
“納得のマイナー・モデル第2弾”は前回から引き続きとなります=『日産バイオレット/オースター/スタンザ』!!
この代よりそれぞれサブネームが与えられておりますので今回取り上げるモデルの正式名称は⇒『T11型3代目日産バイオレット・リベルタ/2代目オースターJX/同スタンザFX』となります。
※FXは「Future X」、JXは「Jump X」の略
バイレットは初代710、そして前回取り上げた2代目A10がオースター/スタンザと兄弟を増やしながらも決して商業的には成功と言えない中、日産は3代目(バイオレット…オースター/スタンザは2代目)はもう失敗は許されないながら80年代半ば、世界的にFR→FFにスモールクラスが移行してゆく中で日本に於いてはこれを真っ先に取り入れると言うある種の賭け?に出ました!
この時代、世界の流れを見ていると確実に今後はFFクラスが主流になる!と業界関係者はそれを察知していましが乗用車というモノがそもそも米国から入った日本では大型車(日本ではという意)主流のアメ車が採っていたエンジンFr縦置き、FRレイアウトが“常識”でありまだまだ80年代ではこの固定概念が抜けていませんでした。
しかしFF方式は日本でも古くはスズキのスズライト(後のフロンテ)、富士重のスバル1000、ホンダN360などが採用、しかしながらスズキは軽4ですのでスペース効率という部分、スバル/ホンダは技術屋集団の革新的機構で“特殊”と受け止められ悪く言えばゲテ物扱いでした。
多くの自動車メーカーはドライブ機構の複雑化がコスト高を招きスペース効率とユーザー訴求を天秤にかけて割が合わないと判断、FF化は消極的な姿勢を60~70年代、メーカーによっては80年代ですら崩しませんでしたが日産は比較的早い1970年、前述の3メーカーに次いで大手としては初めて初代チェリーでこれを採用、サニーというBigネーム稼ぎ頭のFRモデルがありましたのである意味サニーに保険を掛けた格好でのチェリーの存在でしたしチェリーは決して広く受け入れられるモデルではなかったですが一定の評価を得ておりこれの次期型であるパルサー(78yデビュー)ではチェリーを上回る高評価!これに自信を付け経験を活かし開発され81年に発売されたのが新型T11型でした!!
スペースの厳しい軽や大衆車クラスでは先人の例もありFF機構が断然有利なのもあり日産はこの分野でT11を最大にアピール、FFに消極的姿勢をまだ崩さないバイオレット系の最大のライバルであり初代710デビュー以来、苦渋を舐めさせられてきた憎きカリーナをこれにより一気上回りかつ引き離そうと企んでいたに違いありません!!
しかしその結末はorz…
結論を先に言えば大惨敗(*_*;
これの大きな要因は日本では試みが殆どなかった完全なる欧州車風の出で立ちが日本人にはソッポを向かれた点でしょう…。
クルマ的には非常に真面目に造られたモノだと思いますがいかんせん素っ気なく野暮ったいスタイリングは日本人の感性には合わず本物の欧州車であればそれでもそのブランドで支持するマニアも存在していましたがわざわざ日本メーカーが造る欧州車もどきを選ぶユーザーは殆どおらずFF化の先陣を切った!という点で発売時は多少注目されながらも皆一様にスタイリングを見ていかりや長さんの如く“ダメだこりゃ!!”と嘆いたとか嘆かなかったとか(爆)
いや、冗談抜きで知人の当時の日産セールス氏曰く、社内での内見会で見た瞬間に“こりゃ売れん”と思ったそうでした。
今見ればそれほど特異でもないんですが当時はまだまだロングノーズ、ショートデッキの低く・長く・幅広くそして大きく見える! というスタイリングが一番イイと言われていた時代にそのどれも当てはまらないどころかズングリしたデザインからなる車格以上に小さく見えるT11の出で立ちは全否定、専門家筋には“これからの日本の大衆車のお手本”等、絶賛されていた感じながら残念ながら『評論家の褒めるクルマは売れない』のジンクスそのものでしたねー。
本来は褒めるべきかもしれませんがアメ車風ギンギラが好きだった当時の日本人には最上級グレード以外は質素過ぎる装飾も嫌われ下手すると下級のサニー以上に安っぽいという意見もあったようです。
ワタクシもこの時の空気はよく憶えていますが時代的に革新的過ぎて大衆はついて行けず“何じゃコリャ?”以外何者でもなかったですネ。。。
↓3度目の正直にはならなかった3代目バイオレット・リベルタ(81yセダン1600GLカラードBP付)
そんな暗雲がまたしても垂れ込めたT11ですが兄弟のコンセプトは先代A10を継承しバイオレット・リベルタ(以下リベルタで記載)を基本ファミリー向けとしオースターをスポーティ、スタンザをラグジュアリーに設定、扱いもリベルタがブル系列、オースターがパルサー系列、スタンザがサニー系列と同一です。
3兄弟の相違点は例によって顔付とお尻のリ・デザイン、それぞれのコンセプトに合わせリベルタの基本にスタンザはメッキ処理を多目としオースターは黒系のややヤンチャ風味の味付けがなされていました。
それではモデル概要です!
[諸元]
(発売)
1981年(昭和56年)6月
(ボディ)
バイオレット・リベルタ/スタンザFX:4ドアセダン/5ドアHB
オースターJX:4ドアセダン/3ドアHB
(バリエーション)
バイオレット・リベルタ
1600T-DX(セダンのみ)/1600・1800GL/1600・1800GF/1800SX/1800ZX-E
オースターJX
1600T-DX(セダンのみ)/1600DX(セダンのみ)/1600CS/1800GS/1800GS-X/1800GT-EX/1800GT-ES
スタンザFX
1600T-DX(セダンのみ)/1600・1800GL/1600・1800SGL/1800Z-E/1800Z-Eマキシマ(セダンのみ)
(型式)
日産E-T11型
※E-は53年規制適合記号
(サイズ)
全長4280mm全幅1655mm全高1365(3HBクーペ)1385mm(セダン/5HB)
(ホイールベース)
2470mm
(車重)
870~990kg
(搭載エンジン)
CA16型 1600cc 直4 OHC キャブ 90ps/13.6kgm
CA18型 1800cc 直4 OHC キャブ 100ps/15.2kgm
CA18E型 1800cc 直4 OHC EGI 110ps/16.5kgm
いずれも横置き搭載
(ミッション)
4速MT/5速MT/3速AT
(脚廻り)
Frストラット/Rrストラット
(駆動方式)
FF
※搭載エンジンのps表示はグロス値
~車輛概要~
(エンジン、ミッション)
エンジンは一新されT11用に開発された新エンジンであり後に日産小型クラスの主軸となるCA型が搭載されました!
CA型はFF化による横置き搭載の為旧L/Z型エンジン外寸を小型化、シリンダー肉厚などを薄く設計した日産プラズマエンジンの走りで旧Z16/18に比較してpsは大差ないながらトルクは大幅に向上しています!
↓新開発CAエンジン(CA18E型)
このCA型、悪夢の排ガス規制後のそれを盛り込んで造られたシンエンジンだけあり吹け上がりは軽々しくL/Zにあったような息継ぎするような苦しさはなく軽快な部類でしたがこれは後続搭載のブル他では感じられなかったのですがT11ではやたら振動が気になりガサツな印象。
まぁ、エンジンそのものの出来は及第点だと思います、しかしマウントや動力系全体的の設計に難がある?って感じで特に古くなった と言っても3年程度のモノでもガコガコとなってしまう個体が多かった気がします。
特に8~10年落ちですと「これはディーゼルか?」って位酷いのも多くこの辺もT11のウィークポイントでしたね!
ミッションは上記の通り3種、4MT/5MTとも1:1がなく4速でオーバードライブになっています。
先代まで設定されていた直結パターンはここで廃止、ATは3速でO/Dはまだ付かない時代です。
(ボディ)
ボディは4ドアセダン/3ドアHB/5ドアHBの3パターンを用意、先代のA10にあった商用バンは廃止され後のADバンに継承しています。
ラインナップはリベルタ/スタンザFXにセダンと5HBを、オースターJXはスポーティ担当のため5HBを設定せずに3HBとセダンという布陣!
↓スタンザFX(㊤セダン1600T-DX㊦セダン1800Z-Eマキシマ)
↓オースターJX(㊤HB1800GT-ES㊦セダン1800GT-EX)
5HBは旧スタンザリゾートやバイオレット/オースター5ドアの継承でしたが不人気の原因である何の変哲もなく地味なセダンをベースにラゲッジ優先のまたまた日本では売れない5ドアセダンであり先代でも決して売れた訳でもないのによせばいいのに懲りずにラインナップという感じ、当然の如くただですら少なかったT11の中でも最も見るのが困難なモデルでした(笑)
↓バイオレット・リベルタ5HB1800SX
↓スタンザFX5HB1800Z-E
個人的にはオースターにだけ用意された3HBがこの中では一番マシ!?
実用も兼ね備えながらもRrウィンドゥ形状も割となだらかでサニー(210/310)やセリカLB、ランサーセレステ等に見られた所謂HBクーペではありませんでしたが一定のルーフ長さを保ち居住/積載性とスタイリングの分岐点を微妙なところでわきまえておりかつスタイリングの破綻がなく3ボディの中では唯一、主張があり“普通”に見えた気がします…。
↓オースターJX HB1800GT-ESのRrビュー
(エクステリア)
この部分は前述の通りT11の最大の失敗要因、くどいですが欧州車では“シンプル・イズ・ベスト”と受け取られる質素さも日産がやると単なる“安車”としか映らずこの点、T11は悲運でしたね…
前後のデザインを絞り車幅よりも顔と尻が小さくなる独特なスタイリングは後に一般化するデザイントレンドながら時代が早過ぎた!の一言で丸めながらスラントするノーズにおさまる異形ライトなど斬新でもあり空力には有利なマスクでしたがグリルの処理は未成熟な印象、このためこれといった主張がなく地味でありココでも派手さをあえて抑えた施策が裏目に出た感じです。
りべルタは横線グリルに1本モールが、オースターJXはモールの代りにオーナメント、スタンザFXは格子状のやや豪華なデザインでしたが大きな印象の差はなくテールも何の特徴もない質素なデザイン、オースターJXのHB、特にrrの処理は他シリーズがヨーロッパ風味の中、唯一アメリカン的なイメージを与えられていましたがノーズとのバランスが悪く個人的にはこれも“ブサイク”の範疇ですね~(*_*)
(インテリア、居住性)
居住性は先代から較べ、また同クラスのFRモデルと較べ大いに飛躍した部分でさすがFF!って感じです。
外寸やW/Bも大幅に拡大していますから居住性は当時としてはクラスを超えたモノでまだこの時点ではFRだった上級のブルーバード(910)を優に上回る空間を持っていました!
後席の足元は更に上になるローレル/スカイラインクラスと比較してもそう違いはなくこれがこのクルマの最大の売りでありました。
ただ、広さを強調するためにあえた小型化したセンターコンソロールやRrシートに3人座った時の横方向の広さを叶えるRrドアのトリムを抉らせるなどの工夫がこれもアダになった感じでとにかく悲運でしたが。
↓ライバルはいない!とばかりに広さを最大にアピール!(スタンザFX1800Z-Eマキシマ)
センターコンソロールは大きく立派なモノがまだもてはやされていた時代、これは足元と前席の横方向を狭める元凶である事は皆解っていながら視覚的効果を優先させてきた日本では画期的でしたがこれもご多分に漏れず華奢で頼りないコンソロールも悪評しか聞きませんでしたしRrドアトリムにしても見慣れない形状から嫌われる傾向の方が強かった感じです。
↓独創的な工夫のされたインテリアだったのですが……
インパネは先代がまだ70年代特有の目線の高さが気になる覆いかぶさるような形状だったものから80年代らしいスッキリとした目線が低いFrの見切りが良いデザインに変更されています。
先代ではメーターフード等にオリジナルとスタンザでやや意匠違いを採用していましたがT11は全車共通デザインでコストを抑えます。
↓スタンザFX1800SGLのインパネ
後のB11サニーにも相通じるデザインは素っ気なさを感じますが嫌味がなく視点移動も少ないあ配慮があり長時間の運転でも疲れにくかったのでは?と感じさせます。
ただ、これはT11に限りませんがインテリアの質感は日産の場合、トヨタ、三菱、マツダの比ではなくいかにもプラスチッキー!
まだ珍しいプッシュ式空調S/W等の先進装備もありますがこの安っぽい質感が全てを台無しにしているのが惜しいですね。
これは前回も記載していますが内装担当の下請けメーカーの技術力の差があり経年変化による色褪せも日産は早く当時のウィークポイントでT11もご多分に漏れませんでした。
(シャーシ、脚廻り、ドライブフィール)
シャーシ、脚廻り共に当然の如くFFで新設計、永らく基本サニーのシャーシを使いまわしたこの3兄弟、初めて専用シャーシが与えられています。
足はALLストラットの4独、振り返れば4独がないばかりにさんざんだったバイオレット、FF化によりようやくそれを手にしたと言う感じでしょうか(笑)
↓T11はコストが安くバネ↓重量も有利なALLストラットを採用!
この脚廻り+新開発CAエンジン+新時代を告げるラック&ピニオンにステアリングによるドライブフィールは現代目線で言えば残念ながら最悪です。
まずせっかくのラック&ピニオンが活かしきれておらずFFの悪癖を余計際立たせる効果はあれどシャープさは感じずやはりパワーアシストがないと辛いレベル、70年代のFF車(チェリーやスバル1000系)に較べればかなり弱まったとは言えトルクステアやタックインも充分認識させ「やっぱりFFだー」と。
これがほぼデビューが変わらないB11サニーですとかなり意識はせずに済みましたし2年後のU11ブルでは殆ど感じないレベルになっていましたからT11、煮詰めが甘い!としか考えられませんネ。
サスも性格上仕方ないのですがフニャサスは健在で先代からの進歩はあまり感じず4独になり逆にフワフワと落ち着かない印象、この部分こそ“欧州車”をもっと研究して欲しかったと感じます。
加えてCAエンジンのフィーリングは前述の通り!ワタシの経験したのはオースターJXのGT-ES、つまり最もスポーティに振られたモデルですらこの印象が鮮明に残っていますので他モデルは推して知るべしだと思います。
それではココよりモデル改歴に移ります。
※特別仕様、小変更など全ては網羅していませんのでご了承願います。
(81/6)
バイオレット・リベルタ/オスターJX/スタンザFX発売
(81/10)
「中級以下グレードでも質素過ぎる」と言う多くの意見から下級ながらエクステリアを充実させたテコ入れモデルを追加=『オースターJX1600CS-X』及び『スタンザFX1600/1800GLエクストラ』を追加設定。
(82/6)
深刻な売れ行き不振のためバイオレット・リベルタ、僅か1年で製廃となります。
これは販売店の扱いの関係もありリベルタだけになされたリストラ!
元々バイオレットから始まったこの3兄弟ですが少し意味は異なるながら結果的には“軒先貸して母屋取られる”状態(*_*;
パルサー販売店ではパルサーとオースターJXの、サニー販売店ではサニーとスタンザFXの棲み分けができており今後も拡販が望めるもブルーバード販売店ではブルーバードとの差別がはっきりしなくリベルタに存在意義を見い出せなくなったのが大きな要因ですね。
先代では1400も存在していましたがT11になりこれをカット、1600/1800となったリベルタはブルーバード910とモロに車格が被ってしまいただでさえ人気薄なところに稀代の大人気であった910に全て顧客は流れリベルタの売れ行き不振は深刻でありFF/FRの違いはあれど次期ブルーバードがFF化される事もあり初代からあまりいいイメージのなかったバイオレット(リベルタ)が犠牲になったモノでした…。
尚、“リベルタ”の名称は新車種である『リベルタ・ビラ』が入れ替りに発売されネーミングのみ継承されていますがビラはパルサーの兄弟車、型式もパルサーの『N』が与えられていますのでT11系とは別車種となりますからココでは割愛させて頂きます。
この施策によりT11系は販売店内に於いて全てに下級クラスを持つ事と整理がなされた訳でこの段階からオースターJX/スタンザFXの2兄弟に縮小となった訳です。
(83/6)
両車(JX/FX)共にMCを実施、後期型となります。
このMCでは一向に人気の上がらない両車の大整形を実施!欧州風のシンプルさが最大の失敗であると判断した日産はここで方針転換を行い教科書通りの日本人受けするアメリカン的味付けにチェンジします。
Frは丸いスラント、異形ライトをまとった先進的?な顔付は一新、人気の910ブルーバードをモチーフしたような絞りをなくし薄い角型ライトにバーチカル(直立)させ豪華に立派な印象に変更、Rrもテールラインプのみ大型としFr同様に豪華さをアピールします!
↓後期型オースターJX/スタンザFX(㊤JXセダン1600LE㊥FX3HB1800RX㊦FXセダン1800Z-EX)
この大幅整形、これは日産の立場としては“何とかしたい”の思いが痛いほど感じますが明らかに前期よりもおかしな方向に行ってしまいこれによりますます販売不振になったのも頷けます。
元々『丸』でデザインされた全体のスタイリングバランスを崩し頭だけ妙に豪華になりFrドアから後ろが別のクルマって感じでアンバランスの極め!Frをバーチカルさせた事によりロングノーズになりますがそれが目立ちRrが明らかに寸足らずの印象になってしまいました。
日産はかつて710バイオレットのセダンも視界の悪さが酷評され後期では頭そのままにRrだけファストバック→ノッチバックに手直し、販売回復を期待しましたがこの時もその取って付けたようなアンバランスさが余計に不評で回復どころか撃沈といった経験があるにも関わらずまた同じ失敗を!!何と言う学習能力のなさか!と当時ワタクシも嘆いたモノです(嘘!!…笑)
ここまで弄るならせめてRrもFr同様に絞りの形状を止めておけばまだ見れたのですがね、ただ、これができなかったのは4カ月後デビューするU11型ブルーバードのスタイルとウリ二つになっしまうからに相違ありません!
U11は売れに売れた910をキープしたスタイリングを採用、元々顔だけ910チックになった後期T11ですからU11のデビューでT11の命は終わったも同然でした。
U11は当然T11と変わらない角ばった立派な顔に後ろもピンと張り全体的バランスも910から継承して均整取れていましたしU11発売後のT11を買うユーザー、いたのか?って感じです(笑)
事実U11発売後はFrから見るとTかUか判断するのに苦労する程の似て蝶でしたしそれならお尻もピンとしたバランスいいナイスバディがいいのが人情ですしね^_^;
尚、このMCにて売れ行き不振のスタンザFXの5HBはカタログ落ちし代ってオースターJX3HBとボディを供用するFX3HBを設定、グレード編成も一部見直されています。
個人的にはこれ、悪あがきとしか思えませんでしたが…(汗)
(83/11)
ここからモデル末期の怒涛の新グレードを売れないヤケクソのように追加してゆきます、売れなさ過ぎてボディが余ってしまったか!?(爆)
まずはオースターJXセダンに1800GS-Xエクストラを追加。
(84/5)
オースターJXセダンに1600GSスーパーサルーン、1800GS-Lスーパーサルーンを、スタンザFXにセダン1800SGXエクストラを追加。
↓オースターJX、スーパーサルーン系追加時のCM画像
(85/1)
スタンザFXにセダン1600/1800LXサルーンを追加。
(85/10)
まずはオースターのみ4年4カ月ぶりにFMCが行われ3代目かつ最終型のT12型がデビューします。
↓3代目オースター(85y1800ツインカムターボユーロフォルマRtt)
(86/6)
オースターに遅れる事8カ月、5年ぶりにスタンザもFMCが施されオースター同様3代目かつ最終型のT12型がデビューします。
↓3代目スタンザ(85y1800スプレモ・ツインカムターボ)
このFMCにてサブネームが廃されA10以来の『オースター』『スタンザ』となっています!
以上にて“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第2弾!!はここまでとさせて頂きますがT11型3代目日産バイオレット・リベルタ/2代目オースターJX/同スタンザFXの総評を…
(総評)
本文でさんざん記載しました通り残念ながらT11は稀代の不人気車、販売不振車輛でした…
同じ不人気ながら歴代710、A10よりもその不信は深刻で80年代初頭から始まった小型クラスのFF化の先陣を切りなかなかの意欲作であった筈ですが全体的に煮詰めが甘くまた、エンジン設定の見誤りからなるカテゴリー選択の失敗は救いようがなく今でもこれを知る者は“FFセダンの最大の失敗作”と言わしめる程です。
煮詰めさえしっかりとしていれば決して目指した方向は間違いではなく大元(リベルタ)が僅か1年で廃版となる事もなかったでしょう。
数ある国産車、数ある双子三つ子モデルの中で大元が派生を残して消えると言う数奇な運命を歩んだT11、途中の大整形も含め意欲だけが空廻り、そしてBigネームのブルーバ-ドのご機嫌伺いを常にする哀しい、そして痛々しいモデルでしたがこの経験がFF転換に一早い行動を取った日産の指針にもなったと思いますし決してムダな存在ではなかった!と締めさせて頂きます。
“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る・『T11型日産バイオレット・リベルタ/オースターJX/スタンザFX』編……終
※次回は続いて『T12型日産/オースター/スタンザ』編を第3弾としてUPする予定です(^.^)/