
ハイブリッド車のメリットって、なんだろう。と悩むことが時々ある。
妻のクルマ選びの候補車であるフィットシャトルならば、1.5Lとハイブリッドがあるが、私個人は1.5Lの1択だと決めている。
確かにハイブリッドの低燃費は魅力的。しかし、燃料費の差額と税制優遇でハイブリッドとガソリン車の価格差はX年X万キロ以上乗るなら元が取れると考えるのは、ちょっとおかしいと思う。
世間ではいたるところで「低燃費」の文字が躍って、テレビCMでの連呼で
「ガソリン代が安く済む=低燃費」であり、
「低燃料費」の略で捉えている人が多いように思える。お得だから買っちゃえ、と。たしかに低燃費が個人の懐事情も助けるけれど、
低燃費は「低燃料消費率」の略であって、
「燃料消費が少ない=運用時の環境負荷を減らしている」が根幹なはず。
TOPGEARのジェレミーがしばしば、
「プリウスはわざわざカナダから電池の材料を日本に運んで、加工して、英国に運ばれる。これのどこがエコなんだ!」と叫んでいるが、私個人は製造過程での移動距離がプリウスの問題ではないと思う。
フォードモンデオだって、アメリカで組み立てられたATがメキシコで作られたエンジンと合体してベルギーに送られて、EU各地から集まった部品や材料とともに組み立てられて完成し、英国に運ばれたり、日本までやってきている。ハイブリッドに限らず量産クルマの製造はワールドワイドな部品運搬なしに成立しないので、ジェレミーの理論ならほとんどのクルマが不効率極まりない事になる。(しかし、製造時の物流移動距離は各メーカーもなんとかしようと知恵を絞っている筈で、いつかは改善されるだろう)
プリウスも含めて今のハイブリッド車、EV車の問題は1点に限られると思う
『廃車する時のリチウムイオンバッテリーの後処理をどうするかが社会で統一できていない事、そのリサイクル技術が確立していないこと』
各メーカーで電池の回収指針はあるけれど、メーカーが責任を持って最後の処理まで面倒をみる義務があるわけではなさそうだ。現行のリサイクル料金はエアコンガスやエアバッグの処理が中心なので、ハイブリッドとガソリン車で差が大きいわけでもないし。
HV,EVの廃車から回収されたリチウムイオン電池は、全品がリサイクルされるわけでもなく、積み上げ廃棄されるものも多数出ることだろう。今回の被災で水没したHV,EVは、処理中に感電しないように扱われてはいるが、基本的に他のクルマと区分されることなく同様に積み上げ放置されている。リチウムバッテリーを外すにも車体が歪みすぎて取り外せないようで、車載のままの放置だ。電池内部に海水などの不純物も入り込んでいるだろうし、この夏の暑さで爆発はしないのだろうかと、少しだけ心配になる。
HV車は運用コストは安いけれど、保証期間を過ぎて故障すると意外に高価な交換電池代を請求されるリスクがある。そして、将来廃車すると決めたその時に、廃電池のリサイクルシステムと技術が出来ていることを祈っているのが現実だ。こういう状況では、積極的にHV車を選びたくないというのが私個人の考えだ。
それでもHV,EVの技術は必要であり、多くの車両が運用され社会システムや技術が発展・整えられるべきであるので、HV車を好んで選ぶ人に「やめた方がいい」と私から助言することは無いだろう。乗りたいのであれば止める筋合もない。
A)製造時の環境負荷とコスト
B)運用時の環境負荷とコスト
C)廃棄時の環境負荷とコスト
ただのガソリン車やディーゼル車でも、HVでもEVでもあろうと、クルマが作られてから廃棄されるまでのA~Cの負荷とコストは、割合の差はあれどもトータルしてしまえば大同小異なのかもしれない。結局のところ、クルマは環境を壊して走っているものなのだし。
まぁ、人間は生きているだけで地球環境を壊し続けているわけで、これはクルマだけの問題ではないんだよね。かといって文明を捨てて原始人並の生活レベルに戻ることなんてできっこない。 これから先、どこまで環境に気を使って生きていくことができるかは分からないけれど、環境に気を使わずに生きていくことだけはやらないように気をつけたい。
と、ここまで書いて、2サイクルのオートバイを多数もっている自分では説得力が無いなと気がついた・・・(笑
Posted at 2011/07/14 11:34:27 | |
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