
これもつい最近までは見かけた気がするんですがすっかり見なくなってしまいましたね~、バブル突入前の好景気時代、ハイソカーブームのおかげもあり大人気、例のキャッチフレーズが大きな話題を呼びこの高いクルマがあちこちに溢れていたんですが…
そんな今回のご紹介はコレですね!⇒『昭和61年(1986)7代目GS121型クラウン4HT2000ロイヤルサルーン・スーパーチャージャー(SC…グレードは推定))』!!
そう、“例のキャッチフレーズ”は余りにも有名で今でもクラウンを語る時に囁かれる《いつかはクラウン》
これ、名コピーですよね、30年近く経っても色褪せないコピー、庶民の憧れはいつの時代も“クラウン”をよく表す名コピーだと思います!
7代目MS/GS/LS120系クラウン、まだ3ナンバーと5ナンバーの秩序が守られいていた旧税制時代のモデルのため現車の2LモデルとTOPとなる2.8L(後に3L)はまだ差別化されず同一ボディ、バンパー他装飾で5ナンバーの境を超えるか否かという71年クジラMS60/70から継承した最後の時代のモノで次期130型からワイドボディ=3ナンバー専用ボディとなったのは御承知の事と思います。
クラウンは昭和30年、トヨタから本格的純国産の普通乗用車として発売以来常に高人気、下級に車種が時代を追うごとにデビューし昭和30年代後半には“高級車”の名を欲しいままにし2代目(S40)、3代目(S50)と順調に高級車の地位を確立、ライバルの日産セドリック、(プリンス)グロリア、三菱デボネア、いすゞベレルが続々デビューしながらTOPを揺るぎないものに固めます。
しかし4代目S60/70型=所謂クジラクラウンで失敗、セドリックに販売台数で抜かれたりしましたが5代目S80~100系にてクジラで落とした名誉晩回に成功、6代目110系の頃から好景気にも助けられ押しも押されぬ人気高級車となりそしてこの“いつかはクラウン”の絶妙なコピーの7代目のデビューとなりました!
クラウンというクルマは代々伝統を守り保守的な点が不動の人気の秘訣で唯一この掟を破り冒険?したクジラで大失敗をしているので8代目以降現在に於いてもこれを通すモノ、ライバルのセドリック→フーガが比較的時代時代に於いてイメージに新しい試みを入れてくるのに対し良く言えば安心感、悪く言えば古臭さをも感じるクルマですがこのクラスの購買層にはクラウンのやり方がウけセドリック(グロリア)はこういった慣習に捕らわれない若い年齢層に好まれる傾向にありこちらは値段の関係上中古になってから人気が盛り上がる、とういう現象が70~90年代には続きました。
そうは言いながらもクラウンもFMCではその度に確実に進化、あくまでも保守部分はクラウンとういイメージに関してだったのは言うまでもありません、事実この7代目S120もここまで後輪リジットだったものに対しセミトレ4独の脚を与えられたり(高グレード)国産初のSCのラインナップ、大排気量3Lの設定と先代に較べより高級度を高めています。
現車は出品票に記載はありませんが全体意匠からそのSCと推測、それまでの2L最高峰だった1G-GEU型TWIN CAM24エンジンに日本の乗用車としては初搭載となるSC付き1G-GZEが搭載されたモデルですね。
↓総合2、内装Cの外装Eは年式的に常識的評価!フレーム腐食やタイヤハウス穴が気になりますが…
1G-GZEのクラウンは昔友人が乗っていたのでよく借りましたが当時はまだまだ“ドッカン”だったターボに較べかなりマイルドな印象、元々メカニカルノイズの高い1Gに更に独特な音質が加わりますが決して不快な音ではなく乗り味も突然トルク特性が変わる当時のターボチャージャーとは違いフラットなパワーの出方がなかなか扱い易かったです。
現在、ターボチャージャーの進化によりSCの役目は終わったようですがNAに近い乗り味は捨て難い魅力があったと思います。
余談ですがこの時期日産は6気筒に新開発V6(VG20/30)がデビューした時でもあり同時にトヨタ1Gに大幅に遅れながらも新型縦6のRBが出た頃、トヨタは2.8Lや3Lが逆に日産の新鋭であるVGに較べ古いM型を継続しますがVGが初期のV6だったためか?結構ガサツさがありRBやM型の方がスムーズさは上、特に長き伝統(この時で既にデビュー20年選手)から熟成と進化、耐久力は1GやRBの比ではなく末期のM型(6M/7M)の重厚な乗り味が未だにクラウンのイメージとしてこびり付いています。
同じMでもTTC以後の2Lは補記装置のおかげで本来の実力は半減でしたがその後クラウンはJZ系(直6)→2/3/4GR(V6)とメインエンジンを変換してゆきますが近年のこれらエンジン搭載のクラウンに乗ってみてもM型の心地よい重厚さは感じずノスタルジック坊と言われようが懐古趣味と言われようが“M型こそクラウン”のイメージ、個人的には不変です!
↓見にくい画像ですがC評価の内装は痛みも少なそうですねー!
7代目120系は83~87年の存在、ハイソカーブームに支えられ4年のモデルライフを最後まで高人気を維持、最大の特徴は84年にマークⅡ4HTにフィートバックされて大きな人気を呼んだクリスタルピラーですね!
やはり人気の高かった先代M110系のイメージを継承しながらのスタイルは若干戦闘的?に変貌、スクエアなラインで構成されたボディラインは同時期のY30セドグロに較べ確実に先進的であったと思います。
前述の1G-GZE(85y~)、5M-GEU(~84y)、6M-GE(84y~)、M-TEU(~85y)、1G-EU、2L-T、2L、M-PU/3Y-PU(営業用)という幅広くエンジンをラインナップ、“いつかは”のコピー通り廉価用エンジンも多彩でよりクラウンオーナーを増やした要因でした。
MCは85yとなりこれを境に前期・後期と分かれています!
↓トランクフード右の TOYOTA CROWN のエンブレムの前に輝くバッジが“スーパーチャージャー”の証!
因みに現行S210系14代目クラウンでも名乗る“アスリート”(シリーズ)の名前はこの120から名付けられ以降クラウンの若向き?グレードとして約30年の歳月を経てすっかり定着していますね!
元が高いクルマです、当時かなり無理して買いその分大事に慈しまれてきた個体が多かったようでつい最近、エゴカー減税政策以前までは結構な数の120を見かけましたがそれ以降劇的に数が減りこちらも多かった次期130型と共に現在では滅多に見れないクルマになってしまいましたよね~!?
電子制御がかなり組みこまれた時代のモノですし残存車もさすがに金がかかる&部品が出なっくなってきているのもあると思いますがオク流通にも滅多に出ることがなくなりましたので久々の目撃、しかもそれなりの上質な120、今後の動態保存に期待です!
↓外装E評価の割には綺麗?下部は解りませんがボディに重大なサビや凹はないように感じます。
出品地は腐食が納得の札幌、落札額はまだこの型ですとプレミアは付いておらずようやく二桁っていうレベルです。
フレーム腐食がどの程度かによりますが距離も浅いですしフレーム加修に金かけてもクラウンマニアには感激のプライスではないでしょうか…。
青春時代に当たり前に見ていた120クラウン、ハチマルイベントに参加されているのを目の当りにすると「これももうそんなクルマになったんだ!」と感慨深いですがまだ何とかこうして稀に出ます、120クラウンファンの方には現在がまだ安価で求められる最後の時期かもしれませんね~(^.^)/
Posted at 2018/03/18 14:10:21 | |
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