
この12月3日~11日に東京ビッグサイトにて
開催されていた、第42回東京モーターショー2011に
初日の3日と4日に行って来ました。
前回はマツダブースのレポでしたので、
今回はトヨタブースでございます。
今回のモーターショーの目玉はトヨタ86とスバルBRZですので、
トヨタブースはやはり最も来場者が集中していました。
おとなりのダイハツブースは2階建て構造で、
来場者が2階から周囲を見渡す事ができました。
そこからトヨタブースを見てみると、↓のような感じでした。

右の画像はデジカメの30倍ズームで86のところを撮影したものですが、
見事に黒山の人だかりで、ハチロクは屋根しか見えませんでした。
開場直後と閉場前の夕方くらいの時間帯しか、
まともにハチロクを見る事はできなかったですね。
そんな訳で、今回最大の目玉モデルの「トヨタ 86」です。

スバルがトヨタの傘下に下った頃から噂されていた、
「トヨタ・スバル共同開発スポーツカー」が、
ついに量産モデルとして公開された訳ですね。
この会場に展示されていたハチロクはこの1台のみでした。
続いて、この12月に販売が開始される、
海外では「プリウスc」と呼ばれるコンパクトハイブリッドカー「アクア」です。

パッと見のデザインはなかなかかっこ良いと思います。
ちょっぴりスポーティですし、実用性もあるパッケージングですし、
驚異的な燃費性能もあって、プリウスほどでは無いにしても、
これはかなり売れるんでしょうね~。
ホンダ・フィットハイブリッドやマツダ・SKYACTIVデミオは
サイズが近い事もあって、アクア登場で販売はかなり苦しくなりそうです。
↓グループ会社の関東自動車工業による「アクア・スポーツコンセプト」です。

こういうものを最近の関自さんは出してくるので侮れません。
これがトヨタブースに置いてなくて良かったですね。
アクア発売時にこんなものが一緒にラインナップされていたら、
確実に販売増に繋がりますが、これはあくまでコンセプトモデル。
似たようなエアロスポーツパッケージはあるかもしれませんが、
これがそのまま来る事は無いでしょうね。
特にランプデザイン等は、LEDのようなツブツブ感の無い均一に光るタイプで、
今回のショー出展車はどこもかしこも同じように採用してましたね。
iQをベースにしたEVモデル「FT-EVⅢ」です。

iQというクルマは本来こういう形で使われるべきコミューターですから、
EV化の恩恵も最も大きいですね。
iQ発売当時はEVのインフラも全く整備されていませんでしたし、
それは今でもあまり進んでいませんので、
まだまだEVコミューターが普及する環境ではありませんが、
家庭で給電できるプラグインハイブリッドカーも
これから各社から出てきますので、
徐々にですがEVカーは市場に出てくるようになっていくのでしょうね。
燃料電池車のコンセプトモデル「FCV-R」です。

えげつない程エグイ前後の彫りの深さとサイドののっぺり感。
トヨタのデザインレベルが相当落ちている事を痛感させた1台です。
ハチロクのデザインもかなり退化してましたが、
これはやり過ぎだと思いました。
しかもここまでやって存在感が全く無いのだから相当です。
トヨタがハイブリッドしか興味がない、と誤解されても仕方が無い1品でした。
…コンセプトカーって、デザインも含めてそのコンセプトが伝わるものじゃないのかな?
このFCV-Rをエンブレムとデカール無しで燃料電池車とわかる人が居たら、
その人はエスパーですね。
もう1台のコンセプトカー「Fun-Vii」は撮影すらしていません。
クルマのボディが好きな時に好きな画像を表示する、
クルマそのものがスマートフォンと化したモデルです。
はっきり言って悪ふざけとしか思えないモデルでしたので、
初日に撮影忘れてたのに気づいていたものの、
2日目でもあえてスルーしました。
近年のトヨタの作品の中で、最も絶望的なモデルでしたね。
まさしく中二病レベルでした。
MR-SをベースとしたGRMNスポーツコンセプトです。

市販予定の全くないモデルですので、
細かいところをどうこう言うのもどうかと思いますが、
おぼろげに見ればわりとかっこ良い感じがするものの、
細かいディテールはやはりトヨタのセンスに疑問を抱かせるものですね。
トヨタブースで撮影した画像はまだ他にもあるにはありますが、
あまり良い画像が無いので、クルマの画像はここまでです。

それにしても、今回のトヨタブースは
本当にどうかしていますね。
まず一番目につくのが
ドラえもんとのコラボです。
ブース全体がドラえもんを
前面に押し出しすぎていて、
トヨタの展示ではなくドラえもんの展示を
見に来たのかと錯覚しそうな程(大げさ)
またトヨタは今回のショーでパンフレットを
一切用意していませんでした。

展示車もほとんどプリウス系ばかりでしたし、
私は今回のトヨタのブースをひと通り見て思いましたが、
トヨタはクルマを売るつもりが無いのではないかと。
今回のモーターショーは何度も書いてますように、
トヨタ86とスバルBRZが最も注目度の高いモデルで、
これを見に来たという人もたくさん居るでしょう。
なのにトヨタは展示車両に関するパンフレット類は一切用意せず。
前回のモーターショーでも東京Walkerに用意させた
薄っぺらい冊子のみでしたが、今回はそれすら無く、
唯一読売新聞に刷らせた1枚の新聞紙のみでした。
トヨタ86にしてもそうです。
スバルを傘下に加えた時から噂されていた
「トヨタ・スバル共同開発スポーツカー」。
開発は実に4年はかかっています。
本来このクルマはインプレッサをベースに2ドアFR化して、
安くて気軽にスポーティテイストを楽しめる
若年層向けライトウェイトスポーツとなるべきでしたが、
実際に出てきたのは、そこそこに裕福な家庭の30代後半以降の
かつてスポーツカーに乗って走りを楽しんでいた層にしか買えない、
なんとも的はずれなクルマになっていました。
名前も安易に「ハチロク」にはしないと以前は言っていたのに、
手のひらを返すかの如く、「86」でした。
もう若い子はゲームや漫画でしか知らんよ。
でも「ハチロク」を名乗るにはあまりにも大きくて重いクルマですよね。
免許を取ろうとか若い人に買って欲しいとか言いながら、
実際には今の若年層の実情をまるで理解しておらず。
発売時期も完全に外してしまっており、
元々数が売れるクルマではありませんが、
更に売れにくいクルマとなって世に出てきましたね。
発売直後は話題性などで売れるかもしれませんが、
半年も経ては鳴かず飛ばずの、
かつてのアルテッツァの二の舞が関の山かと。
あちらはまだファミリーセダンだからいいものの、
ハチロクは実用性皆無の2ドアFRクーペ。
今の若い子には価格的にもサイズ的にも実用性的にも手に負えませんよ。
それを自覚しているのか、当のトヨタ自身が
この86を売るつもりがあまりなさそうで、
ショー会場に持ち込んだ86の実車はたったの1台。
画像にあるオレンジのモデルのみで、
ターンテーブルにも載っていないので、
外周を見てまわるには自分が歩いて回らないといけません。
この人だかりでまともに写真を撮るには、平日に来るか、
開場直後と閉場直前の時間帯くらいしかチャンスはありません。
同型モデルのスバルBRZはターンテーブルのステージに
つや消しホワイトパール1台、その近くに
実際に来場者が中に乗り込めるブルーメタが1台!
他にもレースモデファイ1台を用意し、
それらがメインステージから切り離された場所に配置され、
スバル自身はBRZをしっかりとアピールしていましたね。
メインステージに主役を上げずに、ブースの入り口近くに配置。
スバルは素直でまじめでした。
それに比べてトヨタは…。
同日開催されていたお台場のトヨタ・メガウェブでは、
86は同乗試乗車4台、店内にも展示車があったそうです。
なぜそれを1台でも持ち込まないのか。
メガウェブのイベントの宣伝を会場でしている訳でも無いので、
モーターショーの後にメガウェブへ行く人は
余程のクルマ好きだけでしょう。一般の人はまず知らないです。
個人的な意見をひとつ書きます。
このままでは、これからトヨタのクルマは
どんどん売れなくなっていくと思います。
それこそプリウス系(アクア含む)くらいしか売れず、
世界的にもトヨタの販売台数は落ちて行くと思っています。
作る側に居てその内情を見ても、それは感じていましたが、
昨今のトヨタのイメージと今回のショーへの姿勢から
より痛感しました。
仮にも日本最大の自動車メーカーで世界的影響力もあり、
日本の産業を牽引していく立場でこの体たらくでは…。
他にも色々今のトヨタに言いたい事はたくさんありますが、
これ以上はさすがにやめておきます。
私もトヨタ系に務める一員ですし、かつてはトヨタファンを自称していた身。
今でもトヨタの復権を信じたい気持ちで仕事していますが、
今のトヨタには不安しか抱けないですね。
辛い状況にある今の日本に、明るい光を灯すのは
産業界をリードしていく企業の責務でもあると思うのは、
乱暴な考え方でしょうか…。
…と変な方向へ行ってしまったので軌道修正しますね。
今回のトヨタはパンフレットを用意していないので、
代わりに読売新聞に用意させたチラシレベルの新聞紙1枚を
載せておきますね。

前回はリーマンショックに始まる世界不況の直後だったから
まだ理解はできるものの、今回は会場も都心に移して集客率も上がり、
自社に最大の注目モデルがあるにも関わらずのこの紙片1枚。
せめてハチロクを前面に押し出した冊子の1冊でも欲しかったですね。
トヨタブースでの動画を2点貼っておきますね。
・
東京モーターショー2011 トヨタ・86ステージムービー。
・
東京モーターショー2011 トヨタ・ドラえもん86ムービー。
ここからはお台場にあるトヨタのMEGAWEBにて、
東京モーターショー開催期間中に開催されていたイベントの一部です。

メガウェブではモータースポーツのイベントを行なっていました。
通りかかるまで知らなかったので詳細はわかりませんが、
私が見た時はラリーカーのイベントをやっていました。
ラリーカーのデモ走行や同乗走行とかの動画を少し撮っておいたので
貼っておきますね。
・
MEGAWEB12月4日ラリーデモ走行 その1。
・
MEGAWEB12月4日ラリーデモ走行 その2。
・
MEGAWEB12月4日ラリーデモ走行 その3。
・
MEGAWEB12月4日ラリーデモ走行 その4。
そんなこんなでトヨタブースの個人的レポでした~。
トヨタさんにはもうちょっと頑張って欲しかったですね。
トヨタは私がクルマ好きになる直接的なきっかけとなったメーカーです。
当時クルマに対して興味が全く無かった私が
クルマ好きになり、クルマに関わる仕事がしたくて
今のトヨタ系に転職した訳で、今でも自分の仕事は好きでやっています。
今の私はマツダファンではありますが、
だからと言ってトヨタが嫌いになったなんて事は全く無く、
むしろ今でもマツダの次に好きなので注目もしているのです。
それ故に今回の残念なショー内容に少し不満を書いてしまいましたが。
本当にトヨタには頑張って欲しいんですよね。
日本のクルマ産業が好転するにはトヨタの頑張りが必須ですし、
それが日本の経済の立て直しにも繋がりますし。
個人的な事を書くと自分の仕事も増えて収入増にもなりますし(^^;
もちろんトヨタのクルマだけが売れてはいけません。
かつての
インサイト潰しのような幼稚な真似をされても困りますし、
自分とこだけが売れればいいという事もやって欲しくない。
トヨタ車が売れて、引っ張られるように他メーカー車も売れる、
という風になれば良いのですが…。
日本産業界のリーダーとして日本の経済を立てなおしたと、
後の世で威張ってもいいくらいの事はして欲しいですね。
…トヨタへの想いの強さから、結局超長文になってしまいましたが、
ここまで読んで頂いた方ありがとうございました。
たぶんその3からはコンパクトにまとめると思いますので、
宜しければまたお付き合い頂けると、それはとっても嬉しいなって思います。
その3"レクサス&ダイハツ編"へ続きます。
【ろあの~くの第42回東京モーターショー2011レポ シリーズ】
・その1"マツダ編"
・その2"トヨタ編” ←今ココ
・その3"レクサス&ダイハツ編"
・その4"スバル&スズキ編"
・その5"日産&三菱編"
・その6"ホンダ&その他編"
・その7"その他諸々編"