少なからず海に行く一人として他人事は思えない今回の事故。
私の知る限りでここ最近の船舶事故としては未曽有の大惨事とも言えるレベルだと思います。
まずは今回の事故でお亡くなりになられた方のご冥福と未だ行方のわからない方の1分1秒でも早い発見を祈念申し上げます。
まず先にお断りですが、この事故を伝えるブログではありません。
ただ今回の事故を見て私が四国に赴任してからだからまだ4年以内の間に、今回と形態は違えども似たような感覚の事を見聞きしたり体感しております。
まず事実は一つではありますが、断片的かつ客観的な情報をまとめると.....
1.過去近いところで2度の事故を起こしている。
2.船首にヒビが入っていた。
3.昼からの荒天にも関わらず出船。
4.難破したであろう場所は岩礁帯の可能性。
5.他の観光船との協議内容を無視しての出船。
6.経営が悪化しスタッフが大量退職。
う~ん....
遭難や難破と言う言葉で片付けられない.....
ほぼ人災では無いのか?と思うような情報の数々。
一つ一つ紐解くとコロナ渦による経営の悪化。
資金繰りの苦慮が汲み取れる反面、安全に関わる担保が殆どなされていないずさんな運航が読み取れます。
様々なサインが点灯していたにも関わらず起きるべくして起きたと言う感じです。
と言うのも結構近しところから『いつかは事故を起こすのでは?』と思われていたようですね。
で、今回の大事故を受けて胸の中にしまっていた事案を2つ書きます。
ちなみに海難事故って今回のような重大事故で無い限り、死亡事故であっても記事自体割と扱いが小さいです。
特に昨今は個人情報保護の観点から事故自体の個人や業者など判らない事が多いし、その後どうなったのか?など追いかけるのも難しい状況。
そんな中で一つ目は信頼できる筋から身近に聞いた情報、そして二つ目は自身が体験した内容。
一つ目は磯釣りで起きた事故の事例。
確か昨年だったかな?場所は愛媛県の日振島。
私もたまに行く場所です。
沖磯で釣りをしていた2名が高波にさらわれ1名は救助、もう1名の方(徳島県50代男性)が亡くなられました。
ライフジャケットはどちらも着用。
水を大量に飲んだのか、磯に打ち付けられたのか直接の死亡原因は判っていません。
まぁ一般的なニュースで出てくるのはここまで。
で以下内容、間違っていたら訂正ください。
狭い四国内で釣りをしているとこのような話題はすぐに広まり、どこそこの渡船業者など判ります。
で、結論から言いますと、その日の天候からすると他の業者が躊躇する場所にどうやら下ろしているようです。
恐らくウネリなどでは飲み込まれる低い磯なのかなぁ?
そしてやはり無茶してそこに付けたと!も聞きました。
あくまでも又聞きですので何とも言えませんが、基本的に遊漁など組合などで申し合わせが無い限り天候による出船の見合わせについては、ルールが無いようです。
日振島の渡船業者は複数存在し、出てくる港が違うところもありかなり複雑な瀬割(※)ルールがございます。
※瀬割 ~ 複数の業者で付ける磯を番号などで管理しその日の番号を割り振りするシステム。
あくまでも突発的な波による事故で自己責任とは言え同年代働き盛りの方が1名亡くなられたのはショックです。
この場合はどちらにどうとも言えませんが、いつも危険ととなり合わせである事はまちがいありません。
そして二つ目は昨年行った和歌山県中紀でのカワハギ釣りチャーター船。
その日は風速10m近い風に恐らく3m近い波。
普通の遊漁船なら恐らく前日の19時頃に中止の知らせが来るパターン。
しかしながら予約を入れてる問題の船。
商売が掛かってんのは判るけど、絶対に船宿側からキャンセルを言わないんだよね。
ちなみに船頭が『船を出す!』と言って『客が止める』と言えば恐らくキャンセル料の発生。
この辺りの流れが非常に難しいところ.....
で出船前に料金を先に集めた後、こちら船頭の第一声!
『今日は波が高いから、帰りたくなったらいつでも言いな!』と乗船前に言う始末。
もう酷いもんです(怒)。
爆風さなか船出すも、大型船は見えども遊漁なんて皆無、少ない数の漁船が港に戻る始末。
万一海に落ちたら多分1時間で意識を失うほどの気候と海況でしたからライフジャケット着用してても事故って落水したら私たちの命はまず無かったでしょうね。
とりあえず無事戻れましたが、この船は2度と乗らないと思いました。
そしてよくよく後から聞くとこちらの遊漁船、同地域内漁協からも当時『出船を辞めておけ』とあちこちから言われていたそうな.....
北海道の事故と同じでたまたま何も無かっただけなんです。
いやぁ、もはや釣りと言うよりも修業に近かったなぁ(爆)。
この時の幹事されたHさん。
可哀そうに同船者の私たちに平謝りでしたが、こう言った自然を舐めた船頭ってのも実はまぁまぁ居ます。
まぁね、商売の邪魔をしたくないけど、ここまで来ると必ずその内に大きな事故もするだろうし、例えば小さな子供が乗っていたらどうするんだろうね?とか色々と思うところございます。
その反面船頭にも生活が掛かっていますし、商売自体が天候相手の水物みたいなものですから、今回2つの事例はあくまでも私の主観としか書きようがありません。
思い出しただけでも気分が悪くなる2つの遊漁船についても、こう言った情報を知らないと第2第3の悲劇がまた繰り替えされるんだな!と思いますので選ぶ側も料金とかだけでなく複合的に様々な情報を取るなど判断してみてください。
で更に言いますと、一方で全てを船頭だけの責任なのか?とも言えない事情もございます。
行く側で少々の波あろうが無かろうが『船を出してくれ!』と言う者も多いのです。
需要があるから供給もされると言う皮肉な現実もありますね。
とか言いながら私も若かりし日は少々の荒天でも何のその.....
現在そのような行動は猛省かつ慎んでおりますが、こればかりはこの様に発信したり近し人には口頭で教えるしかございません。
そちてそのどちらにも言えるのが、成功体験する事による増長する慢心と慣れ。
そしてどんどん失われる安全対策。
例え幾度も『これくらい結果大丈夫だったやん』となっても事故を一度起こすと悲惨です。
今回のブログで具体名までは記載しませんでしたが、遊漁など選ぶ側としての一つの目安・参考にして頂ければと思います。
話を冒頭に戻りまして、今回起きたのは知床での観光遊覧と言うマリンレジャーとは程遠い内容ですので、も観光乗船された方については、1000%事故の予見なんて出来るはずもありませんね。
ですので乗船された方達に一片の落度もございません。
事業者や関係者がもう少し真摯に向き合っていれば起きなかった事故かもしれない....と言う思いを書きつつ〆させて頂きます。