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2011年07月08日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑧

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑧
今回はギャラン→Σから発展したディアマンテ/シグマ取り上げます!

ディアマンテ/シグマへの発展前の歴史は前出ギャランブログの通りで長い歴史を持つ“ギャラン/エテルナ”という一つのモデルが当時の好調だった三菱及びセダン市場の拡大を適えるべくこれまでのギャラン/エテルナの高級部分(上級グレード)を新星ディアマンテ/シグマに、ベーシックや普及、スポーツ路線をE30系ギャラン/エテルナに分離した片方のモデルが今回取り上げる『F11/12/15/17/25/27A型初代ディアマンテ/シグマ』及び『F31/36/41/46/47A 2代目ディアマンテ』です。

ディアマンテとシグマの違いは前者が旧ΣHTの流れである4HT、後者が旧Σセダンのながれから来る4ドアセダンとなります。
尚、シグマに関しては “華麗なる一発屋!!!”…30 にて詳細を触れましたので割愛、以下ディアマンテを主体に記述、初代ディアマンテと2代目で分けて記載します。

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【F11/12/15/17/25/27A型初代ディアマンテ】

ディアマンテは90/5、上で触れました通り小型車枠からはみ出し年々高級路線化していった旧Σ4HT上級を独立させ新たなネーミングを与えられた3ナンバー専用ボディを持つパーソナル4HTとして登場しました!
従来、このクラスは当時2L 5ナンバークラスでもFFが常識になる中、マークⅡやローレルに代表されるように駆動はまだまだFRが常識でしたが先代ΣやS系デボネアでラージクラスもFF化した三菱が普及型FFラージクラスとして本腰を入れて開発したのが初代ディアマンテでした!

↓90/5、高級パーソナルHTとして登場した初代前期ディアマンテ(30R-SE 4WD タイトル=30R 4WD)


また、それまで税制の関係で3ナンバーはとても一般庶民の乗れるクルマではありませんでしたが外圧の影響もありがめつい政府も重い腰を上げ税制を改め3ナンバーの税金が安くなったタイミングにドンピシャのデビューとなったディアマンテ、87yに新たな思想と独特なデザインが話題で人気だったE30系ギャランとデザインテイストを同じにしかえって3ナンバー化による大型ボディはE30系のデザインをより広く、長く、低くをノビノビと大胆に演出、セダンだったE30と較べセンターピラーのあるピラードHTながらスタイリッシュ/スポーティで高級感溢れるそのデザインはE30系に負けない注目と人気を集め当時のこの種のモデルの定番だったライバルのマークⅡを持つさすがのトヨタを慌てさせたのは有名な話です!

ギャランから受け継ぐ精悍な逆スラント&2分割グリルの顔付に流麗な4HTのスタイリング、テールの味付けもE30をベースに高級感が高められフォーマルな印象さえも!!
インテリア等も車格に相応した豪華なモノながら一世代前のようなキンキラキャバクラ風味ではなくシックで好印象でした!

↓“シックな豪華さ”演出するセンスのいいインパネ&インテリア(25V)



それでは車両概要です。

(サイズ)
全長4740全幅1775高1400ホイールベース2720(以上mm)
(車重)
1580kg =30R-S
(エンジン)
2000シリーズ:サイクロン 6G71型 V6 OHC ECI 125ps
2500シリーズ:サイクロン 6G73型 V6 DOHC 4バルブ ECI 175ps
3000シリーズ:サイクロン 6G72型 V6 DOHC 4バルブ ECI 210ps
(駆動)
エンジン横置き搭載+FF/フルタイム4WD
(ミッション)
5速MT/電子制御(ELC)4速AT
(脚回り)
FFモデル=Fr:ストラット/Rr:マルチリンク
4WD= Fr:ストラット/Rr:ダブルウイッシュボーン
(型式)
2000FF:F11A→F12A
2500FF:F13A/F15A
25004WD:F25A
3000FF::F17A
30004WD:F27A

以上のように全てV型6気筒のエンジン群は全てシリウスを名乗ります、中でも注目&売れ筋は税制改革の産物で産まれたこれまでにはなかった排気量である2.5でして従来のメジャーだった2Lに較べ余裕のあるパワー、そして高級感も感じられ上級3Lと比較しても静粛性、パワー感もさほど劣らずにそれよりも低燃費と言う点がウけ人気を呼んでました!この2.5Lディアマンテの成功でマークⅡ(GX/JZX80系)やローレル(C33系)、スカイライン(R32系)等も次々に同排気量を設定していきました。

2.5の実際のドライブフィールもワタクシが感じたのは決してトヨタや日産のV&縦6に較べて「静か」ではないながらパワーは充分で1.5t超のボディでも難なく快調に走ってくれていました、これが2Lですとワタクシ、シグマでしか経験ありませんが明らかにオーバーウェイトで一人二人では加速でややストレスを感じる程度ながらフル乗車では下はスカスカ、廻せばやかましいだけでパワーは感じられなく「やっぱり廉価版」を強く意識させられましたねー、ディアの3Lは経験ありませんがGTOのNAでの経験の予測からすればGTOよりはいくらか軽い(FF)のと2.5での充分なパワーから察して多分“速い”部類ではないかな と。。。

↓最高峰となるV6 3000の6G72型DOHC 24バルブエンジン㊤と一番人気
  のV6 2500 6G73型DOHC 24バルブエンジン㊦




脚は4駆は経験ないので語りませんがFFですとスポーツ系のR系グレードではややゴツゴツ、高級系のV系SEではフワフワ感があり全体的には同様に可もなく不可もなく“フツー”な印象でしたが「高級車」としては何ら問題がなくE30系の下級や旧Σと較べたら進化は明らかに感じられました!
尚、上級グレードではE30系ギャランでお馴染となった電子デバイス&ハイテク装備もなされ4WSやアクティブESC等もラインナップされています。

それではココからはモデル改歴に移ります。 (限定車追加等は一部省いてます)

(90/8~90/9)
新グレード(30V、30R-S)追加設定

(90/10)
セダン版となる「シグマ」発売


(90~91)
カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)受賞

(90/11)
可変スポイラー付モデル追加

(91/6)
COTY記念モデル設定

(91/10)
アクテイブ・フォー(25V-SE 4WD)モデル追加

(92/10)
MC、人気モデルに付大幅な変更は避けFrのバンパー&フォグランプ形状とテールランプ配置の変更とインテリア一部の小変更に留めています→中期型へ。
この時、エアコンは代替フロンに変更、6A12の2LもOHCながら24バルブ化がなされpsを145psと高めますがこれを搭載する20Eは注文生産とされています。(2.0の型式F11A→F12Aに変更)

↓スポーティ感が増した中期型のRrビュー(30R 4WD)


(93/3)
豪州三菱製である『ステーションワゴン』(以下ワゴン)を追加設定。
ワゴンは従来も国内のワゴン人気に対応し旧Σ時代に豪州三菱がこれをベースに車幅を拡大してワゴン化した『マグナ』というモデルを輸入販売していましたがディアマンテワゴンはこれの後続に当たります!
型式はK45型となり顔を国内需要に合わせてディアマンテ顔としながらベースはセダンであるシグマを採用、Bピラーまでのラインはシグマそのものでした。

↓ワゴンブームも花盛りの頃オーストラリアから追加輸入された「ワゴン」


ワゴンはエンジンをOHCの3L 6G72(豪州表記のY7型が車検証表記)のみでモノグレード、駆動はFFのみ、脚はFrはストラット/Rrは積載を考慮した5リンク式とされていましたが輸入車という特殊性と少量販売による高額が災いし販売/人気ともDOWN!!状態、当時ライバルとなる高級ワゴンだったステージアや王道人気のレガシィと較べこれらの売れ筋グレードより50~100万近い値段の開きがあったディアマンテワゴン (340万)、注目はされスタリングもディアマンテの美しさを崩さない出来栄えながらこの高額さが全てをブチ壊した感じでorz・・・

(93/11)
MCで後期型となります!(ワゴンを除く)
前回MCが小規模だった為、今回のMCはFrフェイスを中心にイメージ変更がなされました。(テールは中期型を継続)

↓Frを一新した後期型


後期型からは従来顔付を異にしていたシグマと共通化がなされています。新たな顔は従来型とデザインの基本は同じながらメッキ→ボディ同色グリルとなり個人的にはどこか安っぽくなってしまった印象で残念感が強かったです、発売以来3年を経過し飽きられたのもあるとは思いますがこの顔になり人気/販売もDOWN気味になってしまったような…
モデル展開もそれまで“高級路線”で良く言えば品位を保った、悪く言えばお高い商売だったディアマンテが「エスパーダ」と呼ぶ従来の低グレード(Eシリーズ)を前面に押し出すなどの路線変更があり一気にディアマンテの価値を下げてしまったような印象が個人的に残っています。
エスパーダは当然の如く装備や味付けにコストダウンが顕著でありエスパーダ上級グレードは従来の装備を踏襲しながらも先記のような顔付の変更でコストダウン感が否めなくこのMCは“失敗!?”だった気がしますネー(あくまでイメージですが。。。)

(94/11)
ワゴンのMC、Frフェイスを4HT版と同一化、安全対策も準じてABSやエアバックを装備。
あまりの高価さが災いし販売が伸びないのを反省し従来型の装備を簡略化した「30V=249万」(従来のモノグレードは「30R-SE」とされています)

↓94/11~はワゴンも後期型となる!


(95/2)
FMC、ワゴンは従来型を継続。


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【F31/36/41/46/47A 2代目ディアマンテ】

95/2、好評だった初代ディアマンテ、5年目してFMCがなされ2代目に突入します!
この時点でセダン版のシグマは廃止、ワゴンに関しては従来型を継続販売しています。

2代目はデビュー時は税制改革の追い風もあり好評で人気もUP!!だった先代、後半はライバルの猛追もあり苦戦気味になりながらも一定のオーナーを築き成功作でしたので基本キープコンセプト、4HTのボディスタイルは先代のE30譲りのイケイケなイメージからよりフォーマルさを強調し先代に較べやや軟らかいラインで構成されるスタイリングとなっています。
挑戦的な逆スラントの顔付は直立気味にされながらもその中に伝統の2分割グリルが三菱車の主張、テールはかつてのランサー(A73時代)を彷彿させるようなL字型テールランプを採用、古いワタクシなどは懐かしくそのテールを眺めたモノでした(汗)

↓“キープコンセプト”ながらよりフォーマルさを強調した2代目ディアマンテ
  前期型のFr㊤とRrビュー㊦(30M-SE)



2代目での注目は衝突安全ボディ「RISE」を採用、当時トヨタは「GOA」の名称でやはり衝突安全を謳っておりこれらの一種のブームに対抗したものでした。

インテリアやインパネも先代ノイメージを継いではいますがインパネに関してはオンダッシュのナビやエアバック(助手席)の影響もありデザインの自由度は減り従来型と較べると“らしい”特徴は薄れていました、まぁこれは何もディマンテに限ったモノではなくこの頃のNEWモデル全体に感じられた点ですが。
 
↓30M-SEのインパネ&インテリア


それでは車両概要です。

(サイズ)
:全長4785全幅1785高1435ホイールベース2720(以上mm)
(車重)
1510kg =30M-SE
(エンジン)
2500リーンバーン:6G73型 V6 OHC 4バルブMVV ECI 175ps
2500シリーズ:6G73型 V6 DOHC 4バルブ ECI 200ps
3000シリーズ:6G72型 V6 DOHC 4バルブ ECI230ps(MIVEC=270ps)
(駆動)
エンジン横置き搭載+FF/フルタイム4WD
(ミッション)
電子制御(INVECSⅡ)4速AT/同5速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:マルチリンク
(型式)
2500FF:F31A
25004WD:F41A
3000FF::F36A
30004WD:F47A(30R-SE)/F46A(30R)

以上から分かるようにホイールベースは先代と同様ながらサイズはやや大きくなっていますが全体的にに軽量化、エンジンも先代に設定されていた2.0Lは廃止されオーバー2Lのラインナップがなされ“走り”の部分を重視しています!
2.5には新たにリーンバーン省燃費型エンジンが設定、これのみ従来の6G72と同等psですが他は全てパワーupがなされ特に3Lではミラーシュやランサーのスポグレードでお馴染の“可変バルタイ“=MIVECが与えられNAながら実に270psを誇るハイパワーエンジンも設定されています。

↓ディアマンテ史上、最強のMIVEC機構が搭載された6G72型270ps!!


このMIVECの270ps版もあるテストで少しですが乗った経験があります、コイツはもう当たり前に“速い”ですが大排気量NAらしくトルクフルなのは当然ありますが印象としては他社や同じ三菱の非MIVECと較べると小排気量のDOHCのカムに乗るいい意味でがさつなフィーリングも特に高回転では見受けられメカ的部分に惹かれる層には魅力的ですがこの種のモデルを選ぶユーザーさんにはハッキリ言ってどうでもいい部分なのかな?って感じです。
ランサーやミラージュとは性格が異なるディアマンテにはいささかミスマッチな印象は否めなく勿論秀逸なエンジンではありますが性格上非MIVECの6G72で充分ではないかと感じました…

ミッションは先代まで細々と存在していたMTが遂に廃止、ATのみとなりますがE5系ギャラン/エテルナで搭載された学習能力(INVECS)付4速/5速ATとされています。
他に脚廻りが先代ではFFと4WDで別の設定をしていましたがこれをストラット/マルチリンクに1本化してコストダウンしています。

それではモデル改歴です。

(97/8)
MC、Fr/Rrの意匠変更。
Frはバンパーデザインが主でさほどイメージに変わりないもののテールはL字を踏襲するものの分割式とされています。
この時は外見よりもエンジン変更が主眼であり当時三菱が売りだし中であったガソリン直噴エンジン“GDI”化がなされています!
GDIとなりエンジンは3Lに単一化、6G72GDI 240psのみとされています(グレードは3Lに統一されながらもデビュー時と変わらず全5種の設定)、駆動はFF/4WDを継続。

↓97/8~GDI 3Lのみとなった中期型SE-G


(97/10)
ワゴンもFMC、ここまで旧型を継続していたワゴンも2代目ディアマンテをベースにした新ボディに切り替わりました!
ワゴンはやはり豪州三菱からの輸入という点に変わりはなく先代同様に2グレード(ベースモデルの「ES」と高級版「LS」)、エンジンは先代のワゴンのV6・3000のOHC 6G72エンジンを継続搭載、FFのみ、リヤサスが5リンク式という点も旧型同様でした。
ミッションはシーケンシャルモード5速AT化がなされています。
 
↓2年半遅れで2代目となったワゴン(LS)


(99/9)
二度めのMCにて後期型となります。
外見上の大きな変更点はテールのみ、顔付は中期型とほぼ同一ながらテールランプはL字型をやめ上級のプラウディア/ディグニティと同意匠の縦型テールに変更、上級車のイメージもあり安っぽさまでは感じませんでしたがう~んどうなんでしょ!?
個人的にはこのRrスタイル、イマイチかなーと。。。

↓ナンバーの位置さえ見なければまんまディグニティのお尻となった後期型(30R-SE)


尚、このMCでGDI化された2.5Lが2年ぶりに復活、6G73型GDI 200psを搭載した2.5シリーズが再設定されています。

(01/3)
ステーションワゴン人気の衰退と一連の不祥事の煽りを受け販売低迷するワゴンの輸入を停止、国内ではカタログ落ちとされ4HT単独モデルとなる。

(02/12)
デビュー7年を経過しながらも不祥事からなる販売の激減、排ガス規制の関係及び社運を賭けたGDIエンジンの数々の問題から新エンジンの必要性も高まりながら新モデルやエンジンの新開発などできる余裕のなかった三菱はエンジンを既存の6A13型V6 OHC 170psへ換装して排ガス規制をパス、代替需要策、イメージ維持などの理由からグレードを「エスパーダ」と「25V-SE」の2種に絞ってディアマンテを継続、最後の三菱ファンに訴求しています。
この時点でグレード消滅からこれまで売りにしていたハイテク装備はほぼ失っておりATも4ATのみという淋しいラインナップになってしましました。

(04/12)
小変更、グレードを「25V」「25V-SE」とし主にインテリアのデザインを変更しています。

(05/12)
長引く不祥事からなる販売低迷と折からセダン型需要の低迷もあり遂にディアマンテは三菱セダンの老舗であったギャランと共に製廃とされディアマンテ15年の歴史に終止符を打ちました…

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以上のようにディアマンテ、初代デビュー時は三菱バブルの勢いと税制改革のタイミングを捉えて一気に人気絶頂にUP!!、後期型で失速気味となりながらも根強いファンを掴み順調に2代目にバトンタッチしましたが00y以降に起こった三菱及びファンには不幸な出来事が起きて以来今度は逆に一気にDOWN!! したディアマンテ、一時はコンセプトカーのショーモデルの誕生やら復活の兆しも見られながらもエコカーブームや日産との関係強化もありその行く末は絶望的?な感じすらしますが“イケイケ三菱”の象徴のようなモデルだったディアマンテの存在感は今でも不滅ですね~。

次回は“本流”であるギャラン(エテルナ)に戻ります!


(次回7代目ギャラン及び5代目エテルナ、エメロード(E52~57A/72//74/77/84A型)に続く)
Posted at 2017/07/23 17:46:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年07月07日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑦

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑦
今回は『E31/32/33/38/39A型6代目ギャラン及び4代目同型エテルナ/エテルナSAVA』をご紹介します!

尚、あらかじめお断りしておきますがこの型は現、愛車でありわざわざ2台も買った惚れ抜いたモデルですのでいつもより熱が入りウザいかもしれませんがお見逃し願いますネ(;^_^A
ただ、このE30系は特別仕様やグレード追加が多く全ての網羅はしていません、また細かい改良も割愛させて頂いていますのでご了承願います。

さて、2代目ギャラン(NG)以来久々のE30系「ギャラン」は前回お伝えしたように3代目Σの末期である87/10にΣシリーズに並行して新型車として発売されています。
『ギャラン』の名前は付いていますが設計から思想まで全て新たなコンセプトで登場、型を追うごとに肥大化してきたΣを反省し国内では一番使い易いとされる1.6~2.Lの5ナンバーで4ドアセダン専用モデルとなっておりこの為、Σのセダン4気筒はこの時一部を除いてほぼ製廃されE30系は事実上これのFMC版でありました。

↓87/10にまずFFのみで発売された6代目E30系ギャラン(前期2.0MX)


E30系の最大の特徴は“オーガニックフォルム”と呼ばれるデザインにありS字断面のサイドビューは家具のデザインから来ているとか!うねるようなサイド断面は非常にスタイリングをマッシブにし豪快なイメージであり個性的なモノ、この時代は旧ΣHTがそうであったようにトヨタ系が得意とする都会的でスマートなデザイン、今風に言えば草食系とでも言いましょうか?悪く言えばツルンとノペーっとしたデザイン全盛のの時にマッチョな肉食デザインのE30系はその個性故に好き嫌いが激しく殆どの女性には嫌われたらしいですネ、現に今これだけ惚れこんでいるワタクシもデビュー当時はとても好感の持てるモノではなくどちらかと言えば“嫌い”なデザインでしたが街を走るE30系を見ているうちに段々と魅せられてしまい結局は2台で15年以上マイカーとして使っていても飽きないデザインになっていますから人間、不思議なモノです(笑)
このデザインに魅せられたのはもう一点、ギャラン伝統の逆スラントノーズや二分割グリルにあり子供の頃から憧れ初のマイカーであったギャランGTOを彷彿させる面構えに完全にやられた感じです(^^;)
今でもこの顔付には迫力を感じ三菱/ギャランらしい顔だと信じて疑いません!!

各種文献他で見る限りこのE30系は三菱が本気で取り組み良心の塊のようなクルマで24年前にも関らず現代で通用する装備がテンコ盛りに組み入れられ“過剰設計”“電子デバイスの塊”と揶揄される事も多いですが何故かその揶揄も心地よく聞こえたりする親バカです(汗)
E30系の煮つめられた出来には当時あのトヨタですら慌てさせたという逸話がある程でこれまでの三菱車の最高傑作車では?と思え現在でもこのクルマのファンはかなり多いようで嬉しい限りです。

尚エテルナに関しては従来通りカープラザ店向けの基本双子車ですがこの代より若干のギャランとの相違点も出てきていますのでそれ々別紹介とさせて頂きます。

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【6代目ギャラン】

車輛概要は下記となります。

(サイズ)
:全長4560全幅1695高1430ホイールベース2600(以上mm)
(車重)
1180kg =MX
(エンジン)
1600シリーズ:サイクロン 4 G32型 直4 OHC シングル電子キャブ79ps (E31A)
1800シリーズ:サイクロン 4 G37型 直4 OHC シングル電子キャブ85ps (E32A)
1800ECI:サイクロン4G37型 直4 OHC 4バルブ ECIマルチ 94ps(E32A)
2000DOHC:サイクロン4 G63型 直4 DOHC 4バルブECIマルチ140ps(E33A)
(以上全て横置き搭載、psはネット表示)

(駆動)
FF
(ミッション)
4速・5速MT/電子制御(ELC)4速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:3リンクト-ションアクスル
(グレード)
1600(E31A):G/GE/ME
1800(E32A):GF/MF
1800ECI(E32A):MS/VS
2000(E33A):MX/VX/VZ

サイズでは先代の幅と長さをそのままに全高は45㎜も高くなりその殆どが車室のヘッドスペース拡大に充てられています、ホイールベースは僅かに短縮されました。
先記の通りのマッシブなスタイリングは完全なる3BOXのノッチバックセダンでルーフが後端に行くにつれて盛り上がっているのが特徴、これが非常にスタイルに迫力を加え三菱はこの時期下級のC系ランサー/ミラージュやH系ミニカにも同様のデザインを施しています。ただ…ワタクシ個人的にはこれが最初ダメでして。。。
今でも斜め後ろから見たE30系の一番嫌いなアングルです、Rrウィンドゥがこの角度で見ると妙に立ち過ぎて見えてしまって斜め前から見る迫力あるスタイリングとは違ってどうも未だ好きになれなかったりします。この角度ですと後述するエテルナSAVAの方が実は良かったりします(汗)
但しこのRrウィンドゥのおかげで後席のヘッドスペース(前席も)はかなり余裕で身長174cmのワタシが座っても拳二個分以上はゆうに余裕がありますので家族には大好評(?)です!

↓ルーフ後端が盛り上がる個性的スタイリング!!


全体的には初代A50ギャランのイメージのように非常にスポーティな印象、代を追うごとにスマートに豪華なイメージに変化したギャランの原点である“スポーツセダン”を久々に感じさせてくれる出で立ちでした、CMでは“インディビデュアル4ドア”をコピーにして大々的にスポーツ性の高いセダンをアピールしていました。(後期型ではズバリ“4ドアスポーツ”のコピー)

室内は感覚的にはインパネやシートデザインの関係からか旧E10系の方が広々していた気はします、しかし5ナンバーサイズのFFとしては充分のモノで先に触れましたようにヘッドスペースはE30系に余裕を感じます(その分後席足元はE10系が勝ちです)

インパネやインテリアのデザインはこれまた個性的、特にインパネでは外観同様のマッチョさを感じる主張があり「どんだけデカいんだ!?」的なスピード&タコメーターに目が点になりダッシュボードの形状からターンシグナル&ワイパーのレバーまでが外見同様“うねり”があり慣れるまでは何とも拒絶感がありました。
尚、E30系では今では常識、当時では先進的な装備が多くダイヤル式の空調スイッチ(上級グレードはプッシュ式)やグリップ式ドアハンドル等細かな配慮もなされていました。

↓前期型2.0MXのインパネ&室内


バリェーションですが上記を見ても解る通り基本を3種としベーシックシリーズに『G』、スポーティ系に『V』、高級仕様を『M』と分けておりそれぞれ味付けをしています。

足回りは基本形はE10系を踏襲していますが乗り味は低グレードで較べるとE30系の方がやはり新しい分煮つめられた感じでワタシが乗った1800GFモデルでも結構しっかりとした味で無用なフワフワ感はなかったように記憶しています。

尚この代からエンジン呼称を以前の「4G~」と変更しています。
三菱は60年代後半、初代A50系コルトギャランの頃よりこの表記をしており4は4気筒(当時のミニカは2気筒の為2G~、デボネアは6気筒の為6G~)を表しGがガソリンエンジン(ディーゼルはD)としていました(それに続く数字がエンジン分類)がサイレントシャフトの80エンジン以降は軽とふそう系トラックを除き全車種4気筒に統一していたのでE10系までの乗用系(5または3ナンバー車)は旧来の「G○○B」と表していましたがV6エンジン追加の等もあり再度気筒数表示に切り替えています。
エンジンは全てサイクロン化、旧G63Bは4バルブDOHCヘッドを載せA53CギャランGTO以来14年ぶりに三菱のDOHCが復活、また三菱初の4バルブという事もありファンは狂気乱舞状態(ワタシだけ?)でした!

↓三菱初の4バルブDOHC、サイクロン「4G63(NA)」型エンジン


ミッションは低グレードに4速、他が5MTと電子制御ELC 4ATの設定がありました!
それともう一点、マニア的見地ですが(汗)このギャランよりかつてのスリーダオイヤマークが復活、E30系ではボンネット先端にこれが光っていました。
60~70年代はスリーダイヤ、70年代後半からこれの変形デザインマーク、そしてMMCマークと遍歴を繰り返しましたが落ち着くところに落ち着いたと言った感じでしょうか…でも、やはり三菱車にはこれですネ(E30は一部に「MMC」も残っています)
       ↓ 


それではモデル改歴に移ります。

(87/12)
これまでのFFに加えフルタイム4WDモデルを追加。
そう、愛車なので言いにくいですが言わずと知れた名車であり現在のランサーエボリューションⅩを始めとする国産ハイパワー4駆セダンの元祖である「VR-4」(型式E39A)がここでデビューします!
「VR-4=Victory Runner 4WD」の略でありその名の通りギャランとしては久しぶりに国際ラリー(WRCグループ4)参戦を前提に開発されたモデルであり後述べますがそのグレード名び相応しい活躍/戦績を残しておりこの事が今でもファンが多い要因でもあるようですネ。

↓87/12、ラリーウェポンの当時の2L最速モデル「VR-4」追加!(前期型)


当時の2L最速として話題となりラリーウェポンとしては同様にフルタイム4駆、2Lツインカムターボを搭載したブルーバードSSS-R、セリカGT-Four、レガシィRS等と共に一時代を築いたモデルでした。
VR-4にはFFの2L 4G63にインタークーラーを装着し当時のクラス最高であるネット205psというL/100psオーバーのモンスターエンジンを搭載、その強大なパワーを受けとめるシャーシはフルタイム4WDで武装した完全なるラリーウェポン、ただ小型フルサイズですので後年のランサーエボに較べると大きく重くダートでは扱いにくい寸法だったようですが当時はそのハンディをも感じさせな強大パワーで硬派なラリースト、ダート族に愛されついでにワタクシのようなナンパなスキー族にも愛されていました~。

このVR-4、初めて乗った時の衝撃はすさまじい物がありまさしくジェット機のような獰猛な加速と言いましょうか…それまで経験した事のないGには大袈裟でなくチビリそうになり慣れるまではアクセル思いっきり踏めない程のある意味「怖さ」すらあったですネー。
VR-4の衝撃は後年R32のGT-RやWRXやエボに乗っても確かに速いですが“ん?こんなもん?”って感じに思わせる程のインパクトがあり今や身体も慣れVR-4を上回るクルマに数種乗ってはいますが鈍重そうなオヤジセダンのあの獰猛さは手放せません(汗)
ノーマルでは車高のせいもありロールが激しくVR-4では脚とブレーキは完全に負けかつ重いボディでとり取り回しはエボの敵ではなくハイスピードでは曲げるのにも一苦労ですがそれなりに脚を堅め腕も磨き(?)消耗品や最低限のメンテで20年乗っても大きなトラブルもなくホントにE30系ギャランはメーカーの方もおっしゃるように過剰品質で真面目に造り過ぎたと思えます、もちろんコレは素晴らしい事で三菱の実力を語る最もいい例がこのE30系ではないでしょうかねー…

↓前期型VR-4のRrビュー


VR-4の詳細は下記の通りです。
型式=E39A型
搭載エンジン=サイクロン 4 G63 直4 DOHC 4バルブ ECIマルチインタークーラー(I/C)ターボ 205ps
ミッション=5MT
駆動=フルタイム4WD

↓VR-4に搭載されたのは4G63にI/Cターボを装着、オーバー200psの最強の心臓!!


↓4G63I/Cターボエンジン透視図


VR-4では“アクティブフォー”をキーワードに「4」にこだわった先進ハイテク装備を売りにしていましたがこの内容は
①「4」WD=フルタイム4駆
②「4」バルブ=16バルブDOHC
③「4」WS=4輪操舵
④「4」IS=4輪独立懸架
⑤「4」ABS=4輪アンチロックブレーキシステム

①は先にも触れたWRCを見込んだフルタイム4WD、②は三菱初の4バルブDOHCエンジン、③は当時日産のHICAS(ハイキャス=スカイライン、Z他)やホンダ・プレリユード、マツダ・カペラ等でも採用され一時期注目を集めた4WSシステム、④はFFのRr3リンクトーションアクスルから大幅に進化したダブルウィッシュボーンによるFrストラットと合わせた4独サス、⑥はこの時代まだ珍しかった安全装備のABSブレーキを指していました!

↓“アクティブ4”の一角を表す4IRS/4WD透視図(後期型)


4WSは今ではすっかり廃れてしまいましたが当時は運転が楽、高速でのスムーズなレーンチェンジが可能等の理由から注目を集め各社凝っていました、パワステ油圧変化により後輪を操舵させるものから機械式、電子制御まで、また、後輪が前輪と同方向に切れる「同相位」と逆方向に切れる「逆相位」があり各メーカーの主張があったのも懐かしいです…
ただこの4WSはラリーストやダートラ族には無用の長物だったようでこれを殺したり後発の競技専用のVR-4 RS(E38A)が彼らの相棒となる事が殆どだったようです。
VR-4と言えばやはりWRCの偉大なる活躍に触れない訳にはいきませんがワタシなどが述べるよりもご興味ある方は →こちら をご参照頂ければと…

↓WRCで活躍するVR-4ラリーカー



尚、未だにマニア間では語り草になっている「VR-4 R」というモデルがもVR-4発売と同時に有力カーショップやクラブに100台限定で卸されました、残念ながらワタクシは未見です、今でも生き残りがいるのかどうか…
内容ですがスペック的にはVR-4と同等、装備や防音材を削り競技専用に割り切っている部分は後発のVR-4 RSと同趣向です。

VR-4追加で時代の脚光を浴び一気にE30系人気はUP!!、発売間もないながらこの年(87年)のカー・オブ・ザ・イヤー(COTY)を受賞するなど華々しいスタートを切っています!

(88/2)
先記のVR-4 Rの精神を引き継ぐ形で「VR-4 RS」(型式4WS付=E39A、4WSレス=E38A)及びCOTY受賞記念モデルの「VR-4COTY特別仕様」が追加。
VR-4 RSはまず受注生産でラインナップ、88/10から正式なカタログモデルになっています。
COTY記念車はVR-4をベースにビスカスLSD、ブロンズガラス、記念エンブレム等を装備、専用ボディーカラー(セルビアブラック)としたものでした。

↓競技専用“VR-4 RS”


(88/1)
デーゼルターボ(以下D-T 型式E34A)追加。
旧E10系に設定されていた4D65型D-Tを搭載、スペックはネット表示となり76ps、こちらもシリウス→サイクロンエンジンを名乗ります。

(88/10)
グレード充実と一部改良。ボディカラー新色の追加が行われ2.0DOHC VXをベースに装備を充実、外観をVR-4とほぼ同一化した「2.0DOHC VX-S」、1.8 ECIエンジン搭載の4WD「1.8i MS-4」「1.8i GS-4」を追加設定しています。
VX-Sには“アクティブECS”と言われる電子制御サスペンションが設定されています。これは発進(尻下がり)→コーナリング(ロール)→停止(ノーズダイブ)及び減衰力、車高調整を車速とGに応じてコンピューターがサスを制御するハイテクサスペンションでした!

(89/4)
1.8ヴィエント、MUエクストラ、GFエクストラを追加。
1.8ヴィエント、MUエクストラには1.8Lでも4バルブDOHC(ECIマルチ)を採用し135psというスペックを持つサイクロン4G67型1.8DOHCシリーズ(E35A)とされています。
この1,8LのDOHCは経験ありますがどうしても重々しい印象があり2LやVR-4と較べてしまうとアンダーパワーながらATとの相性が良くファミリーセダンにしては吹けも良く気持ちのいいスポーティさがあり普通に使う分には充分かな と。

1.8ヴィエントはVR-4に近い外観を持つ1.8Lのお買い得モデル、見かけはエンブレムとホイールとFrバンパーを見なければVR-4!しかしこのモデルは結構人気がありよく見かけました!ワタシのような貧乏人でVR-4のルックスは欲しいがお金が…という一般大衆!?には持てはやされていましたネー。
ヴィエントにはより装備を豪華に、よりVR-4的にした「スーパーヴィエント」というモデルも一時存在、後年通常のヴィエントが豪華に進化してゆく過程でカタログ落ちしています。

↓“なんちゃってVR-4”として人気だった1.8ヴィエント


(89/10)
MCにて後期型となります。
外見上ではお約束の前後意匠の変更がなされV系はバンパー組み込みWフォグランプ付き(Low時プロジェクターフォグ、Hi時ドライビングランプ)、M系は単一フォグに廉価版を除き大型バンパーに組込むデザインとなりグリルセンターを太いデザインにしボンネット上のスリーダイヤを移動、Rrはテールランプ/ガーニッシュデザインを変更しています。
尚、VR-4ではこれまでMTのみでしたがATを設定、ハイパワー車にもイージードライブ化の波が押し寄せていた時代に応えるモデルでした。
また2Lエンジンの出力UPが施されVR-4(RS含む)の4G63I/C-Tが205→220ps(ATは210ps)、4G63NAが140→145psとなっています。

↓中期型VR-4、ちなみにこの黒/銀2トーンは後の中古車市場
では一番人気で単色より一時は20万以上の高値が!


↓中期型VR-4 RS


また、この時はVR-4に次ぐインパクトモデル、「AMG」が追加されます!
AMG、言わずと知れたベンツのチューニングブランドですねー!!
ドイツ流のエンジンチューンにより4G63NAを170psまでUP、AMG専用の内外装、トランスミッションを装備したFF最高峰モデルでありNA派には大注目を集めていましたが一流チューンと少数生産によるコスト高からVR-4と価格差が殆ど(当方の資料によりますと5MTで235,000円の差、VR-4がやや高い)なくどうしてもVR-4の影に隠れがちでしたが今やその少数さが物を言いVR-4とはまた違ったマニアックな人気を得ています!
AMGのRrスポはVR-4乗りのワタシは今も憧れですねー…

尚、AMGにも5MTとELC 4ATを設定。

↓VR-4とはまた違った“スポーツ”を提案した「AMG」


↓AMG、質感大幅UPのインパネ&インテリア


↓ヘッドカバーにまで記された“AMG”がタダモノでない事の証!


↓DOHC化された後期型1.8ヴィエント


(90/1)
前年89yのWRC ラリー総合優勝記念車である「スーパーVR-4」を追加、本革シート、シースルーヘッドレスト、ブラックアウトアルミホイールや専用ボディーカラー(オニキスブラック)をまとった特別仕様でした。

(90/10)
一部変更、VR-4のMTモデルがタービンとI/Cの変更、大型化が施され遂に240psまでパワーアップしています。
これはデビュー時はクラス最速、最高psを叩き出したモノのデビュー3年が経ちライバル車の猛追に合わせ戦力増強したものです。
I/C大型化に合わせてFrエアダムのダクト形状を変更、またダミー化されてはいますがボンネット上にエアアウトレットを装着、市販モデルは内側からアルミ板で塞いでいるもののラリー車で活用する為の設計だったようです。
しかし見かけの迫力は倍増しワタシも1号機が210ps(AT)でしたのでこのエアアウトレットの最終240psは当時から憧れで2号機(現有)は迷わずコレを選びました~(^^)v
尚、VR-4で主に言われていますがデビュー時の205psを前期、220psを中期、そして240ps最終を後期とファンは呼んでいます!

↓“後期”240psの最終型VR-4


↓最終型VR-4のインパネ&インテリア


この時同時に2.0DOHC NAもハイオク仕様となり160psにパワーUP、全車に安全対策(サイドドアビーム装備)、上級グレードにキーレスエントリ、運転席パワーシートを設定しています。
またVR-4の特別仕様車も三度設定、ビスカスLSD、サンルーフ、専用デカール等を装備し、専用ボディカラー(オニキスブラック)とした「2.0DOHC TURBO VR-4 モンテカルロ」を発売しました。

(91/1)
AMGモデルに内面はそのまま(AMGチューンのエンジン)にエクステリアをAMGデザインのアルミホイール以外をVR-4と同一化し価格を219万迄引き下げた「 AMGタイプII」、豪華仕様の「1.8EXCEED」シリーズを追加します。
先代Σ時代の高級グレード名であった「EXCEED」はV系(スポーティ)にM系(ラグジュアリー)の血を混ぜた混血?的存在の「ヴィエントEXCEED」と元々M系である「MUエクストラ」をベースにより豪華にした「MU EXCEED」の2種となっています。

↓91/1追加の「ヴィエントEXCEED」


↓「AMG タイプⅡ」


(91/6)
EXCEEDに次いで“昔の名前で出ています”的なEXEシリーズが追加されます。
EXEは先代E10系後半に設定された廉価版ながらもみずぼらしくない?所謂“お買い得”仕様で4G37の「1.8 EXE」と4G67の「1.8DOHC EXE」が設定されています。
また、4WS付きVR-4 RSをベースにAMGのシュロスシルバー色をまといパワーウインドウ、オートエアコン、可変電動リアスポイラーを装備した「VR-4 Armed By RALLIART」も発売されました!

(92/5)
7代目となる「E5/E6/E7/E8系ギャラン/エメロード」にFMCして生産終了。

↓92/5、惜しまれながらも7代目にバトンタッチ(95y E54A型VX-R)


以上が「6代目E30系ギャラン」でした、続いて「4代目E30系エテルナ/エテルナSAVA」を取り上げます!

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【4代目エテルナ/エテルナSAVA】

4代目エテルナは88/10、E30系ギャランから1年遅れにて登場しました。
E30系ギャラン登場以降、すっかり影の薄くなった先代E10系エテルナΣを細々販売していたカープラザ向けのE30系エテルナ(E32/33/34/39A型)は従来通りギャランの双子兄弟車ではありましたが輸出用に存在したギャランの5ドアモデルを国内仕様としたモノとなりボディスタイルがギャランとは異なる兄弟とでした。

↓輸出ギャラン5ドアの国内版であった「エテルナ」(前期ZX)


車両概要は88/10以降の6代目ギャランとほぼ同一、搭載エンジンやメカニズムも当然同一で異なるのはボディとグレード名となります。

Bピラー前まで(Rrドアも含む)はギャランと同一、但しグリルはギャランの二分割ではない専用のヨーロピアン的デザインとされBピラー以降は当然、テールもエテルナ専用デザインです。
5ドアハッチバック(HB)とされた事によりテールゲート、可倒式Rrシートと合わせて誇大なラゲッジルームを誇るギャラン以上の多用途性に優れていましたがワタクシ、ブログで何回か書いてますがヨーロッパでは常識の5HBながら日本ではこのどうやってもこの形式、人気が出た試しがなくこれはかなり昔、量産としては60年代のトヨタがコロナ設定し大失敗しながらも使い勝手の良さから各メーカー、結構挑戦してきました。しかしどれも人気の出た試しがない日本では“鬼門”のスタイル、こうした事実、既に88年には売る側も買う側も認識しながらよせばいいのにエテルナはこれの単体で登場した為、ギャランの高人気に較べ極端なDOWN!!となってしましました…

↓可倒式Rrシートで多用途性の高いエテルナの室内


この時期はレガシィを筆頭にしたステーションワゴンが脚光を浴びており以前はこれもバンと混同され人気は出ませんでしたがレオーネツーリングワゴン→レガシィツーリングワゴンと地道にステーションワゴンを追求した富士重により時代の先端を行くボディとして注目されていたのも5HBをより不人気にしていたと思います。
いくら使い勝手を宣伝されようがワゴンには敵わずさりとてスタイリッシュさでもバンのイメージから離れたワゴンも当然、4ドアセダンやクーペには足元にも及ばない不格好さはやはり日本人の嗜好には合わず未だこの形式の大人気車にはお目にかかった事がないです(後年のマツダアテンザやアクセラはやや5HBを見直させてくれたとは思いますが。。。)

↓インパネデザインはギャランと全く同一。


さて、話がそれましたがエテルナ、先記のように搭載エンジンはギャランとほぼ同一、1.6Lがエテルナには設定されない程度の差で下記となります。

1.8L(キャブレター仕様)4G37型=E32A
1.8L(ECI-MULTI)4G37型=E32A
1.8L DOHC 4バルブ 4G67型=E35A
1.8LD-T 4D65型 D-T=E34A
2.0L DOHC 4バルブ 4G63型=E33A
2.0L DOHC 4バルブI/C-Tーボ=E39A

駆動もやはりギャラン同様グレードによりFFと4WDを設定、上級グレードでアクティブECSや4WSも選べました。
一番驚いたのはギャランVR-4と同一の4G63I/C-Tエンジンを搭載したVR-4に対する「ZR-4」の設定で“このボディでこのエンジンいらんだろ?”と誰しも思う羊/狼モデル、現役時も殆ど見かけず今やVR-4以上の貴重な個体となっています、そりゃ現在ならマニアックでヨダレものかもしれませんが新車時コレ買う人ってかなりエロイですよね(笑)

↓“最速5HB”である205psの「ZR-4」(前期型)


それではエテルナのモデル改歴です。

(89/4)
ギャランのヴィエントに準ずる「1.8イオ」追加

(89/10)
MC、前後の意匠変更を行いますがあまりの売れ行きの悪さに遂にエテルナにも一般的な4ドアセダンが追加設定されます。
セダンバージョンは「エテルナSAVA(サヴァ)」と命名されたモノ、但し以前のΣ時代のように全くギャランと同一ボディではなくギャランの全高1430mmを1405㎜(E35同志の比較)に抑えRrウィンドゥ傾斜角を緩やかに、6ライトのオペラウィンドゥを大きくとった似て非なるデザインがなされています。

↓「エテルナSAVA」1.8DOHC LX


ギャランの項でも触れましたがワタクシ、Rrからの角度ではこのSAVAの方が好きなデザインです。
勿論主観ですからどっちがいい、悪いではなく武骨なギャランに対して流麗でお洒落で“SAVA”のネーミングが非常に似合っていたと感じます。
精悍なギャランのテールデザインに対しSAVAは高級感が高く日本車離れした美しさを感じたり と。。。
それを意図したか知りませんがSAVAにはZR-4は設定されていません、5HBよりもこちらに設定した方がまだ売れた気がしますが…(-_-;)
I/C-Tエンジン以外はエテルナと同一ラインナップとなっておりグレードでFF/4WDがこちらも選べました!
尚、SAVAのキャラクターは当時シブイ役者として脂が乗っていたあんたのバラード!世良さんでした!!
世良さんが爽やかに「サヴァ!」と語りかけるCM、なかなか良かったナ~。

↓後期型エテルナZS- 4


↓後期型ZR-4


尚、ギャランに準じZR-4はこの時220psにパワーUP、同時に210psのATも追加。

(90/10)
一部変更、後期最終型となります。
ギャランに準じた変更が施され全車にサイドドアビームを装備、上級グレードにキーレスエントリーやパワーシートを設定しています。
ZR-4のMTは220ps→240psにパワーアップ、例のエアアウトレットも装着されています。
NAの4G63、ハイオク仕様となり145PS→160psにパワーアップ。SAVAに「2.0 DOHC LX」を追加。

↓SAVA、2.0DOHC LXのRrビュー


↓後期最終型2.0DOHC LXのインパネ&インテリア


(91/1)
SAVAに1.8EXCEEDを追加

(91/6)
SAVAに1.8EXEを追加

(92/5)
5代目でエテルナでは最終となる「E5/E6/E7/E8系エテルナ及びエメロード」にFMCして生産終了。

↓“エテルナ”最終の5代目モデル


以上が「4代目エテルナ及びエテルナSAVA」でした。

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E30系、エテルナはSAVAの追加で若干の持ち直しはしたものの従来通りの地味な印象でどちらかと言えばDOWN!!モデル、しかしギャランは初代A50系、初代Σと並ぶ三菱屈指のUP!!モデルとなりこのE30ギャランをきっかけにしディアマンテ、パジェロ、デリカスターワゴンと次々に大HITを飛ばす三菱の黄金期に突入しました!
この勢いで次期型7代目ギャラン&5代目エテルナもUP!!UP!!と行きたいところですが結果はいかに(=_=;)

尚、次回は時系列に倣いΣ発展型であるディアマンテ/シグマに触れ次々回にて7代目ギャラン&5代目エテルナに戻ります!

(次回初代F10/20系ディアマンテ/シグマ、2代目F30/40系ディアマンテに続く)
Posted at 2017/07/23 17:24:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年07月06日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑥

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑥
今回はギャラン=5代目、エテルナ及びΣとしては3代目となる『E12/13/15/17/18AギャランΣ・エテルナΣ』を取り上げます。

A50系↑(UP!!!)NG↓(DOWN!!)初代Σ(Λ)↑2代目Σ(Λ)↓とまさにジェットコースターのようなUP/DOWNを繰り返すコルト~ギャラン系の人(車)生!今モデルははいかなる展開となるのか!?!?!?

3代目E1系Σ、これはちょうどこの時期三菱の車輛型式改訂期にあたり以前は三菱の場合乗用車であればモデルに関わらずに『A』が頭文字、以後の数値でモデルを表す方式を改め車種が増えた事に対応する為、最初のローマ字でモデルを判断する表記に改訂、これにより『E』→ギャラン・エテルナ系、『S』→デボネア、『C』→ミラージュ・ランサー系、『D』→シャリオ、『H』→ミニカ、『P』→デリカと分類され3代目Σはこれが適用された型式を名乗ります!

E10系Σは83/8、先代の寿命を大幅に残しながら時代の要請からFF化されて新たな局面に入ったΣとなります。
FF化によりシャーシはもちろん隅々まで新設計、先代があまりににも好評だった初代Σを外見上キープコンセプトにした為2代目デビュー直後から飽きられた感の強かったスタイリングは大幅に見直されています。
尚、ギャランとエテルナの違いは先代までと同様で販売店違い、エクステリア意匠違いとなります。
 
↓83/8登場の新星FF Σ!(ギャランΣ1800スーパーツーリング前期型)


↓ギャランΣ1800スーパーツーリング(前期)


初代~2代目ではセミファストバックでセダンとしては背を低くし多少キャビンスペースを犠牲にしてでもスタイリッシュにこだわったスタイルが特徴でしたがE10系ではFF化による居住スペース拡大を最大限アピール、高さも上げサイズも大きくし従来型までの弱点だった“車室空間”の余裕をアピールします!
スタイルは完全ノッチバックの正統派のセダン・スタイル、直線基調でスラントノーズやサイドウィンドゥの処理やRrホイールアーチのデザインに従来の面影は残すもイメージは90年代を見据える新鮮なモノでした。

↓最高級グレードのギャランΣ2000ロイヤル(前期)


それでは車両概要です。

(サイズ)
:全長4560全幅1695高1385ホイールベース2660(以上mm)
(車重)
1120kg =GSR-X
(エンジン)
1800シリーズ:サターン G37B型 直4 OHCシングル電子キャブ105ps
1800ターボ:シリウス G62B型 直4 OHC ECI ターボ 135ps
2000シリーズ:シリウス G63B型 直4 OHC 電子キャブ110ps
2000ターボ:シリウス G63B 直4 OHC ECI ターボ 145ps
(以上全て横置き搭載)

(駆動)
FF
(ミッション)
4速・5速MT/電子制御(ELC)3速・4速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:3リンクト-ションアクスルコイル
(グレード)
1800(E12A):LS/LG/LXツーリング/スーパーツーリング/スーパーサルーンエクストラ
1800ターボ(E13A):スーパーツーリングターボ
2000(E15A):スーパーサルーンエクストラ/ロイヤル
2000ターボ(E15A):GSR-X

上記の通りホイールベースがFF化の為10cm以上先代より伸び逆に全長は若干短くなっています、横方向(幅)は5ナンバーいっぱいまで広げられ先記のように全高も大きくなり数字だけでも居室の拡大を連想させますね!
実際E10系の乗車体験ではとにかく広いという印象でした。旧型までがやはりどことなく窮屈な印象があったせいもありますが数値以上の広々感で特に後席のゆったり度は先代と較べ隔世の感アリです、ただ当時は既にライバル車もFF化しておりこの中の一つ、82y登場のトヨタSV10系カムリ(ビスタ)はクラス最大の車室空間を誇っておりこれに較べると劣る感じ、Σはカムリより前方視界が低く特に後席から前方を眺めた視界はカムリ以上のモノは当時なくこの点でもカムリはより広大な空間を体験できたのもあると思います。
ただΣがクラスで極端に劣るとかではなくあくまで“広さ”では秀逸だったSV10カムリとの比較であり他ライバルのU11ブルや150コロナと比較しても全く遜色ない空間を得ていました!

↓1800スーパーツーリングの室内


インパネデザインはかつてのように冒険はなくスクエアな至って平凡なレイアウト、乗った感じは使い易く上質で何の不満もない代りに刺激もないです、まーファミリーセダンですからこれでいいのですが個人的には“スポーツセダン”のイメージがやはり強いギャラン系のインパネはもう少し派手であって欲しかった と。。。

↓1800スーパーツーリングのインパネ


そうそう、E10系からはワタクシの嫌いなクラスタースイッチも採用(理由→こちら)されています。

↓よせばいいのに流行りの“クラスタースイッチ”を採用!


↓最高級「ロイヤル」のインパネ&インテリア


搭載エンジンは全てFF化の為、横置きとされておりほぼ先代からの継承ですが全エンジンを“エレクトロジェット”、つまりは電子制御化しており1800のみシリウス系からサターンエンジンの発展型であるG37Bに変更して電子キャブを採用、他は従来型のシリウスECI(NA/ターボ)となりこの段階ではディーゼルはラインナップ外となっています。尚、記載していませんが全て80(サイレントシャフト付)で当然53年対策です。

↓新搭載された1800 G37B型サターン電子キャブエンジン


E10系はシリーズ全体がマイルドなイメージになり普及グレード、高級グレード共に必要異常な派手さや悪趣味キンキラ要素は抑えシンプルな印象がgood!! 先代ではターボの追加等もありやたらスポーツ度を宣伝していましたがこれを下級ランサーターボやΛの生まれ変わりのスタリオンに任せスポーツグレードのGSR-Xですら素っ気ない程のシンプルなイメージになっています、走りですがE10系の初期は1800スーパーツーリング(NA)の経験があり極めてフツー。
”スーパーバランスサス”と銘打って新設定された脚廻りですがあまり好きな乗り味ではなくロールが結構出ており酔う迄は大袈裟でも初のFFミドルクラスと言う点を差し引いてももう少ししっかりとした主張が欲しい設定でしたねー、GSR-Xやターボ系ではまた違うでしょうし後で触れます後期モデルでは別印象の脚になっいましたが…
ただE10系は他ライバルに較べるとさほどFFを意識させる事はなくフツーに走る分には従来型FRからの乗り換えでも戸惑う事はなかったと思います。
コロナも比較的それを感じさせませんがU11ブルやホンダのアコード等の同年代はトラクションやハンドリングにまだまだFFを色濃く主張する部分がありFF嫌いのワタシでもさほど抵抗なく乗れました!

↓新開発のサスはFF化により特にRrは見た目頼りなさげの3リンクに!


それではモデル改歴です。

(84/2)
E10系となって途絶えていたディーゼル(以下D)シリーズと廉価版1600シリーズが追加されます。
Dは新開発の1800Dエンジンであるシリウス4D65型インタークーラーターボ直4 OHC
85ps/17kgを搭載、これも経験ありますがDに関しては明らかにアンダーパワー、やはり排気量の差もありNAながら旧4D55 2300Dの方が個人的には“快速”の感はありました、4D65はターボ付きなので加速に不満はありませんでした瞬発力や登坂での不満が大きかったです。
1600はお馴染サターンG32B型でこれも電子キャブにより92psにパワーを上げて参戦、LS/LXを1600に移しています。

(84/6)
菱ヲタにとっては伝説のエンジン、可変バルブ式3バルブ化した「シリウスDASH」とネーミングされたG63BT、インタークーラーターボ グロス200psという強大スペックエンジンを同社のスポーツカー、スタリオンと共に頂点となる「スーパーエクシード」に新搭載しています。
スーパーエクシードはそれまでのスポーツグレード最上級、GSR-Xの更に上級に位置しより豪華にかつGSR-Xよりその高性能を受け止めるべくスーパーバランスサスも強化、固められたその脚は1800で経験した頼りなさは感じられず大袈裟なロールもなくなり真っすぐ走る分には不満なく安心して飛ばせるモノでした、ただ200psのパワーには特に峠などワインティングではパワーに負ける、と言うかFFでは明らかに役不足でFRで同時にこのエンジンが搭載されたスタリオンの方が駆動に慣れてる分荒く乗れた印象大ですネ。
シリウスダッシュは独特な加速感で従来のG63Bターボの ~スーーッと加速~ または後年のE30系VR-4の荒々しく獰猛な加速とは異なる、何と言うかこのこめかみを掴まれてグイッと引っ張られるような感覚が非常に魅力あるエンジンでしたねー。
VR-4やエボで名機と謳われたDOHC4バルブインタークーラーターボの4G63が後にあまりにもメジャー化したので忘れかけられていますが非常に印象にあるG63系エンジンのもう一つの傑作だと思います!
このシリウスダッシュは当時の最速と言われたDR30スカイラインのRSターボ(205ps)に継ぐ2L 200psエンジンでもあり性能や専門誌のドライビングテストデータ
ではほぼ互角な実力を示し注目度も高いものでしたが見た目が大人しいΣでは“羊の皮を…”的存在だったかもしれません。

↓3×2 可変バルブインタークーラーターボという強烈なシリウスダッシュエンジンが追加!


↓シリウスダッシュを搭載した「2000スーパーエクシード」


(84/10)
新たに4HTが追加されます(型式E15A)
当時は2HTブームが消え去りΣの2HTバージョンであったΛも細々販売されてはいましたがこれを製廃としトヨタのマークⅡをTOPとする人気が沸騰する“4HT”市場にΣも名乗りを挙げました。

4HTは従来のセダンとはデザインの基本は同一ながら6ライトや各部意匠には差別化がなされいかにもターゲットとしたマークⅡ(GX71)やローレル(C31)を意識した内外装でスッキリしたセダンをややゴテゴテにし個人的には「マークⅡになりたかった」感が見え見えであまりいい印象はなかったです。

4HTは2000のみの設定、バリェーションはセダンとは別展開がなされ上からVR/VX/CX/CS/VS/VCをラインナップ、VRにダッシュ、VX、CXにターボ145ps、他がNA電キャブ110psを搭載していました。

↓新追加の4HT、内外装とも人気絶頂だったGX71マークⅡをかなり意識
 (4HT2000VR)


(84/11)
セダンのみMC、豪華仕様のロイヤルとスーパーサルーンエクストラの顔付を変更、大型グリルにしより外観上の豪華さを強調、1800スーパーツーリングターボにエアロパーツをまとった「スーパーツーリンブエアロターボ」(ともに搭載エンジンに変更なし)を新設定しています。

↓84/11~ 大型グリル化された「2000ロイヤル」


↓新追加の「1800スーパーツーリングエアロターボ」


またこの時、先代のまま生産されていたエステートバンとタクシー仕様のうちタクシーのみE10系にFMC、以後このタクシー仕様は6代目ギャランE30系~8代目EA/EC系半ば(99y)まで生きた長寿車でした!
FFのタクシーであったため都市部より地方、特に雪国での導入が多かったようです。

↓84~99yの15年生存したE10系Σタクシー


(85/6)
4HTにVRエクストラを設定、従来の4HT VRをベースにこれが5MTのみだったところにELC 4ATを搭載しクルーズコントロール、オートライト等より豪華装備がなされています。また、セダンにギャラン生産300万台達成記念グレードの特別仕様車「EXE」を設定。

↓4HTに新追加のVRエクストラ(㊤Fr㊦Rr)



(86/2)
セダン、再度のMC。
Fr/Rrの意匠変更が行われ後期型となります、最もここで変わったのが一部モデルの搭載エンジンが変更され前月に三菱が自信を持って発表した新開発である「CYCLONE(サイクロン」エンジンがデビューします。
これは従来型G63Bの燃焼室を大幅改良、吸気系を新設計して強力な流れ=最高速流れ=サイクロン流を発生させ低速トルク向上、レスポンス向上によりドライバビリティ向上を果たしたエンジンで当初はダッシュのG63Bと1800Dを除いてこれに換装、後にダッシュも変更されシルウスダッシュ→サイクロンダッシュにネーミング変更されています(エンジン型式やスペックに変更なし)また、ECI→ECIマルチに変更。

フェイスリフトはこれまでボディ一体ヘッドライトを角目4灯に改めグリル変更も行われています、Rrも従来型がテールランプ間にガーニッシュ1本で結びバンパー下にナンバープレ-トというレイアウトだったものに対しナンバーをバンパー上にレイアウト、テールランプ間に装着しています。

↓86/2~ 後期モデル(1800LXサルーン)


(86/10)
4HTのMC、前後意匠の変更がなされています、内訳はグリルデザインとテールランプのデザイン変更のみで大きな変化はありません。
大きい変化は搭載エンジンで永年サイレントシャフトの80エンジンで並居るライバル6発の向こうを張ってきましたが遂に、と言うかやっと6発エンジンがΣ(セダン/4HT)にも搭載されました!
新たに搭載されたのは22年ぶりにFMCされた上級車デボネアV(86/8登場)に搭載された新開発の6G61型サイクロンV6 OHC ECI 105ps(ネット)を移植、ライバルに遜色ない静粛性とスムーズさを武器に加えています。
ただこのV6 2000は静かでスムーズではありましたがパワーはイマイチで縦6のトヨタ1Gや同じV6の日産VG20Eと比較して後発でも飛び抜けた性能ではなく個人的にはG63Bの方がエンジンが軽量な分、俊敏さは上だったと思いますネ。

↓86/10に追加されたセダンV6 2000エクシードエクストラ


↓86/10~後期型4HT(CSエクストラV6)


↓後期型4HT VRエクストラのRrビユー


尚、このV6発売により2000 4気筒はターボ以外(G63B電子キャブ版)は廃版となっています。

(87/10)
次世代の6代目E30系ギャランが登場、Σは車種整理をしながら継続します。
この時点でFMCに当たるのは下級グレード(セダン1600~2000 4気筒モデルの殆ど)でE30系にこのクラスでのラインナップを任せ最終的にΣは上級車(V6や4HT)を90yにディアマンテ/シグマ(シグマはカタカナ表記)を後続にFMCして完全製廃となっています(E30系ギャランについては次回、ディアマンテ/シグマにつては次々回に取り上げる予定です)

つまりはE10系Σは一つの車種がギャランと90y発売のディアマンテに分離した訳で6代目ギャランはそれまでのΣよりクラス的には下位に位置、三菱の場合はこのクラス=ランサー~Σ間にはあのトレディアが存在していましたが売れ行き不振で製廃されており立位置的にはこれの後釜にもあたりますが「Σ」の文字を消し久しぶりに“ギャラン(エテルナ)”だけのネーミングになった8代目は新たなモデル=新星として迎えられています。

↓87/10に“新星”ギャランとして登場したE30系6代目ギャラン


三菱得意の新旧併売はここでもやっていますがこの時点でセダンで4年、4HTで3年経過しておりもう末期ですから思い切ってFMCすりゃいいものの(汗)
しかもこの頃はモデル末期でセダンは完全にもうDOWN症状、特にE30系が発売と同時に高い人気を示していたので果たしてΣセダンを残す意味あるの?って感じでした。4HTは低値ながら細々とした人気があった状況ですから4HTはディアマンテまでの繋ぎ役で存在価値はあるとも思いますが…

(88/2)
セダン/4HTともに小変更、最終型となります。
両モデルともグリルのフェイスリフトが行われ1800が4HTに新設、セダンの1800 G37Bが搭載されますがpsはネット表示となり85psとなります。

↓88/2~最終型セダン1800EXE


↓最終型4HT2000VRエクストラ


(89/5)
税制改正により3ナンバーの税金が大幅に引き下げられた事により4HTにデボネアVの3000cc 6G72型 V6 OHC ECI 150ps(ネット)を移植した最高峰「V6 3000デューク」(E18A型)が追加されます。
デュークはそれまでのVRエクストラをベースに更に豪華な内外装が与えられ2L V6ではやや物足りないパワーも3Lで23.5kgmというトルクフル、これの経験は残念ながらありませんが1300kgを超える車重としてもそのスペックと2L V6の経験から推察してかなりの余裕だったと思います!

↓89/5に追加されたV6 3000デューク、僅か1年の存在でディアマンテへの中継。


(90/5)
4HTは次期型初代ディアマンテ(F10/20系)にFMCとなり製廃となります。

↓Σ4HTのFMC版である初代「ディアマンテ」


(90/10)
Σシリーズで残っていたセダン2000V6(1800EXEはE30系ギャランEXEへ継承)も新星シグマ(ディアマンテベースのセダン)にFMC、ここで76年以来サブネームに「Σ」をネーミングしていたギャランΣ・エテルナΣは先記のように「Σ」が消えE30系ギャラン・エテルナ及F10/20系ディアマンテ・シグマへ完全にバトンタッチしました。(但しセダンのタクシー仕様のみ99yまで生存)

↓Σセダン上級(2L V6)のFMC版である「シグマ」


以上のように最後の「Σ」となった3代目Σ・エテルナ/5代目ギャランは発売~2、3年程度は爆発的ではないながらそれなりの評価は得て菱ファンを中心に安定的な売れ行きで決してNGや2代目Σのような失敗ではなくそれなりの街中でも見かけました、ただ後年モデルライフの4年を過ぎてから、特にE30系ギャランの発売以後は「まだコレ造ってるの?」状態で4HTでも急速に古ぼけた印象がありココからはDOWN!!でしょう、先代Λでも見られましたがやはり後続が出てしまうと仮にモデルライフがまだ4年に達していなくとも陳腐な印象になってしまうのは否めなくお家の事情や車種編成の都合理解できますが新旧併売、旧型を理由に大幅値引きという利点以外はやはり大した存在理由見つかりませんです。。。

このモデルはこれまでのように急激なDOWNではありませんが緩やかにDOWNし静かに消えたと言ったところですねー(=_=;)
Posted at 2017/07/23 16:33:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年07月05日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑤

  保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編⑤
今回取り上げるのは『A161~167A型ギャランΣ/ギャランΛ及び同エテルナΣ/エテルナΛ』となります。
このA16♯系はギャランとしては4代目、Σ/Λとしては2代目に当たるモデル、まず先代12♯/13♯系と大きく変わったのは…ネーミングです(^^;)
エテルナ系がこれまでサブネームを「エテルナ」としていましたがギャランの名前が取れ「エテルナ」をファーストネーム化し『エテルナΣ/エテルナΛ』となりました!
しかし立位置は先代同様ギャラン系の双子兄弟車でカープラザ扱いモデルという部分に変更ありません。

今回からはギャラン、エテルナではなくΣとΛで分けてご紹介致します。

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【A161・162・163・164・167A型ギャランΣ/エテルナΣ】
(以下まとめて紹介時は“Σ”のみで記載)

80/5、FMCにて登場、テーマは人気の高かった先代の“キープコンセプト!”
テーマ通りΣ(Λも)どこが変わったの?と言う位外見は先代のイメージを踏襲し悪く言えば外見上は代り映えのしないイメージながら中身はガラッと変わり脚廻り、シャーシは新設計、エンジン等機構もほぼ新たなモノが採用され見かけとは異なり一新という表現で誤りはないです。
また三菱がこの頃より凝りだした「ハイテク」化がなされ各部にコンピューター制御が採用され80年代を飾るに相応しい新型車でした!

↓80/5に登場した2代目Σ(㊤ギャランΣ2000GSR㊦エテルナΣ1600GL=前期型)



まず新型Σのスタイリングは先記の通り人気の高かった先代の直線基調のイメージや基本スタイリングを色濃く残しながら空力性能を向上、スラントノーズと徹底したスラッシュサーフェスが特徴、ボディ一体フォグランプ組込ヘッドライト、やテールを跳ね上げるダッテクテールのスタイルを採用し先代よりシャープで鋭い印象でした。
個人的にはスラントノーズ…どうなんでしょう。。。
確かに空力には有利ですし当時は流行りでもありましたから採用は当たり前でしたがやはりギャラン(エテルナ)に“逆スラント”のイメージが当時でもありましたので何か“フツーのクルマ”になってしまいギャランらしさがない顔付にはイマイチ魅力は感じませんでした、ギャランのファンにはやはり同じ意見の方が多くこれ以降も逆スラでないギャランは人気が出た試しがなくファンには共通の思いかも???

尚、特徴的な装備(ドラポジ・シート関係やパワー類等)は先代を継承しています。

では車両概要です。

(サイズ)
:全長4570全幅1680高1370ホイールベース2530(以上mm)
(車重)
1190kg =GSR
(エンジン)
1600シリーズ:サターン80 G32B型 直4OHCシングルキャブ86ps
1800シリーズ:シリウス80 G62B型 直4OHCシングルキャブ100ps
2000シリーズ:シリウス80 G63B型 直4OHCシングルキャブ110ps/ECI 120ps
2300シリーズ:アストロン804D55型ディーゼル直4 OHC 75ps/ターボ付き95ps
(以上全てMCA-JETシステムによる53年規制適合エンジン)

(駆動)
FR
(ミッション)
4速・5速MT/3速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:4リンクコイル→A163 またはRr:ストラット(4独)→A164
(グレード)
1600(A161A):GL//SLスーパー
1800(A162A):SLスーパー/GT
2000(A163A):GSLスーパー/スーパーサルーン
2000(A164A):GSR/ロイヤル
2300D(A167A):SL/GSLスーパー

サイズは先代より一回り大型化、ホイールベースも延びています。
搭載エンジンは1600のみ先代からそのまま引き継いでいますが他は全て新設計のモノ、先代途中で変な排気量ながら最もΣに適していたと評された1850が廃版になりましたがこれに代る1800エンジンが新設定、これと2Lがこれまでの“アストロン”に代る新世代天体シリーズ、新設計のシリウスエンジンとなりました。
1800はG62B、2000はG63Bで後年E30系ギャラン以降三菱の看板エンジンとなりギャランVR-4~ランサーエボシリーズの顔としても有名な4G63型のベースがここで初めて登場した訳です!
G63B~4G63は産業車輛(フォークリフト)やトラック(キャンターのガソリン車)~WRCまで対応した名機エンジンで現在は一線を退きましたがこの2代目ΣからエボⅨまで約23年に渡り三菱のあらゆる車種に積まれ屋台骨を支えてきました。

さて、ΣのG62B/G63Bは当時の三菱の意欲作で旧アストロンを軽量化、タイミングチェーンをベルトに変更するなどしレスポンスを上げた新設計、2Lの63Bでは三菱乗用初の電子燃料噴射装置=ECIを採用、キャブの110psより10psUPを実現しこれにより先代で途絶えたGSRがツインキャブ→ECIにより蘇り久しぶりのスポーツグレードの復活はファンには嬉しいモノでした。
尚62/63ともサイレントシャフトはアストロン80を継承し“シリウス80”と名乗っています。

↓新搭載された新設計シリウス80 G63B(ECI)エンジン


↓シリウスとなってもサイレントシャフト(80エンジン)は健在!


そしてエンジンではもう一点、70年代後半の第二次オイリショック以来注目を集め始めていた乗用車用ディーゼルエンジン(以下D)の搭載がなされています。
Dは永年細々と造っていた日産(セドリックD)が存在していた時にオイルショックが発生し見直されD乗用の経験豊富ないすゞがフローリアンで参入以降トヨタもクラウン/マークⅡで参戦する等この時期ちょっとしたDブームがあり三菱もこれに加わっていましたが三菱は国産初のDターボ(NAもあり)にて名乗りを上げています。

↓新搭載された注目の三菱初の乗用ディーゼル、4D55ターボエンジン


Dエンジン、4D55型は三菱らしくサイレントシャフトを採用し騒音を抑える80エンジンでこちらは従来の“アストロン”を名乗っています、フィーリングはワタクシΛで経験ありますがターボDはもうそれまでのDのイメージを覆すに充分の実力、回転域は狭く引っ張るのはDの特性として無理ですが動力性能はガソリン1.6~1.8Lのドライバビリティと変わらず音を効かない限りはDを意識する事はなかったです、ハイパワー&省エネに挑んだ斬新なDターボで当初は注目度も高かったです。
Dターボではグレード名も「GT」を名乗りエクステリアもガソリンスポーツグレードとほぼ変わりなく見た目にもドライブフィーリング的にもDの概念を変えました!
DのNAは経験ありませんがトルクが15kg出ていて車重も1200kg切っているので恐らく鈍重ではなかったのでは?と推測できますしあの嫌なD特有の“ガラガラ音”もいすゞやトヨタに較べるとかなりマイルドだったのを憶えています。

室内ですがサイズが大きくなった割に先代から飛躍的に広くなってる感じはなく先代で感じたヘッドスペースの窮屈感もやはりスタイル重視に振っていたので拭われてはいなかったですねー、ただインパネが先代より低く抑えられ前方視界が開けた分広々感は大きくなったような印象、インテリアも全体的に明るいイメージに。

↓GSRのインンテリア


↓GTのインパネ


このモデルから電子化が顕著になりVELNAS(ベルナス)と呼ばれるドライブコンピューターやETACS(エタックス)と命名された電子ウォーニングシステムはある意味“高度なオモチャ”的でドアを開ければ喋り出したりカラフルなチャイムが鳴ったりと初めて乗った時は笑えました(^^)

2代目Σで一番進化したのは脚廻りで上級2000GSRとロイヤルのみながら遂に4独化がなされライバルのブルSSSに一番遅れていたリジットを卒業しようやくストラットの独立懸架を手に入れています。(他グレードは先代同様の4リンク)
この脚、個人的には結構好きな味付けでロイヤルはフワフワ感が強くてロールも激しく頼りないながらGSRでは120psのパワーには充分以上のスペック、バネストロークもたっぷりでそこそこしなやか、後発のターボではやや軟らか過ぎ?な印象ながらNA時代のGSRではジャストフィットでした。
またミッションは2LガソリンとDのMTにはフルードカップリング(流体継手)を採用し高トルクをロス、振動なくエンジン→駆動系に伝えると言う技術的にも斬新な仕掛けがありMTながらATのようにPレンジがあるという、少々初めて乗る時には目が点になるシフトパターンでした。

↓GSR/ロイヤルでは4独サスが設定!


尚、2代目Σ、ギャランとエテルナの違いはFrとRrの意匠のみでギャランはフルグリルの顔付に横線基調のテール、エテルナはハーフグリルの顔に縦線基調のテールで差別化されています。

↓ギャランΣ2000ロイヤルのRrビュー&インテリア



グレード的には先代をほぼ踏襲しますが先記のようにGSRの復活とこれまでの最上級、スーパーサルーンを上回る豪華仕様のロイヤルの設定が目新しい点でロイヤルは年々豪華になる上級ライバルのマークⅡグランデやローレルメダリストを意識したハイオーナーモデルでした。

ではΣの改歴に移ります、下記がモデル改歴となります。(ギャラン/エテルナ共通)

(80/9)
1600/1800にスーパーサルーンを追加。

(80/11)
2000ガソリンターボと1600に廉価版普及グレードのスーパーカスタムを追加。
2000ガソリンターボは三菱が当時目指した“フルラインターボ”(軽のミニカ~ふそう大型トラック・グレートまで全ての車種にターボモデルをラインナップ!!)の第2弾=第1弾は2300ターボD でG63B ECIに内製(三菱重工製)ターボを装着し120ps→145psにパワーアップ、先発の日産L20ETやほぼ同時発売のトヨタM-TEUと同一馬力を誇りこれらが縦6だったのに対しΣは4発の軽量さを生かした俊敏さが魅力、後発のA175ランタボには敵いませんがセドグロやクラウンとは性格が異なりスポーツに振った魅力的モデルで先代から電子燃料噴射を持たずツインキャブを失って以来どちらかと言えばパワーという部分では期待できなかったΣの大きな武器になっていました。

↓80/11追加の最強エンジン、G63Bターボ付145ps


尚ターボ発売によりGSRはターボ化、他に装備を落としたGTターボを設定しています。NAのG63B ECIは廃版になっています。

(81/11)
MC、前後の意匠変更が行われギャラン=フルグリル、エテルナ=セミグリルに変更ないもののグリルデザインが変更、テールは両車共通化され通称“ブラックテール”と呼ばれるスモークを施した精悍なイメージになります。

↓後期型ギャランΣGSRターボ、キャラクターは健さん!


↓後期型エテルナΣの“ブラックテール”


このMCではグレード/車種編成が見直されました。
と言うのもこの2代目は外見上のキープコンセプトが裏目に出てしまいさすがにデザインが飽きられたようでFMC以降前期型は地味な印象でパッとせずNGほどではないにしても“DOWN!!”状態、この為Rrスタイルの意匠も前期型が先代を色濃く残していたイメージを変えようとしたものでグレードも名称変更と新グレード追加を行い人気浮上を狙いました。
新グレードは1600GL、スーパーサルーンをそのままにSLスーパー→SXに、1800はスーパーサルーンとSX、そして2000がスーパーサルーンとロイヤルのみ継承しSXターボ、GEターボ、GSRターボをラインナップしています。
各シリーズに新設のSXは旧SL/GSLスーパーの統合モデルでありそれらより高級感を増したもの、2000SXターボではGE/GSRが4独サスに対し後輪リジットでターボの廉価版でした。
GEは旧GTの名称変更モデルです。尚、2300Dはターボのみとなりグレードもスーパーサルーン1種に絞られました。

↓後期型エテルナΣ2000SXターボ



(82/10)
小変更、三菱自動車のシンボルマーク変更により新アイテムとなる[MMC]エンブレムの装着がなされギャランΣではグリルセンター、エテルナΣではボンネット先端にあった旧マークをそれぞれグリル右端、ボンネット先端右端に寄せイメージを変えています。
この時同時に1800スーパーサルーンにターボを設定、これは下級ランサーEXに積んでいた1.8LのG62Bターボ135psを移植、ランタボやΣの2000ターボがスポーツ一色だったモノに対して“高級グレード・ターボ”を設定した というメーカーの売りでしたがこれには個人的に全く納得できない、と言うか意味不明のモデルでしたねー…
何上わざわざランサーからアンダーパワーの1.8Lターボ移植なのか?2000ターボを2,0LNAのスーパーサルーンなりロイヤルに設定すればいいだけの話で謎のモデル、この謎はどうやら市場も同様だったらしくこの1800ターボ、ディーラーさん以外で
ワタクシお目にかかかった事ございませんです(汗)

↓最終型ギャランΣ1800スーパーサルーンターボ


以上のように数々のテコ入れ策を行うも2代目Σの人気は上向くどころかますますDOWN化、この後不人気車、モデル末期の定番のようにGLサルーンAD、SXエクストラ等怒涛の特別仕様や限定モデルを発売しますが浮揚の夢は虚しく砕け83/9、3年4カ月という早いスパンで3代目E12/13/15系ΣにFMCします。
このように異例の早さのFMCは2代目が不人気DOWN車だった事もありますがこの頃、既に小型クラスでもFF化の波が訪れておりライバルも次々にこれに準じておりFF化の波に乗り遅れない為のFMCでもありました。

尚、ご紹介が最後になってしまいましたが先代で“お洒落なCMカー”として評判だったエステートバンはFrのみスラントノーズ化、インパネも2代目Σと同様ながらベースは先代を継続しています。このエステートは3代目Σ発売以降も継続され85/2まで生産、セダンのタクシー仕様も3代目以後も2代目が生き84/10まで継続生産されていました。

↓先代を継続したエステートバン(後期型)


以上が2代目ギャランΣ/エテルナΣでした。

引き続き2代目ギャランΛ/エテルナΛを取り上げます。

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【A162・163・164・166・167A型ギャランΛ/エテルナΛ】
(以下まとめて紹介時は“Λ”のみで記載)

こちらもΣと同時の80/5、FMCにて登場。
やはりΣと同様にエクステリアは先代のイメージを色濃く残しながら中身は新設計というもの、Σ以上にΛはそれこそ「どこが変わったの?」というイメージで遠目には旧型か新型か判断付きにくい程でこれまでワタクシも数々“キープコンセプト”は見てきましたがこの新旧Λほどキープされたのは他に類を見ないと言うか…

Λの機構上の概要はΣと共通、電子デバイス化や新エンジン搭載等も全て共通です。

車輛概要は下記となります。

(サイズ)
:全長4570全幅1675高1355ホイールベース2530(以上mm)
(車重)
1225kg =GSR
(エンジン)
1800シリーズ:シリウス80 G62B型 直4OHCシングルキャブ100ps
2000シリーズ:シリウス80 G63B型 直4OHCシングルキャブ110ps/ECI 120ps
2600:アストロン80 G54B 直4 OHC ECI 135ps(ギャランΛのみ)
2300:アストロン804D55型ディーゼル直4 OHCターボ95ps
(以上全てMCA-JETシステムによる53年規制適合エンジン)

(駆動)
FR
(ミッション)
5速MT/3速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:4リンクコイル→A162/A163/A167 またはRr:ストラット(4独)→A164、166
(グレード)
1800(A162A):SL/SLスーパー/GT
2000(A163A):GSL/GSLスーパー/スーパーツーリング
2000(A164A):GSR
2600(A166A):ロイヤル
2300D(A167A):GSLスーパー

Σと異なるのは1600シリーズの設定がなく2300Dはターボのみ、4MTの設定がない、と言う点ですね。また、先代ではエテルナでも2600が設定されていましたが2代目まからギャランΛのみの設定でグレードもスーパーツーリング→より豪華仕様になったロイヤルとされています。
2600の搭載エンジンは先代アストロン80 G54Bを基本としますがECI化され出力を120→135psへUPしています!

↓80/5、FMCにより2代目となったギャランΛ2600ロイヤル



↓ギャランΛ2000GSR前期型



ギャランΛとエテルナΛの相違は先代及びΣに準じFrとRrの意匠違い、ギャランがフルグリルに縦基調テールランプ、エテルナがハーフグリルに横線基調テールでリ・デザインされています。
ギャランΛの方は当時のフォードマスタングの顔をウリ二つといった体で先代までの逆スラに継ぐギャランの伝統である分割グリルをやめてしまったのが何とも残念!
全体のスタイルは先記のように先代のイメージながら先代のRr部分がセミファストバックだったのに対してノッチバック化され後方視界はより良くなっていますがスタイリング、特に後方からの眺めは先代の芸術的美しさは消えて無くなったような。。。
Σもですが中国の劣化コピーみたくなってしまい2代目Λ、好きではなかったですネー
(-_-;)

↓2300ターボD GSLスーパーのRrビュー



↓エテルナΛは今回も前後意匠がリ・デザインされた双子!(エテルナΛ2000GSR前期型)
fbf0.jpg

それではΛの改歴です。

(80/11)
Σと同時に2000ガソリンターボを発売、これにより2000NA ECI及びギャランΛの2600を廃止します。
2000ECI NAは当然2600の廃止は2000ガソリンターボのパワーを下回る事による廃止ですが売れないながらも2600のあのトルクフルなフィーリング、少し残念でした~。

↓80/11に追加されたターボモデル(2000GSRターボのFr&Rrビュー)



ターボに設定されたのは豪華版GSRと装備を落としたGTとなっています。

(81/5)
2000ECI NAが復活、従来はGSRグレードでしたがこれがターボとなった為従来のTOPモデルであったロイヤルを2600→2000に落として設定しています。

(81/11)
MC、Σ同様に前後意匠の変更と車種整理が行われます。
意匠変更はグリルデザインとテールのスモーク化がなされていますがΛはΣ以上の人気“DOWN”ぶりが顕著でこれはΛそのものの原因ではなく(これもありますが…汗)この頃、急速に以前は花形だった2HTの人気が全体的に下がってしまっておりこの波をΛも被っています。
エアコンの普及でフルオープンにする機会がなくなった事、乗降に便利かつスタイリッシュな4HTに人気が移っていた点が2HT市場の縮小に繋がりこの時期これまでスポグレード定番の2HTモデルが次々にクーペや4HTに衣替えしてゆきました、確かに乗降性も悪くボディも弱い2HTでしたがカッコだけは文句なく良く70年代を風靡したこの形式の衰退は当時非常に悲しく感じてました。。。

↓後期型エテルナΛ2000GSRターボ


車種整理は思いきって今風に言えば徹底した厳しい“リストラ”がなされ1800 G62Bのスーパーツーリング、2000ガソリンターボのGE/GSRのみとなり他は全てカタログ落ちしています。
いすゞ117と並び2ドアモデルのDとして発売時は注目された2300Dターボ、やはり2ドア+Dはイメージ的にもミスマッチでこれもワタクシ見たのは2~3回程度だったような気がします、この頃(今もか?)はまだまだDはヨーロッパのように“スポーティ”とイメージには程遠くこの二つ(117も含め)の失敗もあり以降Dの2ドアのクーペやHTモデルは登場していません(2ドアHB等除く)

(82/11)
一部変更と車種整理。
変更は例のMMCマークが新たに装着、車種整理は遂に2000GSRターボのみのモノグレード化します。これは同年発売されたΛのシャーシを使いながらも新ボディを載せたスポーツクーペ、スタリオンが発売された事による縮小で三菱お得意の“新旧混在販売”ですね。
新らしいスタリオンは流行のリトラクタブルライトを持つ最新鋭のスタイリングでΛを残す意味があるのか?って感じですがワタシみたいな頑固で旧式で2HTにこだわるマニア向けだったのでしょう、事実2代Λ発売翌年の81年に17,000台弱の販売記録がありながら末期の83年では僅か900台超、最終84年では125台という数字になっていますからこの頃は三菱も余裕があったんでしょうね、マニアを大事にしてますわ(笑)

↓82/11~の最終型ギャランΛ(モノグレード化された2000GSRターボ)


83/9にセダン版のΣが3代目にFMC以降もΛは細々と販売継続されましたが84/10に3代目Σに4HTが設定されたのと同時に遂に製廃となりました。ΣがFF対策の為、異例の早さでFMCしましたのでこれ以後、スタリオンのデビューもあり急速に老け込んだ印象の2代目Λでしたが終わってみればこちらはほぼ正常に4年強のモデルライフ、その割には終息時は「やっと消えたか…」みたいな印象でした(;_x)

以上が2代目Λでした!
Λは系統をスタリオンに譲りこれにて終了ですので最終型でとなります。
ΣのHT版という意味では3代目Σの4HTにも系統はあると思いますが性格的ΣHTは高級バージョンで旧Λの性格は一部(ロイヤル等)を除き“スポーティ”さで言えばスタリオンに継承されると思います。シャーシはΛ(Σ)をそのまま使っておりスタリオンは90yまで生きていましたので結果的には長寿でした・・・
(尚スタリオンは過去“華麗なる一発屋!!!”…8 で取り上げてますのでこのシリーズでは触れませんです)

↓Λの発展継承モデルは「スタリオン」


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このように2代目Σ/Λ、せっかく築いた先代人気の貯金を取り崩しA50系→NGの悪夢を繰り返していますUP!!→急降下→DOWN!!のギャラン・エテルナ人(車)生、次作はいかに???

↓5代目ギャラン/3代目ΣとなるE1♯系Σ(写真はギャランΣ)


(次回3代目『E12/13/15/17/18A型ギャランΣ・エテルナΣ』に続く)
Posted at 2017/07/23 16:00:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年07月04日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編④

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…三菱ギャラン編④
今回取り上げるのは『A121・131/122・132/123・133/135A型ギャランΣ/ギャランΛ及び同ギャランΣエテルナ/ギャランΛエテルナ』となります。




センセーショナルにデビュー、三菱始まって以来の高人気と高い販売台数を記録した初代A50系ギャラン(UP!)から一転、大きく豪華にをテーマに取った戦略が裏目に出て不人気車の代表のようになってしまった2代目ギャラン(NG)は完全なるDOWN!!でありこれの後を受けたΣ/Λはさていかなる事に…

てかあまりにも有名なので結果は先に述べます(汗)
Σ/Λはそりゃもう大成功でUP中のUP!!でした~。
その人気は発売と共にウナギ登りで終わってみれば初代ギャランを上回る販売量を誇った程で現在までその記録は生きているとか!
確かにΣ/Λデビュー以降はかなりの数を見かけそれまでどちらかと言うと“マイナー”“マニアック”イメージだった三菱車を瞬く間にメジャーにし同社を国内No3メーカーに持ちあげたのもこのΣ/Λの人気がモノを言っていました。

尚ΣとΛは新型ギャランのセダンとHTという関係で基本は同じクルマですが登場時期、改歴やランナップに異なる点も多い為別枠でご紹介してゆきます(エテルナ系につきましては最後にまとめます)


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【A121・131/122・132/123・133A型ギャランΣ】

まず発売されたのは前回でもご紹介したように『Σ』、76/5にNGのFMC版としてデビューします。
Σはテーマに“初代ギャランへの回帰”を挙げボディはNGより大きくなりながらもスタイリングは徹底してシェイプアップ! ダイナウェッジラインでエアロダイナミックスを取り入れ人気だった初代ギャランに倣い直線基調の空力を計算した鋭いくさび型のスタイイングを取り入れておりこれにギャランらしい逆スラントノーズにセダンながらも低い全高とセミファストバックの流麗なデザインが注目され高い人気の最大の要因でした。
セダンでここまでスタイリッシュなスタイルはΣ以前には見当たらなく新鮮でその出で立ちは見事なプロポーションでした!

↓新型ギャランセダンのサブネームは『Σ』が与えらました!
(前期型2000GSL)


Σの概要は下記の通りとなります。

(サイズ)
:全長4300全幅1655高1360ホイールベース2515(以上mm)
(車重)
1070kg =GSR
(エンジン)
1600シリーズ:サターン4G32型 水冷 直4OHCシングルキャブ92ps/ツインキャブ100ps
1850シリーズ:アストロン80 451型 水冷 直4OHCシングルキャブ97ps
2000シリーズ:アストロン80 4G52型水冷 直4OHCシングルキャブ 105ps/ツインキャブ115ps
(以上全てMCAシステムにより51年規制適合エンジン)
(駆動)
FR
(ミッション)
4速・5速MT/3速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:4リンクコイル
(グレード)
1600(A121A):カスタム/GL//SL/GS
1850(A122A):GL/SL
2000(A123A):GLX/GSL/GSR/スーパーサルーン

上記を見て解る通り旧NGと比較して「広く、長く、低く」を実現していました。
この初代ΣはオヤジがA50ギャランを2台乗り継いだ後に発売と同時に購入、GSRとスーパーサルーンを悩んだ末、後者を買いました。
スーパ^サルーンはΣの最高グレードでこれは車種の少ない三菱がNGまでのライバル=コロナ/ブルに加え上級のマークⅡ/ローレルをもターゲットに据えたモデルでありそれらよりは小さいサイズながら装備はマークⅡのグランデ、ローレルのSGL~メダリストという上級車の最高グレードとほぼ同等の装備を誇りながらエンジンが4発の為比較的装備の割には安価で一定の人気を得ていました。

この当時では珍しいパワー装備(パワステ/パワーウィンドゥ等)を始め上級デボネアと同一のカーペットやファブリック地のシート等非常に豪華な内装でオヤジも倅もウットリでした(笑)
グリルもスーパーサルーンだけはリ・デザインされており気取った顔付でこの部分は標準グレードのΣのスポーティな顔が精悍で好きでしたが高級感は高かったです。

↓Σの最高グレード「スーパーサルーン」はデボネア並の装備!


↓スーパーサルーンのインパネ&室内


後年自らハンドルを握るようになり初代Σは結構乗りましたがスタイル重視のデザインだった為の弊害は室内の狭さでしょうか…。
幅と長さは充分でしたが頭上はやはり窮屈感があり後席に関してはセダンとしては失格かもしれません、もっともスタイル重視でしたからそんな事は気になりませんでしたが(^_^;)
走りですがエンジンはNGを継承していますが1600にA51ギャラン16L GS以来のサターンツインキャブの4G32が復活しています。
Σは上記の通りNGよりヘビーになってはいますが差は殆ど感じませんでした、MCA51年対策ですから2Lに関してもパワフルとは残念ながらいかずツインキャブ付(GSR)でようやく及第点かな?と言う感じ、この時代のモデルはどれもそうでしたが実際の排気量より4~500ccは下のエンジン位の実力、ただ三菱の場合表示ps→現実的なフィーリングでトヨタや日産では表示psが信じられないドライバビリティでした。

↓スポーツグレードの「GSR」にはNGのGSⅡ/GTO-GSRから移植の4G52アストロン80ツインキャブ


1850と2000のアストロン80はNGの項でも記載したようにメーカーが言うほどの直6同等の振動、フィーリングというのは個人的にはかなり無理がある感じ、1600サターンは下級ランサー/セレステではさほどの失力を感じなかったのですがΣではやはりヘビー感もろ出しでツインキャブGSであっても軽快なかつてのサターンエンジンの面影はなかったですネ~。

↓2000シングルキャブ4G52アストロン80


インテリア/インパネもスタイル同様セダンとは思えないカッコ良さでギャランGTOで好評だった連メーター&フライトコクピットを現代風に進化させたデザインでセダンでこれ程スポーティな印象のインパネは珍しいと思います!

↓GSRのインパネ


調整機構が充実したシートや可動式ステアリング等の快適装備はNGから継承、更にΣではRrシートに国産初のセダンながらのリクライン機構を採用、当時ではショーファーのセンチュリーたプレジですらない装備でしたのでワタクシもやたら後席に乗ってこのリクライン、意味もなく倒したり起こしたりしていたのが懐かしい想い出です。

↓セダン初装備のRrリクライニングシート


足回りはようやく長く続いたリーフをやめRrは4リンク式を採用、ブルSSSのセミトレには及びませんでしたがスポーツグレード以外の普及型/高級グレードでもほどほどに堅く設定され所謂ふわふわ感はなくしっかりしていました、少なくともコロナやブルの普及型よりはしっかりした印象でした。

Σの改歴は次の通りになります。

(77/2)
一部変更、1600の4G32型をサイレントシャフト内臓の80エンジン化、“サターン80”搭載となります。スペックに変更なし。
他に上級2000GSR/スーパーサルーンを13→14インチホイール化、同時に4輪ディスクを装備します。
尚、53年適合により1600は型式をA131Aに変更。

(77/6)
1600のみ51年のMCAシステムを改良・進化版であるMCA-JETシステムにて53年規制適合化、エンジン呼称をサターン80 G32B型と変更します。
ドライブフィーリング的には安定した排ガス対策で51年晩よりはかえってパワー感はありながらもスペックは92ps→86psにダウン、また残念ながらツインキャブモデル=1600GSはカタログ落ち、これに変わりエクステリア/インテリアにGSの味付けを残しながらエンジンをシングルG32Bとした「1600SLスーパー」を設定しています。

(77/8)
1850/2000シングルキャブも1600に次いでMCA-JETにより53年規制適合、1850=A132A 2000=A133Aとなります。エンジン型式も1850=アストロン80 G51B型、2000=同G52B型となり両シリーズ共スペックに変更はありませんがこちらも明らかに51年よりはドライバビリティは向上しており排ガス規制=完結を思わせてくれました。
尚、GSRは51年規制のまま、エンジン&車輛型式に変更なくそのまま継続しています。

またバンに関してはここまで旧NGのエステートバンを継続販売していましたがこの時ΣエステートバンにFMCし追加登場しています。
エステートバンもΣのおじゃれな部分は損なわずに商用化、エクステリア/インテリアも現代の商用イメージは皆無で特に最高グレードとなる「スーパーエステート」はセダンのスーパーサルーンと同一グリルを持ちインテリアもGLXに比例する豪華さで荷室までもカーペット張りでした。スーパーエステートにはopながらアメリカのステーションワゴンで流行った外装ウッドパネルも用意され結構この仕様は見かけましたがその存在感はバンではなくまさにワゴンでした!
エンジンは排ガス規制が緩い商用の為セダン(Σ)やΛよりもパワフル、ラインナップされた2L(4G52)が115ps、1.6L(4G32)で92psとスペックも上回っており事実これの1600はドライブした事がありますがセダンよりも軽量という部分もありますがパワフルな味はかつてのサターンを引き継いでおり商用が羨ましかったりします(^^;)
エステートには3グレードが用意され最上級が2000スーパーエステート、普及版に1600GL、廉価版に1600カスタムとなり1600はGLにサターン80(2000はアストロン80)、カスタムは非80エンジン。

↓バンモデルの「エステートバン」最上級スーパーエステート、内外装ともにワゴン並の豪華さ!



↓エステートバンの廉価版1600カスタム、廉価版であってもお洒落な商用車! 


(78/4)
GSRが53年規制不適合により廃止、残念ながらΣからスポーツエンジンがこの時点で消えてしまいます。尚、1600SLスーパーと同趣向のGSR代用版である2000GSLスーパーが翌5月に追加。

(78/11)
MCが施され後期型となります。
Fr&Rrの意匠変更とインパネの一部、グレードの一部変更が行われますが個人的にはギャランらしさが際立つ逆スラントの顔が直立になってしまい丸目4灯→流行の角目4灯に変更、Σにはやはり丸目が似合っていた感じでより新しさは感じながらも前期型の魅力が半減してしまった感じが未だあります。
また例の“かっこイイ”インパネは形状は同一ながらメーターは最小限に減らされその空いたスペースには空調表示が入ります、エンジンの状態を示す計器類を失くし下らない(?)空調表示なんてナンセンス!!と当時思いましたが今や水温計ですら無くなった時代ですからこれがあるだけまだいいのかな と。。。

↓78/11~ 後期型2000スーパーサルーン


↓“空調絵表示”が装備された後期型のインパネ


グレード一部変更は1600カスタム→1600L、2000GLX→2000GLとなり遂にあの“変な排気量”である1850がカタログ落ちとなっています。
このMCでは全体的にそれまでスポーティなイメージを売りにしていたΣですが高級イメージ化にチェンジ、スーパーサルーンには新色追加と本革仕様も設定されています。

↓後期型は格段に豪華さをUP!(2000スーパーサルーン非本革)


(80/5)
好評初代Σは4年にてA161~164A/167A型4代目ギャラン=2代目ギャランΣにFMC。

以上初代ギャランΣでした。
引き続き初代ギャランΛを取り上げます。

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【A121・131/123・133/135A型ギャランΛ】

発売はセダンのΣに遅れる事半年の76/12となります。
Λは旧NGのHTとこの時はまだ継続していたスペシャリティカーのギャランGTOを統合(GTOは77yいっぱいで製廃)した性格が与えられ旧NGのHTと言えども居住性を意識したモノとGTOのスペシャリティな性格を兼ね備える新時代の2ドアパーソナルクーペ、Σをベースにしながらトレッド/全長を広げより長く、低く、幅広くをデザインにも反映させイタリアン調のΣに対しバタ臭いアメリカンな出で立ちで事実輸出先の米国でも『プリマス・サッポロ』として高い支持を得ていました。

スタイル上ではこれまでにない斬新な意匠が各部に取り入れられ国産初採用の角目4灯、鋭いスラントノーズ、ロールバーRrルーフにRrアップラウンドウィンドゥ、ステアリングも国産初の1本バー式が採用され数々の話題と注目を呼びました!
特にロールバー~ は2HTでセンターピラーがないながらCピラー部を補強しボディ剛性を高めながらスタイリッシュも実現しそれまで「HTはボディが弱い」とされていた欠点を解消した画期的なモノでした。
Σの主なターゲットであるファミリー層から決別、若い世代と同時にコスモや117と言った高級パーソナルクーペをもターゲットにした上級グレードは富裕層にも人気を集めていました、セダンのΣには設定されていないダイアトーンの高級オーディオも上級には装備され“遊び”の要素でも高い魅力を備えていました~。

↓NG HT/GTOの統合モデルとして登場したΛ初期スーパーツーリング)


↓スーパーツーリングに装備されたダイアトーン製3WAYスピーカ


Λの概要は下記の通りとなります。

(サイズ)
:全長4430全幅1675高1330ホイールベース2515(以上mm)
(車重)
1120kg =GSR
(エンジン)
2000:アストロン80 4G52型水冷 直4OHCシングルキャブ 105ps/ツインキャブ105ps
(MCA51年規制適合エンジン)
(駆動)
FR
(ミッション)
5速MT/3速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:4リンクコイル
(グレード)
(A123A):GSL//GSR/スーパーツーリング
シャーシは勿論、機構やメカニズムはΣと同一ながらΛはよりパーソナル性を強調し当初から全車14インチホイール、4輪ディスク(GSL除く)を装備、最上級のスーパーツーリングはΣスーパーサルーンに準じた高級装備が与えられながらもパーソナルクーペとして若々しいお洒落な味付けがなされています。
インテリアもギャザード地のシートやチェックが使われ2ドアとしては後席の居住性も良くGTOで頭を下げ顎を引いた姿勢で座っていたのが嘘のように改善されています。
インパネはこちらもGTOの発展形で6連メーターのスポーティなデザインです。

Λの改歴は下記の通りです。

(77/6)
1600シリーズ(A121A型)が追加されます。
Σの1600シリーズからG32B(53年規制)と4G32(ツインキャブ51年規制)を移植、廉価版1600SLとGSRに次ぐスポーツグレード1600GSの2ラインナップ。
尚、1600系は13インチホイールで2000と差別化されています。

(77/8)
一部変更、GSRを51年適合のまま残し2000も53年規制適合、型式をA133Aに変更。
最上級スーパーツーリングにはロールバーガーニッシュを装着、前後北米用5マイル大型バンパーが装着(5マイルバンパーはGSRにも装着)され出で立ちを他グレードと大きく差別化し高級感を増しています。GSR/GSは新デザインのストライプを設定。
スーパーツーリングはメッキのロールバーガーニッシュにターンシグナルを組み込む非常に派手な演出がなされ5マイルバンパーとともに良く言えば迫力を増し悪く言えば重々しく鈍重な印象になりましたが押し出しが強く個性的になりました、インテリアにも本革仕様が設定され豪華さを増しました!

↓77/8~のスーパーツリングはより豪華なイメージが与えられました!


↓スーパーツーリング本革仕様のインテリア


(78/4)
GSRがΣ同様53年規制不適合により廃止、1600GSもココにてカタログ落ちとなりΛからもスポーツエンジンが消えてしまいます。
Σ以上にスポーティさが訴求される2ドアのΛでのこの廃番はより残念感、強かったです~。
尚翌5月にGS/GSRに代わるΣの「スーパー」に準じる1600SLと2000GSLにそれぞれスーパーインテリア仕様(旧GS/GSRのインテリアを持つ)が設定されています。

(79/5)
最上級2600スーパーツーリング(A135A)が追加されます。
ギャランシリーズ初の3ナンバー普通車登録のモデルでこの2600は前年登場したトヨタセリカXX2600(MA46)をターゲットにしたモノ、XXはコスモとスポーツカー(S30)からツーリングカーに変化した当時のS130フェアレディZがオーバー2L(コスモはREエンジンによりそれと同等性能)の2ドアの贅沢なロングツアラーを2分していた市場にトヨタが既存セリカのボディを使いロングノーズ化してクラウンやマークⅡの直6を押し込みこの市場に切り込んだモノでΛもこれに続きました。
しかしやはりこのクラスでは直6が命!!でデボネア用アストロン80 G54B型エンジンは120ps/21.3kgというパワーを持ってはいましたがライバルのL28、13B、4M-EUの静粛性とスムーズさ、馬力は劣り評価は得られかったです、トルクではほぼ互角でしたのでワタシも後年一度運転経験ありますがトルクフルで三菱得意のロングストロークのエンジンは排ガス対策で重々しかった~2LまでのΛの走りを一変させる力強さが感じられました。
しかしライバルのスムーズさには勝ち目はなくより富裕層が求めるこのクラスで4発は相当無理があったと思いますが三菱、冒険しましたねー…
2600スーパーツーリングは2000スーパーツーリングをベースに2トーン新色ボディカラー、ボディ同色フェンダーミラーが装着され5マイルバンパーも専用デザインとなっていました。

↓2600スーパーツーリング


(80/5)
Σと同時にΛとしては2代目になるA161~A167A型にFMC。

以上が初代ギャランΛとなります。

初代Σ/Λには78/3に三菱としては初めての兄弟モデルである「ギャランΣエテルナ・ギャランΛエテルナ」(以下エテルナ)が存在していました、ここからはこのエテルナをご紹介します!

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【A121・131/123・123/135A型ギャランΣエテルナ・ギャランΛエテルナ】

初代Σでイケイケ調子の三菱は77年、翌78年に発売予定の新開発のFF小型車=初代ミラージュを別チャンネルで販売する事としいよいよ三菱も2チャンネル時代になる事が決まっていましたが新チャンネル=カープラザ店がミラージュ1本という訳にもいかず好評Σ/Λの意匠を変更した双子兄弟モデルのΣエテルナ/Λエテルナをカープラザ専売モデル(尚、従来の三菱販社はこの時から「ギャラン店」とされています!)として78/3に発売しました。

↓カープラザ店向け双子モデルの「Σエテルナ」(2000GSLスーパー)


三菱初の双子はトヨタ・日産のそれに倣った手法でΣ/ΛのFrとテールをリ・デザイン、ギャラン店より若い世代にアピールするカープラザ店モデルのエテルナは若々しくスポーティなデザインとされています。
ΣエテルナはΣの丸目4灯を角目2灯ヘッドライトに変更、テールをΣの横線基調のデザインを縦線基調にしています。
ΛエテルナはFrはグリルのみの変更でΛの2分割グリルを横1枚モノとしテールは縦2分割のΛに対してサイコロ角型3連テールが採用されています。

↓エテルナは双子モデルでは常のFr/Rr意匠以外は基本(Λ/Σ)を踏襲
  (Λエテルナ1600SR/同2000XL)


車輛概要は兄弟車ですのでΣ&Λに準じますがバリェーション展開は狭められ搭載エンジンもΣエテルナの場合、1850が当初からラインナップされず1600と2000の2本立てとなっていました(Λも同様)

バリェーション
Σエテルナ:1600GL/1600SLスーパー/2000GSL/2000GSLスーパー
Λエテルナ:1600SR/2000XL
搭載エンジンはデビュー時がMCA-51 51年規制(A120系)、直後から全て53年規制適合(A130系)のG32BとG52Bとなります。
Λエテルナはグレード名が変更されいますがΛのSL→SR、ΛGSL→XLに相当します。

Σエテルナ/Λエテルナの改歴は下記の通りです。

(78/11)
Σエテルナ、ΣのMCと同時にインパネのみ変更。

(79/3)
ΣエテルナにTOPグレードとなるスーパーサルーンを、ΛエテルナにやはりTOPになるスーパーツーリングを追加、内容はΣスーパーサルーン/Λスーパーツーリングに準じます。

(79/5)
ΛエテルナにΛと同時に2600スーパーツーリングを追加、内容はΛ2600スーパーツーリングに準じます。

(80/5)
Σ/Λと同時にエテルナとしては2代目になるA161~A167A型にFMC、この時、ネーミングから「ギャラン」の名前が取れ正式名称が「エテルナΣ/エテルナΛ」に改称されました。

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このように三菱の看板車種に大きく成長したギャラン(Σ/Λ)、エテルナという双子を追加し好調にファミリーを増やしました!
販売店の力量の差でエテルナはイマイチパッとせず地味めな存在ながら本家Σ/ΛはFMCまで順風満帆の人(車)生でした!!
さー、この次期モデルはそのUP調子を維持できるのか?はたまたNGの悪夢再びのDOWN!!になっしまうのか???
次回をお楽しみにぃ~(^^)v

↓次期型はギャラン4代目=2代目Σ/ΛであるA16♯系
 (㊤2代目前期ギャランΣ㊦2代目後期エテルナΛ)



(次回2代目『ギャランΣ/Λ・エテルナΣ/エテルナΛ』に続く)
Posted at 2017/07/23 15:16:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | 日記

プロフィール

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何シテル?   11/12 13:13
元GureのHNで活動、かつて二拠点生活していた時代や現在の本拠でののクルマ弄り記、また自己満全開の独自の企画モノをUP、企画モノでは記憶に薄い部分等はwiki...

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