲しいままにしていた日産スカイラインGT-Rに挑みました。

しかしカペラやファミリアで当時言われたのが「脚(ボディ、シャシ)がエンジンについていけいてない」という酷評、そこでマツダはREの卓越した高性能はレースでの輝かしい成績の獲得が一番の早道!とばかりに第4弾として“RE専用設計”を謳うサバンナを開発した訳ですねー…
まぁ、これは『グランドファミリア』と言うサバンナとボディを供用、こちら(Gファミリア)は“レシプロ専用車”も同時発売していますからいささか謳い文句には眉ツバ的印象もありますが(*_*;

↓“RE専用車”としてデビューした初代S102型サバンナ(71y)


コスモ、カペラもそうでしたがサバンナにはグランドファミリアと言うファミリーユース向けを用意しますがこれはあくまで廉価版の扱いでサバンナは“RE搭載前提”で設計されたもの、カペラはそれでも煮つめが甘く当初狙ったレース界を席巻するには至りませんでしたがサバンナは71年発売の直後から富士グラチャンでデビューし数々のレースに参加、72y以降は“打倒GT-R”を目標にカペラ用12Aを移植した『サバンナRX-3』(市販モデル=サバンナGT)で遂に富士GCにてGT-Rの連勝記録をSTOPさせたのはあまりにも有名ですネ!
この死闘はマツダの787Bル・マン優勝と並び未だ語り草になる出来事だったと思います。

こんなサバンナですがグランドファミリアというファミリーモデルを持つ事からスポーティなクーペがメインながらもセダンやワゴン(グランンドファミリアはバン)を持つシリーズ展開、性能は1級品ながらもスタイリングはZとは異なり決してスポーツカーのスタイリングには届かず“スポーティ”止まりでした^^;

スポーツカーとしての当時の定義はロングノーズにショートデッキ、ワイド&ロー、流麗なるスラントノーズ、そして低い着座姿勢に2座!が条件でしたのでこれからするとサバンナはスポーツカーにはなれなかった訳ですね。
しかしクーペは70年にトヨタセリカや三菱ギャランGTOが火を付けたスポーツカーとはまた別ジャンルとなる“スペシャリティカー”のブームに乗りこれらにに較べても遜色ないスポーティなスタイリングで3分割されたFrフェイス、スポーティ度合いを示すフルファストバックは当然ながらダイナミックでグラマラスなスタイリングは“獰猛”に近いド迫力でありRE/マツダファンだけでなくこちらも内外問わずに“リーズナブルな高性能車”として人気を得ていました…。

が、しかし…

サバンナのREは決定的な欠点である“極悪燃費”や構造上、2stのようにOIL消費量も大抵じゃない点が災いし73年に起きたOILショック以降はマツダ(当時、東洋工業)の経営を危うくする大打撃!
国内外でのREは評価は地に堕ちた感じとなり返品キャンセルの嵐が吹き荒れたのと同時にこれにより燃料を大量消費するレース活動に対する社会の厳しい目線や当時社会問題化した暴走族がレースで無敵、高性能のサバンナを好んで使用したりもありこの頃を境にサバンナの評判もガタ落ち、これほど社会情勢が影響したモデルも珍しいと言えるでしょう。

しかしこれ以後の排ガス対策ではREの特性上、ドライバビリティにさほど悪影響が出ず未対策時のパワフルさを維持したサバンナは信用回復がなされましたし逆境の中でも決してRE/サバンナを諦めずに造り続けたマツダの意地は排ガス規制でZも含む各社のスポーツモデルが青色吐息の時期=初代サバンナのモデル末期に花開いた感じがしたものでした!!

このように数奇な体験、波乱万丈な人(車)生だった初代サバンナの経験を生かし第2世代は本格的な“ピュアスポーツカー”として生まれ代り78/3にデビューしたのが今回のもう一つの主役『SA22C型サバンナRX-7』です!!


~80年代を目指したNEWスポーツ誕生!!~

2代目となった『S130ファエアレディZ』、同様に第二世代に入って新たにサブネームを得た『SA22CサバンナRX-7』。
この2車が発売された1978年は当時を知るスポーツモデルファンには忘れられない年となった筈です!

暗く長かったスポーツモデルに対して向けられてきた悪意の目(社会情勢)が景気の昂揚と同時にフツフツと溜まった溶岩が噴火するかのように各社一斉にかつて=排ガス対策やOILショック前のように息を吹き返し“第二次ハイパワーブーム”の火付け役になったのがこのZとRX-7だったと思います。
79yの日産ターボ(L20ET)、81yのトヨタDOHC-6(5M-GEU)…その後の各社のハイパワーフェイーバーはご承知
の通りですがそのようなファンにとっては幸せな時代を迎えられたのもこのS130ZとRX-7の成功があったからだと思います!
それではいつものように?前置きが長くなりましたが本題に入ります^_^;

まずはS130Z…

先代S30型Zが残した功績は大きくFMCの噂が出ると主に海外からは「変えてくれるな!」との要望が出た程、このためS130は“キープコンセプト”、つまりは外見ではS30のイメージを極力踏襲、中身は9年ぶりのFMCでほぼ全てが新設計になりながらも“誰が見てもZ”と解るモノでした。
ロングノーズ、スラント+抉られたヘッドライト、ショートデッキ、HB形式のフルファストバッククーペのスタイリングは正にS30Zそのままのアイディンティでテールやインパネに至るまで先代のイメージが色濃く残っていました。
ただ、非常にグラマラスなボディラインとなり先代のシャープさが消え良く言えば豪華なイメージ、悪く言えば贅肉が付き過ぎた?といった印象が個人的にはしました。
ボディバリェーションは“スポーツカー”にこだわる2シータと先代末期に追加された2by2(4シータ)です。

↓誰がどう見ても“Z”であった2代目S130型Z(280Z-T 2by2)


130は先代に較べたら確実にスポーツカーマインドは低下、スタイルはそのものズバリで日産も“スポーツカー”とコピーしていましたが性格は“グランドツーリングカー(GTカー)”的なモノ、サイズも車重も先代から較べて大幅にデカく重くなり俊敏に街中を駆け回ると言った走りはどちらかと言えば苦手な部類になり高速道路を長時間、ドライバーや同乗者に負担をかけずにシズシズと走る、これはS30がALLストラットの4独サスだったのをS130でローレルやスカイラインでお馴染のFrストラット/Rrセミトレ方式に変更した事もあり細かな振動も拾うRrストラットよりも重圧な乗り心地になっていました。ただ、その代償に機敏さは失われた感じですね…。

↓重量増と性格を見つめ直し日産は実績ありFrストラット/Rrセミトレ4独をZに採用!


しかしそのセッテイングは広いアメリカが主ターゲットの為、大陸を何時間も高速で走っても疲れない、そんなシチュエーションを前提にして造られておりこのためS130では排ガス規制でパフォーマンスの低下した2Lをメインから外して当時としては大パワー、高トルクの2.8Lをメインとしています。

ワタシも2Lと2.8Lは共に経験ありますが長さで約50cm、幅で約6cm大きくなったボディは旧S30と比較して回頭性は消え失せ2Lに関しては運動性能に俊敏さはなく特に発進加速は先代と同じエンジンながらここまでダルいか?と思う程!先代にしても同じNAPSでの対比ですから未対策のS30とは較べようがない位、“Z”の名を疑う程のモノで非常にガッカリしました。
200Zはそれこそ『スタイルだけZしてればいい』って感じで当時まだまだ3ナンバーは税金の高い時代でしたからどうしてもZが良くさりとて高い税金払えない人はこれで我慢するしかなかったんですよねー。。。
先代S30でもNAPS化以降はZの名に恥じるような走りでしたからデカく重くしたS130の2Lでは当然と言えば当然の結果ですがorz…
S130の200Z、一番軽い廉価版ですら1175kg!これでグロス130psではキツいですよねー。。。

↓2LのZはかなり残念な走りながら雰囲気は完全スポーツカー!(78y 2シーター200Z-T)


しかし2Lの戦闘能力がないのは造る側もお見通し!そんな訳でS130には当時日産の最高峰エンジン(VIP用プレジデントのV8を除く)である2.8LEGI付きのL28Eを用意、240Z以来の久々オーバー2Lですがこれとてパワーウェイトレシオだけ見たらS30のNAPSより劣ります…
しかし絶対トルク(23kgm)と大パワー(145ps)は200Zとは別物の走りを提供、俊敏さはないものの高速のロングクルージングやパニック加速は群れを抜く速さ!因みに0→400m加速は280Z-Tで16.6secですのでこの時代ならば“スポーツカー”としても及第点ですね。

一度この280Z、中央高速を200km程回送経験ありますがワインティングが多いこの同道路、その部分は決して楽しい乗り味ではないですがUP/DOWNでもストレスなく余裕で走り直線部では群れを抜く安定性で正に“GTカー"としては1級品だなーと感じました。空力に強いスタイルは路面にベタっと貼りつく安心感がありFRながらも速度を上げれば上げるほどの“レールウェイ”に近い感覚が味わえ高額所得者にのみ許される贅沢さだと哀しくなったり(汗)
やはりこの時代、ターボが出る前夜ですから排ガス対策、これに伴う重量増で既に2Lの戦闘能力が限界だったのを200/280Zを乗り較べると身体で実感しましたね!

一方のRX-7!!

先代がファミリーカーとボディを供用したのに対し7はそれこそ専用車種、OILショック前に軽~商業車・マイクロまでREエンジン搭載を計画していたマツダはその大打撃により止む無くRE搭載計画を変更、比較的高額車輛(高級車、スポーツカー)を買う層にはそれほど燃費に五月蠅い事を言うユーザーはいないとの判断から75年に高級パーソナルクーペのコスモ、77年にクラウン/セドグロ級に格上げになったルーチェ・レガート(その後『ルーチェ』に変更)等2車種のRE高級バージョンを発売、そして第3弾が“REスポーツカー”としてサバンナの後を受けたこの7でした。

↓RX-7はマツダの最大の財産“REエンジン”を大前提に開発!


7は誰が見ても“スポーツカー”そのものの解りやすいカタチ!
何と言っても国内ではトヨタ2000GT以来のリトラクタブルヘッドライトが最大の特徴でそれを納める流麗なるスラントノーズ、コンパクトなREエンジンをFrミッドシップに搭載し可能な限り低い鼻先としCD値は0.36という他に類を見ない数値を実現していました。(S130 ZはCD=0.39)
全体的スタイリングは見かけ2座に見える程のワイド&ローのプロポーション、お約束のロングノーズ/ショートデッキ、RrはコスモスポーツのRrガラスをオマージュしたと言われるグラスハッチが採用され非常に個性的スタイリングは76年頃に起こった所謂“スーパーカー”少年達も釘付けになる斬新さ!(実際、当時子供向けの車に関したマンガや絵本等には“日本のスーパーカー”としてRX-7が紹介されていました!)
Frからの外見はポルシェ924や928を彷彿させるのに充分な面構えであり旧サバンナのイカツイ顔とはまるで正反対の都会的でお洒落、誰でも素直に「カッコイイ」と思えるモノでした~。
先代S30Zがアメリカで“プアマンズ・ポルシェ”と呼ばれましたがRX-7は見かけからしてそれを彷彿、2代目プアマンズはRX-7に与えられていました。

↓どこから、誰が見ても“スポーツカー”だったSA22C型RX-7(78y GT)


↓“スーパーカー”ばりのリトラライトは大きな注目を集めました!!(78y リミデット)



↓グラスハッチのRrスタイルは個性的だけではなく明るい後方視界も確保!(78y㊤GT㊦LTD)



上記に“見かけ2座”と書きましたが7の見事な点はミニマムながらも後席が用意されしかも一応その後席も大人が座れかつヘッドスペースやらの犠牲にスタイリングがならずまとまっていた点だと思います。
この種のモデルは後席があるだけマシ!程度に割り切らないとともすれば後席のためにせっかくのスポーツカーのスタイリングが破綻してしまい魅力も半減すると思います、これで言えばZはS30/130ともに2シーターは素晴らしい流麗さを誇りながら2by2(4シーター)ではどうしても“取って付けた”印象が強く勿論実用では2by2が上なのは承知ですがスポーツカーの場合、支払った大金のうちスタイルに払う部分も大きいのであくまで個人的にはZの場合、S130以降も含めて2シーターしか選択肢はなかったですねー…(2by2乗りの方スミマセン)
上記でスポーツカーの条件に『2座』と記載しましたが日本の文化では4座は最低必要の為、日本のスポーツカーに関しては『2座』は無視って感じではありますがZの場合はやはり2座にこだわりたいのが本音ですかね…。

7も知人が乗っておりよく借りて乗りましたが低い着座姿勢が座ればヤル気になるのは当然、相変わらずスムーズなREはレシプロが5000、6000rpmまでブン廻すとそれなりに乗り手にもクルマにもストレスや緊張を感じさせますが高回転まで全くそのような事はなく知らず知らずのうちにとんでもない速度になっていたりで(*_*)
ただ、意外に脚廻りは「固めればいいんだろ?」的は部分は旧サバンナGTから引き継がれSA22以後のFC3がしなやかかつ適度な堅さという秀逸な脚を手に入れた後では前時代的な乗り味だった印象が強いです。
かつてのファミリアやカペラREの『脚がパワーに追い付いていない』まで落胆するものではありませんが特に後輪はリジットだったのもあり見かけの割には雑?な乗り味を感じました…。

↓RX-7のFrストラット/Rr4リンクリジットサス


因みに7の0→400mは15.8sec(2名乗車、LTD)という280Zにも勝るダッシュ力はREと軽量ボディ(グレードにより900~1000kg台!)ならではでしょう…

尚MCはZ、7共に1度ですので(小変更除く)この78年発売モデルを『前期』、MC後モデルを『後期』と表現します。

以上、両車のデビュー時の概要やインプレです、続いて2車の諸元比較です。

【諸元比較】

[フェアレディZ S130(78/8~)]

(バリエーション)
200Z/200Z-L/200Z-T/280Z-L/280Z-T
※2シーター、2by2共に共通グレード設定
(型式)
日産E-S130型(排気、ミッションにより付加記号あり)
(サイズ)
全長4340mm(200Z 2シータ)4420mm(280Z 2シータ)4540mm(200Z 2by2)4620mm(280Z 2シータ)
全幅1690mm 全高12955mm(2シータ)1305mm(2by2)
(ホイールベース)
2320mm(2シータ)2520mm(2by2)
【車重】
1175~1300kg
(搭載エンジン)
L20E型 2000cc 直6 OHC EGI 130ps/17.0kgm
L28E型 2800cc 直6 OHC EGI 145ps/23.0kgm
(ミッション)
5速MT/3速AT
(脚廻り)
Frストラット/Rrセミトレーディングアーム
(駆動方式)
FR
(価格)
200Z :1,468,000円/同2by2 :1,598,000円
200Z-L:1,625,000円/同2by2 :1,793,000円
200Z-T:1,795,000円/同2by2 :1,988,000円
280Z-L:1,800,000円/同2by2 :1,965,000円
280Z-T:2,155,000円/同2by2 :2,373,000円
※MTモデルのみ

型式E-を見ても分かるようにNAPSにより全車53年規制適合車です。
アメリカ主体だけありATはほぼ全種にラインナップされていましたが当時日産はまだ3速ですからねー、2.8Lで3ATだと…燃費較べはした事ないですが7より多分極悪だったでしょうねー(汗)

尚、全長の違いですが200と280は基本的に2シータと2by2のサイズ違いだけですが280はバンパーにオーバーライダーが装着される分、長くなっています。

[サバンナRX-7(78/3~)]

(バリエーション)
カスタム/スーパーカスタム/GT/リミデット(LTD)
(型式)
マツダE-SA22C型
(サイズ)
全長4285mm全幅1675mm全高1260mm
(ホイールベース)
2420mm
(車重)
985~1015kg
(搭載エンジン)
12A型 573cc×2ローター シングルキャブ(2ステージ4バレル)130ps/16.5kgm
(ミッション)
5速MT/3速AT
(脚廻り)
Frストラット/Rr4リンクコイルリジット
(駆動方式)
FR
(価格)
カスタム:1,230,000円
スーパーカスタム:1,370,000円
GT:1,440,000円
LTD:1,690,000円
※MTモデルのみ

7も当然E-ですのでマツダアンチポリューション(AP)、サーマルリアクターによる53年規制適合モデルです。
7もアメリカ市場での売り込みを積極的に展開するためスポーツカーと言えどもイージードライブが可能なAT(こちらも3速)をスーパーカスタムとLTDに用意していました。

現在ではスポーツカーであってもATは当たり前ですが当時はまだまだファミリーカーであってもMT主体でしたから7のATって私の周辺では見た事ありません(Zは比較的多かった)が7、Zともにそのスタイリングから女性にも人気が高く国内でも女性が好んでATモデルを買っていた という記事を読んだ事があります。

(後編に続く)
Posted at 2017/08/13 16:51:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | ライバル | クルマ

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