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2011年10月06日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編⑥

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編⑥偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…いよいよチェイサー最終回、最終型となる『X100系6代目チェイサー』を取り上げます!

77yにマークⅡの双子兄弟モデルとしてデビュー、時にマークⅡよりスポーティに、時に豪華なパーソナルイメージへとお家の事情で後年加わったクレスタを含んで若干ながらコンセプトの変更がなされ“マークⅡの安物” “マークⅡやクレスタよりわざとデザインを落としている” “兄弟と較べるとチェイサーはね~…” と陰口ばかり叩かれる事の多いやや悲運のモデルでしたが96/9発売の最終X100系は最後にして初めてマークⅡを上回る人気を得ており特にスポーツグレードのツアラー系に至っては製廃後、特に後続モデルの不人気や安全基準の規制等、時代の流れから後年~現在では縦6エンジンが廃止された事もあり高人気を中古で持続、製廃10年を経ながらも一部グレード→ツアラーVのMT はまだまだUP!!UP!!の人気を得ており状態がいいモノは100万オーバーのプライスが付いているという事もご承知の事と思います!
業者オークションの乗用車コーナーをヒマにまかせて覗くと同じ年式、同じような状態でマークⅡとチェイサーのV MTの値段差を見ていると一時は10万~15万以上の開きがあり(チェイサーが高い)歴代の両車ではあり得なかった事で驚いたりしちゃいます(^^;)

X100系でも従来通りのピラード4HTボディでマークⅡとボディを供用する双子モデルながら60以来久しぶりに原点に還りマークⅡを若々しくリファイン、スポーティ路線に回帰し意匠の雰囲気のみならずボディの前後=オーバーハングを切り詰め“走り”の部分に本気で振ったスタイリング、佇まいが人気の要因で同時にFMCしたマークⅡが以前のチェイサーのように“手抜き?”と思われる程の素っ気ないデザインとなりクレスタも非常に地味なイメージになってしまった事もチェイサー人気の大きな要因だった気がします。
チェイサーはマークⅡ含めて90系のぼってりした丸味は抑えられ60~80系に回帰したような直線基調の軽快感溢れるすっきりしたデザインも好評でした。
100系のマークⅡとチェイサーでは普及グレード(グランデ/アバンテ)を含めるとやはりマークⅡの販売がチェイサーの約2倍と上回りましたが実にツアラー系では圧倒的にチェイサーが選ばれていたのもこれまでにない現象だったようです!

↓96/9、最終型X100系チェイサー誕生!(前期2.5ツアラーV)



マークⅡで伝統のスラント化されたノーズはデッキと共に(オーバーハング)をバランスが崩れない程度に絞り込み異形丸目4灯の精悍な顔付と初代30/40をモチーフした3分割の角型テールランプは非常に若々しくスポーティでワタシも個人的に兄弟のみならずこのクラスのライバル車達含めても純粋に“カッコいい!”と思え こちら にも記載しましたが現愛機が何らかの事情で手放さなければならなくなったとすれば代替候補の1つです(^^;)

↓異形丸4の精悍なヘッドライトと初代をモチーフした3分割角型テール!!


↓ベースとなったX100系マークⅡ(㊤前期2.5グランデ/㊦同2.5ツアラーS)



尚、従来マークⅡは70系のワゴンと80系セダンを90系時代も細々と販売、セダンは主用途は営業用(タクシー)が多いながらも一部グレード整理してオーナー向けもラインナップしていましたが95/12に80マークⅡセダンをベースにした完全営業向けの『クラウンコンフォート』がデビューしこれを後続としてX100系マークⅡ(従来で言う4HT)デビューとほぼ同時に生産終了、84yからFMCせず生き永らえていたワゴンも製廃、ワゴンはカルディナとクラウンワゴンを一時後続に据えた後に97/4、カムリグラシアワゴンと双子となる『マークⅡクオリス』となっています。
これによりフルラインナップが崩れオーナー向けとなるセダンボディを失ったマークⅡに対し(コンフォートも一部オーナー仕様はありましたがその造り、佇まいは営業用然としており殆どオーナー層に選ばれてはいませんでした)その受け皿的役目を請け負ったのがX100系クレスタでした。
その為か?非常に100系クレスタは従来型(50~90)でもマークⅡ/チェイサーに対して派手さを抑えたイメージでしたがより地味な印象になり存在感はかなり希薄、3兄弟ファミリーでチェイサーに代り最少販売車種となってしまいました。
この頃になるとセダンモデル需要減退が顕著になっていた事もありますが100系クレスタはどう見てもそれこそ以前のチェイサーのように“手抜き”的作品に個人的には見えてしまいこちらも最終型というのありヤル気のなさを感じたり…
まぁ、チェイサーファンとしては最終でクレスタの分まで気合が入った感じでそれはそれで歓迎でしたがかつて兄弟の中でもひときわオリジナルでパーソナル感を漂わせ注目されていたクレスタの最終モデルは残念でしたネ~…

↓こちらも最終型となるX100系クレスタ(㊤/㊦2.5スーパールーセント前期型)



100系登場時、バブル崩壊後の日本は大不況の時期でありそれに加え台頭するミニバンブームも影響しセダンタイプモデルは販売減退、これまで売上ではトヨタの大黒柱的存在だったマークⅡ兄弟といえども開発費を70~80のようにふんだんにかける事はもうできず100系ではシャーシは90からキャリーオーバーし全体の造りも90系以上のコストダウンがなされました。しかし安全対策には時代の要求もありしっかり対応、トヨタ独自の衝突安全ボディ『GOA』の採用やABSと90時代は運転席のみだったSRSエアバッグを助手席及びサイドにも採用し全モデルに標準装備されています。

↓全車に運転席/助手席エアバッグを搭載!


ただコストダウン化している割にインパネ等の造り、デザインは90系よりも高級感があり裏側はイザ知らずこの頃はさすがトヨタ!見えるところで前作が不評でしたのですかさず改良されておりツアラー系にはスポーテイ雰囲気満点のカーボン調パネルが、アバンテ系の木目パネルも90時代より上質な雰囲気を漂わせていました。
上級モデルにはクラウン譲りのオートスイングルーバーも装備され少なくても室内での見え見えコストダウンは感じられません!

↓カーボンパネルを採用したツアラー系と美しい木目パネルのアバンテ系のインパネ&インテリア
(ツアラーV㊤1.8ラフィーネ㊥2.5アバンテ㊦)




それでは100チェイサーのモデル概要です。

(サイズ)
:全長4715全幅1755高1400(4WDは1415) ホイールベース2730(以上mm)
(車重)
1410kg(2.5アバンテG)
(定員)
5名
(エンジン)
4S-FE型 水冷直4 1800cc ハイメカDOHC 16バルブ EFI 120ps  
1G-FE型 水冷直6 2000cc ハイメカDOHC 24バルブ EFI 140ps
1JZ-GE型 冷直6 2500cc DOHC 24バルブ EFI VVT-i 200ps
1JZ-GTE型 水冷直6 2500cc DOHC 24バルブ EFI VVT-i IC付ツインターボ 280ps
2JZ-GE型 水冷直6 3000cc DOHC 24バルブ EFI VVT-i 220ps 
2L-TE型ディーゼル 水冷直4 2400cc OHCターボ 電子制御燃料噴射ポンプ97ps
(以上ps表示はネット値)

(駆動)
FR/4WD
(ミッション)
5MT/4速AT(OD付/ECT-iE/ECT-E/ECT)
(脚回り)
ALL(Fr/Rr)ダブルウィッシュボーン4輪独立懸架
(ボディ)
4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式SX100)
XL/ラフィーネ
2000EFI 24バルブ (型式GX100)
アバンテ/ツアラー
2500 TC24(型式JZX100/4WD JZX105)
アバンテ/アバンテFour/アバンテG/アバンテFour Gパッケージ/ツアラーS
2500 TC24 ツインターボ (型式JZX100)
ツアラーV
3000 TC24(型式JZX101)
アバンテG
2400ディーゼルターボ(型式LX100)
XL/アバンテ

ホイールベースは先記の通り90系のシャーシのため変更はありません、もちろん3ナンバーサイズです。
幅/高さは先代よりもサイズアップ、80/90で言われ続けていた室内空間増大という改良がなされます。
乗車した感覚では80/90からの劇的な広がりはないものの頭上の広がりは顕著、FRの4HTボディとしてはスタイルとの妥協も計算しこれが限界なのかな?と思えます。
これ以上の空間が欲しいならこの時代、既にアッパーミドルでもFF化が標準化していたのであえてマークⅡ/チェイサーを選ぶなら気にならないでしよう、てかしてはダメです(笑)
しかしやはり外寸の割には狭いのは初代~最終型まで見事に引き継がれました!!
冒頭で述べた通り全長は前後の絞りで90よりは短くなりこれがマークⅡ/90チェイサーと比較して走りの部分で大いに軽快感を引き立たせていました!

↓チェイサーらしいスタイルを破綻なく維持しながらオバーハングを切り詰めた100系のプロポーション!!


搭載エンジンは90を全て継承しますが1JZ/2JZエンジンは新たに『BEAMS』と呼ばれる高出力と低燃費を両立させる新世代のエンジンを謳ったモノで上級高出力エンジンに可変バルタイ(VVT-i)を採用、2.5LNAの1JZ-GEで180ps→200psパアワーアップ、ツインターボの1JZ-GTE及び3Lの2JZ-GEではスペック的には変わらないながらもドライバビリティ、フィーリングは従来型とは性質を異にしています!
トヨタの可変バルタイ、ワタクシ2JZは経験ありませんが1JZはターボ/NAともある実験で乗り較べホンダのV-TECや三菱のMIVEC程劇的なフィーリングの違いは感じませんが特にNAでは中回転以上での領域での吹け上がりは従来型よりも素早くタコメーターの針が上がるのを感じ取れ ~これならターボいらんか?~ と思える程でした!
もう一つの売りである“低燃費”はオーナーではなかったので分かりませんが少なくともカタログでは大排気量とは思えない10・15モードでL/10㎞オーバーという素晴らしい?数字が並んでいます。

↓後にメジャーとなる“BEAMS”をこの代から採用し大々的にアピール!


↓BEAMSの本質である可変バルタイ機構=『VVT-i』


↓VVT-iを採用した1JZ-GTE㊤と2JZ-GE㊦


 
尚、2L 1G-FEが吸排気系見直しで5psアップの140psとなっており1.8L 4S-FE/2.4L 2L-TEは従来型を採用、ただ、本家マークⅡからはリストラ策の一環でこの二つのエンジンはカタログ落ちしておりディーゼルモデルはクレスタとチェイサー、1.8Lはチェイサー単独になっています。
これはマークⅡ販売店には直近の下級コロナプレミオが存在しており1.8Lはそちらに譲りクレスタではやはり同系でビスタに1.8Lモデルがあるもののチェイサー販売店のオート店(現ネッツ)には直近下級スプリンターに1.8Lモデルが存在しないためチェイサーのみリストラを免れたものです。
ディーゼルは2.2Lのコロナプレミオ/ビスタ/スプリンター全てに3C系が存在しておりマークⅡのDモデルのみ単なるリストラでした、ディーゼル乗用車人気の衰退もあり以後チェイサー/クレスタからもディーゼルモデルは廃止されますますが真っ先にDモデルを設定したマークⅡが最初にこれを廃止したのも皮肉ですね。。。

バリェーション的にもほぼ90系後期を継承しますがツアラー系に廉価版となる2L 1G搭載の『ツアラー』が加わり2.5ターボのツアラーV、2,5NAの同Sと共にツアラーシリーズを形成しています。
駆動は基本FR、アバンテFour及び同Gパッケージが4WDとしてラインナップ、ラフィーネを1.8L専属にする代りにDにもアバンテを設定しています。

↓ツアラー系以外の100系チェイサーのバリェーション展開





脚廻りの味付けは90時代とほぼ同様のALLダブルウィッシュボーンでアバンテ系以下は乗り心地優先、ツアラーはハードでフィーリングに特に変化はありませんがVVT-iと90に較べ見切りが良く着座位置も心持ち高くなりアイポイントが変化したせいもあるのか非常に乗り易く=飛ばし易く!?なっていた印象です。
相変わらずツインターボでは不足気味の足で強化は必須ですが3L/2.5L NA以下ではアバンテ含めて1.5t近くのボディを載せるのにを充分な性能でした。
アバンテ系以下でも80/90系よりはしっかりした印象もありましたねー…

↓90系を継承したFr/RrダブルウィッシュボーンIRSの脚廻り



100系となり電子制御サスTEMSはよりきめ細かい電子制御を行うスカイフックTEMSに進化、ATもこれまでの電子制御ETC-Sを更に進化させたECT-iE/ECT-Eを採用、iEを3.0アバンテG/ツアラーVに、Eを2.5アバンテ系/ツアラーSに搭載しています。(4WD/1G-FE=電子制御ECT、1.8/2.4D=4AT 5MTはツアラーVとツアラーのみに設定)
ETC-iEはインテリジェントATといわれECT-Eと併せて燃費や登坂降坂をも考慮した自動変速を行う夢のAT!更にiEでは各ドライバーの運転趣向を判断し〈燃費指向←→パワー走行指向〉まで行うものでした。

ツアラーに特化した新装備としてVのMTにははトルセンLSDを標準装備(ATにop)、徹底した走り趣向をここでも訴求しチェイサー史上最もスポーティに振られこのような走りキャラクター設定がマニアックな人気要因の一つだと…

↓V、MTには走り屋には“必須”のLSDを標準装備!


また、ツアラーシリーズ全てに消費電力は下がりながらもハロゲンの明るさ、寿命を大幅に上回るディスチャージライト(他にキセノン/HIDとも呼ばれますネ!)をトヨタしては初採用、BMWで91yに初めて自動車に採用以来注目のアイテムでした!
日本では大型の三菱ふそうスーパーグレートが初採用して以来現在は汎用などの普及もあり一般的になりましたがまだまだ高価で希少な時代に標準装備され大きく注目されておりこれを初めて味わった時(スパグレですが…)ハロゲンと較べ絶大な明るさと綺麗な白/青の光は見かけもながらすっかり加齢で目が衰え夜間のドライブに若干の不安が出始めたワタクシは一気に魅せられてしまいましたねー。
かつてシールドビーム→ハロゲンに進化した時代を知る年代ですがその時よりも衝撃の明るさ&見易さに感激したのを憶えています!

↓HIDをトヨタでは初採用し大注目されたツアラーシリーズ(ツアラーS前期)


ツアラーシリーズには欧州車では一般的だったゲート式ATセレクターが採用され操作性の向上とスポーティイメージを高めています。
ゲート式、今やメジャーになりましたしこの頃でも外車では当たり前でしたが国産でこれは馴染みがなくストレートのセレクターに馴れた身には操作性に独特さがあり違和感がありました、しかし馴れると扱い易く何故もっと早く普及しなかったかが不思議に思います。

↓ツアラー系に採用されたゲート式ATセレクターレバー


↓最高峰“V”と共にツアラーシリーズを形成する『2.5ツアラーS』㊤と『2.0ツアラー』㊦



ツアラーには別枠?にてトヨタ特装(TECS)扱いで持込み車検となるTRDスポーツの設定も注目、TRD製グリル/各エアロパーツをまとうその佇まいは一層ツアラーの魅力を高めていた“特別仕様”でした!

↓ツアラー系特装モデルである『TRDスポーツ』


TRDバージョンまで投入しスポーツ路線を本気で進むチェイサーは当然の如くレースにも参加、ご承知の通り4発の3S-GE型エンジンをミッドシップに改造搭載して全日本ツーリングカー選手権 (JTCC)に登場しサーキットでも活躍していました!!

それではモデル改歴です(主要のみ)

(98/8)
MCで後期型となります。
前後意匠変更に加え2.0L 1G-FE型エンジンもBEAMS VVT-i機構を採用し出力を140ps→160psにアップします。
Fr/Rrは好評の為大幅な変更はなくFrはグリルデザインを、Rrはテールランプを3分割をハーフクリアレンズの丸型2灯に改めライバルのスカイライン真っ青なデザインとなっていました!

↓98/8、MCで後期型となります(㊤後期2.0ツアラー/㊦2.5アバンテG)



(01/6)
人気UP!!!で好評だった100系チェイサー、兄弟のマークⅡが00/10に時期型X110系にFMCした後も継続されモデルライフは異例の5年を数えました。
しかしクレスタと合わせた3兄弟の販売低下、セダンモデル需要縮少の荒波を避ける事はできずリストラ策が取られ01/6にチェイサーはクレスタと統合、X110マークⅡとシャーシを共用しながらマークⅡとは全く性格を異にするパーソナルセダンの ヴェロッサ に産まれ代り77年6月にデビューからちょうど24年でチェイサーはその歴史の幕を閉じました…。

↓“本家”マークⅡはセダン市場の厳しい中でも00/10に8代目(最終)がデビュー


↓チェイサーはクレスタと統合され“新車種“『ヴェロッサ』へ…



常にマークⅡやクレスタの影に怯え?顔色を伺った?“偉大なる“UP! DOWNのチェイサー!!!”、最後にして3兄弟中最高人気を獲得し華々しい最後を遂げ現在の中古車市場でも未だ影響力を及ばす100系ツアラーVの存在が貴重な置き土産だったかもしれませんね。。。
チェイサー、その24年の歴史をあくまで兄弟との比較ではなく評価/販売台数から考慮し改めて振り返りますと…
初代X30/40系(UP!!!)→2代目X60系(DOWN!!!)→3代目X70系(UP!!!)→4代目X80系(DOWN!!!)→5代目X90系(UP!!!)→6代目X100系(大幅なUP!!!)
になると思います。見事にシーソーのようにUP!!!DOWN!!!を繰り返すチェイサーですが最後の100系で誕生以来、ライバルとしていたスカイラインにようやく評価も人気も届き有終の美を飾ったと思います!!

後続のヴェロッサが強過ぎる個性で大コケ、結局チェイサーのDNAはマークⅡから改称された現行マークXに継承されますが同車のスポーティな味付けを見るとかつてのマークⅡよりも初代や最終チェイサーのDNAを感じるのはワタシだけでしょうか…!?
4HTがステータスで大人気、注目の的で元気だった頃の生き証人チェイサー、個人的に記憶に強く留めておきたいモデルに認定してチェイサーの巻を終わりにしたいと思います!!

チェイサーシリーズ・・・終
Posted at 2017/08/23 00:19:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年10月05日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編⑤

 保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編⑤
偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 25弾はチェイサー最終1コ前となる92/10発売の『X90系5代目チェイサー』を取り上げます!

90系はこの時期、徐々にセダン人気の衰退も始まりさすがのマークⅡ(チェイサー/クレスタ)の神がかり的販売も70~80系のようにはいかずバブル終焉と共にダウン傾向になりますがそれでも他車に較べればダントツ、今でもまだまだ見かけるモデルですね!
ワタシも仕事上のしがらみでトヨタに乗らなきゃならない立場におりならば!!と2台目のチェイサーは80時代に登場していた1JZ-GTEを味わいたく中古ながらこれの搭載モデルに1年程乗っていました!

90系はボディ、シャーシを併せて全車3ナンバーモデルに移行、この時期に極端に丸くなったトヨタのデザインテイストを注ぎ込みながらも伝統のロングノーズに小さめのキャビン、尻をピーンと張った堂々としたスタイリングを維持、カローラ(110系)やコロナ(190系)が極端に丸味帯びた中でも流麗な柔らかいラインの中にも直線的なティストは残しFrには初代30系のグリルデザインを70系に続いて取り入れ古くからのチェイサーファンをリスペクトしていました!

↓92/10~、5代目となったX90系チェイサー(前期3.0アバンテG)


ただ90系では時代の流れもあり車格は完全3ナンバーに上がりながらも随所にコストダウン化が図られ残念な事に70/80では見惚れる(?)程の内装の造り、仕上がり度はダウン、従来モデルを知る者には正直室内に入ると落胆しかなかった感じでしたね~。
これは単に見栄えだけではなく良く言えばシック/シンプルになったのかもしれませんがワタクシ的に遣い易く感嘆したサテライトスイッチも廃されてしまったインパネの造りやピラーやドア内張りの造りなどは表面もですが剥がした裏側なんかを見ると特に70系なんかは“過剰品質” “オーバーデコレーション”気味でしたからクラウン寄りの完成度だった同車がカローラ寄りになってしまったのがあからさまでガッカリでした、「これで300万オーバー?」って感じで…

↓90系最高峰、『3.0アバンテG』のインパネ&室内



↓コストダウンされながらも時代の要求もあり新たに装備されたエレクトロマルチビジョン(アバンテGにop設定)


兄弟であるマークⅡ/クレスタも当然同時にFMC、チェイサーは4HT専属でマークⅡはフルラインナップ、クレスタがセダン専属というシリーズ展開にに変更はありませんがこれもコストダウン、セダン人気の低下の煽りを受けマークⅡのセダンは80系を、バン/ワゴンは70系をMCして継続しています。
マークⅡ4HTとチェイサーはボディを供用するのも80系から継承しますがFr/Rrは大幅にリ・デザインされ70系ほどではなくとも完全双子だった初代(30/40)、60、80系と比較してオリジナリティを感じさせる演出がなされています。
尚、クレスタはやはり唯我独尊で別の世界、需要に訴求しています!

↓チェイサーと同時のFMCし90系となったマークⅡ/クレスタ
(㊤マークⅡ4HT2.5グランデG/㊥㊤同2.0グランデ/㊥㊦クレスタツアラーV/㊦同2.5スーパールーセント前期型)





スタイリングはマークⅡ4HTが60系より伝統のスラントノーズを基本とした流麗でスポーティさを表すのに対しチェイサーでは70以来久しぶりの直立した精悍な顔付、Rrビューはハイデッキスタイルは共通するもマークⅡがスポーティな細目横長のテールランプ、チェイサーはエレガントな大きめの横長テールを採用しかつての60系4HTのちょうど逆のテイストとなっていました。
クレスタは80から継承するプレスドアを採用、ツルンとした印象のチェイサー/マークⅡ4HTと比較して骨太感がありよりフォーマルでジェントルなイメージを強めています。
ワタクシ、こちら でも記載した通り90系では一番クレスタのデザインがお気に入りでしてホントはチェイサーではなくクレスタのVに萌え萌えでしたが中古で探すにはタマが極端に兄弟2車に較べ少なく妥協のチェイサーでしたので今もクレスタのVには心残りがあるかも…です!!

それでは90チェイサーのモデル概要です。

(サイズ)
:全長4750全幅1750高1390 ホイールベース2730(以上mm)
(車重)
1390kg(2.5アバンテG)
(定員)
5名
(エンジン)
4S-FE型 水冷直4 1800cc ハイメカDOHC 16バルブ EFI 120ps  
1G-FE型 水冷直6 2000cc ハイメカDOHC 24バルブ EFI 135ps
1JZ-GE型 冷直6 2500cc DOHC 24バルブ EFI 180ps
1JZ-GTE型 水冷直6 2500cc DOHC 24バルブ EFI IC付ツインターボ 280ps
2JZ-GE型 水冷直6 3000cc DOHC 24バルブ EFI 220ps 
2L-TE型ディーゼル 水冷直4 2400cc OHCターボ 電子制御燃料噴射ポンプ97ps
(以上ps表示はネット値)

(駆動)
FR
(ミッション)
5MT/4速AT(OD付/2ウェイ電子制御ECT-S)
(脚回り)
ALL(Fr/Rr)ダブルウィッシュボーン4輪独立懸架
(ボディ)
4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式SX90)
XL/ラフィーネ
2000EFI 24バルブ (型式GX90)
アバンテ
2500 TC24(型式JZX90)
アバンテ/アバンテG/ツアラーS
2500 TC24 ツインターボ (型式JZX90)
ツアラーV
3000 TC24(型式JZX91)
アバンテG
2400ディーゼルターボ(型式LX90)
XL/ラフィーネ

ボディもシャーシも完全3ナンバーモデル化しており外観は堂々とした大きさが更に丸味帯びたデザインで風格が強調されデビュー時は見る者を圧倒する程の押し出し感があったように感じます、メインエンジンも3ナンバー化に併せて2.5Lを主流としたモデル展開となりました!
しかしこの大きさに対して室内は伝統的なタイトさ、もちろん必要最低限以上の広さはあるもののボディの大きさに比較すると「なんでこんなに狭い?」って嘆きが出る始末orz…
身長174cmのワタシが楽な運転姿勢のシートポジションにすると真後ろではややレッグスペースが不足する感じがありヘッドスペースは80よりは快適になっているもFRの4HTという部分を差し引きしてもチェイサー(マークⅡHT)とうモデル、最初から最後まで“外寸と内寸の差”にいつも疑問符が付きまとっていた感じでしたね~、しかしドライバビリティに不満はなくDと1.8Lにアンダーパワー感とDでは騒音に若干の違和感はあるもののG/JZ系では不満はなく2Lの1G搭載モデルでも非力感はないシズシズと高級車らしい走りは及第点を得ていたと思います。

搭載エンジンはほぼ80後期と同一ながら遂に、と言うかようやくM型が完全淘汰され代って最上級3Lに搭載されたのは2.5L 1JZ系のスケールアップ版である2JZ-GE!
旧いM型と較べレスポンスはその設計年度を如実に伝えMの重圧なエンジン音を失いメカニカルノイズが高い軽々しい音質となったJZ系は回転も軽々しく大きな重量級ボディ(80系よりはサイズ拡大ながら若干の軽量化を実現)を俊敏に走らせていました。

↓長く搭載されたM型に代る新搭載3Lの2JZ-GE TC24エンジン!


↓最高性能バーションはお馴染2.5Lツインターボ1JZ-GTE型280psを継承


他にこれまでNAとターボのラインナップだったDモデルはターボのみとされ従来の2.4LD 2L-T型にボッシュ製電子制御燃料噴射ポンプを装着した2L-TE型とされ94ps→97psへと出力アップされました。

90系では脚廻りが見直されFrもWウィッシュボーン化、80からRrに採用されたWウィッシュボーンと併せこの代より廉価版においても4独サスを得ております。
これは廉価版の底上げというよりも全車共通化によるコストダウンという局面が強いものでした。
GTツインターボからグレード名変更されたツアラーV及び新設であるこれの廉価版ツアラーSではRrにスタビライザーを装着しより固めた脚としていましたがこれも伝統的にトヨタのハーダーサスの味付けでNAのSならば充分過ぎる性能ながらVでは役不足、TRC切って振り回そうものならタイヤより先にサスが悲鳴を上げる感じでATでイージーに乗るだけならともかくMTでそれなりに280psを生かそうと思えば強化は必須でした。
アバンテG以下ではストラット→Wウィッシュボーン化により軽快さはなくなりながらも重量級ボディをしっかり支え頼もしさは増しておりました!

↓ALLダブルウィッシュボーンの4独となった脚廻り


グレード設定は永らくチェイサーの底辺を支えてきたXLとXGをXL及びラフィーネ(60/70までのXGエクストラ)に統合してXGを廃止、また、アバンテの影に隠れ地味ながら2L廉価として初代~80まで存在したSXLも廃止、先記の通りスポ根系のGT TWIN TURBOをツアラーVに改称、これのNA版にツアラーSを設定しています。
アバンテ系は唯一2L 1G系が生き残った2.0アバンテを旧SXLの立位置としこの代からメイン化したNA2.5Lのアバンテ/同G、そして最高峰にM→JZ系に換装した3.0アバンテGとなっています。

↓最高グレードとなる『アバンテG』は2,5/3.0に設定


↓アバンテGにop設定されたパワー機能付本革シート


↓“GT TWIN TURBO”より改称された『ツアラーV』とそのNA版『ツアラーS』


↓ツアラー系はアバンテ系とはイメージを異にするスパルタンなインテリア!!             


↓普及版2.5/2.0アバンテ及び廉価版となるラフィーネ/XL



80にてop設定のSRSエアバックは相変わらずop設定、この辺では当時『全車エアバッグ装備』を売りにしていた日産に遅れを取っておりローレル/スカイラインはおろか大衆車の粋にまでSRS(運転席)を標準装備化した日産に倣い後期モデルライフ中にチェサーも標準装備されています。

↓前期ではop、後期末期から標準装備となったSRSエアバッグ


それではモデル改歴です(主要のみ)

(93/10)
フルタイム4WDシステムを備えた『アバンテFour/同G Four』を追加設定しています。
Fourは雪国などに配慮した実用4駆バージョンであり2.5Lの1JZ-GE搭載のアバンテと同Gのみのラインナップでありスポーツ4駆に当時君臨したギャランVR-4やレガシィに対抗したツアラー系へのフィートバックはなされていません。
しかし実用4駆ながら三菱/富士重の努力からかつては特殊ユーザーにしか需要のなかった4WDが最多販売モデルのマークⅡ(チェイサー)にお目見えしたのも時代の流れを感じさせました!

↓『TOYOTA Four』としてこの時期広く普及した4WDシステム


(94/9)
90系デビューきっちり2年でMCが施され後期型となっています。
後期は70や80同様にお決まりの前後意匠変更をより高級感を持たせたイメージへ変身させるモノですがワタクシ個人的には70も80も90もシンプルな前期型に魅せられますねー、後期はいつも何故かオーバーデコレーションなイメージが顕著で好感が持てませんでした…
Frはグリル造形をより凝ったモノとしRrはテールレンズのマークⅡには採用されないホワイトレンズをまとったのが売りでした!

↓94/9~の後期型90チェイサー(後期2.5アバンテG )


 
↓後期型ツアラーV


↓後期型2.5アバンテG Four


比較的好評だった90系、後期型となっても変更はほぼフェイスリフトのみで目立った改良/変更はありませんでした。

(95/9)
全車に運転席SRSエアバッグを標準装備

(96/9)
モデルライフのジャスト4年にてFMC、いよいよチェイサーは6代目で最終モデルの100系となります!

↓96/9に最終型にFMC!!


バブル到来→バブル真っ盛り一転して不況が襲った時期にデビューした90系、時代の流れから余儀なくコストダウン化され完成度は日本の良き時代にデビューした60、70~80比較してイマイチでしたがセダン衰退期にかかりながらも相変わらずのUP人気を維持(マークⅡ)、チェイサーに関してはまるっきりのマークⅡ双子だった80時代よりも若干オリジナル度を増した点が評価されたのか人気UP!!で販売も好調でした!
特に走り屋層には貴重になりつつあった縦置き6発FRのツインカムツインターボのツアラーV、これに至ってはマークⅡと較べ少数モデルと言う部分もありクレスタの同グレードと共に一部ではマニアックな人気を獲得、スカイラインGT-Rなどと較べ後年中古になり値もこなれてきたのもこれの大きな要因でした。
100系はこのイメージに特化し久しぶりに初代の立位置に還ったマークⅡを上回るスポーティな出で立ちでデビューします!

果たして最終100系は有終の美を飾れるか?次回をお楽しみに!!

(次回6代目LX/SX/GX/JZX100系チェイサーに続く)
Posted at 2017/08/22 23:46:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年10月04日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編④

 保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編④偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! いよいよチェイサーの巻も終盤に入って参りました!
引き続きその歴史を辿りUP/DOWNを検証します!

戦後の日本で最もいい時代=バブル期の入り口で登場した3代目X70系チェイサー、バブルの勢いと併せてメーカーの本気のテコ入れもあり販売台数1万~2万台のだったところを一気に6万台オーバーという実績を伴うモデルへ成長、もちろん本家マークⅡのそれには及ばないながら初代/2代目がマークⅡの“オマケ”的な受け入れから重要なトヨタの車種編成上の戦略モデルに成長しました!

初代~2代目がマークⅡのスポーティ版的性格を鮮明にしていたのに対し70系ではオリジナリティ、独自性を持たせたそれまでのマークⅡvsチェイサーの性格を逆転させたかのようにチェイサーに高級感とパーソナル性を与えた事が“少数派”の支持を取り付け人気UP!!!となった3代目X70型、その後継として88/8に登場したのが4代目X80系チェイサーです。

X80系でも70時代に培った“マークⅡの少数で高級バージョン、パーソナルイメージ”を続投しますが残念な部分は70ではマークⅡとボディ(スタイル)をオリジナルとし独自性がより鮮明だった部分を初代30/40系~2代目60系同様に単なるマークⅡの着せ替え版=双子に戻ってしまった点でした。
70系のカクカクデザインを抑え旧70マークⅡ4HTのスラントノーズを継承し全体のフォルムを丸味を持たせた当時のトヨタのデザイントレンドを採用、マークⅡの顔やお尻をリ・デザインしいい意味でも悪い意味でもチェイサーらしい主張はしていましたが同時期の80クレスタが初代50系から貫く“オリジナル”を通していた為、チェイサーは再びマークⅡの変わり種!?に成下がった印象になった感があり、正直「な~んだ…」的感覚でこのFMCを個人的には捉えていましたね~。。。

それでもマークⅡと比較して凝った造形のグリル、RrスタイルはマークⅡがテールランプの間にナンバープレート位置を持ってきた平凡なデザインに対しチェイサーでは横一文字のテールにガーニッシュを装着しナンバーもバンパー下に移しより高級かつ凛々しさを強調、以前はマークⅡに対し“手抜き”的デザインが風説だったところに ~チェイサー、マークⅡより金かけてんじゃ?~ と感じれるレベルになっていました。
尚、先代同様チェイサーは4HTモデルのみ(マークⅡ双子)、マークⅡはセダン/4HT(バン、ワゴン)、クレスタはセダンというラインナップです!

↓88/8に登場した4代目X80系チェイサー(前期2000アバンテG)


↓横一文字&センターガーニッシュが凛々しい80系チェイサーのRrビュー
(前期2000アバンテG) 


このリ・デザインが成功したのか?マークⅡとのボディ共用化はさほどマイナスポイントにはならずチェイサー人気も70と比較して極端に下がる事もなく販売も順調に推移していたようでチェイサーにとっては喜ぶべき事ですが個人的には一度オリジナリティが高められた後だけあり納得できない感がありました、ワタクシ、やはり少数派民族なので贔屓モデルの再度の双子化は残念で…

↓再びボディを共有するX80系マークⅡHT(前期型)


悔しい?のは同じ兄弟車のクレスタがチェイサーが双子化になった分なのか?コストがかけられベースをマークⅡセダンに置きながらも全くのオリジナルなボディをまとっていた事です。
マークⅡセダンにはない新たな感覚のプレスドアを採用しながら全体のデザインに50/60~70の伝統を醸し出し非常にフォーマル感、パーソナル性が高められ歴代3兄弟でも最もクレスタ人気が高かったのもこの80系のように思います。

↓こちらは伝統的に保守的なデザインで通すX80系マークⅡセダン


↓マークⅡセダンベースながら独自のオリジナル、個性を持つX80系クレスタ


それでは80チェイサーのモデル概要です。

(サイズ)
:全長4690全幅1695高1375 ホイールベース2680(以上mm)
(車重)
1350kg(アバンテTC24)
(定員)
5名
(エンジン)
4S-Fi型 水冷直4 1800cc ハイメカDOHC セントラルインジェクション(Ci)105ps  
1G-FE型 水冷直6 2000cc ハイメカDOHC 24バルブ EFI 135ps
1G-GE型 冷直6 2000cc DOHC 24バルブ EFI 150ps
1G-GTE型 水冷直6 2000cc DOHC 24バルブ EFI IC付ツインターボ 210ps
1G-GZE型 水冷直6 2000cc DOHC 24バルブ EFI S/C(スーパーチャージャー)170ps 
2L型ディーゼル 水冷直4 2400ccOHC85ps
2L-T型ディーゼル 水冷直4 2400cc OHCターボ 94ps
(以上ps表示はネット値)

(駆動)
FR
(ミッション)
5MT/4速AT(OD付/同2ウェイ/電子制御ECT-S)
(脚回り)
Fr ストラット/Rr トレーディングリンク(XL、XG、ラフィーネ )
Frストラット/Rr ダブルウィッシュボーン(SXL、アバンテ系、GTツインターボ)
(ボディ)
4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式SX80)
XL/XG/ラフィーネ
2000EFI 24バルブ (型式GX81)
SXL/アバンテ
2000 TC24(型式GX81)
アバンテ
2000 TC24 ツインターボ (型式GX81)
GT TWIN TURBO
2000 TC24S/C(型式GX81)
アバンテG
2400 ディーゼル (型式LX80)
XL
2400ディーゼルターボ(型式LX80)
XL/XG

80系はシャーシを新設計、全長、ホイールベースも拡大され前後トレッドと幅も拡大、特に全幅では5ナンバーぎりぎりの数値となっています。
代って全高はチェイサー(マークⅡ)HT史上で一番低い1375mmというモノ、これは当時カリーナEDを始めと異様とも思える程の背の低い、クーペ並の新鋭4HTブームが到来しており正統派!?である旧来の4HTであるチェイサーもこれに呼応したものでした。

エンジンは全てネット表示に変更、そして1800の1S-U→4S-Fiに、2000の1G-EU→1G-FEに換装されました!
新たにS型G型とも『F』の文字がエンジン形式に入っていますがこれは現在にも続く狭角4バルブDOHCを表すもので今やお馴染の『ハイメカツインカム』というヤツ、これは従来のDOHCの高出力、大パワーを狙ったモノではなく一つのギアで2本のカムを作動(従来型DOHCは2本のカムを2つのギアで駆動)この為狭角で効率の高いクロスフロー式ペントルーフ型燃焼室の採用が可能となりかつコストは従来のDOHCに較べて安く性能的には従来型DOHCには及ばないながらもツインカム化により高効率の燃焼により燃費やトルク、psもSOHCに較べ向上が謳い文句!!
この“ハイメカ”技術の開発によりトヨタは1Gから始め次々に一般仕様の各SOHCエンジンをツインカム化、これに倣い日産他メーカーも追従、今やシングルカムの方が珍しく猫も杓子もツインカム!バントラにまでDOHCが載せられるという60年代~80年代のDOHCの希少さを知る者にとっては驚愕時代!その始まりがこの時期でした…
尚トヨタは従来型DOHCを“ツインカム24(16)バルブ”または“スポーツツインカム”、ハイメカを“24(16)バルブ”または“ハイメカツインカム”と呼び分けその性格の違いを印象付けています。

エンジンバリェーションはデーゼルと1G TC24/ツインターボは70系からのキャリーオーバー、上記の1G-FEと4S-Fiの他1G TC24(1G-GE)にS/C=スパーチャージャーを装着した1G-GZEも新たにラインナップに加わっています!
S/Cはターボチャジャー程大袈裟な仕掛け?がいらず比較的リーズナブルで簡単な設計にてパワーアップができご存じの通りターボのタイムラグがなく低回転から排圧がかかり安定したトルクが確保できNAで慣れたドライバーには違和感なく安心安定した高性能が満喫できるエンジンとしてこの時期トヨタが凝ったモノでしたがターボが一般化して既に10年近くが経っており絶対パワーはターボに敵わない事とターボの技術が進化して急激なトルク変動も抑えられドライバビリティがさほどNAと比較して違和感も薄れた事がありトヨタの目論みは外れ普及する事なく廃れていきました。
ただ1G-GZはベースの1Gが秀逸だった事もあり非常にバランスが取れた乗り味でツインターボの暴力的な激しさもなくスポーツ好きには物足りないながら一般ユーザーには充分以上の高性能が気負いなく味わえるエンジンでしてワタクシはこのフィーリング、好きでしたネ~! ただ1Gもハイメカ化したりTC24/ツインターボもラインナップされている中であえてこれを選ぶという必要性はなく半端な立位置が災いし普及しなかったのが惜しいかも。。。

↓1G-GEをS/Cでパワーアップした1G-GZE㊧とハイメカツインカム化された1G-FE㊨


1Sをハイメカ化した4Sに組み合わされたCi=セントラルインジェクションは電子燃料噴射の制御システムをスロットルボディに一体化してコストを抑えた簡易型インジェクションで高性能とリーズナブル化を狙った新エンジンでした。
旧1Sと較べその回転の上がり方は仮でもツインカムらしく鋭い吹け上がりでやはり廉価版の常であるオーバーウェイト感の完全なる払拭には至っていませんが軽々しい音質は1S譲りで軽快感がありスピードが乗ってしまえば何ら不自由のないエンジンだったと思います。

↓70から継承する人気の1Gツインターボ/同TC24㊧と1Sをハイメカ化した注目の
4S-Fi㊨㊤とお馴染みデーゼル2L-T/2Lエンジン㊨㊥と㊨㊦


尚、この時からエンジン型式に排ガス対策を示す『U』が全てのエンジン表記から省かれています。

脚廻り、普及型のXL/XG、そして馴れ親しんだXGエクストラがネーミング変更された『ラフィーネ』には従来通りのFrストラット/RrリジットのままながらSXL以上の上級モデルはFrストラットはそのままにRrはWウィッシュボーンに変更されています。

↓上級モデルはRrをWウィッシュボーンの4独に変更!!


80系はマークⅡ/クレスタ含め様々乗りましたがこのRrサスの変更はそれまでのRrセミトレと較べて重厚な乗り心地となっていた感じが強いです。
特に70から追加されたハイパワーのツインターボでは明らかに脚がパワーに負けており元々定評あるライバルの日産スカイラインに追い付けないチェイサー(マークⅡ)唯一の失点でしたがこの変更によりセミトレのしなやかさが影を薄めた半面、文字通りしっかりと地に足を踏ん張る感覚が高まりワインティングでも70までのどこか不安が拭えなかった部分をかなり矯正してくれていました。
これはFrのキャンバー角を従来と比較し大幅に深くした事もあると思いますが“直線番町”的だった走りに安定したコーナリング性能をプラスし走りのイメージはかなり好感触になりましたねー…
但し全高の低さからなる居住性には非常に窮屈感がありホイールベースの拡大からなる足元、特に後席での広がりとトランクスペースも大きくなりながらも全てがヘッドスペースをつめた事がぶち壊しにする“狭っ苦しさ”が個人的には印象に残るモデルとなってしまいました。

グレード編成は先記のラフィーネとS/C搭載の『アバンテG』の新設以外は従来を継承しています!
アバンテGはエンジン性能的にはNo2ながら(1は当然ツンターボ)装備や位置付けはチェイサーシリーズの最高峰となりツインターボ同様のABS(4ESC)やTRCが設定されかつツインターボやアバンテにはないオートドライブやキーレスエントリーをも装備する贅を尽くしたグレードでした。

↓先代同様に最大級のパワーを誇る2000GTツインターボ



↓ハイメカ1G-FEを搭載したアバンテ24バルブ(前期型)



80系よりあの70ではこれ見よがしの毒々しい“ワイレッド”を基調にした大袈裟な高級さを謳う悪趣味?は飽きられたかベージュを基本とした70と較べると落ち着いた色調に変更(ボディカラーによってはワンレッドも継続)しています。

↓“キャバクラ”から品のいいラウンジ風味に変更された内装(ラフィーネ室内)


また細かい事ですが現代での常識装備となるアンカー調整機能付シートベルトやそれまでスィッチの前後を押す事でウィンドゥの開閉を行うのが当たり前だったP/Wが夜間の誤作動防止を念頭に入れ押す→開く、引く→閉まるという方式に改良されたのもこの代からとなり以降トヨタ車は全てこのタイプとなり他社も追従し現在はほぼこの形が当たり前となっています。

↓アンカー調整機能付シートベルトと新方式のスイッチとなったP/W



他にも先代で採用され非常に遣い易く好評だったサテライトスイッチ=これはステアリング左右のインパネに緊急性はないながら比較的良く使う空調、オーディオ、ハザードやフォグ、電動ミラー関係のスイッチを左右にまとめてハンドルから手を離しても視点を動かさずにこれらが操作できる優れモノでトヨタらしい気の効いた親切装備、ワタシもこれには脱帽でした(瞬時に操作が必要で慣れ親しんだ位置から移動したライトやワイパーをこれにしたクラスタースイッチは嫌いでしたが…汗)が80ではより機能を充実させ進化していました。

↓好評サテライトスイッチは70から発展継承!


そして空調パネルにも楽しい(?)仕掛けがありスイッチによりオープン←→クローズしAUTO時はクローズのまま、きめ細かい空調を行う場合はオープンにするというアイデアは子供騙しながら乗ると何故か開け閉めしたくなったりして用もないのその操作をしては楽しんでたりと(笑)

↓開閉式の空調パネル


尚、上級アバンテ/同Gには後席ヘッドレストもレバー一つで格納ができ後席非乗車時は広い後方視界を確保できる等の至れりつくせりの装備がクラウン譲りで装備、併せてFrパワーシートも採用、調整は手動ながら電動ランバーサポートや細かな調節が可能でかつホールド性も高い本格的なスポーツシートがGTツインターボに採用されています。

↓GTツインターボのスポーツシート㊧とアバンテ/同Gのパワーシート


↓アバンテ以下の前期80系バリェーション


それではモデル改歴です。

(89/1)
それまでガソリンモデルのみだったラフィーネにDモデルを設定、2L-Tを搭載。

(89/8)
最高峰モデルとして三度M型エンジンを復活搭載、『3000アバンテG』を追加設定します!
これまでオーバー2L、3ナンバーはマークⅡの聖域で双子ながら歴代チェイサーには設定されなかった3ナンバーモデルが遂にと言うか、ようやくと言うか解禁されました。

↓チェイサーとしては初の3ナンバーモデルとなる『3000アバンテG』


世はバブル真っ盛りの平成に突入、外圧からなる普通車(3ナンバー)の税制の改正もあり三菱が一早くこれに呼応し3ナンバーモデルを一気に充実させトヨタもかつての30/40~60ではステータス扱いだったマークⅡ3ナンバー(70では未設定)をクレスタ/チェイサーにも拡大させて再登場させた訳です。

3LのアバンテGに搭載されたのは久々、三度の登場となるM型エンジン!
しかしそのM型はマークⅡ/チェイサーから消滅後もクラウン/ソアラ/スープラでは依然生き続け、もちろんその間には数々の改良とリフレッシュ、進化がなされており熟成された7M-GE型となっています!
7M-GEはシリンダー以外殆ど新設計と言っていい程のモノで“LASER”を名乗る軽量化も実現、かつての4M型2.6Lを3Lまで拡大しヘッドをDOHC化、もちろん“旬”である24バルブとしておりその実力はかつて51/53年規制適合直後の「重い、回らない、走らない」という悪印象はすっかり影を潜めトルクでグイグイと力強く引っ張りクラウン等に較べれば軽量のマークⅡ/チェイサーを2Lでは味わえない3Lならではの余裕と力強さを実現していました。。(型式MX83型)

↓カムバックM型となる7M-GE型は3L 直6 DOHC 200ps/27kgmという実力!


3000アバンテGは2000アバンテG(S/C)の装備に準じエンジン性能もツインターボを上回る名実共の最高グレードとなります!

(89/10)
特別仕様の『アバンテ・ロードリーTC24』設定。

(90/4)
特別仕様『アバンテ・ロードリーパールマイカ』を設定。

(90/8)
MCで後期型となります。
後期型、お約束の前後意匠の変更に加えて搭載エンジンの一部換装と安全対策の拡大がなされています!
新意匠となったFr/Rrビューはより高級感を醸し出す造形となっていますが個人的にはこれはやり過ぎと…
まず前期と較べゴテゴテとオーバーデコレーションになり前も後ろもライト部に無意味なアールが付けられ成金悪趣味的になってしまいとても好感の持てるモノではなかったです。。。
同時にMCしたマークⅡが前期より高級感を増しプロジェクターランプ等も採用し非常にスタイリッシュになった半面チェイサーはマークⅡに負けじと無理矢理豪華にしたような感じが鼻につきましたねー。
前期のマークⅡの素っ気なさが両モデルをこのように変貌させたのかもしれませんがチェイサーに関しては圧倒的にワタシは前期支持です!

↓90/8~の後期型Fr/Rr



エンジン換装は1800の4Sがciから一般的なEFIに変更、4S-FE型となりpsを115psに高めています。
そして新設計2.5Lとなる1JZ-GTE型がツインターボの1G-GTEに、排気量アップによりNAながら旧1G-GZEの性能を上回る1JZ-GE型に代って搭載となります。(型式JZX81型)
1JZ-GTE=ツインターボは遂に当時生きていた馬力自主規制枠いっぱいとなる280psを背負ってデビュー!(トルクは37kgm) これは平成元年の日産フェアレディZ(Z32型)→久しぶりのGT-R復活で話題のスカイラインR32 GT-Rで当時国内最高psを叩き出し大喝采を浴びた日産への反撃の第一歩でA70(JZA70)スープラ2.5ターボ/同Rとほぼ同時にデビューしたもの。
ZのVG30DETT(3L)、GT-RのRB26DETT(2.6L)と較べ280psとしては当時排気量は2.5Lという最小のモノ、数値上ではRBの36kgmを上回っているもののフィーリングでは敵わず実力も重いVGはともかく(VG30DETTは40kgm近いトルクながら重々しくて1JZに分がありましたね~…)同じ縦6、24バルブDOHC ツインターボのRB26がレース参加前提で開発された1級のシャシと駆動システムを持つGT-Rの足元にも及ばず日産信者からは“伊達280ps”と揶揄され不名誉な侮蔑的な言葉を浴びせられた1JZ-GTE、しかしレース参加前提というしがらみの中で開発されたRB26が税制上では3Lと同じカテゴリーとなってしまいその点2.5Lならば1段階低い税制で対応できるという誠にトヨタらしい発想で制定されておりこの目論見は見事に日産派以外のユーザーの気持ちを捉えGT-Rに較べれば性能は落ちながらも充分過ぎるパワーと“280ps”というステイタスで1G-GTE時代以上の支持をスープラを含め得ておりその1級品の性能と少量生産から新車時/中古になっても高値維持でなかなか手にできないGT-Rに較べ中古であればリーズナブルに手にできる1J-ZGTEの普及はRB26DETTのそれには比較できない数で未だ数少なくなった現代の走り屋層の注目のエンジンとなっていますネ!
2.5Lという排気量は税制改革をうまく捉え 初代三菱ディアマンテ(F1/2系) が90/5に設定し人気を得た排気量、従来の2L+5000円の負担で余裕ある力が得られステータス感の強い3ナンバーが付く、という部分から脚光を浴びておりトヨタもこれに追従したものでした。

↓憧れの280psを実現した1J-ZGTE型エンジン


↓280psを搭載する新設『2.5GT TWIN TURBO』


1J-ZGTE、後に愛車(JZX90チェイサー)にしましたが確かにGT-Rや下手したらエボⅣ以降の4G63にも劣る感じで「ホントに280ps?」って感じでしたが上記モデルが4駆、80~100系JZXやJZAではFRという部分が魅力でTRCを切れば即座にドリドリ走行が可能で遊びで走らせるにはGT-Rやエボより楽しくワタシも雨の中やワィンティングではTRCを切って夜な夜な回したりして楽しんでました(^^;)
FRには丁度いい以上のパワーでかつてのFR全盛時代の名残も感じられるこのモデル、高性能で安心で誰でもスっ飛ばせる4駆の“速さ”には敵わないものの4駆で回しながらのコントロールできる程、腕がないので1JZ+FR、今もたまに歳甲斐もなくこの味を味わいたくなります!!

↓こちらはNA版である1JZ-GE型エンジン(2.5L NA DOHC 24V 180ps/24kg)


↓NAの1JZ-GEを搭載する2.5アバンテ/同G



尚、このMCで全車にSRSエアバッグをop設定、3000/2500アバンテGには本革シートもop設定されています。

↓後期よりop設定されたSRSエアバッグとアバンテGに用意された本革仕様



(92/10)
モデルライフの4年を2カ月超えた92年10月、チェイサーは5世代目へFMCします。
5代目は80系後期で迎えた1JZ、2.5Lをメインにし全モデル(2L/1.8L含め)3ナンバーボディへ発展、新世代のハイクラスセダンへと進化していきました!

↓全種3ナンバー化した5代目X90系チェイサー


80系、モデルライフ途中に起こる時代のトレンド変化を巧みに取り入れ280psを誇るスポーツモデル、3ナンバーが新たに一般化した2.5Lモデルの設定、オリジナル度が高く意欲的だった70系程の人気は誇れずも大きく人気をDOWNさせる事もなく順調な立位置をキープ、続く90系もマークⅡの双子、少数派という部分では変わりありませんが70以来のその安定性を持続できるのか!! 次回をお楽しみに!

(次回5代目LX/SX/GX/JZX90系チェイサーに続く)
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2011年10月03日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編③

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編③偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 23弾も引き続きチェイサーの歴史を辿りUP/DOWNを検証します!

初代X30/40の“マークⅡのスポーツバージョン”という精神を引き継いだ先代X60系でしたがユーザー層の受取り方は“スポーティ”というよりは各部意匠の若々しいデザインが『安っぽい』というイメージにとられ30/40に較べ対マークⅡ/対クレスタはもちろんライバルとして照準を当てた日産スカイラインの人気UP度には到底適うモノではなく本来、チェイサーが目指す立位置ではない廉価版ながら装備充実、最上級『アバンテ』の外見を持つお買い得グレード=XGエクストラの存在のみが注目を浴びたという現状、“本家”マークⅡが30/40~60に至って史上最大の人気を誇っていた事もあり言葉悪いながらやや「惰性」的に造られていたチェイサー、さすがにその立場を見直し気合を入れ直してデビューさせたのが84/8にやはりマークⅡ/クレスタと共にFMCした『3代目X70系チェイサー』です!

70系では兄弟のマークⅡ/クレスタを含めて各モデルのオリジナル度を高めたのが特徴、バブルの入り口となる好景気と本家の空前の高い人気と販売という余裕もあり各モデルにコストをかけ丁寧にコンセプトを打ち出しました!!
チェイサーはこれを機会に車種編成を見直しセダンを廃止して4HTのみのボディ設定、代ってクレスタが従来4HTのみだったモノをセダンボディに変更、マークⅡは基幹車種として従来通りセダン/4HT(バン、ワゴン)のワイドバリェーションを維持しています。
デザイン的にはどちらかと言えばマークⅡの方が(4HTと比較)スポーティなデザインとなりチェイサーはフォーマルな出で立ちとなっています。
マークⅡ4HTと共通するのは外板パネルでは前後ドアのみ、インパネはクレスタと共通ながらチェイサー独自のスタイリングを持ち派手さを抑え先代までとは異なり主に年齢層の高いユーザーに支持されていた感じです。


↑フォーマルなスタイリングをまとったX70チェイサー(前期アバンテ)

↓先代までとは異なりスポーティで若々しいスタイリングとなった同マー クⅡ4HT
(前期グランデ)


↓4HT→セダンボディとなった兄弟車クレスタ(前期スーパールーセント)


スラントノーズにS120系クラウンで採用し注目されたクォーターピラーガーニッシュを採用しスポーティで若々しく挑戦的スタイルのマークⅡ4HT、X50系を彷彿させる角目4灯のマスクとロングノーズ/ロングデッキを強調した独自の個性を打ち出すクレスタに対しチェイサーは好評だった30/40系の斜め格子状グリルをモチーフにした彫の深いグリルと派手な演出を避けながらもスクエアな直線美を誇るデザインと兄弟2車より若干切り詰め全長を短くし軽快感をも表しているのが特徴でした!

↓クレスタのベースは4HTとは打って変わって地味なマークⅡセダン、前後ドアが クレスタと共通(後期GRサルーン)


↓マークⅡ4HTはチェイサーのおハコだった派手でスポーティな印象に衣替え! (後期グランデTC24)


尚、チェイサーのイメキャラは草刈正雄、夏木陽介と“国産”のイケメンを起用してきましたが70系では“海外イケメン”を登用、『ジャン・マイケル・ビンセント』氏が務めました~(前期のみ)

↓イメキャラは“舶来”のジャン・マイケル・ビンセント!


それではモデル概要です。

(サイズ)
:全長4630全幅1690高1385 ホイールベース2660(以上mm)
(車重)
1280kg(アバンテTC24)
(定員)
5名
(エンジン)
1S-U型 水冷直4 1800cc OHC ツーバレルシングルキャブ 100ps  
1G-EU型 水冷直6 2000cc OHC EFI 130ps
1G-GEU型 冷直6 2000cc DOHC 24バルブ 160ps
M-TEU型 水冷直6 2000cc OHC 145ps
2L型ディーゼル 水冷直4 2400ccOHC83ps
2L-T型ディーゼル 水冷直4 2400cc OHCターボ 96ps
(以上ps表示はグロス値)

(駆動)
FR
(ミッション)
5MT/4速AT(OD付/同2ウェイ/電子制御ECT-S)
(脚回り)
Fr ストラット/Rr トレーディングリンク(XL系、XG系 )
Frストラット/Rr セミトレーディングアーム(SXL、アバンテ系、GTツインターボ)
(ボディ)
4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式SX70)
XLエクストラ/XGエクストラ
2000EFI (型式GX71)
SXL/アバンテ
2000ターボ(型式MX71)
アバンテターボ
2000DOHC (型式GX71)
アバンテTWIN CAM24
2400 ディーゼル (型式LX70)
XL
2400ディーゼルターボ(型式LX70)
XL/XG/XGエクストラ

シャーシは旧60HTと較べ全長はやや短くなりながらホイールベースは拡大され居住性/取回し面で進展を見せています、とは言いながらも初代から最終100系まで受け継がれた外寸の割に狭い室内は70でもしっかり生きていますw

搭載エンジンは60系後期からほぼキャリーオーバー、変更されたのはディーゼルNAが2200ccL型→2400ccの2L型に換装された位です。

↓1G-GEU/1G-EU/1S-Uと2Lデーゼル/同ターボと全て“LASER”を名乗る新世紀エンジンを搭載!(M-TEUを除く)



70系となりより進化したのはATで60系での電子制御AT=ECTをより発展させたECT-Sが採用されました。
ECT-SはTC24/ターボに設定、“エコノミー”“パワー”“マニユアル”の3モードが選べマニュアルでは雪道に対応した2速発進やL固定が選べマニュアル感覚のドライブを可能としエコノミーとパワーでは走り重視か燃費重視かをマイコン制御、現代では当たり前のATながら当時は革新的なATでもありイージードライブ化が一気に普及、またこのきめ細かい変速パターンの選択が可能になった事により高性能エンジン搭載モデル=MTの図式が崩れATがチョイスされる比率が増大しています。

↓新設定のECT-S(右と左上、右下は2ウェイOD付4AT)


このECT-S、ワタシも 愛車 としてGX71 TC24のATに乗っていましたがメーカーが謳う程、マニュアルモードでもMTのような1G-Gの性能を余すところなく引き出す、というのは無理がありましたが雪道では重宝しましたね~…
エコノミー←→パワーと切り替えてもさほど燃費に違いは出なかった記憶がありますが様々なシチュエーションでも文字通りふんぞり返りながら“イージー”に自分の思いに近いドライブができるのは便利だったかも…まぁ、そういう運転は個人的に好みではなかったのであまり有難みは感じず頑固に「やっぱりクルマはMT」という思いが常に頭の片隅には当然ありましたが(未だに…汗)
尚、この代から今も続くODのON/OFFスイッチがシフトセレクター上に移され劇的な操作性の向上がなされています!

脚廻りは下級が後輪リジット、上級が4独という点も先代同様でしたがやはり上級にはTEMSと呼ばれた電子制御サスを採用、こちらの方もダンパーの減衰力をノーマル←→スポーツをそれぞれ自動/手動で切替設定が可能なモノ、ただこれはスポーツに設定しても物足りない脚で重量に負けていた感じ、TC24程度のパワーなら何とか追いつくも後に追加されたGTツインターボでは完全にプアでワインティング等でも安心した走りはできず強化の必要性を個人的には強く感じました、TC24程度なら脚廻りセッティングもイージーにでいいでしょうがツインターボを選ぶ層はやはり物足りなさを感じたのではないかなぁ と!?!?

↓上級モデル=4独サスの設定はもはや伝統


グレードも基本は60系からの継続ながら編成見直しがなされSGツーリングがカタログ落ち、セダン廃止により最廉価のDXも消滅しています。
60系で人気だったXGエクストラは健在でマークⅡやクレスタにもその後同趣向のモデル設定がなされましたが“元祖”だけありこの種のモデルではチェイサーの率が高かったように感じます。

↓SX60より引き継いだナンチャッテアバンテの『1800XGエクストラ(前期)』は70でも好評!


70系では良くも悪くもバブル入口と60時代から引き継ぐ所謂ハイソカーブームがまだ継続中という部分もあり内装がやたら派手で豪華な仕様となっていた事です。
40代以上には見慣れたこのケバイ“キャバクラ”シート、現代のコストダウンだらけのペキペキ内装を見慣れた若い方みたら信じられないかもしれませんね(笑)
とにかく派手な見かけで座ると沈み込むよなフカフカのルーズクッション、長毛の何とも言えない気持ちのいい肌触りのシート表面にウットリしながらその腰のなさから長距離では腰痛必死で今思えばまだまだBMやベンツと言った一流高級車には程遠い時代、これは何もマークⅡ/チェイサーだけでなく日産も三菱もマツダもこの時期はみんなこんな感じでしたねー…

↓上級の『アバンテTWIN CAM24』㊤と『アバンテ』㊦(共に前期)



それではモデル改歴です。

(85/10)
最高峰『GTツインターボ』及び『GTツインターボS』(GX71)を追加設定。
1G-GTEU型 直6 2000cc DOHC 24バルブ IC付きツインターボ185psをマークⅡ/クレスタ及びソアラ/スープラとほぼ同時に搭載、ps表示がグロス→ネットに変更された時期の新搭載の為、表示は185psながらグロスでは200psオーバーでありライバルのスカイラインがR30時代の84yにFJ20ETで叩き出したグロス205psを上回り更に85y以降のR31、RB20DETのネット180psをも超えこの時期、馬力だけを見れば“最速”エンジンの登場でした!
GTツインターボは従来の1G-Gにツインターボ+インタークーラー(IC)を装備、つい数年前までは4バルブDOHCやシングルターボだけでも狂喜乱舞していたのにメカ少年の夢を一気に叶えインパクト絶大でした。
1G-GTEUは重量からなるややトルク不足なオーバーウエィト感が拭えなかった1G-GEU搭載のGX71をツインターボにより背中がシートに押しつけられるジェット機のような加速を実現、脚はTC24から強化されながらもまだ頼りない直線番長ながらも落ち着いたスタイルのチェイサーやクレスタのツインターボの尻を下げながらの獰猛な加速は見ていても気持ちイイものでした~。

↓85/10に追加された最高峰&最速の『GTツインターボ(前期)』



尚、GTツインターボSはマークⅡ/クレスタには用意されないチェイサー専用グレードでGTツインターボの装備を落とし5MT専用の廉価モデル(GTツインターボにはMT/ATを用意)=この辺はまた“安物”をイメージさせる後ろ向きなイメージもありましたがGTツインターボは上に挙げた車種全てが高額モデルでしたからねー、その中で1G-GTを積む最廉価のチェイサーの『S』の存在意義はある程度あったかと思います(これにしても貧乏人のワタクシにはお呼びでないモデルでしたが(=_=;) )
しかしこれも大した需要はなかったらしく前期モデルのみの設定に終わりました。

↓82y、2バルブの2T-Gを200ccボアアップしターボ装着した『3T-GTEU』でも大騒ぎだったのに僅か3年で24バルブDOHCのIC/ツインターボが実現するとは!!(1G-GTEU型エンジン) 


この1G-GTEU追加と共に初代30/40以来、長きに渡り1G登場以前はメインエンジンであったM型(M-TEU型)は廃版、『アバンテターボ』はGTツインターボに譲りカタログ落ちとなっています、但し次期型80系で89yに3Lの7M型で三度M型はリフレッシュ&改良されてカムバックしますが…しぶといM型でした(笑)
一方の1G-EU(OHC EFI)はEFI-Dと呼ばれる新インジェクションを採用、より燃料噴射量を最適化、吸気系ポートの改良もあり圧縮比を高め燃焼効率を改善して低燃費とレスポンス向上へと進化しています。
また、小ネタ楽屋裏話的ですがこの時に日産がC31ローレルで採用し当時パテントを持っていた電動格納ミラーをパテント買いにより70系も装備しています!

(86/1)
その後チェイサーの特別仕様として認知される『アバンテ・ロードリー』を初めて設定。

(86/8)
MCで後期型となります。
デザイン面では好評な為、外観意匠の激変は避けています。
顔は例の格子状グリルをきめ細かいモノとし印象はよく言えばよりフォーマルに、悪く言えば地味で大人しいイメージになっています。
テールはデザイン的には変更なくレンズ処理の変更やモールの変更程度でした。

↓86/8~後期型の『アバンテTC24』㊤と『アバンテ』㊦



(86/12~88/1)
適宣時期にアバンテとアバンテTC24に特別仕様『ロードリー』を設定しています。

(88/8)
モデルライフのきっちり4年で次期4代目となるX80系にバトンタッチし70系は生産終了となりました。

↓88/8~の4代目X80系チェイサー(前期アバンテG)


バブル真っ只中と車種編成見直し、そしてオリジナルティ度を上げ先代60系より好評だった70チェイサー、その成果が表れ市場でも街中でも60のそれとは比較できない台数が流通、60時代は3兄弟でダントツの最下位ながら70では発売年の84yにはマークⅡの半数以上の登録がなされ(11万台に対する6万台強)クレスタとほぼ同数までシェアを拡大し以前から強かったXGエクストラに加えロードリーなる限定特別仕様も浸透し人気UP!!を果たしました。
しかしこの時期の70マークⅡの人気は異常とも思える程で一時はカローラの販売台数を抜くという偉業まで達成、中古車市場では同じような程度/色/装備/距離のグランデとアバンテでも20万円位の差が付いた時期もありました!
化け物マークⅡ人気のお裾分けもありかなりチェイサーの浸透率も高まった時期での4代目の登場、その奮闘ぶりは如何に!!

(次回4代目LX/SX/GX/MX/JZX80系チェイサーに続く)
Posted at 2017/08/22 21:20:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年10月02日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編②

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編②偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 引き続きチェイサーの歴史を振り返ります!

今回は『2代目TX/RX/SX/LX/GX/MX60系チェイサー』を取り上げます。

60系となっても先代同様にマークⅡを若向けにリ・デザインし“高級なマークⅡ”に対する“スポーティなチェイサー”の路線はそのままでライバルもマークⅡvsローレル、チェイサーvsスカイラインという図式もそのまま、当然FMCもマークⅡと同時の80/10で完全なる双子兄弟車です!
ただ、60系両車のパイロットモデルとして半年早い同年4月に『X50系クレスタ』 がデビュー、型式をマークⅡ/チェイサーと同じ“X”を使用しているのを見れば解るようにこの2車にもう一つ兄弟が増えています。

↓2代目チェイサーより一足早く新ボディで先行発売された兄弟の『X50系クレスタ』


40系マークⅡ/チェイサーのモデルライフの兼ね合いとクレスタを販売する新チャンネル『トヨタビスタ店(現ネッツ店)』の立上げの関係上(新設店を目立たせる為、新型車効果を活用する等の政策)、後から加わったクレスタが一早く新ボディで登場、80年代のトヨタを象徴する直線美が冴える鋭角的なスタイリングとマークⅡ/チェイサーにはない4HTのパーソナル性高い高級な雰囲気、そして永らくトヨタの看板だったM型に変わる新開発6気筒の“LASER 1Gエンジン”の初搭載が大きな話題と高い注目を集め既にモデル末期の40系マークⅡ/チェイサーを一気に古ぼけさせこの半年間はさすがの高人気を誇る本家マークⅡもクレスタの前ではかなり霞んでいましたねー…

このような前事情があるマークⅡ/チェイサーも80年10月、40系のモデルライフ経過を迎えようやく新ボディに生まれかわる事ができマークⅡは4代目、チェイサーは2代目となり先行したクレスタの『X50系』に対して『X60系』の型式が与えられています。(後のMCでクレスタも60系となります。尚、以下マークⅡ/チェイサーを60系、前期クレスタを50系と表記)

↓80/10、クレスタに半年遅れで新型2代目となった『X60系チェイサー』  (前期4HT2000アバンテ)


当時の一部自動車誌等では先行発売された50系と三つ子になるという噂もなされたりして新型60系、既に見慣れた50系のフェイスリフトだろ?的な空気がありましたが蓋を開けてみると50系クレスタとは似て非なるモノ、シャーシやエンジンは予想通りの“三つ子”ながら外板パネルではクレスタのFrドアが60系マークⅡ/チェイサーの4HTと共通する以外は60系と50系では全体のデザインを異にするものでこれにより一層50クレスタのパーソナル性が高まり後発の60マークⅡ/チェイサー発売後もクレスタは独自の人気を掴んでいました。
50は4ドアピラードHTボディのみながら比較的背も高めで正統派のペキっとしたノッチバックのスタイルを取るのに対し60の同じ4HTではルーフを低く、Rrガラスも50より寝かせ先代まで存在していた2HTの代替えを意識した流麗な味付けがなされていました。
60にはセダンと先記のように4HTがラインナップ、セダンは6ライトのヨーロッパ調で落着いたデザインで4HTはアメリカン調の派手さを醸し出しています。
トヨタらしく見事にバランスが取れていたのは60セダンはどちらかと言えば地味、50が60セダンにやや遊び心とフォーマルさを味付けし60 4HTはより派手にと棲み分けされていましたがチェイサーではセダンと4HTの顔は同一、マークⅡセダンとクレスタが角目4灯でイメージが共通していました。

↓コチラは本家マークⅡの新型4代目X60系セダン(2000LE)


しかしチェイサーで不幸だったのは“スポーティ”が宿命付けられたモデルでしたので4HTはともかくもセダンでは派手なスラント顔で地味な6ライトサルーンというスタイリングがどうにもアンバランス(個人的見解)、チェイサーセダンはまず現役時代も滅多に見かけない、カローラセダンに対するスプリンターセダンなんて比較できない程不人気DOWN!!でした。
特にセダンはマークⅡやクレスタ、チェイサー4HTの横長な立派なテールランプは付けてもらえず先代をイメージした角型の、上記モデル達に較べ貧相な感じのデザインがなされこれも嫌われた理由だと思います。
全体的にチェイサーのセダンはスタイルと顔、お尻がマッチしておらずクレスタ、マークⅡセダンにあるパーソナル、フォーマルなイメージは皆無でマークⅡ/チェイサー4HTのようなシャープさも感じられず“安っぽさ”だけが強調され“手抜きマークⅡ”的なイメージが先代前期から残念ながら復活してしまった感がありましたネ~。(“安っぽい、安物”はあくまでイメージ的な部分で実際マークⅡとチェイサーの相当同グレードでは価格は逆にややチェイサーが高い設定でした=少量生産/販売の為という建前)

↓チェイサーのセダンボディ、 顔付はHTと同一ながらテールはいかにもアンバランスで不評を極めました(㊤GX61 2000SXL/㊦RX63 2000GT)



また、チェイサーは4HTでもスポーティさを表す、といったメーカーの思惑通りには受け入れられずマークⅡの手の込んだデザインに対しいかにも“手抜き”的に受け取られセダン程ではないにしろマークⅡ4HTの人気の何分の1?何十分の1?という感じでした。
個人的には4HTで較べるとチェイサーのテールはマークⅡの大型コンビに対し細い目付きでなかなか迫力感じていましたが…。

↓4HT、マークⅡに較べテールは細目の睨みを利かす迫力ながらグリルは貧相なイメージでやはり不評でした。



↓コチラは本家マークⅡの4HT、グリルを始めチェイサーにはない凝った豪華な味付けがなされていました。(4HT2000グランデ)


尚、60チェイサーもイメキャラは先代に続いてイケメン正雄が担当しています!

↓先代に引き続きイメージキャラクターを務めた草刈正雄氏、但し前期型のみの起用でした!


それではチェイサーのモデル概要です。
(サイズ)
:全長4640全幅1690高(セダン)1425(4HT)1395 ホイールベース2645(以上mm)
(車重)
1180kg(4HT2000SGツーリング)
(定員)
5名
(エンジン)
13T-U型 水冷直4 1800cc OHV ツーバレルシングルキャブ 95ps
21R-U型 水冷直4 2000cc OHCツーバレルシングルキャブ 105ps 
18R-GEU型 水冷直4 2000cc DOHC EFI 135ps 
1G-EU型 水冷直6 2000cc OHC EFI 125ps
L型ディーゼル 水冷直4 2200cc OHC 72ps 
(以上psはグロス値、全種53年排ガス規制適合)

(駆動)
FR
(ミッション)
4MT/5MT/3速、4速AT
(脚回り)
Fr ストラット/Rr 4リンク(普及型 )
Frストラット/Rr セミトレーディングアーム(GT、SGツーリング、アバンテ)
(ボディ)
4ドアセダン /4ドアHT
(バリェーション)
1800 (型式TX60)
DX/XL
2000 4気筒 21R-U (型式RX60)
XL/XG
2000DOHC (型式RX63)
GT
2000 6気筒 1G-EU (型式GX60/61)
SXL/SGツーリーリング/アバンテ
2000 ディーゼル (型式LX60)
DX/XL
※DX=セダンのみの設定

以上から見て分かるようにまずサイズでは先代ベースのシャーシの為、ホイールベースは旧40系と同一ながら横はこれまでクラウンとの棲み分けを守り5ナンバーフルサイズの一歩手前で止めていた部分を遂に破り小型枠いっぱいを取っています、全長も延ばされ4HTでは低く、長く、幅広くを文字通り実現しました。
先に述べた通りセダンと4HTの2種をラインナップ、30/40で一定の人気を得ていた2HTは時代の移り変わりから廃止され新たな4HTが“スポーティ”のステータスになっています。
60系となっての注目は3種の新搭載エンジン!
下級グレードは1800 13T-U、2000 4気筒21R-Uが40系からキャリーオーバーされますが中級/スポーツ系は全て新搭載エンジンになります。

一つはクレスタで一足早くお目見えした軽量新開発の1G-EUを上級2000 6気筒に新搭載し歴史があり信頼性も高かったながら排ガス規制でどうにもならなくなったM型を引退させました。
1Gエンジンはその後のツインカム24(1G-GEU)やツインターボ(1G-GTE)等に慣れてしまうと誠に平凡なエンジンですがM(M-EU/M-U)型で慣れていた当時、1Gの吹け上がりの軽々しさには舌を巻いた記憶があります。
M-EUと同じスペック、53年規制、2L、OHC縦6EFIと何ら変わりないのに何でこんなにフィーリング違うん?って感じでさすが20年の開発年の違いを感じたモノでしたねー、シリンダーの肉厚が違いエンジン弄る層には1Gはガッカリされていました(シリンダー肉 厚がMや日産L型に較べ余裕がなくボアアップ等ができない)がノーマルの観点からすればこれはもう勝負アリアリで53年規制という逆境があったからこそ産まれたトヨタ縦6の名器だと思います、M-EUに較べ音質もシリンダー同様薄っぺらでしたが燃費も吹けも良く後付け排ガス対策がどうしようもなく痛々しかったM型の悲劇を忘れるに充分な名作だったと感じます。

↓クレスタで初搭載され話題となった『1G-EU型』新6気筒OHCエンジン、チェイサーにもメイン搭載されました!


実に良く回るエンジンで1Gのフィーリングは個人的に今も好きですネ~。この時代の縦6 2Lクラスとして走りも及第点以上で決して“速い”とは言えないながら安心感と信頼感は抜群だったのではないかと思います。

二つめはチェイサーとしては初のDOHCながらトヨタの各モデル2L最強として君臨した18R-GEUを搭載するGTグレードの新設も走り屋層には驚きでした…

↓チェイサーには初お目見えのDOHCは当時のトヨタスポーツ定番の2L DOHCの『18R-GEU型』を搭載!


18R-GEU(18R-G)、本家マークⅡはこれを搭載した元祖でチェイサー発売以前、元々コロナのスポーティモデルとしてデビューした経緯がありDOHCをトヨタ2000GTでイメージリーダーとしたトヨタがこれの普及型としてマークⅡにGSS (初代RT72 1900GSS) グレードとしてDOHCを一般化したもので言わばマークⅡが18R-G搭載の元祖(1900GSSは10R→後に8R-Gに改称、その2L版が18R-Gで2代目マークⅡRX22に搭載以後コロナ/カリーナ/セリカ2000GTが搭載しました)であり60系(RX63)マークⅡGTは久々の18R-G復活、元祖でありながら30/40以降の高級化路線ですっかりコロナ以下のエンジンとなっていた18R-Gの搭載は30/40よりもデカく重く豪華になった60系での復活は「何を今更?」って感じでしたが走り屋層にはある意味1G搭載よりも目の離せない出来事だった気も!?
驚きはチェイサー/マークⅡとも4HTだけではなくセダンにもGTが設定されており渋さで有名?だったコロナセダンGTよりもよく言えばいぶし銀、悪く言えば変態な?モデルでありワタクシも実車、特にチェイサーセダンGTは過去一度だけの遭遇でした…
しかしやはりマークⅡにしろチェイサーにしろセダン/4HTに関らずGTモデルは何とかこの種を好むユーザー向けにデコレーションはしていましたがやはりイメージにそぐわなく前期(~82/8)のみの短命に終わっています。
18R-GEUは2T-Gと違い特にEFIになってから(未対策時代はソレックス×2)DOHCのイメージからなる荒々しさはなくむしろトルクフルのジェントルでマイルドな特性に変貌していたので決してマークⅡやチェイサーに合っていない訳ではなかったのですがどうしてもセリカやカリーナに較べオーバーウェイトでしたしその後のツインカム24 1G-GEUデビューまでのワンポイントリリーフ的な存在でした。

そして三つめは先代期はマークⅡのみだったディーゼルモデルをチェイサー(セダンのみ)にも設定、LS100クラウン/LX40マークⅡでお馴染みのOHC2200ccのL型ディーゼルエンジンが搭載されました!

↓クラウン、マークⅡに続いてチェイサーにも遂にディーゼルエンジンを搭載! (L型ディーゼルエンジン)


“スポーティ”“若向き”を謳うチェイサーでしたので先代ではDの設定は避けられた感が強かったのですがこの時期、78~79yの第二次オイルショック以降急速に低燃費、省燃費の観点からかつてはトラックのモノだったディーゼルエンジンが乗用車にも次々に載せられてており一つのブーム、そんな中あまりイメージ的にそぐわないチェイサーにもDモデルがラインナップされました!
もっとも79yにはいすゞ117、80/5には三菱ギャランΛ/エテルナΛという2ドアモデルのD車も発売されていたのでセダンの存在するチェイサーのDは全く違和感はなかったですが。。。
L型ディーゼルは当時ではガソリンエンジンですらタイミングチェーンが常識の時代に早くもタイミングベルトを採用しDエンジンの泣き所である騒音と振動を軽減、フロアやフード(ボンネット)、ダッシュパネル等もガソリンンモデルより騒音対策を強めDと言えども車格に相応しい静粛性を実現していました。
このDモデルも何回か乗りましたがお世辞にも『静か』とは言い難いながら従来からあるフローリアンや330セドリックのDと較べると“新世代D”を強く感じ音さえ聞かなければガソリン1800クラスのドライバビリティは得ておりD乗用車の進化に感動しました~。

グレード設定もほぼ40系を継承しますが先述のGTが旧SGSの置き換え、そして30/40では設定されなかったマークⅡの最高峰“グランデ”に充たる“アバンテ”が最高グレードに据えられました!
アバンテにはGT/SGツーリング同様の4独+ハーダーサスが与えられ更にミシュランタイヤも奢られています、マークⅡグランデよりは内外装の色調やデザインに若々しさをイメージしながらもグランデに準じたフル装備の豪華モデルでこれまで“グランデコンプレックス”だったチェイサーオーナーに夢と救いと希望を与えました(笑)
但し、マークⅡには相変わらずの3ナンバーで最高峰の『2800グランデ(先代4M-U/EU 2600→5M-EU 2800にスケールアップ)』が存在、チェイサーにはこれがなくやはりマークⅡ>チェイサーの図式は生きていましたがメインは2000グランデ/アバンテでありマークⅡ2800の存在=チェイサーのイメージダウンにはならなかったのは幸いでした!

チェイサーのGT/SGツーリング/アバンテの“ハーダーサス”ですがそこはトヨタの味付けですから当時のスカイラインGT-ESと較べると全然柔らかく更に旧MX41 SGSよりもマイルドな乗り味で『どこがハーダー?』なんて思ったモノでしたが高級車として考えるとそこそこシッカリしていたと思います、1Gエンジンとの相性も良く峠道や悪路でもそれなりの運動性能は発揮、GTにしてもチェイサークラスにもはや18R-Gと言えどもオーバーウェイト感は拭えなかったのでい意味でも悪い意味でもフィーリング的にはマッチしていたと思います。

↓上級グレードには先代から引き続いて4独+ハーダーサスを装備!


   
↓“ハーダー4独サス”を装備した一つ、No2グレード『4HT2000SGツーリング』


尚、先行した50クレスタにもグランデに相当する『2000スーパールーセント』が設定されており一時期(80/4~80/10)、チェイサーのみTOPグレードがこの2車に劣っており30/40時代から何かにつけてグランデに相当するグレードがなかった点が最大のコンプレックス、“安物”の烙印を押された一つの要因でしたからようやくチェイサーがマークⅡ(クレスタ)に肩を並べられるようになったのがこの『アバンテ』新設からですね、その後最終までアバンテはチェイサーのメイングレードとなります。

尚、この代から急速にイージードライブ化率が高まったのも特徴、先代後期でクラス初のロックアップ機構付2ウェイ4速ATミッションを搭載し燃費や走り的にもMTと大差なくなった4ATはGTや廉価版を除き急速に普及、現代の完全イージー化の素地をここで造りATの優位性=トヨタの優位と言う図式が出来上がっていました。

↓他社と大きな差を付けた4ATを高らかにアピール!!


60ではまだ4ATのオーバードライブON/OFFが現代のシフトノブ脇のボタンで行うタイプではなくインパネ内のスイッチで行う方式で先代のノブ式よりは進化するも使い勝手はイマイチ、しかしまだ日産が様々な事情からATを4速化できない時期でしたのでこの時に圧倒的にATの分野ではトヨタが優位に立っています。
実際旧30/40系で前期3速ATと後期4速ATで乗り較べると静粛性は天と地!燃費も高速乗るとかなり違いこの差が40後半~60時代でそのままトヨタと日産の差でこの時に付いた日産のマイナスメージは決して小さくなく現在の両社の立ち位置の差になっている一つの要因と言っても過言ではないでしょう…

↓ATセレクターとインパネ内のODスイッチ


尚、80年代らしく今ではオモチャと笑ってしまうドライブコンピューター(クルーズコンピューター)がアバンテにOP設定され三菱がこの分野に先んじ日産も積極的でしたのでトヨタも「うちにもありますよー」的に出してきていました(笑)

↓ドライブコンピューター


また、この時期からオーディオの進化は目を見張るモノがあり電子チューナー、フルロジック、録音機能とまるで家庭のオーディオのように進化!
先代位の頃はオーディオは社外品でパイオニアロンサムカーボーイ、クラリオンの黒人エマニエル坊やが憎いダンスで人気を得たシティコネクションシリーズ等を装着するのが流行りでしたがメーカー純正品がココまで進化するとわざわざこれを外して社外品を付ける、という儀式が減ってゆきました~。。。

↓当時の考えられる機構は全部付けオマケにグライコまで付いた富士通テン製コンポーネント ステレオ(アバンテにOP設定)


それではチェイサーのモデル改歴です。

(81/10)
日産や三菱のターボ攻勢に応ずるべくチェイサーにもターボモデルが追加されました!
79yに日産が430セド/グロで国産初のターボ車を発売以来、世は正にターボブームでありこれまでDOHCで推してきたトヨタも遂にその流れには逆らえなくなり“TURBO”で勢いづくセド/グロ、ローレル/スカイラインに対抗してクラウン、マークⅡ/チェイサー/クレスタの4車(ソアラ/セリカXXのも相前後してM-TEUを搭載!)に一気にターボモデルをラインナップしています。
チェイサーにはセダン/4HTそれぞれのアバンテとSGツーリングにこれをラインナップ、外観は日産や三菱ほどこれを誇張せずグリルとトランクリッドのエンブレム追加程度で他はNAと全く同一でした!

↓81/10、“TURBO”モデルをラインナップ!(㊤4HTターボ/㊦セダンターボ)



ターボモデルは「ん?引退したんじゃない?」的なM型が再登場!かつてのM-EUに日産同様に米、エアリサーチ社製ターボチャージャーを装着しNA時代の125ps→145ps/17kgm→21.5kgmという当時の2Lとしては驚愕の性能を得たM-TEU型を搭載していましたが既に日産L20ETが約2年前に登場しており新鮮味はなかったです、またトヨタはこのM-TEUターボ化により自慢の4ATモデルのみのラインナップとしていたのも走りを好むユーザーからはかなりのブーイングでした。
トヨタは“DOHCはMT、ターボには4ATが最適”の主張を崩さず顧客第一主義のトヨタとしてはこのこだわりを珍しく頑固に暫く貫き通してましたねー、まだまだトヨタにも骨がありました(笑)
「マニュアルを乗る方はどうぞGTで!ターボはATのみ!」的な売り方は自社が推してきたDOHCのこだわりもありましたがこの頑固から結構ターボでMTを欲しいユーザーはスカイラインやローレルに流れたようです、クラウンとマークⅡ/クレスタはともかく“スポーティ”を自認するチェイサーのみだけでもMTターボがあったらまたこのクルマの評価も変わっていたかも?しえませんね…
尚、ターボ化に当たり何故に今更古いM型が引っ張り出されたかはお気付きの通りシリンダー肉厚の薄い1Gではターボチャージャーの圧力に耐えられないという問題があり設計が古いながら頑強なM型がターボ化されて戻ってきた訳です!

↓“M型は死なず” ブーム最先端のターボ化に選ばれたのはお馴染のM型! (M-TEU型)


このMターボ、マークⅡでしたが経験あり日産L20ETと正に同じ感覚の所謂“ドッカン”で出足は懐かしくももっさりしたドンガメMのフィーリングながら3000rpmを超えると豹変、日産ほど“ヒューン”というターボサウンドは誇張されてはいませんでしたが1G-EUや18R-GEUでは味わえないロケット加速が味わえました!
ただ、足のセッティングはアバンテですら完全にパワーに負けており直線番町の域を出ずMTターボが選べ脚も強いスカイライン(この時期はもうR30になっています)の敵ではなかったですネ~。

(82/8)
MCで後期型となります。
お決まりの顔とお尻のデザイン変更は勿論、このMCで新エンジンも搭載されています。
ますフェイスリフトはセダンと4HTをそれぞれオリジナルのデザインに分け評判の芳しくなかったセダンは特に手が入れられFrは二段式の彫の深いグリルにフォグ組込ヘッドライトでイメージを一新、テールも一人だけのけものだった横長の大型コンビが遂に装着されています。
4HTはやはりフォグ組込ライトの横線を基調としたスポーツグリルを採用、テールも前期の細目を大型化しています。

↓MCで後期型となり顔もお尻も立派になったセダン(㊤2000アバンテ/㊦1800XG)



↓後期型4HT(㊤1800XGエクストラ/㊦アバンテターボ)



このMCはセダン/HTともに前期よりスポーティ&豪華イメージが高まり成功だとは思いますが同時にMCしたマークⅡ、特に4HTのデザインが良過ぎた!!
個人的意見ではなく当時のユーザー層はマークⅡを圧倒的に支持、ワタクシも コチラ で述べたようにこの後期マークⅡには惚れ未だに所有しなかったのが悔やまれる1台です。後続でカローラの販売台数さえ抜いた程バカ売れしたX70系よりもワタクシは好きなデザインでした。
リアル世代の御同輩ならご存知だと思います、当時イーグルマスクで大人気を博した後期X60マークⅡ4HT、街中に溢れながら同じボディのチェイサーは滅多にないという有様、マークⅡはもちろん少数派向けでデザインを異にするクレスタの販売台数4万台の約半分だったチェイサーですから見かける事も少ない筈ですよね。。。
この後期マ-クⅡ4HTとソアラ、クラウン、クレスタがどれもこの時期秀逸なデザインと鮮やかで光り輝く”スーパーホワイト”というボディカラーが大人気となり俗に言う『ハイソカーブーム』を造り出したのも今は昔、しかし今もこの“スーパーホワイト”がトヨタ新車にはラインナップされていたりするのをカタログで見ると懐かしさと同時にさすが30年前に一世を風靡した色だ!と妙に納得しちゃいます(;^_^A

残念ながらチェイサーはまたもメーカーの計算?陰謀?か知りませんがマークⅡと較べると手抜き的なデザインに見えてしまいこの頃はユーザーも「チェイサーはわざとデザインを落としている」と言われるようになっていました…
チェイサー単独で見ればなかなかながらやはりマークⅡと較べるとその差は歴然で双子派生側の悲劇をココでも感じました~。

↓マークⅡ(㊤後期)を見てしまうとやはりチェイサー(㊦後期)は…



ただ、チェイサーにはこのMCからマークⅡにはないお買い得モデル、所謂“なんちゃってアバンテ”と言われた1800XGエクストラが設定されショボイ1800ながら内外装はアバンテとほぼ同じ意匠が施されそれでいてお値段はベースの1800XGに+α程度の価格だった事から結構人気があり販売もこのXGエクストラに限っては好調で街にもよく走っていました。
実はそこそこ裕福ながらもグランデやアバンテには手が届かない友人がもコレを買いよく乗せてもらいましたが走りは目をつぶって雰囲気と豪華な押し出し感、そして上品な内装が100万円台中ほどでしたからアルミ入れタイヤ太くすればこれはこれでれいいナ~ なんて思いました、カローラの最上級とほぼ価格変わらないでチェイサー、しかもアバンテテイスト!貧乏臭いなんてバカにしながらも密かに“いいなー”と。
この成功もありマークⅡ/クレスタにも後年、同嗜好のお買い得なんちゃってシリーズが設定されています(笑)

新エンジンは3種、これに変わる廃止も3種で新旧交代がなされます。
まず最高峰に据えられたのが従来の1G-EUを4バルブツインカム化した1G-GEU型で当時“LASER α TWINCAM 24”のコピーでソアラ(GZ10)、セリカXX(GA61)、そしてマークⅡ/チェイサー/クレスタに搭載、日産が先んじて81yに4バルブのFJ20(スカイラインDR30)でデビューして『スゲー、4バルブ×4気筒で16バルブ!! DOHCもここまで来たか!』という空気がおさまらない時期に何と6発、24バルブで反撃したトヨタ、さすがでした…
これで一気にFJが霞む と思われましたがFJは83yにターボを装着して再反撃!
そしたらトヨタもその後に1G-Gをツインターボ化とどんどんエスカレート!いやー、夢のような時代でした!!
1G-GEUのスペックは実に160ps!! トルクではターボに及ばない18kgmと言うモノながら2バルブの旧18R-GEUがさんざん日産に揶揄された鬱憤をこの1G-Gで晴らした感がありました。

↓18R-Gや2T-Gでお馴染の黒色結晶塗装からいかにも新世代的にシルバーに塗られたツインカムヘッドカバーが眩しい1G-GEU型TWINCAM24!!


↓1G-GEUの透視図


フィーリングは当時としては夢のようなエンジンとスペック、一瞬の体感加速GはM型ターボには敵わないながらもいかにも「メカ」的なエンジン音と高回転までストレスなく吹け上がる様はついこないだまで排ガス規制であっぷあっぷし暗い影が落ちていた暗黒時代の終焉を告げてくれた感じがしたのを鮮明に憶えています。
18R-GEUで感じたオーバーウェイトは全く意識させらず前期より強化された脚廻りもベストに近い仕上がりになりこの辺りでようやくライバルに追い付いた感じがしましたネ!
当然の如くこの1G-GEUは当時の大きな話題となり昭和57年日本機会学賞を受賞しています。
尚、1G-GEUデビューの為、18R-GEUは廃版となっており同時に「GT」グレードも廃止、1G-GEUはアバンテTWINCAM24という従来のアバンテをよりスポーティに味付けしたモデルとされどちらかというと装備も簡素でスポーツ色の濃かったGTとは性格を異に設定されました、これは“ハイソカーブーム”の影響や時代がバブルに向かう好景気の時期だったという部分がチェイサーのような車格からは需要がなくなったというのがGTの引退の背景ですね。

そして廉価/普及版の1800 13T-Uと2000 4気筒21R-Uが廃止、1800は82/3にカムリ/ビスタSV10でデビューした1S型に換装、1Sの性能が旧21Rをカバーしており21Rも廃止されチェイサー(マークⅡ/クレスタも)のガソリン2Lは全て縦6となっています。
SV10はFFのため横置きにされこれを示す『L』がエンジン型式=1S-LUを後期60系では1S-U型とし性能は同一、スペックは4気筒OHC100psでした。
1Sも1G同様新世代軽量化された“LASER”エンジンであり旧世代の21Rや13T-Uとは較べものにならない元気さ!絶対パワーが低い為やはり60系クラスではオーバーウェイト感はあってもキビキビ感もあり軽快で気持ちのいい回転の上がり方は廉価版の走りのイメージを変えこの辺がXGエクストラの人気の一因でもあったような気がします。
尚、1S-U搭載モデルの型式は『SX60』となります。

そしてこれまでディーゼルはL型のみでしたがL型を2.4Lにスケールアップしターボを装着した2400ディーゼルターボ、2L-T型も新搭載 スペックは95psまで高められDモデルの戦力アップをしています。
三菱が国産初のDターボをΣ/Λで発売以来既にDと言っても高性能を訴求される時代になりトヨタもこれに呼応した訳です。
ターボ化の高性能により2L-Tも“LASER”の称号が与えられていたのもトヨタのDに対する入れ込み具合が伺えました!

↓L型では名乗らなかった“LASER”を2L-Tでは冠!!


2L-TターボDは新設定されたディーゼル最高峰のSXL/SXLエクストラのみに搭載。

↓ターボDを搭載する『2400ターボD SXLエクストラ』


このMCではATも全て4AT化しています。
また後期からは初代X30デビュー時からイメキャラを務めた草刈正雄氏に代り当時でもクルマ好きで有名だった夏木陽介氏に交代、60年代の青春スターもそろそろ円熟期、Gメンで小田切警視を演じた同氏、ナイスミドルという言葉がぴったりハマるこの時期、好きな役者さんでしたー。

↓草刈さんよりはイメージに合う?小田切警視が新キャラに!!


尚、余談ですがマークⅡ/チェイサー後期型MCと同時にこれまで「X50」だったクレスタも「X60」に型式進行しています。

(83/2)
上級グレードに電子制御4AT ETC仕様車を追加しています。

(83/6)
一部グレードに認可されたドアミラー仕様モデルを設定。

(84/8)
クレスタ先行発売の関係もありややモデルライフに足りない3年10カ月でチェイサーはマークⅡ/クレスタと同時にFMC、3代目に進化しました。

↓84、8に3代目X70系となりオリジナルティ溢れるデザインとなりました!


初代X30/40が派生車ながら一定の人気/販売を得ながらも2代目は三つ子のクレスタ追加の影響もありDOWN!!となってしまったチェイサー、3代目X70系ではこれまでの手抜きマークⅡの批判を反省しマークⅡとは兄弟ながらオリジナリティを醸し出しまた、スポーティを謳うだけあり思い切ってセダンを廃止しバブル真っ只中に突っ込んでゆきます!
さんざん60では『クレスタやマークⅡに較べチェイサーはねー…┐( -_-)┌』的に揶揄されたチェイサーの逆襲なるか!!!

次回をお楽しみに~。

(次回3代目SX/LX/GX/MX70系チェイサーに続く)
Posted at 2017/08/22 20:58:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ

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