さて前ブログ
【製作準備編】からの続きとなります。
画像中心の結構長いブログになりますので興味の無い方はココらでお引き取りを。
このロケットストーブにおける、おおよその加工についてですが、画像入りで作業手順をまとめてみました。
【作業編手順】
① ペール缶(2缶とも)の蓋を開ける。
(難易度 低)
マイナスドライバーで缶蓋の留めをこじます。
この際下からではなく上から剥すとペール缶側面を痛めず綺麗に剥すことが出来ます。
中にオイルが残っている場合、ウエスなどで綺麗に拭き取り、最後はブレーキクリーナーなどで洗浄拭き取り。
② ストーブ下部のペール缶の加工、煙突用の穴を開ける。
(難易度 高)
不必要なハンドルをカット。
口径106の円をコンパスで書き入れます。
当然缶の外側にはペール缶のRが付いてますからやや大きめに(特に横面)はカットしなければなりません。
あらかたグラインダーで削り取り、最後は金切りバサミで細かくカットして内側に折り返します。
この様に折り曲げ.....
ハンマーで叩いて整形。
③ ストーブ上部ペール缶の下部を約30~40mmカットする。
(難易度 中)
油性マジックを台座に固定し、カットする部分をマーキングします。
マーカー部分をグラインダー等でカットします。
④ カットした底面のセンターに口径106mm以上の穴を開ける。
(難易度 中)
カットした部分の底蓋も再利用。
煙突を通す穴をセンターにカットします。
この蓋はヒートライザー断熱部のパーライトの飛び出しを防ぎます。
細かく切り刻み....
叩いてwww。
こんな感じで上蓋は完成。
⑤ ストーブ下部ペール缶に、煙突パイプを仮留めする。
(難易度 中)
煙突をセンターに付けるべく穴にはめ込みます。
⑥ 上下2つのペール缶をビスで繋ぎ合わせる。
(難易度 高)
今回8つの穴を開けて上部と下部のペール缶をビス留めとして繋ぎ合わせました。
ペール缶は下に細くなっているのでピッタリとは合いません。
8か所のビス留め以外の場所はハンマーなどで叩いて軽く引き伸ばしました。
水平器があると良いです。
⑦ 直線の煙突を差し込み、適当なサイズに切る。
(難易度 低)
鍋の置く位置を考慮してステンレスのストレート煙突をカット。
⑧ 煙突すべてをパテで繋ぎ合わせる。
(難易度 低)
燃料投入口も取り付け。
繋ぎ合わせの外部にステンレス製の二つ割でパイプを密着させます。
⑨ 缶内部にパーライトを充填する。
(難易度 低)
煙突にパーライトが入り込まないように蓋をします。
この作業、粉塵が舞い上がりますのでマスク着用の上、外での作業をお勧め申し上げます。
⑩ 上部30~50mmのサイド部分をカットする。
(難易度 中)
※鍋置きの際の空気穴。
凝った方は専用のごとく等を取り付けられておりますが、私らの目的は大鍋での『おでん』。
今回通風口としてペール缶上部のサイドに切り込みを入れました。
恐らく強度的にも問題無いと思われますが、火力が強いので、今後の経時変化を観察したいと思います。
必要あらば補強も考えております。
⑪ 継ぎ目にや吸引口にアルミテープを貼る。
(難易度 低)
ヒートライザーとして上昇気流を発生させるため、酸素の吸引口は狭く出口は大きく!が基本となります。
そのため吸引口は簡単に取り外し可能なアルミテープで蓋を。
また継ぎ目は塞ぐ必要は無いのですが、隙間からパーライトがこぼれてくるためアルミテープで目張りを行います。
⑫ 完成
燃焼実験ではある程度内部煙突内が暖まった後、軽く酸素を送ってやると『ゴォー』と言う音とともに勢いある火柱が上がります。
細かく砕いた薪は勢いよく燃えて煙も出ません。
なお酸素不足や燃料不足に陥ると煙が出て不完全燃焼のサインとなりますので、燃料を足して軽く空気を送ってやれば、また勢いよく燃焼いたします。
実際に水を入れての湯沸かし実験。
燃焼実験も兼ねましたので正確な時間は判らずでしたが、20分程度でかなり温かくなってました。
と、こんな感じで作業は進行いたしました。
※一人で無い限り並行して進行する作業もございますので、順序が逆転する場合もございます。
作業ですが3人であれこれ知恵を出しながらするのですが、やはり1基目は色々考えながらの作業となり結構時間がかかりました。
が、2基目は作業役割分担も出来てサクサクと進行しました。
これを一人で作るとなると割りと大変だと思います。
※特に缶を繋ぐ工程など。
またあらためて確認ですが、このロケットストーブの製作作業で一番キモとなる箇所は内部ステンレス煙突パイプの気密性です。 キーワードは、『ヒートライザー』!!、文字を直訳するとヒート(熱)ライザー(上昇器?)。
要するに熱で温まった空気の上昇気流を利用した燃焼効率の高い煙突
図解にしましたが、こんな感じの断面となります。
パーライトに包み込まれたストレートの煙突内部が温まる事によって更なる空気の吸引力が発生するのです。
なので煙突の断熱と長さはある程度あった方が良いとの事です。
この1号機を仮制作した着火燃焼実験で内部パイプにおける気密性の重要性が判明し、途中で車のマフラー補修用パテとステンレス製二つ割を追加購入いたしました。
あとの部分は少々粗削りな製作でもOKであると思います。
まぁ出来れば綺麗に仕上げたいものですがね。
こうして完成したロケットストーブ2基。
HEMUストーブプロジェクトにちなんで.....
愛称はヘムス1号と2号(笑)。
※1号は黒字のペール缶で2号は赤字のペール缶。
最終塗装を施したかったのですが、今回はこの状態で2月のイベントでのデビューを果たしたいと思います。
ロケットストーブ! なかなか面白い工作でした。
そして災害時などに少燃料で炊き出し可能なこのストーブ!
興味ある方は是非一度お試しください。
これでオフ会の楽しみが倍増したのは言うまでもございませんが、その反面常時2名の火守りが必要となりました。
ストーブを見たい&体感したい、また製作に興味ある方はこちらのオフ会に是非お越しくださいな!
※要参加表明
☆ HEMU'S BOOT CAMP ☆ Season2 真冬の耐寒訓練IN笠置キャンプ場
※スペシャルサンクス(ストーブ製作オフ参加順より)
snap-on氏、あっくす氏、和泉。氏、kotola-works氏、yasuma3氏、MACK&Hervy!氏、Bluestar氏