
いましたいました!地元神奈川県でももう滅多に見れなくなった初代ジェミニ、オークションに出てくるのも1年に1回あればいい感じでしょうか…
初代ジェミニ、1974年デビューですからもう40数年経過、初期物なんてもう実働はいないんでしょうねー、個人的には初期物が一番スッキリして好きだったんですが。
小規模メーカー(乗用車に関して)の宿命でいすゞはどのモデルも長寿、ベレット、117、ピアッツア、フローリアンとどれも10年を超える長生きでしたがこの初代ジェミニも1987年迄、実に13年に渡りFMCせずいすゞの基幹車種として君臨、90年代迄は通常のモデルチェンジサイクルは4年でしたんで普通の3倍は生きると云う…それでも長い期間ですから極力陳腐化を避け年次改良を始め新エンジンの搭載やビッグチェンジを繰り返して最後まで基幹車種として一定の売り上げを確保していた姿は立派!そうした対応も90年代には立ち行かなくなりいすゞは乗用車撤退の道を選び現在に至る訳ですがいすゞの乗用車って気骨があり何気に独特な味付け、新機構、独自の考えの足回りを訴求するなどある意味とても面白さがありこれは古くはベレット、最後の191系ジェミニまで継続、玄人好みのシブいクルマを造るなかなかのモノだったんす、そんな味を知る世代ももうアラフィフ以上?今の30代以下が乗ってもなかなか乗りこなせないかもしれない、そんな”職人気質”のクルマなんて現代皆無ですからねー。
な訳で今回取り上げるのはそんな長寿初代ジェミニの大きく分けて4次改良型とも云える最終型となります!
⇒『昭和57年(1982)初代PF60型ジェミニ1800ZZ-R』!!
現存する初代ジェミニで恐らく一番多く残ってるであろうZZ-R、こいつは正に”漢”仕様のジェミニNo1のハードモデル、当時のカーマニア、スポ車好きの心を射止めた人気モデルでした。
ZZは現車のハードモデル-R、豪華仕様の-Tが79年に追加、80年にRとTの中間を行くZZ-Lを設定し全3種のラインナップ、117クーペのG180W型DOHC EGI 135psエンジンを搭載、元々ジェミニはグローバルカーで当時提携していたGMやその傘下の各国のメーカーでそれぞれのネーミングにて販売、その殆どが1.2~1.4Lクラスの日本で言う大衆車カテゴリーながら日本=ジェミニは900㎏台の軽量に1.6L(後に1.8Lも追加)を載せた事により動力性能はただでさえパワフル、そこに1.8LのDOHC搭載ですからその実力はもうじゃじゃ馬レベル、これはいすゞに勤める友人がかつて乗っており良く借り出して峠遊びなんてしましたがまずは無敵、当時最大のライバルだったランタボA175Aは手強いながらランタボのターボラグを狙いその間隙を縫ってTOP入れば後は腕次第、ジェミニは足回りがいすゞ独特で当時はあまり採用のなかったFrダブルウイッシュボーン、Rr3リンクという形式、Rrがパワーの割に頼りない部分がありましたが強化し乗りこなせばリジット独特である路面追従性の悪さを逆に生かす意図的な滑りが面白いように決まりコーナーではランタボより深く突っ込めこんな部分でも負けナシ!それでもランタボがMCでI/C搭載した後期型ターボにはもう加速の時点で追いつけなかったですが前期135ps時代のランタボとはイイ勝負ができましたねー、懐かしい若き日の思い出w
↓74年発売時のジェミニ、当初は前任のいすゞメイン車種「ベレット」の名を冠し「ベレット・ジェミニ」と名乗りました。
歴史の長いジェミニ、簡単に改暦を言えば74年セダンとクーペで登場、77年に最初のMCで丸目を角目に改良、79年ビックチェンジにて顔付を従来の逆スラント→スラントとしZZを追加、ZZは丸目、他は角目にて二つの顔を主張、同時に往年のヒルマンミンクス以来の女性訴求モデルの『ジェミニ・ミンクス』を設定、また、当時乗用車最小排気量となる1800ディーゼルモデルも登場。
81年に異形ライトを採用しインパネを全面改良、83年ドアミラー採用と大雑把に分けるとこんな感じ、勿論これ以外にもエンジンの改良などが行われています。
そろそろ現車ですね(^^;)
82年モデルですから外観的にはスラント&異形ライトの最終型、ドアミラーは後に付けられたものでしょう、R点で内外はそれぞれC,D評価、このテのクルマで35年経過としては極上と言っていいでしょう。
↓走行が12万㎞オーバーながらG系エンジンは頑強、但し補修部品は絶望なので如何に調子を保つかが課題!
最近で言うエボのGSRに対するRS的存在のZZ-Rですから当時競技や走り屋にさんざん弄りまわされた個体だらけの中、この個体はそうした形跡も感じません、ただこの時代の個体はどうしても錆に弱いですしワタシも少ないとは言え最近見るPFジェミニはサビが廻って酷い状況になりがち、下回りやサイドシル、プレスの合わせ目などを要注意で確認したいモノです。
↓C評価の内装はかなりイイ状態、快適装備皆無のZZ-Rのキャビンは男の仕事場雰囲気満点!
↓最終型ではインパネが全面改良され最新(当時)のトレンドが採用されています!
ジェミニというクルマ、先記のように車格は大衆車でしたしそのカテゴリーとしても中は狭い、同時期のカローラやサニーに対しても劣りますし後席はセダンであっても窮屈、これは以降2代(いすゞオリジナルとして)に渡るジェミニにも共通でファミリカーとしてはこの部分では失格、その分非DOHCやディーゼルに於いても走りは元気で特にPF前半は排ガス規制で他車が青色吐息の中で存在感を示していました、しかしクドいですが中はとにかく狭い、足元の余裕のなさは現代の軽の方が倍くらい広い感じでしたよ、これに乗るといつもその狭さに閉口したモンです(笑)
↓ボディ、サビまでは画像では分かりませんが比較的綺麗な状態を伺わせます!
ZZ、中でも-Rは80年代車ながら60年代の味を残す最後のモデルって感じで最終まで支持されますが時代がこのクラス、FR→FFと移行する中、ランサーEXや80系カローラ同様に一般訴求モデルがFFとなった以降も暫く生産が続くほどスポーツマニアには愛されますが87年にその長い幕を閉じFFモデルに移行、一端はハードモデルのZZは消滅するも88年、FFのJT190系で新開発の4バルブDOHC 4XC1型エンジンを搭載して復活した時はもう拍手モンでしたね、神奈川県民としてはwww
↓復活のZZにはハンドリングbyロータス等いすゞらしいシブいモデルを設定
出品地は意外にも関西地区、マツダが当時関東で弱かったようにいすゞは関西で弱かったんですがねー、販売店さえ関西は少なかったので浪速にいすゞファンが存在した事でまず感動ですわ(^^;)
落札額、イイ値段しています、旧車ショップに並べば3桁は間違いない、そんな落札額ですね!
↓サビ対策→半レストアまですると3桁間違いないZZ-R、ローダウンとワタナベが一段と渋みを増しています!
非常にマニアック度が高いPFジェミニ、これはさすがに頭デッカチの知障や旧車ホイホイ、漫画太郎(分かる人向けwww)にも偉そうに知ったかで語られる事もないし恐らく今回イイね!とかPVも少ないでしょうがいすゞ車はそれでエエ!玄人好みのいぶし銀モデル、こうしたスタンスを貫くかつてのいすゞ乗用車に乾杯って感じで振り返ってしまいましたわ(^^♪
Posted at 2018/02/11 14:42:00 | |
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