
珍車シリーズ、前回は化石?でしたが今回からそれ以前に戻りまた“普通のクルマ”です(^^ゞ
今回は同じモデルを2台まとめてご紹介!これもかつてはかなりの人気車で巷溢れてましたねー…
車型(ボディバリェーション)が豊富だったんで営業用~ファミリー用・兄ちゃん姉ちゃん、あらゆる人種が乗り回していましたっけ!
⇒(513)『昭和61年(1986)6代目B12型サニー1500DX』!!
⇒(514)『昭和63年(1988)6代目B12型サニー305 X』!!
ご存知トラッドサニー!このモデルもこれまで何台かご紹介しましたが最近ではとんと業オクに出てくる事もなく久しぶりの発見!!
バブル前の景気上昇期、これも腐る程走っていましたがあれだけいたのにどこ行った?って感じでスッカリ見かけなくなりました、同時期の80カローラも同様ですがB12後期と被る90カローラはそれこそかなりの評価で未だに輸出に出る位ですがサニーはこのような特典?もないのでやはりエゴカー減税の犠牲になった感じ(=_=)
しかしB12、前作であり初のFFだったB11がそれまで小気味いいFRの代表的存在だった歴代サニーが軽快な走りとスクエアな外観で3代目B210を除き過去3代が専門家も認め今も名車に数えられる秀逸で玄人好みなクルマだったところいきなりのFF化でそれまでのイメージを失い大失敗?となりましたからね、その反省を含め再びスポーティ&シンプルさを取り戻し当時「おぉ、サニーらしさが還ってきた!」と思ったものです。
いや、B11も悪いクルマではなく新開発E型エンジンで軽快さは維持していたのですが当時まだFFが異端児という最後の時代、ハンドリングなどにその悪癖もあり310までのいかにもFRといったサニーのドライブフィールとあまりにもかけ離れてしまいスタイルもサニーらしくないモッサリ感があり多くのファンはガックリ感が大きかったんですよね~。
ただ、歴代のサニーvsカローラでは大体サニーはよく言えばシンプルで軽快感があるスポーティな大衆車とうイメージ、カローラは内外共に贅沢さを感じさせる高級志向で1グレード上?を意識させる造りでしたが反面悪く言うとサニーはいかにも華奢で安っぽい、カローラは重々しく鈍重なイメージ…
どちらを選ぶかはユーザーの好み以外何者でもなかったですがこと走りに関しては今回取り上げるような普及グレード/廉価版の所謂“普通のモデル”では絶対的にサニーが有利!軽いボディと特別なチューンがなくとも軽快に回る歴代のA型/E型エンジンは常にカローラの同条件のエンジンより元気でしたしね、70年代の両車の対決ではハンドリングやサスの煮詰めもサニーが上だったと断言できます!
勿論、カローラにもDOHCのGTやレビン、SRなどハードモデルが存在しこれにはサニーも適わないながら“飛び道具”を持たない同士であれば楽しいのはサニー、ファミリーユースとしてはどちらも互角でしたがね、この類のモデルですと二の次になる“走り”の部分では間違いなくサニーでしょう…
さて、出品車を見てみましょう!
まずは513弾…
現役時代ならありふれたおもしろくもおかしくない低グレードの1500DX、容易に営業車、社用車で走り回っていた残像が皆さんにもあると思います、現在のシルフィみたいな感じ!?
↓総評3、内外Dは年式なりの評価、AC不良が痛いかな?他にも年式並みの不具合は多いですね!
しかし30年近く前のいかにも営業用に使われた?感じのサニーが走行9万km台とは少走行、とっくに潰しになっていてもおかしくない感じながら機関等は部品次第でまだまだ生きれそうですネ!
この出品車は残念ながら内装写真がありませんが画像の限りシートカバーも掛けられておりシートの状態は期待できそう、ダッシュの切れという記載が気になりますね、この時代の日産車、特に内装のプラはトヨタやマツダ、三菱に比較して弱いのが特徴だし…
↓経年変化のヤレは伺えますが凹や大傷はない様子です!
B12がデビューした時、先代は個人的に非常に苦手だったのでワタシ好みのクリーンでスクエアなボディになってかつてのイメージのままのB12には時めいたモノです(笑)
ただRrビューなんて当時は単なる太古車であるブル510みたいでしたしペキペキ調のスタイリングもカローラに較べたら非常に古めかしく70年代を彷彿させましたが懲りすぎて?失敗こいた先代B11や上級T11(スタンザFX、オースターJX、バイオレットリベルタ)の反省を活かし原点回帰したのが大成功に繋がりました!
↓B12デビューは85年、85年に70年のデザイン?が大成功した“温故知新”のいい例でしたネ!
フェンダーミラーがシブいこちらのセダン1500DX、出品は東で落札は意外に?はサニーに失礼ですが解体価格を上回り桁ながら出品店さんは充分黒字を達成でメデタシ×2(^^)
低グレードという事で素地バンパーやミラーがUSDM愛好マニア向けって感じかな?とにかく落札&生き残り、良かったです!
お次は514弾…
こちらは珍しいHBモデル!HBは先代B11の時代から途中追加されたおよそサニーらしくない?モデル、B11の時代はBDファミリアの全盛期でしたのでね、当初B11はHBのクーペとセダン(とワゴンのカリフォルニア)のラインナップでしたがあまりのブサイクさで売れずクーペはモデルライフ途中でカタログ落ち、これのリリーフがファミリア、そしてこれを追撃するトヨタのタコⅡに遅ればせながら照準を合わせた2BOX HBを追加した訳です。
しかしB11セダンベースの急造品であるHBは完成度が低くファミリアは勿論、タコⅡやシビック、ミラージュといった当時人気の2BOX達には歯が立たず撃沈、そこでB12FMC時により完成度を高めて仕切り直し的にラインナップしたものでした。
元々対ファミリア~には本来2BOX HBを元々ラインナップしていた格下パルサーの担当ですがファミリアのあまりの人気にサニーも刺激された感じ、これはトヨタですらカローラⅡだけではなくカローラFXをデビューさせ対ファミリア戦略を高めていたのでね、如何に当時のBDファミリアの強さが若い方でもイメージ頂けるのではないかと思います。
さて、そんなB12のHBは若者対象らしく気取って?「306」(1600)、「305」(1500)、「303」(1300)というネーミング、因みに復活のクーペは「RZ-1」とされセダンとカルフォルニアのみが従来から踏襲しています。
出品車はそんなHBの後期型、B12は85~90年の5年もモデルライフで後期は87年~となっていました。
先代HBに較べるとデザイン全体が非常にバランスが取れておりスポーティなイメージ、B11HBは丸っこいセダンの頭に無理矢理にBDファミリアやAL10タコⅡっぽい直線デザインのお尻という非常に個人的には首傾げるスタイリングだったのでB12でようやくライバルの土俵に乗れたか?という感じでした、ただ時既に遅しで市場は既にサニーHBを受け入れる事はなく次世代B13型の時にHBは消滅しましたが…。
出品車は88年のX、時代的にHBモデルはスポーツグレードが多かった中での素グレード、これもHBとしてはあまり見かけた記憶のないモデルです。
↓R点、内外C評価、走行は10万kmに乗っていますが程度はそこそこ良さそうです!
大体素グレードの白い305(303)というのが個人的感覚ですが殆ど見た記憶がない!
HBは86年に追加された306=スポーツモデルが殆どだった印象で306Rtや306TWINCAMNISMOの白イメージは鮮明にあるんですが少ないながら素グレードはやはり原色!ってイメージがあるのはワタシだけでしょうか…
エアロで武装した白い306はそれなりにカッコ良かったですがネ、白の素グレードのHB、やはり営業用にしか見えない感じで(^_^;)
↓C評価ですがなかなか綺麗な室内、B12もこの時期の日産らしいペキペキ絶壁インパネでしたが好きなデザインでした!
予断ですがサニー→ティーダになりそのティーダも消滅、今はノートやシルフィが代替わりとなっていますが『サニー』のネーミング、一時復活なんて噂もありましたがどうなったんですかねー、ティーダはどうでもいいですが我々世代には『サニー』は特別な思い入れがあるネーミングなんで何とか復活を期待したいです!
ん?シルフィがいる間は無理?輸出版ではサニー時代の『セントラ』は継続してるんで何とか国内版もサニー復活の方が日産のためにもいいような気がするんですが…!?!?
↓こちらもボディは綺麗です、この個性的なテールランプは割りとお洒落で好みでした!
思えばB12が最後の?華やかなサニーだったかもしれません、セダン、クーペ(RZ-1)、HB、カリフォ、トラックに別名となるADバンと幅広いバリエーション、1.3L~DOHCをも含む1.7LDeまでの数機種のエンジン群などまだまだサニーが日産の屋台骨をブルやセドリックと共に支えていた時代、次期B13で前述の通りHBとトラックを失いB14を経て最終B15ではセダンオンリーになってしまいましたからね、まぁ、セダン文化の衰退が大きな要因ですがカローラもですがあらゆるユーザーにこれ1台で対応する!といった気合を感じさせた時代、懐かしい。。。
↓アンバーのウインカーとなり高級度合いを高めた後期型のフェイスもなかなかセンス良かった!
こしらも東からの出品、落札は残念ながら解体価格以下、やはりオーソドックスなセダンとは比較にならない不人気さは現役時代同様ですかナ?(汗)
いずれにせよもうかなり少なくなっているであろうB12型サニー、次オーナーさんが可愛がり長い生涯になる事を期待したいです(^_^)v