こんばんは。お疲れ様です。
「さっ、そろそろ行くか」俺は鏡に映った自分に言った。
いつも以上に気合を入れてセットした、リーゼントはバッチリだ。
鏡の隣のデジタル時計、に再度、目をやる。
1983年3月14日16時45分。今から家を出れば約束の17時にピッタリのはずだ。
事の起こりはちょうど1ヶ月前、バレンタインの事だった。
俺は、生まれて初めて、本当に期待できるチョコを手にした。
2月14日、家に帰ってポストを開けると、可愛らしい包みが入っていた。
メッセージはこう書かれていた。
「毎朝、よく会いますね、先輩は4月から神奈川に行って
しまうんですよね。私は、4月から地元の高校に進学します。
もう、会えないと思うと、とても寂しいいです・・・・・中森聖子」
稲妻が俺の身体を駆け抜けた。間違いない、あの娘だ。バレンタインエンジェルの登場だ。
毎朝、通学途中で、すれ違うちょっと大人びた中学生がいた。
どちらからともなく、よく目が合った。目が合うと微笑んでいるように見えた。
俺も、もちろん、微笑み返し。だた、高校生の俺が中学生に声をかける事は
俺の中の美意識が許さなかった。まっ、高校生となら有りだろと今回は
自分に言った。だって、カワイイ娘なんだから。
それから俺は、弟、妹のいる友人の人脈をフル活用して、
中森聖子の電話番号を調べあげ、3月2日に電話をかけた。
「らきあです、チョコ、プレゼントしてくれた、中森さんだよね?」と、俺。
かなりビックリした声で、「あ、はい、電話もらえるなんて思ってなかったから・・・」と中森さん。
「14日、お礼を渡したいから、会えないかな?あまり時間取らせないし、
14日、17時、田島町歩道橋の下で、待ってるから」
勿論、中森さんの返事はオーケー。
そして今が、14日16時45分。あと15分でバレンタインエンジェルとご対面だ。
愛機、ホンダリード50はセル一発。俺を乗せて軽快に走った。
あんな事、こんな事、色んなことを妄想しながら。
待ち合わせ場所に5分前に到着。マイルドセブンに火を付ける。
シブク煙を揺らす俺、少し離れた所にそれらしい人影がこちらに向かって来る。
来る、予定の行動だ。。。。。。。。。。
のハズなのに。。。。。。。
俺はわが目を疑った。またしても稲妻が俺の身体駆け抜け、、、、、、、
○×▽□☆★、、、、、、、、、、
「中森さん?」
「はい、今日は有難うございます、会えて嬉しいです」
会話は予定通りだが、相手が全く違うのだ。
そこに居たのは、見た事もない、○○○○な娘であった。
一応失礼のない会話をし、クッキーを渡した。
必死に作り笑いをしながら、、、、、、、
「じゃ、お互いに4月から新生活頑張ろう」と笑顔でその娘を見送った。
俺のバレンタインエンジェルは何処に行った?微笑み合ったのは嘘か?
ってか、最初からそんなもんは居なかった、って事だ。
雪の世界の恋だから、春風が溶かしたのさ。
俺は今日、また一つ学んだ。
都合のイイ解釈は事故のモト、だという事を。
そして僕は途方にくれた。。。。。。
車、全く関係無い話で申し訳ありません、でした。
バレンタインの苦い思い出、実話です、私のアホウな。18歳と数か月の。
皆さん、明日は素敵なバレンタインデーを迎えて下さい。
Posted at 2017/02/13 21:22:31 | |
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