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2011年10月01日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編①

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…トヨタチェイサー編①
偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 今回からはこのクルマ→『トヨタチェイサー』をご紹介してゆきます!

“チェイサー”、カッコいいネーミングだと思いませんか?
3兄弟の中で一番精悍で躍動感があるこの名前、実は結構気に入ってます!



比較的失敗が少なく高値安定!? 人気/販売を示すトヨタ車の中でチェイサーを始めスプリンターとかカローラⅡトリオ(ターセル/コルサ)、レジアスエース等の所謂“双子、三つ子”モデルは非常に微妙な立場で本家(チェイサーならマークⅡ、スプリンターならカローラ)を上回る人気や販売は決して許されず、さりとて本家を汚すような不人気モデル転落も当然NG!! 
メーカーとしては本家より目立たずかつ一定の販売をさせ時にはペット対オート(マークⅡvsチェイサー)で競合させ刺激を高めしっかりどっちに転んでも美味しいという誠にお家にとっては好都合な施策だった訳です。
苦労するのはディーラーと一時は双子どころか何種類ある?みたいな時期(マツダ多チャンネル期など)もありどれを選べば良いのか迷ってしまうユーザーだったと思います…

双子の派生側車種は販売店もトヨタで言えばオート店やビスタ店(現ネッツ)などカローラ店やトヨペット店に較べやや販売力が劣る扱いにされる事が多くモデルそのものもわざと本家のバランスを崩す?ようなスタイルが取られたりバリェーションが減らされたりという“逆境”に立たされる事が多く時には本家モデルより高い場合もあり派生側の営業マンはたまったモノではないです。。。
ワタクシは本家側(カローラ)の営業してましたので時代も良く大した苦労はしませんでしたがよくオートの営業は愚痴ってましたね~、当時スプリンターはカローラより若干ながら高い価格設定でしたし…。

トヨタというメジャーな家柄に産まれながら常に日陰?目立たない立ち位置にいなければならないこれら双子車、現在では各社このような政策は取らなくなっていますが70~80年代では常套化した手段で一つのモデルながらある時は本家よりも高級化されたりある時はスポーティに振られたりして単独車種より安易に個性を広められ複数/多数ユーザー獲得に有効でありトヨタ/日産は一時これの宝庫、カローラ(スプリンター)やサニー(ローレルスピリット)等を合わせると一つのクルマで幾何学的なバリェーション展開がなされていたのも懐かしいですネ!

2000年代に入り全体的にセダン人気低下と特に若い世代でのクルマ離れもありユーザー=パイそのものが減少し今や滅多にこのような政策は取られなくなりチェイサー含めた各車、このような派生車種はリストラの対象となり一部を除いて絶滅しましたがチェイサーはマイナーな立ち位置が運命付けられた派生車種の中であってもさすがに『トヨタ』という大メーカーの中にいた事と“本家”が大人気車マークⅡだった事もあり比較的目立ち注目度も高かったモデルだと思いますが如何でしょうか…!?

チェイサーは個人的で恐縮ですが義理?やしがらみ?から2モデル(GX71/JZX90)を所有した経験もあり思い出もそれなりにあるクルマ、しかし派生双子モデルだけにその人(車)生は高値安定のトヨタ車の中であってもUP!!!DOWN!!!は大きく常にマークⅡと80yから加わった三つ子の『クレスタ』と較べられ ~チェイサーはマークⅡ、クレスタと違いああでもないこうでもない~ と言われるのが宿命となりココで取り上げる事としました!
クラス的に高級車の位置にいながら兄弟やライバルの関係から常にスポーティ路線だったチェイサーは逆にそれが“安っぽい”的印象に受取られる事が多く損していたような!?
そんな不運?なモデルだと思います。

前置きが長くなりましたがチェイサーの発売は77/6、当時3代目となるMX/RX/TX30、40系マークⅡの双子兄弟車としてデビューしました。

↓マークⅡの双子兄弟としてデビュー!(前期HT2000SGS)



誕生経緯は68yにコロナの上級スポーティモデルとして登場したマークⅡはライバルとして日産ローレルとスカイラインに照準を合わせていましたが当時箱スカ~ケンメリと伝説的人気を誇るスカイラインとの闘いには適わずに72yのFMC(2代目X10/20)→73y、74yのMCでスポーティ路線からローレルのみに照準を合わせるイメージ変更がなされ76yの3代目では完全に高級モデルに移行した事からこの3代目マークⅡ発売翌年の77yにこれをベースには対スカイラインに特化しスポーツイメージとしたモデルが『初代チェイサー(MX/RX/TX30、40系)』でした!

イメージキャラクターは当時百恵ちゃんとのラブラブで注目の三浦友和氏と並んで大人気の今で言うイケメン、当時の“二枚目スター”草刈正雄氏を起用、その名が示す[追跡者]をイメージするCM作りで注目されていました。
“愛のスカイライン”“ケンとメリーのスカイライン”“スカイライン・ジャパン”と立て続けにCMでもヒットを飛ばすライバルへの挑戦でしたがさすがに当時“旬”でありまた、ローレル(230系)をも上回る人気/販売を得たマークⅡの双子であってもスカイラインの牙は崩せなかったのが初代チェイサーの実情、但しチェイサー史上この初代は成功のレベルでありいかに当時のスカイライン人気が偉大だったか!という点で見て頂けたらと思います。
参考までに記しますが初代チェイサーモデルライフ期〈77~80y〉におい本家のマークⅡが9~11万台、ローレル5~9万台、スカイライン9~11万台の中、双子派生車ながらチェイサーは4万台弱(79y)の販売台数を持っておりこれは上記3車のBigネームの中では目立ちませんが数字的には大成功な訳です!

尚、余談ではありますが草刈氏はチェイサーのキャラになる直前に三菱が車輛協力した『華麗なる刑事』というドラマで初代ギャランΛを颯爽と乗り回し氏も実際にΛを愛車にした程との事、このドラマの影響で草刈氏=ギャランΛみたいなイメージが脳内で出来上がっておりチェイサーでNYの街中を走りまわる氏のCMに違和感を憶えたモノでした~(汗)

↓イメキャラは70年代の“イケメン”草刈正雄!!


それでは初代チェイサーのモデル概要です。

(サイズ)
:全長4530全幅1680高1390ホイールベース2645(以上mm)
(車重)
1170kg(HT2000SGS)
(定員)
5名
(エンジン)
3T-U型 水冷直4 1800cc OHV ツーバレルシングルキャブ 98ps
18R-U型 水冷直4 2000cc OHCツーバレルシングルキャブ 100ps 
M-U型 水冷直6 2000cc OHC ツーバレルシングルキャブ 110ps
M-EU型 水冷直6 2000cc OHC EFI 125ps 
(以上psはグロス値、M-EU型は53年排ガス規制適合、他は51年排ガス規制適合=型式「30」が51年、「40」が53年対策)

(駆動)
FR
(ミッション)
4MT/5MT/3速、4速AT(後期~)
(脚回り)
Fr ストラット/Rr 4リンク(普及型
Frストラット/Rr セミトレーディングアーム(GS、SGS、SGツーリング)
(ボディ)
4ドアセダン /2ドアHT
(バリェーション)
1800
DX/XL
2000 4気筒
DX/XL/GS
2000 6気筒
SXL
2000 6気筒EFI
SXL/SGS/SGツーリング

スタイリングやボディバリェーションは当然の如くマークⅡと共通、旧10/20系マークⅡのアメリカン調イケイケデザインからジャグァー(徳大寺さん風に…笑)を思わせるヨーロッパ調の気品ある格調的な落着いた雰囲気の3代目マークⅡをベースにFrフェイスとテールをリ・デザイン、グリルを格子状としマークⅡにあったヘッドライト内側のスモールをフラッシャーに組込み廃止し顔付はこれだけでかなり印象が変わっています、赤や黄色といったマークⅡには設定のない目立つ原色がラインナップされていた点も印象を大きく変えていました。
現在“ブタ目”の愛称で親しまれる丸目2灯は当時でもこのクラスは4灯が当たり前の時期、特にギャランΛが火を付けた角目4灯がブームになっていたのに対し大型グリルに合わせて盛り上がるボンネットの“コンチネンタルフード”やライト部分もボンネット両端が盛り上がるクラシカルな形状の丸目2灯、マークⅡと併せてチェイサーの一つの個性として受け入れられていました。
ただ、スモールがなくなった事により大きく立派なグリルは付いたもののマークⅡの顔に較べ個性が薄れどことなく安っぽい印象という感がありマークⅡの人気は上回れなかったのはメーカーの計算なのでしょうかね…!?
尚、チェイサーでは上級グレードと下級グレード(SXL/GSが境=GSまで上級の位置付け)でグリルのデザインを異にし、基本縦線の格子状グリルながら上級ではこれをメッキ化し精悍な印象にしていました。

↓ベースとなった“本家” X30/40マークⅡ(㊤前期HT㊦後期セダン)



テールはマークⅡのさりげない小型なコンビネーションテールランプをより大型化し精悍なデザインに変更、このテールの間に入るバックパネルもマークⅡのスラント形状に対してスパっと垂直に際立たせていました。

↓マークⅡ同様にテールの処理はHT/セダン共通(㊤HT2000GS㊦セダン
 1800DX)



オーソドックスなセダンと2ドアながら落ち着いたボディデザインのHT共ロングノーズ/ロングデッキで威風堂々としたスタイリングでしたがワタクシMX41マークⅡもオーナーでしたのでこれの不満はFRでもあり仕方ないとは思うも外寸の割にセダンであっても室内が狭いという点でした。
もっともこれは30/40系だけにとどまらずマークⅡ兄弟の伝統、強いてはスカイラインやローレルでもそうであり外寸の半分以上がエンジンと荷室(トランク)に振り分けられた良く言えば贅沢な造りでしたねー、しかも縦6ならいざ知らず、4発のマークⅡやチェイサーローレルなんてスカスカエンジンルームでして無駄なスペースこの上ないモノでしたから優雅な時代でした(笑)
尚、結果的には後年の2HTの衰退化もあり初代チェイサーHTは歴代唯一の2HTでありました。

↓狭い室内ながらもHTのみトヨタ得意のトランクスルーで利便性を上げる!


インパネやインテリアも基本的にはマークⅡのそれを踏襲していますがインテリアは性格上マークⅡより若々しいデザインや色調が使用されておりインパネでもマークⅡの丸型メーターに対しチェイサーでは角型とされていました。

↓マークⅡの丸型メーターに対する角型メーターがチェイサー の証!
 (㊤SGツーリング㊦2000DX)


↓インテリアもマークⅡのフォーマルさに対し若々しいデザイン!!(HT SXL)


搭載エンジンはマークⅡのステータスだった2600の4M-Uの設定がない事以外は共通、3T~M-EUまでどれも実績ある反面目新しさはなく平凡で特にこの時期は51年規制と53年規制の狭間でまだまだ排ガス対策が完結していない過渡期のエンジンでしたからそのドライバビリティは最悪のモノでして未対策時代と較べカタログ上のpsが信じられない程の出力ダウンでした。
1t強のボディでM-EUでしたら125ps、当時の水準では決して非力ではない筈ながらアクセル踏んでも踏んでも音だけデカくて一向に加速しないもどかしさは後続の1Gか大排気量の4M/5Mでないと解消せず廉価版の1800なんて乗った日にゃそりゃもうドンガメに失礼な位走りませんでしたネ~…
1800は勿論、例えM-EUでもこの時期のモノは排ガス浄化補機装置に力を取られ回転上げるのにストレスだらけ!胸につかえるようなもどかしさがあり排気量が一気に500cc位下がったか若しくは3t位自重があるんじゃね?みたいな悲惨な状況でしたねー(-△-;)

↓最上級には当時のトヨタ最高峰級のお馴染M型2000cc6気筒を搭載したが…
(㊤M-EU㊦M-U)



グレードもほぼマークⅡに準じますがマークⅡ最高峰の『グランデ』と中間グレードの同『L』と最廉価の『STD』の設定がチェイサーにはなくマークⅡNo2の『LGツーリング』=チェイサーの『SGツーリング』で最高グレード、他はマークⅡの『LG』=チェイサー『SXL』、同『GSL』=同『GS』、同『GL』=同『XL』でDXは共通でした。
グレードにより搭載エンジンが分けられ1800/20004気筒が普及/廉価版としてDX~GS、縦6キャブ仕様がSXL、同EFIがSXLのEFI仕様とSGSとSGツーリングに搭載されます。

余談ながら知人の一人が『2000GS』に乗っていてSGSにエンブレムチューンしてましたがあのボディで4発の音は情けなくてまた、三菱みたいなグレード名“GS”もよくバカにしてました~(^^;)
まー、6気筒EFIの走り的の最高バージョンがSGSでしたから4発だから頭の“S”を抜いたのでしょうが何となくマヌケなグレード、という印象が未だ残っています、でも当人は「SGS同様に脚も4独だし4輪ディスクだからこれでいいんだよ (※4輪ディスクはチェイサーではGS、SGS、SGツーリングのみの装備)」と強がり言いながら回らない4発で最後尾をいつも走ってましたが(爆)

↓チェイサーのバリェーションの一部
㊤㊧HT1800XL㊤㊨セダン2000SGツーリング㊦㊧セダン2000SXL㊦㊨セダン2000XL)



注目はマークⅡには設定されていない『SGS』というモデルでこれぞ脚廻りでは定評があるGT-R譲りの設定だったスカイラインGT-ES(GC210型)を完全標的にしたスポーツグレードでありマークⅡでは一番スポーティに振った2000GSLと高級仕様のLGツーリング/グランデ、チェイサーではGSとSGツーリング、そしてこのSGSのみに設定されていたRrセミトレの4独サスをSGSのみ更にハードに固めた“ハーダーサスペンション”が奢られており本気で“王者”スカイラインに挑んだモデルでした!

↓上級及スポーツグレードに設定されたRrセミトレ独立の脚廻り!
 SGSではマークⅡ含め唯一のハーダーサスとしていました。


↓下級/普及型にはリジット(4リンク)サスの設定。


それではモデル改歴に移ります。

(77/11)
1800モデルのエンジンをトヨタTGP方式により53年規制適合化、同時にエンジン型式を13T-U型と改称、出力は95psと3T-Uより3psダウン、型式はTX40系となりました。

↓53年規制適合となり3T-U→13T-U型となった1800エンジン


(78/8)
早くもMCで後期型となります。
この時点でまだチェイサーがデビューして1年余りですがマークⅡは2年経過しておりこれに合わせたMCでした。
この為、後期型は変更部分は少なくRrは手を付けずに主にFrフェイスの意匠変更という事になっています。
セダン、HTはマークⅡに較べ安っいぽい!と不評だった顔をいじり上級/下級で分けていたデザインを統一、変わってセダンとHTでデザインを分けセダンでは高級感を表す縦線グリルを、HTではハニカムに近い斜め格子状の精悍なモノとしています。
この整形、特にHTでは大成功でありこの時同時に設定された5マイル激突吸収大型バンパーと合わせるとその佇まいは前期に較べ非常に迫力が増しスポーツモデル好きにはマークⅡを上回る好評を得ていました!
このHTの新グリルデザインはその後チェイサーのイメージとされ後続の70系や90系の前期型でオマージュされていました!!

↓新グリル&5マイルバンパーで迫力を増した後期SGS


この後期HTは友人が購入(先記のGSとは別人です!)、当時の定番のワークのアルミで若干シャコタン(当時は“ローダウン”なんて言葉はありません…笑)にしたこのクルマ、かなり惚れましたネ~。
あまりに惚れ後年コレを譲り受ける話もありましたが様々な事情で断念→残念でしたぁぁ・・・

↓SGSのRrビュー、テールは全種変更なし。


↓後期型HTのバリエーション




↓インテリアも一層スポーティ&豪華に!!(㊤HT SGツーリング㊦HT SGS)


↓後期型セダンのバリェーション



↓セダンSGツーリングのインテリア


(78/9)
2000の4気筒モデルがエンジン換装により53年規制適合となります。
この時期次々とトヨタ4気筒2000クラス(マークⅡにコロナ/セリカ/カリーナ)は新開発、といっても従来型18Rの改良版である21R-U型に移行、チェイサーも当然これに倣います。
排ガス対策が後付けだった18Rに較べハナから規制を盛り込んだ設計の21R、psは18R-Uより5psアップし105psとなっていますが実際乗った感じは21Rはアンダーパワーながら回転の上がり方は18R-Uと較べ月とスッポンでドライバビリティの素晴らしい向上と排ガス対策の完成をこの二つのエンジンを乗り較べ身を持って体験できました!尚、型式はRX40系となっています。

↓新エンジンの『21R-U』搭載で2000 4気筒も活発に!


(79/3)
残るM-U型2000 6気筒キャブ仕様も53年規制に適合(psに変更なく110ps)、これにてチェイサー全種が53年規制車となりました、型式はMX40系。

(79/8)
これまで設定のなかった1800にAT(3速)がラインナップされALLモデルでイージードライブ化がチョイスできるようになりました。

(80/10)
マークⅡとの兼ね合い(同時FMC)によりデビュー3年4カ月でチェイサーはFMC2代目となります!

↓80/10にデビューした2代目X60系チェイサー(HT2000アバンテ前期型)


初代は前期で“安っぽいマークⅡ”と陰口を言われながらも後期の迫力の強面で人気UP!!!となった新星チェイサー!第二世代の活躍はいかに!!


(次回2代目TX/RX/SX/GX/MX60系チェイサーに続く)
Posted at 2017/05/13 20:14:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月19日 イイね!

保存版”偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編⑩

保存版”偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編⑩偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! “ブルーバードの巻”最終回の96/1発売の『U14型10代目ブルーバード』を取り上げます!

先代のU13が中身はそれなりの秀逸さを維持しながらも410以来の“タレ尻”で不評のセダン、そして先々代の好評U12のイメージを継続しながらもこれより丸味帯びたスタイルが災いしU12の評判を上回れなかった4HTのARX、下級で大好評のP10プリメーラの存在もあり“ブルーバード”のBigネームが揺らいでしまう程の不人気モデルとなってしまいました…
そこで日産は新型10代目U14では日本人にウけるかつての510や910で人気実証済の直線美を生かしたスタイリングを採用=久しぶりにブルーバードらしいブルーバードの姿恰好を取り戻してデビューしました!

↓クリーンな直線美を再現したU14型ブル!(前期2.0ルグラン)


U14はセダン人気の衰退によるリストラ策が取られシャーシは下級2代目P11プリメーラと共通化、この為、先代よりホイールベースは20mm短縮、これに伴い全長も短くなっています。
結果この時期ライバルであるギャランやカペラ(→クロノス)らが既に無意味!?な3ナンバー化、大柄になっていましたがコロナと共に5ナンバーボディを守り通しおりこの部分は好感を持って迎えられファミリーユースに加え警察車両等の公用車採用や各企業の社用車にも多く購入されたようです!

リストラ策の一環としてグレード編成や搭載エンジンの縮小、ボディはフォーマルな4ドアセダンのみとされ82yの910で誕生した4HTは14年間の幕を閉じています。

それではU14のモデル概要です。

(サイズ)
:全長4565全幅1695高1395ホイールベース2600(以上mm)
(車重)
1180kg(セダン1800SSS)
(定員)
5名
(エンジン)
SR18DE型 水冷直4 1800cc 4バルブDOHC EGI 125ps
SR20DE型 水冷直4 2000cc 4バルブDOHC EGI 145ps 
CD20型 水冷直4 2000cc OHC ディーゼル76ps
(以上psはネット値)

(駆動)
FF/フルタイム4WD
(ミッション)
5MT/E-AT4速AT
(脚回り)
Fr/Rr ALLマルチリンク(FF)
Frマルチリンク/Rrストラット(アテーサ)
(ボディ)
4ドアセダン
(バリェーション)
1800シリーズ
1.8FE/1.8XE/1.8XEアテーサ/1.8ルグラン/1.8SSS/1.8SSS Sセレクション
2000シリーズ
2.0ルグラン/2.0SSS/2.0SSS Sセレクション/2.0SSSリミデッド/2.0SSSアテーサ
/2.0SSSアテーサSセレクション
2000ディーゼルシリーズ
2.0D XE/2.0D ルグラン

先に述べました通りサイズは小さくなり1600や2000ツインカムターボが消えバリェーションも縮小し何となく寂しい感じのデビューでした。
U14のドライバビリティは野暮ったくともツインカムターボ+アテーサでかなり熱い走りをした旧U13と較べどうしても大人しい印象ながらプリメーラと共通車台になりながらも車室空間の減少はさほど感じず(ヘッドスペースの狭小感はありました)脚はプリメーラ譲りのスポーティで軽快さが感じ取れ好感触!
ただベースのプリメーラも初代P10から大型化しP11では少々ダルな感じはしながらもそれでも楽しさは充分感じられるモノだったと思います。

↓全車に新採用のFrマアルチリンクサス㊧とFFモデルに設定のRrマルチリンクビームサス㊨



フルタイム4WD=アテーサシステムはU13を継承、NA2Lでは持て余す程で大した必要性は感じないながらも雪道や高速巡航では高い安心感をもたらしてくれていました。

↓お馴染の4WD制御システムの『ATTESA』ももちろん搭載。


リストラされた1600&2000ツインカムターボ以外の搭載エンジンはU13からのキャリーオーバーであるSR型とCD型ディーゼル、気持ちの良い“回り”も勿論継承していました!

先記のようにスタイリングはU13が海外ユーザーを重視したのに対してU14では国内ユーザーの意見を大事にし直線基調のオーソドックスなモノ、フォーマルでクリーンなセダンらしいスタイリングとなり510/910で見せたクリーンな印象を取り戻しています。
鋭角的に切り落とすFrやRrの処理とやや傾斜を強めたノッチバックにピンと張ったお尻はスポーティさも表現、SSS系はスポーティグリルを、非SSSのフォーマル/ファミリー系は大人しい格調的グリルで識別する手法はもはや伝統芸でそれぞれの性格を主張していました。

↓前期型1800SSS㊤と2000SSS Sセレクション㊦



インパネ&インテリアも保守層の多いユーザーの好みを考慮し奇をてらう事なくオーソドックスなデザイン、U13ではこの辺も妙にアメリカンチックでしたので個人的には面白味は少ないながら落ち着いた感のあるインテリアには好感を持ちました、ただ、時代的にU12~13のバブル期は終了しており各部の造りにコストダウン化が顕著に見られたのはこの時期のモデル特有な現象で旧型からの退歩をブルでも感じられずにはいられませんでしたネ~。。。

↓2000SSSのインパネ&インテリア



他にU14の特徴としては先代以上に安全対策が進化、SRSデュアルエアバックやABSの標準装備(ABSは96/8迄はop設定、それ以降標準)と衝突安全ボディを採用しこのボディは史上初の最高ランクの“AAA評価”=自動車安全対策センター評価 を得ていました!

↓デュアルエアバッグを標準装備!!


↓史上初のAAA評価を得た衝突安全ボディも採用。


それではモデル改歴です。(主要点)

(97/1)
1.8&2.0SSSに『ナビセレクション』モデル追加。
ナビゲーション装備と共にオゾンセーフエアコンやハーフレザーシートを採用しています。

(97/9)
日産ではパルサーに初搭載されたNEO VVLエンジン=可変バルブエンジン(SR16VE型 175ps)をブルにも搭載、ブルにはSR20DEをベースにNEO VVL化、190psのスペックが与えられSR20DETツインカムターボを失ったブルにスポーツモデルが還ってきています!
この可変バルブはSR16VE同様に『SR20VE』のエンジン型式が与えられていました。

↓久しぶりの高性能『SR20VE型』エンジンを追加!


SR20VE搭載モデルは最高峰『2,0SSS-Z』のグレードとなりブル待望の本格的スポーツモデルでしたが既に時代はミニバンが持てはやされていた時期で残念ながらそれほど大きな話題にはならなかった気がします。
ワタクシも日産の可変バルブは未体験でお馴染のホンダVTECや三菱MIVEC並の気持ち良さがあったと乗車経験のある知人談でしたが実力を知る以前に消えてしまったような!?!?
ホンダ/三菱のそれはかなりの存在感がありましたが日産やトヨタ(VVT-i)、あまり目立たなかったですねー…

↓久しぶりのスポグレード『SSS-Z』



尚、SSS-Zにはトランスミッションにスバルパテントであるマニュアルモード付きCVTを搭載、『ハイパーCVT-M6』と呼ばれるこのミッションがCVT嫌いのワタクシですから余計SSS-Zにそそられなかったのかもしれません(汗)
CVTは出だしの印象が強くU14の頃はかなりの完成度で喰わず嫌いの部分もあるのですが商売柄CVTの耐久性には今もって疑問があり古い考えなのは承知ながらトルコンATに軍配を挙げたくなります。
今では10万㎞オーバーなんて当たり前な時代、負荷が大きいミッションにどう考えてもベルト駆動は不安が残りますしそれ以前にせっかくの可変バルブという素晴らしいエンジンを載せながらMT設定がなかったのが惜しまれます、まぁ例えあってもこの時期は既に現在同様に売れないのはもちろ理解していますが・・・。
このCVTの新設定はSSS-Zのみならず2.0ガソリンFFファミリー/フォーマル系モデルは全てE-ATの4ATよりこれに換装されました。

↓新設定のハイパーCVTの魅力を高らかに伝えていますが…



(98/1)
従来、1.8と2.0Dに設定の『XE及同アテーサ』は『エスプーリ』にグレード名が変更されています。

(98/9)
MCで後期型となります。
外観ではSSS系のグリルセンターに『SSS』オーナメントを移動、フォーマル/ファミリー系はグリルが変更されています(Rrは大きなデザイン変更なし)
個人的には後期型はSSS系もフォーマル/ファミリー系も大人しい印象になり地味になった感じ、特に後者に関しては下級B15サニーみたいな顔付きになってしまい安っぽさを感じてしまいました、中には“ブタ鼻”と言い嫌う方もいる前期フォーマル/ファミリー系の方がワタシ的には高級イメージがありますネ。

↓後期型『2.0SSS-Z』㊤『2.0/1.8SSSアテーサ』㊥㊤『1.8FE』㊥㊦『1.8/2.0Dエスプーリ』





このMCで2000DのCD20エンジンはEGI化(ps変更なし)、1800のFFモデルのエンジンを一部SR18DE→新開発QG18DE型125psへ換装、QG18DEリーンバーン(NEO)方式のエンジンでありこの時代、三菱やトヨタも手掛けた燃費向上に大きく貢献する注目のエンジンした。
尚、『NEO Di』と呼ばれQG18DEを直噴化したQG18DD型130psも新設定、この時期三菱が“GDI”、トヨタが“D4”というネーミングで売りにしたガソリン直噴を時代の寵児的にブルもラインナップしています。
QG18DDは1.8SSSアテーサを除いた1.8SSS系に搭載、U14デビュー時は寂しいラインナップでしたがこの時点でミッションや搭載エンジン、グレードも多様化したワイドバリェーション化に戻っています!
整理しますと搭載エンジンは全6種、ミッションは5種の選択が可能となりました。

(98/9時点での搭載エンジン)
SR18DE=1.8SSSアテーサ
SR20DE=2,0SSS/同アテーサ
QG18DD=1.8SSS NEO Di
QG18DE= 1.8SSSアテーサ/1.8SSS NEO Di を除く1.8モデル
CD20E=2.0Dシリーズ

↓ワイドバリェーション化した搭載エンジン



↓ミッションも5MT~ハイパーCVT-M6まで5種類の選択が可能(グレード制限あり)


(99/10)
エスプーリとSSSにブルーバード40周年記念特別限定モデルである『40thアニバーサリー』を設定。

(00/6)
SSS、同アテーサをベースにキセノンライトやスーパーサウンドシステム等の装備充実をした特別限定モデル『SSS/同アテーサX・Ⅱ』を設定。

(00/8)
この時期、深刻な売れ行き不振に悩む日産のリストラ策=日産リバイバルプランにより従来のN15型パルサーとR11型プレセアを統合した新車種に“ブルーバード”の名を冠した『G10型ブルーバード・シルフィ』が登場します。
シルフィはB15型サニーの車台を使いながらの新設車種でU14ブルの下級クラスに位置しますが装備や雰囲気等のテイストは旧パルサーの車格を上回る味付けがなされパルサー並のサイズでブルーバードの仕上げを持つ、と言う意味合いから『ブルーバード・シルフィ』と名付けられています。

↓“ブルーバード”を冠した新車種、『G10型ブルーバード・シルフィ』


シルフィはU14型ブルーバードと1年間併売されました。

(01/8)
セダン型車種の人気低迷と日産リバイバルプランの推進もあり96年発売で既に5年を生きたU14型ブルは生産終了、同時に42年という栄誉ある歴史にブルーバードは終止符を打ちました…
車格は落ちるも前年発売のシルフィに後を託す形となっています。
代替ユーザー等は比較的順調にシルフィに進んだようで本来シルフィは前身のパルサー/プレセアや更にこれの前身になるローレルスピリットやラングレー、そして太古のチェリーが系統になりますのでブルーバードとは何ら関係ないながらU14存命時にブルーバードの名を名乗った事から実質的後継車種となっています。

車格は異なり本質的なブルはこの01yで終わっていますがシルィになって以降1度FMCを経験し現在に於いても日産のラインナップに加わり名前だけながら“ブルーバード”が残っているのはライバルのコロナのネーミングが消えた今、ある意味奇跡的かと…

もう一つのライバル、ギャランが後年一度消滅後にランサーと統合され『ギャラン・フォルティス』になりやはりリストラされたのを見るとブル対シルフィの関係に奇しくも似た部分がありかつて最も日本のマイカー市場が活発だった70~80年代にトヨタコロナ、日産ブルーバード、三菱ギャランの3強で小型車市場をリードしていた時代をリアルに知る者としてはコロナはプレミオと名を変えブルとギャランは下級車と統合リストラとなってしまった現在が悲しいですがミニバン全盛でセダンは既に前時代的な今に至ってブルバードやギャランのネーミングが生きてるだけでも救いとしなければいけませんね、何かそれもそう長くないような予感がしますが…(汗)

歴代ブルーバード、ライバルでかつての“BC戦争”のもう片方の主役であるトヨタのコロナが比較的失敗の少ない高値安定人気だったのに対しギャラン同様にメーカーの重要戦略車種ながら結構失敗もありスベった時は日産自体が傾きかけるというもので“偉大なる“UP! DOWNのブルーバード!!!”としてまとめますとブル以前のダットサン110/210(UP!!!)→ブル310(UP!!!)→410(大幅DOWN!!!)→510(最大のUP!!!)→610(DOWN!!!)→810(完全なるDOWN!!!)→910(大幅なUP!!!)→U11(ややDOWN!!!)→U12(UP!!!)→U13(大幅DOWN!!!)→U14(ややUP!!!)と言ったところですね、ギャランほどのジェットコースター人(車)生ではないにしろコロナ他トヨタ車と較べるとやはり極端な人気/売上の変動があったなー と。

恐るべしトヨタ車!をココでも実感してブルーバードの巻を終わりにしたいと思います。。。

ブルーバードシリーズ・・・終
Posted at 2017/07/30 21:44:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月18日 イイね!

保存版”偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編⑨

保存版”偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編⑨
偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!、そろそろ終了間近のブルーバード、最終1コ手前の91/9発売の『9代目U13型ブルーバード』を振返ります!
U13もかなり少なくなりましたねー、我が地区では不人気のせいもあるのかU12の方がまだ見かける気がしついU13を見ると珍車扱いしちゃいます(汗)

U13はブル史上2番目の失敗作、しかも一度目(410)と同じ部分=“タレ尻”が原因でまたも失敗こいたという笑えるモデル、410が63yの発売でU13は91yですから28年経っても日本人の“タレ尻嫌い”は不変であり同じ轍を踏んでしまったブルーバード、もしかしたらこれが寿命を縮めた要因の一つになってるかも?しれません(元日産ディーラーの知己談…)

↓“タレ尻再来”のセダン=SSS(前期2000SSSアテーサ タイトル画像は2000SSS-G)


ただU13で救いだったのは二つのボディタイプ(セダン/4HT)が用意されていて“タレ”はセダンのみ、4HTは深刻な不人気という程の事はなくDマンも積極的にHTを勧めていたとかで410よりは逃げ場があった分マシだったようです!

↓ARX=4HTは端正なフォルム!(前期2000ARX-Z)


『×2計画』(バイツー計画)のコピーで売り出されたU13、先記の通りセダンと4HTが存在、4HTは日本国内のデザインを、セダンは北米日産のデザインを採用しこの事から→×2と訴え“二つのブルーバード、どう選ぶか!”みたいな感じでかなり気合を入れ凝ったデビューだった気がします、しかし…
4HTは先代U12より丸み帯びたモノの基本的に背が低く鼻もお尻も水平ラインで日本人受けする無難なデザイン、対してセダンは米国では好評ながらどうやっても殆どの日本人の感性には合わない尻下がりスタイル…
居住性などは当然背が高いセダンに分がありU12時代よりも屋根が高くヘッドクリアランスも拡大されていて後続U14よりも広い感じがしました。

しかし派生的なHTがスベるならまだしも売れ線であるセダンがスベっては元も子もなくU13はこの“タレ尻”が全てを台無しにしていた感アリアリでしたねー、ただセダンとしての実用性は高く一時社用車で乗っていて後席に顧客を乗せたりしても広々で好評でした、外観さえ除けば(汗)
例によってセダン米国仕様は『アルティマ』の名前で結構人気高かったようで販売もそれなりに好調ながら国内では尻下がりは鬼門であり全くパッとせず街で見かけるU13も殆どが4HTだったような気がします。
タレ尻スタイルでやはり悪名高き『レパードJフェリー』とU13セダンほぼ同じデザインテイスト、U13が先にデビューしていますので(Jファリーは92/6発売)これを3ナンバーボディに拡大間延びしたようなスタイルがJフェリーでしたので個人的にはまだU13の方が小さい分締まって見えたかな?と思います。

↓こちらはU13セダンのお仲間 『レパードJフェリー』、どう見ても兄弟!?


しかし同時期には日産の近年では稀に見る秀作だったP10プリメーラがあり人気はこちらに集中、ブルーバードの存在感は4HT/セダン共に希薄になっていた感が強かったですね~。
尚、U13から4HTはボディ剛性の強化と側面衝突安全性を高める為、910で追加以来伝統だったピラーレスを止めピラードHTとされています。
余談ですがピラードHTの元祖はHT(2ドア)を日本で初めて採用したトヨタで74y発売の5代目S90系クラウンの4HTがそれに充たります、しかしそもそもこのメーカーが“センターピラーがない!”をHTの定義にした訳であり言い出しっぺがまさに本末転倒であるかのような不思議な名称=ピラードHTを造った訳でして売れればなんでもアリ!!って感じでいやはやです(汗)
まー、あまり理屈っぽいのもどうかとは思いますしU13に限らず各車この時期は安全性の問題からピラードHT化していく傾向にありましたがそれは“HT”ではなく単なるドアサッシュレスでやや全高の低いセダンというモノにに成下がって?いました…

さてそんなU13、先代までは両ボディに普及グレードとスポーツグレードを設定していましたが今回からセダンにスポーツ系SSSと廉価版EEX、そして4HTに高級版ARX(アークス)各シリーズとなっておりました。

↓見事なタレっぷりのRrビユー(前期セダン1600EEX)


この辺も理解し難いと言うか何と言うか…!?
スポーティ度合いの強いHTにSSS系の設定がなかったのは結構U13の売れ行きを左右したようです。
伝統的にセダン→SSSは良しとしてもそのセダンがブサイクで嫌われしかもスポーツ系を好むユーザーに受け入れられ易い4HTにSSSがないというのは痛手であり前出の日産Dマン氏もよく顧客から『HTにSSSあれば買うのに。。。』と言われたそうです!

↓SSSの廉価グレードとなる『1800SSS-V』(前期型)


ARXはスポーツというより高級な方向に振られたパーソナル性を強調、これはこれで間違いとは思いませんがスポーツ性を好む層は皆プリメーラに流れたようですね。

↓高級志向のARX(㊤前期ARX-G㊦同ARX-V)



当時ライバルのコロナが170系→190系にFMC、4HTのEXIVも好調な時期でしたのでU13セダンの失敗とユーザー趣向とは異なる4HTのラインナップで人気/販売は一気にDOWN!!! 先代U12までほぼ170コロナと互角の勝負をしていたBC戦争(この頃はすでにその例えは殆ど言われなくなってはいましたが…)、次期型(U14)時代はセダン人気の衰退もありココ(U13vsT190)でほぼコロナの勝利で決着がついてしまった感がありました!

それではU13の車輛概要です。
(サイズ)
:全長4585全幅1695高1375ホイールベース2620(以上mm)
(車重)
1140kg(セダン1800SSS)
(定員)
5名
(エンジン)
GA16DS型 水冷直4 1600cc DOHC 電子キャブ 97ps
SR18DE型 水冷直4 1800cc 4バルブDOHC EGI 125ps
SR20DE型 水冷直4 2000cc 4バルブDOHC EGI 145ps 
SR20DET型 水例直4 2000cc4バルブDOHC EGI I/Cターボ 210ps 
CD20型 水冷直4 2000cc OHC ディーゼル76ps
(以上psはネット値)

(駆動)
FF/フルタイム4WD
(ミッション)
5MT/4速AT
(脚回り)
Fr/Rr ALL:ストラット
(ボディ)
4ドアセダン/4HT
(バリェーション)
セダンEEXシリーズ
1600EEX
2000D EEX-L
2000D アテーサ(4WD)EEX-L
セダンSSSシリーズ
1800SSS/1800SSS-V/1800SSSアテーサ
2000SSS-G/2000SSS-Gアテーサ/2000SSSリミデッドアテーサ
HT ARXシリーズ
1800ARX/1800ARX-V
2000ARX-G/2000ARX-Z/2000ARX-Zアテーサ
2000D ARX/2000D ARX-G

サイズはU12より更に長さ/幅/ホイールベース全て拡大され併せて車重も増えています、セダンの全高はU12と同数値ながらルーフが丸味帯びていてヘッドスペースはかなりの余裕、個人的な感覚ではブル史上で最高の頭上での広々感を得ていたと思います(セダンモデルで比較)

アテーサ4WDシステムやSTCサス(Rrパラレルリンク式)はU12からの継承ですがアテーサに関しては更に進化した「トリプルビスカス式」を一部採用しました!
これはSR20DET搭載のSSSアテーサに装備されますがセンターデフ、RrビスカスLSDに加えFrにまでビスカスLSDを組み込んだ高級機構でよりきめ細かい走行シーンに順応との触れ込みでした。

↓U12から継承する“STCサス”


     
↓アテーサ4WDも健在!


↓進化した「トリプルビスカス」の一部、センタービスカス


エンジンはU12後期から搭載されたSR20DE/同DETを5psアップで継続搭載、1800のSR18DiはEGI化したSR18DEに換装しています。

↓U12後期から搭載のSRエンジン群!!



そして1600は新開発のGA16DSを新たに搭載しました!
GA16DSはトヨタで言う“ハイメカツインカム”である普及型DOHC、フィーリングはスポーツDOHC(高回転型)には遠く及ばずかえってDOHC化した事でメカニカルノイズが増えSOHCのCA16と比較して格別高性能さは味わえないながら回転はスムーズで軽く吹け上がりは悪くないエンジンでした。ただブルに1600は既にアンダーパワー、いや、オーバーウェイトであり明らかな廉価版又は営業向きエンジンとしての印象、重い→吹かす→五月蠅い→燃費悪いという悪循環であまりいい印象はなくせっかくの新エンジンも大した宣伝効果はなかったと思います。

そしてディーゼルエンジンも長らくFRの910時代からLD型を積んできましたがより静粛性を追求しFFに適した専用設計で軽量化されたCD型に換装しています。

↓こちらも新搭載のFF専用設計された軽量ディーゼルのCD20型エンジン!!


最高峰のDOHC+ターボは215psまでハイパワー化したのとは裏腹にU12でへ一つの“売り”であった『SSS-R』(またはこれに準じたモデル)設定はU13ではなくなり競技向けは下級のN14パルサーのモンスター。GTI-Rに譲ってブルは再びこの分野は撤退しています。

尚、ミッションはATが全て4AT化し上級グレードには電子制御の『E-AT』が搭載されています。

↓電子制御ATの『E-AT』


インパネやインテリアのデザインは基本U12のイメージを継承、U12同様にまだまだコストダウン化は顕著ではなく丁寧に上質な造りでした。
ただU12はどちらかと言えばスポーティな指向でしたがSSS/ARX問わずに高級イメージに振られていました。

↓U12のイメージと上質さが溢れるインパネ&インテリア
(㊤ARX-Z㊥SSSリミデッドアテーサ㊦EEX) 




そして時代の要請もあり上級グレードにはエアバックを標準装備(後に全車標準)しています。

↓今や常識のSRSエアバッグをU13から装備!


それではモデル改歴です。(主要点)

(92/5)
ARX-G/SSS-Gに限定モデルの『リミデットタイプⅠ及びタイプⅡ』を追加。

(92/6)
お買い得グレード『1800ARX-L』追加。

(92/8)
1800及び2000『ARXスーパーツーリング』を追加。

(93/1)
特別限定となる日産自動車60周年記念モデルとなる『1800ARXスペシャルエディション60thアニバーサリー』を設定。

(93/8)
MCにて後期型となります。
お約束の顔とお尻の意匠変更でARXはより高級なイメージ、そしてこの時既に販売不振を極めていたSSSは迫力を増す(特にFrフェイス)味付けがなされいかつい顔付になっていますが人気回復には至りませんでした、何て言うか…タレ尻のスタイルといかつい顔が余計アンバランスさを醸し出し前期よりも“酷い”事になってしまった感じが(汗)

↓いかつさを増した後期SSSシリーズ(後期型SSS-G)


↓後期型ARX(ARX-Z)



↓後期インパネ、デザイン変更はステアリングホイールのみ(一部グレード)


よほど低迷する人気にカツを入れたかったのかこの時同時に輸出用のKA24DE型 2400ccDOHC 16バルブEGI 150ps/21.5kgmというトルクフルでいかにも大陸的な新エンジン搭載も行われています。(2400ARXスーパーツーリング及び2400SSS-Z)
尚KE24DE搭載モデルはブルの最初で最後の唯一の3ナンバーモデル、コロナと共に5ナンバーを守ってきたブルのあまりにも販売不振の為のご乱心か!?(笑)

(94/1)
『1800ARX-L タイプツーリングCDセレクション』を追加。

(95/1)
運転席SRSエアバックを全モデルに標準装備、売れ行き不振からKA24DEを積むSSS-Z=セダンは早くも廃番となりARX=HTのみの設定となります。

(95/12)
U13型は不評ながらもモデルライフの4年をややオーバーし次期、そして純粋なブルーバードとしては最終モデルとなるU14型10代目にバトンタッチし生産終了となりました。

↓ブルらしい直線美をまとった最終型10代目U14ブルーバード!!


410に次ぐ失敗モデルであったU13、もはや日産はこの頃から国内の趣向より海外を重視する方向に向かい次期U14ではその傾向がより深まるかとファンは心配しましたがイザ蓋を開けたU14は久しぶりにまたもクリーンな日本人の感性に訴えるイメージに回帰、時代が時代ならば510や910の再来にもなり得たモデルだったと思いますが残念ながら市場は“セダン”というカテゴリーに冷淡になり始めていました。
この次期U14が長い歴史のブルーバードの締めくくりになってしまいますが発つ青い鳥は後を濁さなかったのか???次回をお楽しみに!!

(次回10代目U14型ブルーバードに続く)
Posted at 2017/07/30 20:54:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月17日 イイね!

保存版”偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編⑧

保存版”偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編⑧
偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! いよいよブルの歴史も後半となる87/9発売の『8代目U12型ブルーバード』を取り上げます!

余談にはなりますがこの『ブルーバード』を取り上げ、前のギャランでもその傾向はありましたがPV数が人気モデル、不人気モデルで如実に変化しいかに皆さんがどのモデルに感心があるか!と言う点が実際の人気度にリンクしていて非常に興味深い結果が出ています!
510位まで古いとやはり若い世代の方は知らない?興味ナシ?なのか思っていた程上がりません(600超え位)でしたが910になるとその倍、U11ですと700(7/1時点)、ちなみに110~410で400~600、610~810で800前後)という数字でした…
ワタクシ何度も言いますがPV房ではないのでこの結果で一喜一憂するモノではありません、ただこの結果とリアル時の人気や評判がここまでリンクするという点は非常におもしろいと。。。

それではU12ブルに触れてゆきます!
U12位になると今もごく稀にスレ違う事ができますねー、と言っても前期ではもう24年前のモデルですから絶対数はかなり減ってはいると思いますがこの型は人気もありましたし後続U13がコケましたからこれよりはまだ当地域では見かける感じがします。

↓87/9発売の8代目ブル!!(前期4HTSSSアテーサ)


売れに売れたUP!!!モデルの910の影を引きずりながら方向性は中国劣化版コピーのような外観とミディアムクラスではまだ抵抗感のあったFF化という部分からDOWN!!!傾向となってしまったブルの立て直しを図る日産はバブル期の恩恵もあり高い購買意欲がアリアリの市場とういうバックも抱えふんだんに開発費をかけ、ブル史上最も”バブリー”なモデルとなりました!

ただU12の褒められるべき点はあくまで中身のバブリーさであり旧U11マキシマで見られたように外見をキンキラ豪華に飾り立て内装はキャバクラインテリアと言う俗物ではなく外観やインテリアはシックにまとめ高い人気と定評、そしてズバ抜けた販売を誇った510や910ブルの基本だった『スッキリ』『シンプル』『機能美』(外観上)という長所を取り入れ立ち還っていた事だったと思います。
インパネやインテリアの造りこみもバブルの恩恵で非常に丁寧、次期U13までこの丁寧さは引き継がれるもU14至ってはU12の影も潜め一気にコストダウンしてしまいその意味でもU12の造りには感嘆しましたねー。
まぁ、この時期のモデルはコロナもギャランも車格を上回る丁寧さが一つの魅力でもありワタクシの91y型ギャランも20歳を迎えても内装の痛みは殆ど出ないという素晴らしさで80年代以前車や現行のコストダウンの塊のような内装の造りを見てしまうと“バブルよ、もう一度!”なんて思ってしまいます(笑)

↓U12の機能的かつ美しくシックなインパネデザイン!


この時期の日産はどのモデルも80年代初頭のハイソカーブームに火を付け先頭に立ったトヨタを意識し先代まではゴテゴテとやたら内外装を金蘭豪華に仕上げコケ脅し的に売らんんかな みたいな感じでとても好感の持てるモノではありませんでした。(例:Y30セド/グロ、C31ローレル、R31スカイライン、U11ブルーバードマキシマ、S12シルビア/ガゼール、B11ローレルスピリット等々…)
しかしこのU12発売辺りを境にトヨタとは違った、センス溢れるデザインとシックなインテリア、そして53年規制以降では最も改革に取り組み規制以前のパワー感を取り戻す各新エンジン群の発売などがあり一時的ではありましたが非常に魅力的な時期でもありました。この時期以後はまた変な方向に迷走しだし経営も悪化、遂にはルノーとの提携=ゴーン社長による大リストラとなって行く訳ですね~…

それではU12の車輛概要です。

(サイズ)
:全長4520全幅1690高1375ホイールベース2550(以上mm)
(車重)
1110kg(セダンツインカムSSS)
(定員)
5名
(エンジン)
CA16S型 水冷直4 1600cc OHC シングルキャブ 79ps
CA18型i 水冷直4 1800cc OHC シングルキャブ 88ps
CA18DE型 水冷直4 1800cc 4バルブDOHC EGI 135ps
CA18DET型 水冷直4 1800cc 4バルブDOHC EGI I/Cターボ 175ps 
CA18DET-R型 水例直4 1800cc4バルブDOHC EGI I/Cターボ 185ps 
LD20Ⅱ型 水冷直4 2000cc OHC ディーゼル67ps
(以上psはネット値)

(駆動)
FF/4WD
(ミッション)
5MT/3、4速AT
(脚回り)
Fr/Rr ALL:ストラット
(ボディ)
4ドアセダン/4HT
(バリェーション)
セダンアーバンシリーズ
1600:LE/SEサルーン/XEサルーン/XEサルーンF
1800:SEサルーン/XEサルーン/XEサルーンF/スーパーセレクト
1800ツインカム:ツインカムスーパーセレクト
1800ツインカム4WD:XEアテーサ/XEアテーサF/SEアテーサ
2000D:XEサルーン/XEサルーンF/SEサルーン
4HTアーバンシリーズ
1800:XEサルーン/XEサルーンL/スーパーセレクト
1800ツインカム:ツインカムスーパーセレクト
1800ツインカム4WD:XEアテーサ/XEアテーサL
セダンSSS
1800:SSS
1800ツインカム:ツインカムSSS
1800ツインカム4WD:SSSアテーサ
1800ツインカムターボ 4WD:SSSアテーサリミテッド/SSS-R
4HTSSS
1800:SSS/SSS-Ⅱ
1800ツインカム:SSS/SSS-Ⅱ/SSS-X
1800ツインカム4WD:SSSアテーサ
1800ツインカムターボ4WD:SSSアテーサリミテッド

U12ではこの時期、特に三菱が凝った電子デバイス化が行われこれの塊であったE30系ギャランがこの分野では最大のライバルだった気がします。
その方面にあまりまだ積極的でなかったトヨタのコロナやカリーナ、カムリ/ビスタに較べU12はそれらが手を出していなかったコンピユータ制御による“アテーサ”と名付けられたフルタイム4WDシステムや4WS(日産では4WASと表現)システムの採用等が行われているのが特徴。
4WSは三菱やホンダ、マツダも手がけていたこの時期の流行りの装備で日産では85yのFMCで採用したR31スカイラインのHICAS技術をより発展させたものでした。
フルタイム4WDはI/Cターボを備え一気に175ps(SSS-Rは185ps)までハイパワー化したCA18DETを受け止める為に採用された機構でありブルとしては久しぶりのラリー参戦も視野に入れたモノ、当時のWRC等では4WDが常識化しておりトヨタセリカ、三菱ギャラン、マツダファミリア、スバルレガシィのラリー参戦4WD群をライバルとして開発されたものでした。
ビスカスカップリング付センターデフ機構、コンピユータ制御により走行条件で基本50対50の全輪後輪の配分を走行条件により適宣自動配分するアテーサ機構は4WS並びにSTC(スーパートーコントロールサス=後輪の応力によりトーを変化させる)と組み合わされコーナリング性能も高めた高度な造りでした!

↓ブル初の4WD機構


↓U12では4WD/4WS=アテーサが大きな売り!(前期4HT1800SSSアテーサ)


ボディバリェーションはU11同様のセダン/4HTの2種でこの時点ではバン/ワゴンと6気筒搭載のマキシマはU11を継続しています。
スタイリングは好評910をよりペキペキし後期ではややオーバーデコレーション気味になったU11を反省、サイズはU11より長さで若干長くなるもそれを感じさせないシンプルで嫌味のないスッキリしたデザインにまとめられました!
910やU11と較べると丸味が与えられながらも直線が基調でかつての610や810のようにボテっとした印象はなく時代は角→丸になる過程で贅肉を寄せ付けないながら時流をバランスよく配合した個人的にはナイスなデザインだったと思います。
セダンではU11の定規1本で引いたようなやたらカクカクしたデザインからこの微妙な丸味がフォーマルさを与え4HTは従来のセンターピラーレス+6ライトというスタイルを継承しながらスポーティ度が高まり魅力的でした!
室内に関しては幅、長さはU11からそれほど広がり感はなく背が低くなった分若干の圧迫感は感じたような気がします。
810や910では充分だったヘッドスペースはセダンに於いても代替わりする度に低くなり圧迫感を強めましたが致命的なものではなくスタイリングの為の妥協ギリギリといったところでしょうか!?

尚、同じブルーバードでも性格の異なる普及タイプとスポーツシリーズに分けられているのは伝統的で前者が今回から『アーバンシリーズ』と名付けられ後者は従来通り『SSSシリーズ』となっています。
このシリーズによりFrグリルがリ・デザインされるの伝統を引き継ぎアーバンでは大人しく格調高いイメージを、SSSではスポーティで迫力ある顔が与えられます。
“バブル期”という背景もありそのバリェーションは従来以上に拡大、普及型アーバンにもツインカムやアテーサモデルををラインナップしたりSSS系でもきめ細かいグレード設定が行われています。

↓セダンアーバンシリーズの最上級『1800ツインカム スーパーセレクト』のFrビユー&インパネ



↓セダンアーバンシリーズ『1600LE』のRrビュー


↓“SSS”シリーズのセダンSSS(㊤)とツインカムSSS(㊦)



↓シリーズ最高峰『4HTSSSアテーサリミテッド』(㊦インパネ/内装)



↓4HT『SSSアテーサ』(㊤)と同アーバンシリーズの『1800XEサルーン』(㊦)



U12の搭載エンジンはU11のCA16SとLD20Ⅱをキャリーオーバー、CA18E/同ET(非DOHC)を廃止、そして1.8普及エンジン(CA18S)を電子キャブのCA18i型に換装しています。
CA18iは電子燃料噴射EGIを簡易機構とした“エレクトロ・インジェクション”を採用、キャブよりも最適燃焼を実現して高出力を可能としEGIほど構造が複雑ではない為コスト的にも有利なモノでした。
もう一つはU11でデビューしたツインカムターボのCA18DETをNA化したCA18DEをラインナップしこれをメインエンジンに据えています。
ネット表示されたpsは135psという実用では充分以上のモノでこれのフィーリングは素直で遅くもないが事立てて騒ぐほど速くもない、フツーのエンジンでした。
しかしこのエンジン、回すと結構ガヤガヤやかましかった印象がありセダンモデルとしてはエンジンの精静粛性または防音にも少し気を配って欲しかったかな?と…
一方のブル最強エンジンであるCA18DETには先記のようにインタークラー化、175/185psのパワーを得ています。

↓U12で新搭載のCA18i&CA18DEエンジン


U12で最も注目されたのがI/C化により最強のパワーを得たCA18DET搭載モデル
の中で競技専用に設定された『SSS-R』でした!
SSS-Rは日産がブルーバードで久しぶりにラリーに情熱を燃やす“特殊”モデルで三菱ギャランVR-4RS同様に競技使用前提のモノ、日産の子会社であり特装会社であった故・桜井真一郎氏が率いたオーテッテクシャパンがU12 SSSアテーサリミテッドをベースに改造を施したモノで日産の競技部門担当のNISMOにより受注販売で月10台前後の販売だったとか!
エンジンはベースのCA18DETをスペシャルチューニング=過給圧増、圧縮比減、カムオーバーラップ増、ステン製マニホールドの採用でノーマルの175ps/23kgmから185ps/24.5kgmにチューニングされていました。
サス、ギア比等もダート走行に適したセッティングが施され廉価版1600LE以下の装備に落として車重を軽減しパワーウェイトレシオ6.43kg/PSを実現していました。
当然その大パワーはアテーサ4WDを備えるシャーシに載せられ内外装もロールバー、小径専用ステアリング、ボンネットのエアスクープ、大型フォグ等のラリーファンにはたまらない装備が奢られていました。
尚、SSS-Rはセダンのみのラインナップです!

↓“競技専用”の『SSS-R』


↓男の仕事場であるSSS-Rにはエアコンは当然ラジオすらナシ!!


↓185psを発揮するCA18DET-Rエンジン


しかしSSS-R、同時期のギャランVR-4RSが同趣向モデルで存在、ギャランはより強大な2L 205psというモンスターぶりで実際のラりー等では圧倒的にVR-4の参加が多くSSS-Rはごく少数であり国内ラリーではそこそこの成績を抑えるも世界の舞台ではかつての510のような大活躍!!とまではいかなかったのが残念です・・・

それではモデル改歴です(主要点のみ)

(88/10)
旧U11を継続していたマキシマがFMCされブルーバード一族から完全独立。

(89/10)
MCにて後期型となります。
前後の意匠変更は当然ながら主に騒音やフィーリングに今イチ評価が得られなかった1.8LのCAエンジンを全廃し新開発のSR型に全て換装しました。(CA16SとLD20Ⅱは従来通り)

SR型となり従来のエレクトロインジェクション(CA18i→SR18Di)のみが1,8Lの排気量を継続しますが他は全て2Lに移行しています。
SR型のスペック/ラインナップは下記の通りとなります。
SR18Di型 直4 4バルブDOHC エレクトロインジェクション 110ps
SR20DE型 直4 4バルブDOHC EGI 140ps
SR20DET型 直4 4バルブDOHC I/Cターボ 205ps

普及型1.8iはDOHC化によりポテンシャルがかなり高められI/C ターボも遂に200psオーバーを手に入れています、1.8ツインカムは2L化により5psアップとなっていました。
ただSR型はスペック以上に乗った感じはCAとは天と地の差!! その胸のすく気持ちいいサウンド含めた回り方はCAとは較べものにならないドライバビリティを実現しており1.8Lですらオーバーウェイトを感じさせない軽快さが非常に魅力的なエンジンでした。
かつての規制前のL16/18型以上、フィーリング的にはA型に近い軽快さが味わえSR型は日産の数ある名機エンジンの一つだとワタクシ信じて疑いません!!
ブルではあまり話題にはならないSRエンジンでしたがより軽量な下級P10プリメーラでは走りの良さが注目され高い評価を得ていました。
プリメーラの高評価は主に秀逸な脚廻りによる走りの良さではありましたがそれははもちろんの事、このSRエンジン搭載という部分もそれにかなり貢献していたとかつて愛車並に社用車で使ったプリメーラ1.8から実感しています。

↓後期型から搭載されたSRエンジン(SR20DE)


特別グレードのSSS-Rはこの時からエンジンは一般仕様と同じSR20DET(205ps)となっておりファンには惜しまれたようですがCAとSRのフィーリングのあまりの違いで帳消しでは?と感じます、ただこの時既にライバルVR-4は220psへ戦力アップしておりせっかくのオーバー200psもギャランの前で霞んでしまったような…

↓後期型となった4HTSSS(2000SSSアテーサリミテッド4WD)


MCにおいても比較的高評価だったU12、内外装のイメージ変更は最小限に留めアーバンシリースではより高級感を、SSSシリースではよりスポーティ感を高めていました!

↓後期4HTのインパネ&インテリア(2000SSS)



↓後期型4HT1800スーパーセレクト㊤とセダン2000スーパーセレクト㊥㊦




(90/5)
旧U11を継続していたワゴン/バンシリーズが新車種アベニールに移行、ワゴン(エステート)は初代310、バンは410以来ブルーバードに存在したボディバリェーションがここで終了となります。

(91/5)
セダンをベースにしたオーストラリア製の5ドアハッチバックモデル「ブルーバード・オージィー(HAU12型)」を追加します。

↓オーストラリア製逆輸入モデルの『オージィー』


オージィーはオーストラリアからの逆輸入で海外では人気のある5ドアHBモデルですが日本ではこの型、売れた試しがなくライバルのコロナが永年頑張って5HBをラインナップしたりギャランもギャランスポーツやエテルナで採用していますがどれも不振、オージィーも販売台数は1300台弱という希少モデルでした。

↓オージィーのRrビュー、超希少でさすがのワタシもこれには乗った事ありません。。。


レガシィによるステーションワゴン人気の高まりが顕著なこの時期、セダンには勝ってもワゴンには劣る多用性の5HB、日本では売れない事が分かっているオージィーを何故にわざわざ逆輸入してまで販売したのか?
ライバルのコロナSF(T170系の5HB)、E30系エテルナに対抗したのでしょうが大してイメージアップにもならずスッキリしたセダンの外見を損なうだけの効果しかなかったと思うのですが…
しかし各社、かなりの昔から5HBは挑戦しては破れの繰り返しでこの時代でさえも出てくるとどのモデルも予想通りの撃沈でホント、ご苦労さま~って感じでした(^^;)

(91/9)
U12型はモデルライフのきっちり4年で次期型、U13型9代目にバトンタッチし生産終了となります。

↓91/9にFMCにて次世代を担う9代目U13型が登場


オーソドックスながら嫌味がなくスッキリとしたデザインで好評のU12、510や910の爆発的ヒットには至りませんでしたがデビューの87yには累計でコロナを再逆転、しかし同年にT170系にFMCしたコロナも88yには再びブルを上回る接戦となりました。(87yコロナ約12万台、ブル約12万5000台/88yコロナ約14万9700台、ブル約13万4200台)
その後はコロナに付かず離れずの健闘をしますがU11時代と大差ない販売に終わり再逆転はU13に託されU13は日産もかなり気張った新車売り出しをしました!
さてBC戦争の続きはいかに!!


(次回9代目U13型ブルーバードに続く)
Posted at 2017/07/30 20:23:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月16日 イイね!

保存版”偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編⑦

保存版”偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編⑦
偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 引き続いてブルーバードの歴史を取り上げますが個人的にこの辺から急速に『ブルーバード』に興味が薄れていった感があります、その大きな要因は…ワタシらの世代にはこのクラスでは非常に違和感がまだまだあった そう、“FF化”です!

外見はバカ売れUP!!!UP!!!だった先代910の完全キープコンセプトでセダンに至っては『変わってないんじゃね?』みたいな印象、ただFF化によりワイドドレッドとなり居住性の拡大や取り回し向上ののための前後オーバーハングの切りつめを施した本来なら“改良”の筈が910の均整取れたスタイリングが破綻してしまい下手にキープコンセプトにしたばかりにその出で立ちはまるで中国の劣化コー!
スッキリ感が身上だった910のカッコ良さは消え失せ評判ももちろんDOWN!!!に向かってしまいました。

キープコンセプトって両刃の剣みたいな部分があり代表的成功作はMZ/GZ10系→同20系のソアラ、S30→S130のフェアレディZ、そして失敗がA120系→A160系Σ/Λとこの910→U11ブルだと思います。
前作があまりにも好評ですとそのイメージを限りなく残したいのは解りますが次世代に無理やり旧型を単に当てはめようとすると失敗するようでソアラやZでは面影を残しながらも次世代の時流を捉えたスタイリングの味付けがなされ『進化』と受け入れられたもののΣ/ΛやU11では『未練がましい』と捉えられた部分があったと思います。
単なるデザインの使いまわしではなく新世代にも訴求する“何か”が必要なんでしょうねー…

↓“キープコンセプト”はキャラクターにも!! 910から続いてジュリー担当!


83/10に登場した7代目となるU11ブルは型式を見て解る通りこの時期から日産は新たに型式呼称を変更、ブルとしてはそれの第一弾となります!
ご承知のように80年頃を境にして新呼称に統一化がなされ始めそれまで数字と桁の進行でモデル改歴を表す方式(例:ブルの場合310→410~910 1桁目がFMC改歴、3桁目がMC改歴を表していました。)を改め車種増加に対応してそれぞれ一つのローマ字で車種を、数字二桁でモデル改歴を示すように変更されました(例:ブルの場合『U』でブルーバード、11の二桁目でモデル改歴を示します→8代目=U12、9代目がU13)
長年親しんだ日産の型式変更、当初は戸惑いましたが解り易くなりこれはこれで良かったかなと。。。
以前は単に“230”と言ってもローレルとセド/グロに当てはまり(長~い型式全てを見れば解りますが誰しも覚えやすいのはこの数字でした)ましたし各モデルが専用の解り易い一文字で判断できる(Y=セド/グロ Z=フェアレディ C=ローレル R=スカイライン等々)この方式はクルマ屋には有り難いモノでした!
ちなみにブルの『U』はかつての610ブルーバードUからちなんだんですかね?スカイラインの『R』はGT-Rのイメーシ?この辺の事情をご存じの識者の方おられましたらよろしくお願いします(;^_^A

そしてU11からこれまでの910までに与えられていた正式名称(ペットネーム)の『DATSUN(ダットサン・ブルーバード)』が消され『日産ブルーバード』とされています。910までは車検証も“車名”欄が『ダットサン』とされていたものが『ニッサン』に変更されました。
この時期日産は一部ダットサンを名乗るモノと当初から日産を名乗るモノ→主に70年代以降に発売の新興車 ブランド統一を図る政策で行われた変更ですがこれまで海外では『DATSUN』で大きく売り出し“ダッツン”の愛称でも親しまれた海外での日産車(主にサニー、ブル、フェアレディ)も“ニッサン”に変更しましたがDATSUNのネームバリューは絶大で“ニッサン”なんて言っても誰も解らない欧米人が多数だったとか!これは今でも続いているとの事でゴンちゃんは『DATSUN』ブランドの復活も検討しているようですが…
我々世代ではサニーやブルに関してはDATSUNのイメージも強くこれへの回帰は歓迎したいところ、しかしクルマそのものも是非『DATSUN』を名乗っていた時代に回帰して欲しい感じがしますし単なるブランド復活だけだと“何を今更”って思っちゃいますがいかがでしょうかご同輩!

さて前置きが長くなりました、U11に触れましょう!

まずは車輛概要です。

(サイズ)
:全長4500全幅1690高1385ホイールベース2525(以上mm)
(車重)
1105kg(4HTターボSSS)
(定員)
5名
(エンジン)
CA16型 水冷直4 1600cc OHC シングルキャブ 90ps
CA18型 水冷直4 1800cc OHC シングルキャブ 100ps
CA18E型 水冷直4 1800cc OHC EGI 115ps
CA18ET型 水冷直4 2000cc OHC EGIターボ 135ps 
CA20型 水例 直4 2000cc OHC シングルキャブ 110ps 
(以上psはグロス値)

(駆動)
FF
(ミッション)
4MT/5MT/3、4速AT
(脚回り)
Fr/Rr ALL:ストラット
(ボディ)
4ドアセダン/4HT/ワゴン/バン
(バリェーション)
セダン
1600:L/LX/LX-L
1800:LX/SLX/SLX-G
1800SSS:SSS/SSS-E/SSS-EX
1800ターボSSS:SSS/SSS-X/SSS-S
2000:SLX-G
HT
1800:SLX-G
1800SSS:SSS/SSS-E/SSS-EX/
1800ターボSSS:SSS/SSS-X/SSS-XG/SSS-S
2000:SLX-G
ワゴン
1800:LX
バン
1800:L/LX

サイズは遂に横幅が小型フルサイズの1690mmに昇格!ホイールベースは910と同一で全長もやや伸びていますが幅の広がりが目立ち安定感は高まったイメージだと思います。
トレッドも先記のように拡大されドライブ感覚もさすがにこのクラスには保守ユーザーも多くFR→FFの大転換を常用の走りに於いてはそれ程感じさせずその意味では成功だったでしょう、タックインやトルクステア等のFF独特の味わいも先にFFとなった310→B11サニーと較べてもかなり抑えられたのもこのワイドトレッドがかなり貢献している印象でした!
ボディは910時代に車種グレード整理された2HTは完全廃止、これ以外は910から継承するセダン/4HT/ワゴン/バンとなりますがセダンに関してはタクシー仕様のみ910を継続販売しています。
これはFRの小回りと整備性、そしてまだFRに較べてFFに信頼感がなかった事によるものでライバルのコロナもFRの従来型T140系を、Σも旧A160系をこの時点ではタクシーのみ継続していました。

↓ワイドトレッド化により安定感だけは強まった印象のU11ブル(4HTターボSSS-S)


搭載エンジンは1600/1800、同EGIは910後半に搭載されたCA16/CA18、CA18Eをキャリーオーバーしていますが新たに910ではZ型をそのまま乗せていた1800ターボと2000もZ→CAエンジンに置き換えられ完全なるエンジンの世代交代化がなされ全てが“PLASMAエンジン”搭載がなされています!

↓1800ターボ/2000もPLASMAエンジンのCA型に換装!(CA18ET型)


脚廻りは510以来永年守ってきたFrストラット/Rrセミトレ(810以降はSSSのみ)のレイアウトを止めALLストラットに変更、これは当然FF化した事によるもので高度ながら構造が複雑で重くコストのかかるRrセミトレをストラット化する事によりFFらしいと言えばその通り、逆にブルーバード独特の乗り味は姿を消しこの部分も淋しさを感じたモノです。。。

↓“スーパーポテンシャルサス”と銘打たれたALLストラットの脚廻り


ワタクシU11でもそれなりのドライブ経験ありますがCAエンジンとなっても車重増加とFFの影響もあり910の軽快感はかなり薄まった印象でした。
新エンジンで確かに吹け上がりはいいと感じますが音は薄っぺらな感じになりL/Zにあった“サウンド”は影を潜めてしまってましたねー。
ハンドリングやサスも当然それまでの“ブルーバード”のイメージはなく全くの新モデルならば当時のFFとしては及第点ながらブルとして考えると違和感アリアリでしたし何て言うんでしょう、特にSSSに乗ってる時のワクワク感?緊張感?は例えSSSターボでもU11では感じられませんでした。
ただライバルとなるT150系FFコロナやV10系カムリ/ビスタに較べるとハンドリングも素直でSSSなら足もしっかりした安定感がありこの部分は日産らしさが感じられたかな と・・・。
但しLXやSLX-Gなどの普及モデルの脚は個人的には×でした!! これは明らかにプアで大したレーンチェンジでもないのに大袈裟に身体をゆさぶるしノーズダイブや尻下がりは高級車Y30も真っ青てな位ヘナチョコでしたねー。
まぁU11の名誉のために付け加えればこういったグレードを選ぶ層には当時は喜ばれたセッティングでカムリやコロナもこうでした(;^_^A
810/910では普及型は後輪リジットでしたから逆に固さもありまだ頼れた気が!
U11からはFF化と言う事もありグレードに差別なくALLストラトになっています。(バンはRrリジット)

グレードは呼び名が変わっていますが基本、従来型ブルを継承し普及タイプとスポーツ系SSSで各展開がなされる というモノで以前のDX→CT→Lに GL→LXに GF→SLXや同Gへと変化、SSS系は従来型の設定を踏襲、またタイプによりグリルのデザインが異なるのも従来型から引き継いでいます。
尚、この代から従来の『SSS=スーパースポーツセダン』を表していたのを『=スーパースポーツサルーン』へ読ませ方を変更しています、まぁ“SSS”の表記に変更はなくどうでもいい っちゃどうでもいいんですがネ(笑)

↓4HTのFr/Rrビュー(㊤ターボSSS/㊦2000SLX-G)



↓セダンのFr/Rrビュー(㊤2000SLX-G㊦1800SLX-G)



↓バン/ワゴンもラインナップ(バン1800L)


インパネ関係は910の見かけも造りもペキペキだったデザインを一新しスポーティさはなくなりましたが重厚感があり造りは安っぽさが目立った910に較べ格段に質感は上昇、後年の中古になった時も910のような哀しい経年変化はあまり見られなかったのでこの部分にはお金かけたようです!

↓910と較べ格段に質感はUP!!(4HTターボSSS)


当然ですが910からの一番の進歩は居住空間でしょう、FF化の恩恵もあり見かけ以上に中は広くFRで慣れてきたワタクシ世代ではこのクラスのFF化による後席の広大さには当初圧倒されたモノでした!
U11はV10系カムリ/ビスタやE10系Σに較べると驚くほどの拡大ではありませんでしたがそれでも後席中央であっても乗るのが嫌!!という出来ではなかったです!

↓4HTの室内(ターボSSS)


ミッションについて一言書くと日産系はワタクシ個人的にFR縦置き時代のシフトフィーリングがあまり好きではなくトヨタや三菱に比較すると“グニャグニャ”っとした感覚がありカチッとしたしっかり入った気持ち良さがなくしかもブルやスカイライン、ローレルではシフト位置も微妙に遠く馴染めなかったのですが皮肉な事にブルはFF化になって非常にフィーリングがワタクシ好みになっておりリンク式がダイレクトよりカチカチ決まる!?何で!?って感じでした。

それではモデル改歴です。

(83/12)
日産自動車創立50周年記念モデルの『50アニバーサリーバージョン』を設定。

(84/3)
途絶えていたディーゼルモデルをラインナップ。
但し910ではターボ付の設定がありながらもU11ではNAのLD20Ⅱ型 OHC 67psのみを復活搭載しています。
LD20の出力特性を見直しFF搭載用に改良、psは2psアップさせこちらも“PLASMA”を名乗っています。

↓復活ディーゼルはプラズマ化したLD20Ⅱ型


(84/10)
610サメブル、810G6以来の6気筒モデルとなる『ブルーバード・マキシマ』を追加設定します!
『マキシマ』、当時はバブル景気の始まりの頃でよせばいいのにまたしても不釣り合いな6気筒をブルーバードに載せ再びのロングノーズとY30ブロアムやローレルメダリスト並のキャバクラ内装を得たバブルモデルで当時はFFの高級車にはまだまだ抵抗の強い時代ながら来るこのクラスのFF化をV20系カムリ・プロミネントと共に先導するようなモデルでした。(マキシマについては こちら にて触れていますので割愛します)

↓84/10追加の久々の6発!『ブルーバード・マキシマ』


(85/3)
CA18ETのターボチャジャーをこれまでの空冷式→水冷式に変更。

(85/8)
MCで後期型となります。
あまりにも910のイメージを残しながらもいい結果の出ないU11、前後の意匠変更は大幅なリ・デザインがなされまたイメージアップとなる目玉エンジンが新搭載されています!

後期型となりFrはY30もどきの一見二重に見える=ヘッドライト下にスモールを組込んだ造りに見えるデザインのライト回りとなりSSS系では910そのものだったハニカムデザインを止め彫の深い造形に変更、普及グレードも二重風に整形しグリルもDX化してます。
Rr部分、トランクエンド部分をダックテールに近い鋭角デザインとし横一線のテールランプも高級感を強めかつスポーティなデザインとなっていました!

↓後期型となったセダン1600LX


“目玉”となる新エンジンはCA18Eを4バルブツインカム化、そしてターボチャージャーを装着したツインカムターボのCA18DET型 DOHC16バルブ 145ps/20.5kgm(ネット値)という高性能エンジンの追加設定でありました!!
ただ一昔前なら絶対大騒ぎになるこのエンジンも当時既に日産ならばFJ20Eにて4バルブDOHC→同ターボ化→RB20DETが、トヨタならば3T-GTEU(2バルブながらツインカムターボ)→4A-G(4バルブDOHC)~3S-GTEU(4バルブDOHC+ターボ)も登場しており今更取り立てて大騒ぎするようなエンジンでもなくあまり話題にはならなかった印象です。
ネット145psというスペックも当時ではもうそれほど驚くような数値ではなくU11の起爆剤にはならなかったようですねー・・・
実際このエンジン、U11では経験ありませんが同じFFのT12オースターXttで味わった感想では遅くは絶対ないしFJターボや1カムのCA18ETと較べたらドッカンでもなく燃費もこの手のエンジンとしては悪くなくて好感は持てました、しかし逆に印象に残るようなスパルタンさや衝撃はなく至って扱い易い、ブルやスタンザ/オースターには相応しい味付けだと思いました、その分FRで同じエンジンを積むシルビア(S12/S13前期)では頼りなかったですが。。。

↓MCの大きな目玉としたDOHC+ターボエンジンの搭載だったが…
(CA18DET型エンジン)


↓CA18DET搭載の『セダンTWINCAM TURBO SSS-S』


↓同CA18DET搭載の4HT TWINCAM TURBO SSS-X


このMCではMTが乗用モデルは全て5速化、またエンジンもCA16/CA18は電子キャブとなったCA16S/CA18Sに換装がなされますが時期的にこの頃はps表示がネットとグロスが混在、CA16S~CA18ETまでの既存エンジンはグロス表示でpsに変更ナシ、新設定のCA18DETのみがネット表示となっています。
尚、この時CA20型の2000のガソリンモデルは廃版となっています。

新グレードも数種追加され中でもワゴンに『SSS』をラインナップ、徐々にこの頃から注目され始めたワゴンモデルの充実化がなされます。
ワゴンSSSにはCA18Sを当初搭載、後にCA18ETを搭載する『ワゴンターボSSS』も設定されています。

↓ワゴンに設定された『1800SSS』(㊤はopのウッドパネル装着仕様)



(86/1)
マキシマのMC、Fr/Rrの以上変更でこちらも後期型となります。
また、この時から4気筒もモデル末期の怒涛の新グレードや特別モデル追加といった施策が取られ『セレクトシリーズ』『SSSツーリングシリーズ』等が順次発売されてゆきます。
セレクトシリーズ/ツーリングシリーズはベースグレードにブロンズガラスや専用味付けがなされたインテリア等を採用した仕様となっていました。

↓86/1~新追加のセレクトシリーズ(セダン1800 LXセレクト)


↓こちらも新追加のSSSツーリングシリーズ(4HT TWINCAM TURBO SSS-Sツーリング)


(86/6)
それまで5MTのみだったツインカムターボシリーズに4ATモデルを追加。

(87/5)
マキシマから“ブルーバード”の名前を廃しネーミングのみ『日産マキシマ』に独立化。

(87/9)
ワゴン/バンを除き生産終了、セダンと4HTは次期型となる『U12型8代目ブルーバード』がデビューします。

↓87/9にFMCされた8代目U12型(写真は89~の後期4HT)


尚、バン/ワゴンとネーミングからブルーバードを外したマキシマに関してはU11型を継続販売していますので完全FMCではなく510/610以来の“新旧混在”がこの一時期でした。
ワゴンのみとなったU11、搭載エンジンpsがネット表示に変更されCA18Sが85ps、CA18ETが120psとなっていました。

(88/8)
ワゴンSSSに現在名前が単独車種に進化している『ウィングロード』を最初に命名した『ワゴンターボSSSウィングロード』が追加されます。

↓“元祖ウィングロード”がワゴンに追加!!


SSSウィングロードはターボのみ搭載、集中ドアロックやワンタッチパワーウィンドゥ、ルーフレール等の豪華装備が奢られたモノで型としては旧型ながらこの装備の充実やワゴン人気もあり一定の人気を得ていましたネー。
バンもこの頃は「ブルバン」として親しまれ一早くFF化したブルに対し永らくまだバンは旧態化のFRだったカリーナやコロナのバンに較べ一般には人気があったように感じます。(カリーナ/コロナバンも88/5にFF化)

(88/10)
マキシマをFMCしネーミングのみならずクルマ的にも独立化させブルーバード一族から離され再びブルは4気筒専属モデルとなります。

(90/5)
ワゴン/バンシリーズもスカイラインバンと統合したアベニールに後続を託して製廃、この時点でU11型全てが廃版となり正式にU12型への完全FMC/となりました!

↓最後まで残ったワゴンも90/5にアベニールへバトンタッチ!!


久々の6発モデル、マキシマの設定や後期でのツインカムターボに怒涛の特別仕様及び新グレードの追加と頑張ったU11でしたが残念ながらFF化されたという部分がイメージダウンした様子で販売も人気も910からはDOWN!!!に向かいそれでも84年にはブルーバード累計600万台の生産を達成しました!
しかし910ピークの19万6000台オーバーから84年では約14万8000台弱まで販売は下降しクラス首位は同年のコロナ(15万8000台オーバー)に明け渡しU11はこれ(84y)をピークに徐々に販売を下げセダン/4HTの存在した最終の89年では12万4000台強まで落としてしまいました・・・

さて、次期8代目U12では910時代のスッキリ感を身にまとい再びBC戦争で戦うブルーバード!更なる飛躍をお楽しみに!!

(次回8代目U12型ブルーバードに続く)
Posted at 2017/07/30 19:05:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ

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