
“あのクルマの系譜”その18、今回は日本の名車として1、2の評価を持つスバル、旧富士重工の『スバル360』を先祖に持つプレオに焦点を当てます!
惜しまれながら2010年、軽自動車生産から撤退したスバル、トヨタグループ入りから現在も継続販売されるプレオはかつてのライバルであるダイハツミラのOEMとなっておりこのOEM版とはクルマとしての脈略は当然皆無、従来のスバル製軽の代替えユーザーを主にラインナップされている現状です。
しかしプレオは現行ミラOEM版が2代目、初代は自主生産でスバリスト達には評価も高く有終の美を飾ったと思えます…。
かつてはスバルの顔そのものだったスバル製軽乗用、その系譜を辿るべくプレオの歴史を振り返ります!
【現行2代目プレオ(プレオ+=プラス)】

(プレオ 2010~2018)

(プレオ+ 2012~現在)
・プレオ/同+ともダイハツミラ/ミライースのOEM供給モデル。
・ヴィヴィオ以来の軽セダンに回帰。
・2010年OEM供給→販売、2012年にミライース発売によりプレオ+を追加(環境対策・極低燃費仕様モデル)。
・2018年にミラ廃盤によりプレオも廃盤、ミラがミライーズに集約されたのと同様にプレオ+に集約化。
・ボディは3HB/5HB、3HBには商用バンもラインナップ(バンはプレオのみ)
・駆動はFF/4WD ミッションは5MT/4AT/CVT 搭載エンジンは水冷直3 660cc。
【初代プレオ】

(1998~2010)

(R1 2005~2010)

(R2 2003~2010)
・プレオは先代ヴィヴィオとは一転する軽乗用の主流となったハイト系にチェンジ、スズキワゴンR、ダイハツムーヴ、三菱トッポ、ホンダライフ等から比較して最後発のトール系となる。
・スバル360から続く軽セダンの立ち位置は2003年発売のR2、2005年追加のR1に譲る。
・車台は先代ヴィヴィオを第二次新規格軽サイズに拡大させて採用。
・2010年のスバル軽自動車撤退により最後のスバル軽となる。
・ボディは5HBのみ、5ナンバー乗用と4ナンバー商用(節税、業務向け)をラインナップ
・エンジンは水冷直4 660cc、NAとスバル伝統のS/C(スーパーチャージャー)を搭載。
・駆動はFF/4WD、ミッションは5MT/ECVT。
・2007年以降プレオは商用モデルのみに整理、乗用は後発『ステラ』や『R1/R2』に一旦集約、ハイト系としての代替わりをステラとし以前の軽セダンへの回帰にて2代目プレオへバトンタッチとなる。
【ヴィヴィオ】

(1992~1998)

(T-TOP 1993)

(ビストロ 1995~1998)
・従来の『レックス』からのネーミングチェンジ、バブル期設計という事もあり軽自動車としては高品質で高い評価を得る。
・スバルらしく低重心、そしてドライバー優先の運転先サイズ拡大等が注目される。
・ボディは3HB/5HBと限定販売のタルガトップ(T-TOP)で構成、3HBには商用バンも存在。
・95年に追加されたビストロはクラシカル風味の意匠を訴求、クラシックデザインブームの先駆者であった。
・駆動はFF/4WD、搭載エンジンは水冷直4 660cc、ミッションは4MT/5MT/3AT/ECVT
・最上級のスポーツモデル『RX-R(RX-RA)』は卓越した性能から競技で活躍、ミニWRXとマニアから高い支持を得る、現在でもプレミア取引がなされる。
【3代目レックス】

(1986~1992)
・スバル360→R-2から引き継ぐレックスの3代目。
・搭載エンジンは~90年までは水冷直2 550cc、90年~水冷直4 660cc
・長らくスバル軽の顔であったEK型2気筒エンジンは新規格対応660ccとなるのを機に一基に4気筒化した新開発EN型となる、EN型には8バルブ/16バルブ、SOHC/DOHC、NA/SCと数多くのエンジンバリェーションが存在。
・ボディは3HB/5HBで構成、3HBには商用バン(節税バン=コンビ)も存在。
・駆動はFF/4WD ミッションは4MT/5MT/3AT/ECVT、ECVTは87年追加の日本初のベルトドライブ方式のATで話題を呼ぶも耐久性など後に不具合が続出、度重なる改良で現在の姿となる。
【2代目レックス】

(1981~1986)
・スバル360→R-2から引き継ぐレックスの2代目。
・360以来の伝統だったRR(リアエンジン・リアドライブ)方式を180度転換、スペース効率に優れるFF方式に大転換。
・搭載エンジンは水冷直2 550cc、ボディは3HB/5HBで構成、3HBには商用バンも存在、節税バンは先代のファミリーレックスからレックスコンビに名称変更。
・駆動はFF/4WD、ミッションは4MT/5MTにオートクラッチ。
【初代レックス】

(レックス360 1972~1976)

(スイングバック 1978~1981)
・先代R-2から名称変更し新時代のスバル軽を大々的にアピール、73年まではR-2と併売。
・360、R-2の保守的な2BOXスタイルを上級レオーネをイメージするロングノーズ、ショートデッキのウェッジの効いた先鋭的デザインとなる。
・搭載エンジンは水冷直2 2st360cc(~76)、SOHC同500cc(~77)、SOHC同550cc(77~)となる。これは軽自動車規格改正によるもの。
・75年以降、51年→53年規制適合(スバルSEEC-T)
・ボディは2ドアセダン(非HB)のみでデビュー後、4ドア(非HB)、リアガラスハッチ付き2ドア(スイングバック 78~)、2ドアテールゲート付き(商用バン、節税バン=ファミリーレックス)を順次設定。
・規格改正時、76年にボディを新規格に準拠しながらエンジンは暫定的に500ccとされこのモデルを「レックス5(ファイブ)」、77年以降はフルスケール550ccとしこれを「レックス550」とする。
・79年、商用バンの実質オーナードライブ訴求で大人気を果たしたスズキアルト47万円に対抗、レックスバンをオーナー訴求したファミリーレックスを追加、アルトに対抗した48万円という金額が話題となる。
・駆動はRR、ミッションは3MT/4MT、電磁式オートクラッチ。
【R-2】

(1969~1973)
・1958年発売のスバル360、12年約40万台の販売実績を残し初のFMCで「R-2」とネーミングチェンジ。
・てんとう虫の愛称で親しまれたユーモラスなデザインは一般的2BOXスタイルに変更。
・駆動はRR ボディは2ドア(非HB)とテールゲート付き2ドアバン。
・搭載エンジンは空冷2st直2 360ccをメインとし71~72年のみ水冷2st直2 360cモデルも設定、水冷「L」シリーズは72年のレックス発売で廃盤、空冷のみレックスと併売された。
・駆動はRR、ミッションは3MT/4MT。
・2003年の「R2」は名称復活ながらハイフン(-)が入らずR2は別車種としての扱い。
【スバル360(スバル450)】

(1958~1970)

(コマーシャル)

(最終型)

(ヤングSS)

(450 1960~1966)
・富士重工(当時)の航空機技術を生かして同社初の市販4輪車として1958年に発売、当時の軽自動車の水準を大幅に上回る性能、内容で大人気を博す。
・2016年、日本機械学会により機械遺産に認定された。
・40~50年代、当時2輪~3輪が国民の足を努めていたが360の発売により庶民に4輪車の普及を果たす、時の通産省が提唱した国民車構想にはやや外れるも60年代にその役割を果たし現在でも日本車の傑作として認知され根強いマニアに現在でも動態保管されるケースも少なくない。
・駆動はRR エンジンは空冷2st 直2 360cc横置き ミッションは3MTフロア。
・ボディは登場珍しいモノコック構造、2ドアでデビュー後コンバーチブル(59~キャンバストップ)、コマーシャル(59~商用でルーフは幌、後部サイドウィンドウをパネルごと開閉可能)、テールゲート付きバン(63~ カスタム)を順次ラインナップ。
・生産(販売)期間が長く3回のMC、大きく分けて4タイプの360が存在。
・1960~1966年のみ普通車登録となる450ccをラインナップ、エンジンと大型バンパー以外は360と同一、輸出用パワーUP版が主目的で国内流通は極少数。
・60年代後半のハイパワーブームに対応し若向きのヤングS、ツインキャブで36ps(標準は16psでスタートし68年スペックは25ps)にパワーUPされたヤングSSも68年~設定。
あのクルマの系譜・スバルプレオ編…
終