
三菱500→コルト600→コルト800/1000F/1100F/11
↓
→→→コルト1000/1500/1100/1200・1500
と取り上げてきましたがこの段階ではどれも残念ながら“DOWN”車ばかり…Σ(゜□゜)
この時代、世間での三菱車の評判=「頑強でパワフルながらデザインは野暮ったくてトヨタ/日産の敵に非ず」という感じだったようです。。。
し!しかし!…
そのイメージをガラリと根本から覆すモデルが69/10(=発表 発売は69/12)に誕生した『コルトギャラン・ギャラン』であり今回はこのモデルを取り上げます。
※派生モデルの『A5♯型コルトギャランGTO』『A6♯型ギャランクーペFTO』にも便宜上触れますがGTOに関しては後述理由で詳細割愛します。
-------------------------------------------------------------------------------
【A5♯型コルトギャラン/ギャランL】=(初代ギャラン)
『A5♯型コルトギャラン』は『コルト』のファーストネームが示すように従来型の全てのコルトのFMC版となります、コルト(三菱500)としては3代目ですが今も現役の“ギャラン”を名乗る記念すべき初代モデルとなります。
69/12発売の新世代セダン「コルトギャラン」(前期AⅠカスタム)
↓Rrビュー(前期型AⅠスポーツ)
コルトギャランは何と言ってもそのスタイリング!
60年代後半~70年代前半に流行ったアメリカ発でボディ後端がコーラの瓶のように盛り上がる“コークボトルライン”を三菱流にアレンジした派手な“ダイナウェッジライン”を採用、当時の提携先である米、クライスラーのアドバイスもあったとされる鋭角的直線美を前後の逆スラントで締めるこのラインはそれまでの三菱にはないスポーティかつ最新鋭の美しいデザインであり発売と共に大人気を得ました!
このスタイリングにより永らく“DOWN”だった屈辱を瞬く間に“UP”車に駆け登り後年は三菱の屋台骨をがっちり支える看板車種に成長、初代コルトギャランのスポーツイメージが後年でもギャラン=スポーツセダンの印象を踏襲していました!
尚、このコルトギャランは三菱史上で初代ギャランΣ/Λに継ぐ人気・販売を記録しているとの事です。
↓カスタムLのインパネと室内、サイケなミニスカのお姉さんもウットリ(笑)
余談ですがコルトギャラン発売時、それまでトヨタ派のカーキチ(死語!?)オヤジもこのスタイルに魅せられて近くの三菱販売店に行き即決でAⅡGSを購入しておりトヨタ車で慣れていた我が家で初めての三菱車のある暮らしを迎えました。
それまでのカローラに較べドアを閉めると“バーン”と鉄板丸出しの音が響いていたのが新鮮で今も鮮明にあの開閉音を憶えています。
この頃はクソガキなので横に乗るだけでしたが後年ギャランはあらゆるモデルに乗りこの初期型は所謂“ギャラン・ノート”と言われる独特な排気音が心地よく今でも《イイ音ベスト5》に入るのでは?と思います!!
さて、コルトギャランの概要ですがこれまでのコルトシリーズよりやや車格をUP!
ボディは4ドアセダンとこちらも商用ながら流麗なバン(2/4ドア)のラインナップ、エンジンは1300と1500の2本立てで1300をAⅠシリーズ、1500をAⅡシリーズに設定、車種の少ない三菱ですのでAⅠをカローラ/サニー、AⅡがコロナ/ブルーバードをターゲットとしていました。
全体的にスポーティ度の高いモデルでしたが最高峰AⅡGSは旧コルトスポーツセダンやコルト11SSを継ぐ伝統のスポーツグレードで丸型連メーター、ディスクブレーキ、ツインキャブエンジン他当時のスポーツモデルとして常識装備は全て備えた本格的なモデルでした。
↓最上級AⅡグランドスポーツ(AⅡGS)と同インパネ(タイトル画像も同一)
特徴としてはライバル他社に較べ格段にスポーティな味付けでこれはハンドリン&操縦性、エンジン、各部デザインの味付け等全てに於いてライバルを上回り玄人受けするモノ、この時代の最もスポーティでサファリラリー優勝と言う輝かしい記録を持つ510ブルーバードと乗り較べても何ら遜色なくかえって街中では三菱独特のロングストロークエンジンで俊敏でしたねー、“カチッ”と気持ち良く決まるシフトもよりドライブを楽しくしてくれました!
快適装備はお馴染「チルトステアリング」とポールがなくトランクそのものがラジオアンテナの役割をする「リッドアンテナ」を新たにに装備しラジオ受信時の風切り音を無くしています!
特筆すべきはハンドリングで後年のGTOで専門家にも評価高かったのシャープさは既にこのコルトギャランで完成していた感アリのバリアブルレシオ式ステアリングでラック&ピニオンには敵いませんが軽い中にもしっかりとした、シャープで素直なハンドリングはこの時代では考えられない軽さとクイックな反応で自分の腕が1歩上がったように感じたユーザーも多かったのでは?と思わせるほどの好印象でした!
エンジン他主なモデル概要は次の通り。
(サイズ)
:全長4080全幅1560全高1385ホイールベース2420(以上mm)
(車重)
855kg =AⅡGS
(エンジン)
AⅠ =4G30型 水冷 直4OHC 1300cc 87ps 最高速150km
AⅡ =4G31型 水冷 直4OHC 1500cc 95ps最高速155km
AⅡGS=4G31型 水冷 直4OHC 1500ccSUツインキャブ105ps 最高速175km
(駆動)
FR
(ミッション)
4速MT/3速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:リーフリジット
(グレード)
AⅠ:STD、DX、カスタム、スポーツ
AⅡ:カスタム、カスタムL、カスタムL-AT/GS
中でもコルトギャランの為に新開発された4G3系エンジンは“サターンエンジン”とこの時から始まる三菱天体シリーズエンジンの元祖で先記のように特徴的なロングストロークの俊敏さとギャラン・ノートはファンには未だに語り継がれ三菱の名機となっています。
↓今や“名機”と言われるサターンエンジン(4G31型シングル)
発売と共に大人気となったコルトギャラン、翌70/5にトヨタが火を付けた流行の2ドアHTを追加します。
セダンの全高を抑えセンターピラー&ドアサッシュレス、セダンのセミファストバック
をよりRrを寝かせた手法は既にトヨタのコロナHTやマークⅡHTで見慣れたモノですがコルトギャランHTもこれによりスタイリッシュさにより磨きをかけて若者に熱い注目を集めました!
HTは1500AⅡのみの設定でカスタム/カスタムL/GSの3グレードを設定。
↓70/5~流行のHTボディも設定
しかしコルトギャランのスポーツマインドはHTだけでは終わらず70/10には今や名車の一つに数えられる『コルトギャランGTO』をコルトギャランベースのスペシャリィティカーとして発売、ギャラン系の数多い派生モデルの元祖の存在となります。(GTOの詳細は割愛します→興味とお暇がおありの方は
【燃えろ!20世紀のガチンコライバル列伝!!!…1(前編/後編)】を見てやって下さい(^^;) )
↓コルトギャランのスペシャリティカー「コルトギャランGTO」
その後の改歴は71/3~71/9にかけてMCが行われ後期型になります。
まず71/3にHTのFrフェイスを変更し丸目4灯化→71/8にHTをMCしテールも変更、エンジンを前年発売のGTOと同一の1.6L 4G32型サターンOHC シングル100ps/ツインキャブ110psに換装、インパネを新デザインに変更、これに伴いAⅡのシリーズ名を16Lに改称しています。
71/9にはセダンもMC、HT同様にFr/Rrの意匠変更、インパネ変更、シリーズ名及び一部グレード名の改称が行われます。
セダンはAⅡがHTに準じ16Lシリーズへ、AⅠは4G30型のスケールUP版である1.4L サターン4G33型OHC 92psを搭載し14Lシリーズとなっています。
↓後期型HT16L GS
↓後期型HTのRrビュー
↓後期型(セダン)14Lカスタム
↓後期型セダンのRrビュー
↓“ダイナウェッジライン”はバンでも採用されお洒落な商用車でしした!
(後期型4/2ドアバン)
尚、このMCよりネーミングから永年親しまれた『コルト』が消滅、エンブレム他からこの文字が消えここから正式名称が『三菱ギャラン・Lシリーズ』となります。(但しGTOには最終型77yモデルまで『コルト』のエンブレムが残っていました!)
排気量UPにより全体的にそれまでのスポーティ路線に加え高級感も味付けされ特に新デザインのインパネは木目基調で立体的な豪華なイメージとなっています。
↓新デザインのLのインパネ
72/9、TOPモデルのGSには5速MTが設定されGS-5となり73/1、ギャランGTOが1.6LのM(MRを除くⅠ/Ⅱ)→1.7L Xシリーズに格上げになった関連でHTのGS-5のみGTOのツインキャブモデル、XⅡと同一となる1.7Lサターン4G35型OHC ツインキャブ115ps(ハイオク、レギュラー110ps)に換装しています。
73/3、50年排ガス規制に一早く対応した三菱独自の排ガス規制クリアモデル=CAⅡシステム搭載の「16L-CAⅡ」をセダンに設定、これは実際に“低公害車”としての認定は受けていないながらも次期型ギャラン→75y以降に強化される排ガス規制に対応したパイロット的先行モデルでした。
尚、忘れてはならないのが旧コルト1000/1100Fから始まった国際ラリー(サザンクロスラリー)への挑戦です!
コルトギャラン・ギャラン・GTOでも引き続きこれに挑戦、72yの第12回同ラリーにギャランセダン16L GSとGTO17XⅡを各2台を送りこみ同じ日本の日産勢(ブルーバード510SSS/610SSS/フェアレディ240Z)と激戦を繰り広げた結果、67yに同ラリーに参戦以来初めて16L GSにて総合優勝を飾っています!!
この活躍が後年のランサーGSR→同2000ターボ→スタリオン→ギャランVR-4→ランサーエボリューションと発展し“ラリーの三菱”を印象付けた第一歩でありました!
↓サザンクロスラリーを疾走する初優勝車16L GSラリーカーと三菱オート
ギャラリー所蔵の同車
以上のようにスタイリッシュなデザインとスポーティな走り、ワイドバリェーションで人気を得た“UP!!”車、初代コルトギャラン/ギャランLは好評ながら三菱の政策により発売4年を待たず73/6にFMC、2代目となる『A112/114/115A型ギャラン』となります。
2代目ギャランは後に廻し時系列的におかしくならないうちにココからは派生モデルの『ギャランクーペFTO』に触れておきます!
-------------------------------------------------------------------------------
【A61/62/63型ギャランクーペFTO】
ギャランクーペFTO(以下FTO)はコルトギャランベースのスペシャリティーカー、GTOの弟分として71/11に登場しました。
70年に発売されたGTOがDOHCエンジン(MR)を持つ本格的GTカーであり上級スポーツと位置付けたのに対しFTOは三菱スポーツのエントリーモデル、ギャランHTよりも低い年齢層をターゲットとし価格もこれらより抑えた今風に言えば“ライトウェイトスポーツ”的な存在です。
パワートレーンや脚廻り、外板のドアやボンネットはギャラン/GTOと共用、全体的にこれらより小さめサイズのボディ、搭載エンジンも1.4Lのみでギャランシリーズの末弟という立場でした!
但しこちらにはGTOとは違い当初から『コルト』ノネーミングは与えられておりません…
FTOの概要は下記の通りです。
(サイズ)
全長3765全幅1560全高1330ホイールベース2300(以上mm)
(車重)
835kg =GⅢ
(エンジン)
4G41型 水冷 直4 1400cc 86ps
4G41型 水冷 直4 1400cc SUツインキャブ95ps
(駆動)
FR
(ミッション)
4速MT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:リーフリジット
ギャランとの違いはエンジン、新開発のサターンではなく商用系に搭載されていたエンジンを改良し搭載、こちらは“ネプチューン1400”と謳われていました。
グレードはSTDに値するGⅠ、普及型GⅡ、スポーツグレードのGⅢの3種のみ。
↓ギャランシリーズの末弟として登場した「ギャランクーペFTO」
(前期型GⅢ)
↓GⅢ用4G41ツインキャブネプチューンエンジン
FTOはギャランやGTOより短い全長でスタイリングはやや寸足らず、しかし破綻なくうまくまとめその小柄なボディからツインキャブのGⅢは相当のジャジャ馬だったようです。ワタクシは後期GSRやSLのドライブ経験はありますが前期ネプチューンのFTOは経験はなく乗った経験がある人間に聞くと後期サターンよりもまだがさつなエンジンながらパワフルさは充分だったとの事です。
FTOのスタイリング上での最大の特徴がRrビューにあり横から見るとファストバックバック、後方&斜め横から見ればノッチバックと言う三菱が言うところの“ファストノッチ”にありスタイリッシュさと後方視界の確保を兼ね備えたデザインでした!
しかしテールフィンを持つ独創的スタイルはその後トヨタ初代カリーナHT(A1♯系)に見事にパクられ兄貴分のGTOのダックテールもセリカLB(A2♯系)にこれまたパクられれるという、三菱ファンとしては兄弟してトヨタにやられ(しかもパクった方が売れたし…怒)地団駄踏む思いを少なくともワタクシ周辺はしていました~。
FTO、インテリアやインパネは独自路線でGTOやギャランとは別のデザインでした。
インパネデザインはGTOで話題となった8連メーター&フライトコクピットは採用されず大人しめのイメージでした。
↓FTOのインパネ
その後の改歴は下記の通りです。
(73/2)MC
ギャランシリーズがGTOを含め上級移行に伴いFTOもこれに準じます。
上級でお馴染のサターン1.6L 4G32型(シングル100ps/ツイン110ps)の1600シリーズを追加設定、従来の1400シリーズもエンジンをギャラン14Lのサターン1400(4G33型92psに換装し一部に5速MTを設定します。
尚、グレードも改められワイドバリェーション化、(1400)EL/GL/SL-5(1600)SL-5/GS-5/GSRとなりシリーズTOPの1600GSRは兄貴分のGTO-GSR同様にワイド扁平ラジアル、オーバーフェンダー、ハーダーサス(GSも含む)にて武装しその俊敏さは軽量ボディとパワフルツインキャブサターンで街中ではGTOを以上の速さを持ち、最大のライバルでDOHCエンジン搭載の27レビン/トレノに何ら遜色ない走りを提供してました。
先記のようにGSR、ドライブ経験ありますがこれはホントにジャジャ馬でおもしろいクルマでした!また、下級1400SLでも軽量ボディが物を言い峠等では10年落ちでも当時の最新鋭DOHC車に十二分についていける実力がありました!!
↓後期型最強モデルの73/2~ 1600GSR
↓GSRのRrビュー、“ファストノッチ”が最大の特徴!
(74/10)
保安基準改正によりGSRはオーバーフェンダーレスとなります、この為GS-5はカタログ落ちとなります。
↓74/10~最終型となるオバフェンレスのGSR
(75/3)
後続ランサーセレステに譲って製廃
ギャランFTOはオバフェン付GSRが出た頃が一番の“UP!!”期でしたねー、初期はGTOに、最終では併売となった後続セレステの影に隠れ目立たなくどちらかと言えばオバフェン時代(73~74y)を除いては“DOWN”だったと思います、但し後年このFTOも見直され今では三菱傑作車、名車の一つに数えられています!
それでは長々恐縮ですが本流の『ギャラン』に戻ります↓
-------------------------------------------------------------------------------
【A112/114/115A型ギャラン】
73/6、3年半にてA50系ギャランからFMCし2代目ギャランとしてデビュー、CM等で大々的に“NEWギャラン”と謳われた為、通称“エヌジー→NG=NEW GALANTの略)”と呼ばれています!
2代目ギャラン(以下NG)の最大の売りはこのモデルから上級車にステップUP!!した点です!
これはライバル各車もこの頃に上級にグレードUPしておりA50系ギャランが登場した頃、1200~1400級だったカローラ/サニーは1600まで拡大、1300~1600だったコロナ/ブルは2L級まで上昇、旧A50系が大衆車で成功を納めたギャランは激戦化する2Lクラスに肝入りでしかも早急な勝負をかけるべくA50系から3年半でこれに呼応、NGは車格を1ランク上げ従来14Lが受け持っていた大衆車市場は新車種『ランサー』(A7♯型)に任せて撤退しています。
↓73/6、2代目になった“ニュー・ギャラン”(前期型1600カスタム)
↓前期型HT2000GSⅡのRrビュー
NGの概要は下記の通り。
(サイズ) 全長4200全幅1615全高1375ホイールベース2420(以上mm)
(車重) 980kg =セダンGSⅡ
(エンジン)
1600シリーズ:サターン4G32型 水冷 直4OHCシングルキャブ 100ps
1600MCA :サターン4G32型 水冷 直4OHCシングルキャブ 97ps
1850シリーズ:アストロン451型 水冷 直4OHCシングルキャブ 105ps
1850GS-5 :アストロン451型 水冷 直4OHCツインキャブ 115ps
2000シリーズ:アストロン4G52型水冷 直4OHCシングルキャブ 115ps
2000GSⅡ :アストロン4G52型水冷 直4OHCツインキャブ 125ps
(駆動)
FR
(ミッション)
4速MT/3速AT
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:リーフリジット
(ボディ)
セダン/HT/バン=エステート
上記から分かるようにホイールベースはA5♯と同一、つまりシャシは旧型を継続、外板もFrのドアは旧型の改良型で基本は同一であり言葉悪いながら旧型にハリボテ風ボディを載せ車格を上げたといった感じですかねー、早急なFMCだったので準備期間が足りずこのような短期間開発可能な手法をとった模様です。
スタイルも旧型のイメージは残しながら車格に相応しく豪華なイメージを演出する為にシャープなラインが身上だったボディラインを丸味帯びさせ、良く言えば重圧感溢れる、悪く言えば贅肉がついたようなボッテリしたスタイルとなっています。
上級モデルのGSⅡのみ独自のスポーテイなグリルを持ちますが全体的に彫が深く高級感を意識した顔付、テールも旧型の挑戦的なモノではなく柔和な印象のデザインでした。
搭載エンジンもボディの大型化に合わせベースグレードの1600が旧型ではTOPだった位置からアンダーに据えられサターン4G32(ツインキャブは廃止)を継承、そして上級には新開発で“アストロン”のネーミングが与えられた1850と2000/同ツインキャブが搭載されています!
ツインキャブは4G32時代のSUからストロンバークに変更、これもあるのかアストロン系はサターンに較べるとトルクは太いながらシャープさは劣りサターンの鋭い吹け上がりは体験できません、しかし下からのモリモリトルクで廻さなくとも結構俊敏でワタクシがかつて乗っていたGTO-GSRはこの4G52ツインキャブを搭載しており信号GPではまず負けない実力がありNGの場合GTOより僅かに軽量(GTOは1t超)でしたのでその佇まいとは裏腹な俊敏さは備えていたと思います、NGの4G52ツインは経験ありませんが中途半端で?みたいな排気量、1850は経験がありこれでもストレスない走りはしていましたので当時~後年言われた“鈍重なNG”はあくまで外見だけのイメージだと断言できます、もちろん旧A5♯系には比較できませんが決して「遅い」クルマではありませんがNGになりラリーの参加もランサーにその地位を明け渡していますのでこと“走り”の部分ではイメージダウンもあったかもしれませんね・・・
しかし余談ながら「1850」には子供心に笑えました、何故に1800か1900にしないのか?また1900だったとしたら2000と変わらんしいらないよね?みたいな不思議オーラのある排気量で後続の初代Σにも生き残ってましたがどれだけ売れたんだか???
親切/嬉しい装備は旧来のコルト時代から続くチルトステアリングに加えこのクラス初のシート・ランバーサポートも設定、「リッドアンテナ」も継承!
尚、旧型末期に追加された50年規制対策モデルは「MCA=三菱クリンーエア」を与えられ1600MCA-Ⅱとして継続し時は飛びますが74/9に正式に三菱初の50年排ガス対策適合モデルとなっています!
高級感を増したスタイルやインテリアはどことなくやはり贅肉が付いたブルーバードU 610型に似ていてブルもですがNGもこの時代=走り、またはそのイメージが一番重要視された時期、旧型からは一気に人気/セールスも文字通り“DOWN!”してしまいその不名誉な印象は70年代の不人気車の1、2を争う程のモノでしたねー。
旧型があまりにインパクトがあったのと急激な肥大化に市場が拒絶反応を示した様相です。。。
↓インパネやインテリアはより豪華になってはいたが…
(㊤GLⅡ㊦GSⅡ)
NGの改歴は次の通りになります。
(74/11)
MC、GSⅡのFrフェイスはそのままに他グレード及びGSⅡも含めたテールの意匠を変更し後期型になっています。
↓後期型セダン/HTのGSⅡ
↓後期型セダン1600GL MCA
↓バン(エステートバン)はAピラー以降は旧型と同一ボデイ
↓同時期のギャランGTO(2000GSR)
(75/2)
MCを施しても一向に人気回復とはならないNG、ここで三菱はNGテコ入れの為、新バージョンを投入します!
これまでその大きく重く、豪華に鈍重というイメージが災いしてジリ貧人気になっしまっている点を見直し新たなシリーズとして「ギャランGT」というモデル設定がおこなわれました。
GTは北米輸出NG(クライスラー・プリマス)のFrマスクを装備、オーバーライダーに太柄ストライプでスポーティさを強調したエクステリア、黒ベースや限定ながらデニム地柄をあしらったインパネ/インテリアを持つNGとは別隊になるモデルで「GT」はグレード名ではなくあくまで「ギャランGT」という一つのモデルでありこの中でグレードが設定され「1600GT-DX/1600GT-SL5」がセダンHT共にラインナップしていました。
しかしこんなこだわったギャランGT、メーカーの意図したようにはユーザーには受け入れられず既存NGよりも販売的には失敗だった様子、ワタクシもこれを見た記憶Dラーの展示モデル以外はないような(・_・;)
そもそもGTOとの棲み分けや分かりにくいグレード設定、オリジナルの丸目4灯の顔付から丸2にリ・デザインされておりこれがスポーティと言うより安っぽく見えてしまう感じが個人的にそれこそNG(ノー・グッド)でした(笑)
↓途中追加された「ギャラン1600GT HT SL-5」
(75/4)
2L 4G52型エンジンがアストロン80に換装、これは三菱が開発した低振動/低騒音エンジンでクランクシャフトの2倍の速さで回るサイレントシャフトを2本内臓、これをクランクシャフトの両側に配置し振動を打ち消し4気筒ながら6気筒、8気筒の静けさとフィーリングを実現する来る80年代(アストロン80の80=80年代を表す)に備えた新エンジンとして鳴り物入りでデビューしています、確かに低振動は認めますが6/8気筒の静けさというのは誇大広告かな と。。。
尚アストロン80になってもスペックには変更ありませんでした。
(75/10)
全車がMCAシステムにより50年を飛び超え51年規制適合化、1600MCA-Ⅱもここから1600レギュラーモデルになります。
これにより混合気の濃いツインキャブの1850と2000(GS-5/GSⅡ)は一時カタログ落ち、同時に1850 4G51シングルが2000同様にアストロン80となっています。
排ガス対策により補器類に力を取られ全エンジンとも軒並み出力ダウンが余儀なくされ1600 4G32が100ps→92psへ、1850 4G51シングルが105ps→97ps、2000 4G52シングルが115ps→105psとなっています。
(76/2)
一時中断していたツインキャブモデルが復活、但し2000のみでGSⅡ=4G52型ツインキャブが再ラインナップされます!
125ps→115psのパワーダウンと排ガス対策補器類による車重増で未対策の走りは大幅にスポイルされながらも従来通りのスポーツ車の証“ツインキャブ”にての復活は三菱ファンに朗報でした!
この時期トヨタや日産が2L級では次々にツインキャブを諦め電子燃料噴射に鞍替えする中で最後まで(53年規制)三菱はツインキャブで頑張りキャブフィーリングを大切にするユーザーには好まれました、うちのオヤジもこうした時代遅れで燃料噴射には目もくれずにツインキャブの三菱を追い掛けていました~。
(76/5)
セダンが次期型となる新型車、『A121/122/123A型ギャランΣ』にFMC、ギャランとしては3代目、Σの初代に代替わりします。
尚、HTはΣに2ドアモデルの設定がない為、継続生産されています。
(76/12)
セダンに遅れる事7カ月でHTも次期型となる『A123型ギャランΛ』にFMC、NGはこれにて全て製廃され正規にΣ/Λに代替わりしています!
↓76/12より後続となる3代目ギャランは『Σ』㊤と『Λ』㊦に分離!
このように他社ライバルが排ガス対策の混乱もあり通常のモデルライフ(4年)を大幅に上回り継続する中、あまりにも不人気の為NGはセダンで3年、HTでも3年半でお役御免となります。
旧コルトの“DOWN”状態からA5♯系で急激な右肩上がりで“UP!!”、そしてNGで急降下のジェットコースター人(車)生のギャラン、さて次期モデルは如何なモノでしょうか? お楽しみに!
(次回ギャランΣ/Λ・ギャランΣエテルナ/ギャランΛエテルナに続く)