今から2年前。モンデオからの乗り換えでは、燃費だけはモンデオよりも良いクルマを選ぼうと考えていたのに、屋根がガラスだからと買ってしまった2Lスーパーチャージャー。ATが1速増えるので高速燃費は期待していたのだが、どう頑張ってもモンデオよりも伸びなかった。燃料タンクが4L増えたので高速だけを走るのなら航続距離はちょっと伸びたのだが、ちょい乗りが多くなると当然モンデオよりも劣るかたちになってしまう。やはり車体が+100kgなのが効いているのだろうか。
あのとき乗換え候補だったのは、新車部門で3台。 いずれもモンデオよりも燃費は伸びるのが確定だったはずだ。
まずは
フォーカス2.0。内装の落ち着きの無さと、スポーツというグレード、直噴には成ったけど基本は変わらぬエンジン、英国と違う仕様故の故障情報と部品情報の少なさで脱落。 ついでに、モンデオGHIA→フォーカスSPORTSへのダウンサイジングは難しい感じがした。
そして、
アテンザ2.0。 モンデオから乗換えるには少々大きかった(長かった)のと、クルクルポンがまだ未装備だったこと、クーペの噂もあったことなどから脱落。
最後に、当時出たばかりだった
アクセラセダンは、セダンに2Lのガソリンエンジンが搭載されていれば(6MTなら更に)前向きに乗換えたかもしれないが残念ながら設定無し。ハッチバックの2L6ATに試乗して感じた鼻先の重さを思えば、シャーシの出来を含めてアテンザの方に分が有り、やはりアクセラセダンに2Lがあっても選ばなかったかな。
しかし、一時は200円超えも当たり前の時代が来るのかと怯えていたガソリン代は、想定よりも安価なところで落ち着きつつある。おまけに走行距離も伸びないので、燃費に拘りすぎずにスポーツクーペを選択したのは当たりだったかもしれない。結果オーライ。
で、12月にスポーツクーペの車検を迎えるわけだが、まずは継続車検をと考えている。
と言いつつも、アンテナは張らなければと、レネゲードを見に行って隣に停まっていたパンダ4x4に心惹かれたり、デカングーのシフトレバーがショートストロークでスコスコと面白いように変速できるのに感動したりもしていたのだが、先週フォードディーラーから届いた郵便で、コイツの特価情報を知ってしまった。
エコスポーツ。正直、出た当初から全く気にも留めていなかった車種だ。
届いたチラシは新型エクスプローラーの内容だったのだが、1枚だけ新型フォーカス、クーガ。フィエスタの案内チラシが有り、そのチラシの1/3ほどのスペースに
『エコスポーツ特別仕様車199.8万円&特別低金利0.1%』とひっそりと書かれていたのだ。車両本体価格246万円に13.5万円のオプションを付けてこの価格、なのだ。
出自が欧州で無いこと、エンジンがNA1.5Lな事、デザインがピンと来なかったこと、価格が割高な感じがしたこと、などなど、色々あるだろうが、とにかくノーマークだった。しかしながら、乗出しが国産のCセグ1.5Lクラス(と言うかアクセラ)と対等になるのなら、とても魅力的なクルマに見えてきた。
そもそもはじめて自分で買ったクルマはHR-Vの3ドアFFの5MT。雪国では最低地上高のある乗用車の使い勝手が良いことは身体に染みている。エコスポーツの南米発コンセプト「荒れ地をガンガン行ける軽量なFF車」は、道具として使い倒すにはジャストミートな気持ちが沸いてきた。受動的な安全装備もフル装備だ。(この受動安全装備の点で、新型エスクードやSX4は実に惜しい)
この前試乗して良いと感じたフィエスタ。強襲上陸艇から砂浜に上陸して、L85A1持ったパートナーを助手席に乗せたまま、砂浜を縦横無尽に走り回れることは知っているけれど、日本向けの仕様では、やはり最低地上高はもう少し欲しいし、もう少し荷物が積めないと私の営業車の日常使いでは厳しいトコロと感じている。
(上の写真は極端な例だけれど)こういう使い勝手ではフィエスタよりもエコスポーツの方が私の営業車としては好ましいに決まっている。(乗出し価格も20諭吉リストラできるしね)
そうとなれば気になるのは、
欧州フォードで無いフォードの乗り案配はどうなのか、と言うトコロ。(欧州以外のフォードはテルスターとフェスティバに同乗したことが有るだけ)
チラシをもらった翌週、免許書き換えで仙台へ向かったその帰り道、フォードディーラーにノーアポで立ち寄った。が、ショールームは無人だった(笑
ショールームではじめてマジマジと見たエコスポーツであるが、思っていたよりも鼻先が長くて荷室は短めなことと、横開きのリヤドアが厚くて重いことに気がついた。運転席のドアを開けて、サイドシルに貼られたラベルには、FORD INDIAの文字。
対応してくれたボルボのセールス氏経由で、出先にいたセールス氏と連絡を取っていただき、日を改めての試乗アポを入れて新型フォーカスを横目に撤収。
長い前説でしたが、本日、先ほど試乗してきました。
いざ、乗車して高めの運低姿勢をとれば、ボンネットがよく見える。Aピラーの死角は大きいけれど各方面とサイドミラーの視認性はとても良い。目に入るメーター、インフォパネルの液晶もシンプルで見やすい(切り替え方法は判らないけど)。オーディオは一見ではとっつきにくく電源OFFにするのはどうするのかでさえも判らなかったのだが、ボタンの多さは使い始めれば便利そうだ。アナログ時計が無いのも残念。
それでも乗ってしまうと、外観とは裏腹にまっとうな乗用車感が漂ってくるあたり、フォードらしくて良い。
早速走り出し、敷地から出る右折でウィンカーレバーを間違えた。あれ?フォーカスと統一していないのね(^^A; 乗り味として気になったのは、結構バタバタした足回り(特に後ろ足)なこと。試乗車の距離も熟れていないのだろうけど、HR-Vの後ろ足もこんな感じだったなと懐かしくなった。これは走行距離をこなすか、5名フル乗車なら案配が良くなりそうだ。
ぐるっと近所を一週してディーラーに戻り、ドアやらボンネットやら開けてみて、後席のフォールディングを試してみたり、細かいトコロをチェック。作りはしっかりしているし、細かいユーティリティも充実している。助手席下の物入れとか、日本車みたいだ。引き出しても20cmくらいしか無いトノカバーは要らないような気もするが、盗難の多い南米では必須アイテムなのだろう。全体的に質実剛健な感が漂う。
ショールームに戻ってコーヒーを頂きつつ、見積もりを頂く。青いボディーカラーにカーペットだけ付けて乗りだし230諭吉。安いッ! 車体色にメタリックで無い白を選べばさらに6諭吉減るそうだ。
お話を伺うと、この特価は春先くらいからやっていて、値引きするオプションの内容を色々交換しながら続いているとのこと。(バックソナーは標準だが)ルームミラーにモニターが映るバックカメラも選べる。
気になっていたNA1.5L+6DCTのパワーパックは、この車重なら十分なのだろうけれど、やはり5~60キロくらいから踏んだときの加速応答はそれなりに鈍い。高速道ではオートクルーズで走るよりも、シフトレバーをSにしておいて、いつでも任意にシフトダウン+加速できるようにすれば良いのだろうね。試乗中はずっとDのままで、1回だけアクセルを床まで踏んでみたけど、正直このクルマはチンタラ走るのが楽しそうな感じだ。
フィエスタほどカキッカキッと完璧に作られているわけでは無くて、エコスポーツは全体としての仕立てや作りがユルいのが好ましいのです。もう少ししなやかな足回りであれば、4人家族でのんびりとどこかの田舎道を走りぬけて目的地へ向かうのに最高でしょう。ガラスルーフがあれば更に魅力的だったかな。まぁ、南米の人はガラスルーフなんて要らないでしょうね。
国産Cセグ1.5Lクラスで絶対頂点のアクセラよりも、Bセグでは有るけどエコスポーツの方がコストフォーバリューと判断しました。
故障の頻度とDCTの耐久性については、神のみぞ知る、でしょうか。新車保証は有るので懐は痛まないでしょうが、ハズレを引かないことを祈るのみ。
個人的には、スポーツクーペが予算オーバーな故障が出た場合の緊急代替車としてはNo.1に挙げます。1Lエコブースト+6MTでガラスルーフだったら即買いだったかも。でも、その装備ではこの値段では出せないでしょうね。
~本日のまとめ~
・何処がエコでスポーツなのか、全く判らなかったのだけど、こういうクルマは良いですね。
・もし今以上の値引きが有るのなら、行っちゃうかも。さすがに家族が増えて次も2枚ドアでは・・・
・HR-Vが好きで、次のクルマが見当たらないという人にはエコスポーツはストライクなのでしょうが、最近HR-V自体が減りましたねぇ。たまに見かけると今でもシンプルなデザインの良いクルマだな、と思うのです。
・セグメントがひとつ上になりますが、トヨタのC-HRも期待してますね。ガソリン車は1.2Lターボ+MTなんてグレードが有ったら、尚更。
・デミオの1.5L6MT、レースベース車だけなのね。荷室を少しストレッチしたデミオカーゴが有れば良いのになぁ。
・マツダのクーペ、ロータリーなのか。残念。
・オータムジャンボはキャリーオーバー。こちらも残念。
・ショールームに展示されたままの青い2LフォーカスMK3。コレ、お幾らなんだろうか・・・