あのクルマの系譜シリーズ、第20回はレア車で有名な!?ダイハツアルティスを取り上げます。
アルティス、なかなか馴染みのないクルマ、これはダイハツカンパニー関係者のために用意されたモデルのようなもの、かつての三菱デボネアやスズキのキザシ、いすゞのドマーニOEMジェミニや同じくアコードOEMのアスカ同様に一般訴求はせずグループ含む企業内販売専用車的意味合いが高くアルティスは親会社のトヨタからカムリのOEM供給を受け主な販売比率はダイハツのメーカー、ディーラー役員向けがほぼ、極少数で一般オーナーから問い合わせがあれば販売という感じ、かつては過去のダイハツ普通車の代替え需要に応える目的も付加されていましたが2013年よりプリウスOEMのメビウスにその役目は譲りアルティスは事実上ダイハツ関係者向け最高級モデルとしての存在となっています。
良く言えば”ダイハツのフラッグシップ”ではありますが現行型ですら滅多にお目にかかれない アルティスにもダイハツならではの事情からなる系譜があります、今回はそれを振り返りましょう!
【現行5代目アルティス】
(2017~)
・先代から引き続きトヨタ10代目カムリのOEM供給モデル、ダイハツ最高峰のモデルでダイハツ関係者や役員向けに設定されるのは先代アルティスからの伝統でエンブレム、マークのみ変更されるカムリのバッジチェンジモデル。
・カムリの複数バリエーションは設定されずカムリのGグレードに相当するモノグレードでの設定。
・カムリ同様にHV専用、駆動はFF、搭載エンジンは新開発A25A-FXS型2.5LHV、ミッションは無段式及び6速シーケンシャル、ボディは4セダンのみ。
・トヨタセーフティセンス(安全支援装置)はダイハツ名「スマートアシスト」に置き換えずそのままのネーミングを採用。
【4代目アルティス】
(2012~2017)
・先代で一旦はラインナップ廃止となるも2012年、ダイハツ内需要に対応させる目的で2年ぶりに復活、内容は先代から引き続きトヨタ9代目カムリのOEM供給モデル。
・2013年にプリウスOEMのメビウスがダイハツのラインナップに加わる為、従来、僅かばかりながら一般訴求(主にダイハツ普通車代替えユーザー等)を行わないダイハツ企業内専用車的立場となる。
・カムリの複数バリエーションは設定されずカムリのGグレードに相当するモノグレードでの設定。
・カムリ同様にHV専用、駆動は先代までは4WDも設定していたがFFのみに統一、搭載エンジンは2JM型2.5LHV、ミッションは4AT/6AT、ボディは4セダンのみ。
【3代目アルティス】
(2006~2010)
・先代同様にトヨタカムリOEM版でありダイハツTOPモデルのフラッグシップとしてラインナップ、企業内役員車需要が主ながら一般訴求も行う。
・カムリ「Gリミデットエディション」相当のものグレード。
・駆動はFF/4WD、搭載エンジンは直4 2.4L4ガソリン、ミッションは4AT/5AT、ボディは4セダンのみ。
【2代目アルティス】
(2001~2006)
・先代同様にトヨタカムリOEM版でありダイハツTOPモデルのフラッグシップとしてラインナップ、企業内役員車需要が主ながら一般訴求も行う。
・グレードはダイハツ独自設定で先代から継承する「SL」「SXパッケージ」の2種で展開。
・駆動はFF/4WD、搭載エンジンは直4 2.4Lガソリンのみ、ミッションは4AT。
【初代アルティス】
(2000~2001)
・独自開発登録車でダイハツフラッグシップであった「アプローズ」の廃盤以後を担うモデル、数が出ないダイハツ普通車に於いてアプローズのように独自開発を諦め経営資源を主力である軽自動車に集中、アプローズ以前の代替え需要と企業内需要の両面を担う為親会社のトヨタよりカムリのOEM供給を受けて設定。
・グレードはダイハツ独自設定でアプローズから継承する「SL」「SXパッケージ」の2種で展開。
・駆動はFF/4WD、搭載エンジンは直4 2.4LガソリンのみでカムリのV6エンジンは未設定、ミッションは4AT、ボディは4セダン。
・カムリのFMCに合わせる為初代アルティスは僅か1年のラインナップ。
【アプローズ/アプローズΘ】
(1989~2000)
・ダイハツフラッグシップの「シャルマン」からその立ち位置を継承、シャルマンの廃盤から1年のブランクを経て同社TOPモデルとして登場。
・バブル期の好景気によるダイハツ自社開発、先代に充るシャルマンがエンジン、シャーシをトヨタカローラから流用したのに対しそれらも専用自社設計。
・日本では当時不人気ながら使い勝手の優れる5ドアHBボディを採用、トランクとRrガラスが一体のゲート構造(スーパーリッド)でありながら一見では通常のノッチバック4ドアセダンに見える凝った機構、スタイリングを採用。
・アプローズ→同Θ(シータ)→再びアプローズとMCと名称変更しながら12年の長寿を誇るも発売直後の燃料給油口の不具合からなる火災事故が起因するリコール騒ぎから販売は12年を通して不調に終わる。
・駆動はFF/4WD(~94)、搭載エンジンは直4 1.6LガソリンのみながらキャブとEFIをラインナップ、ミッションは5MT(~97)/4AT、ボディは5ドアHBのみ。
【2代目シャルマン】
(1981~1988)
・トヨタグループ入り後初の自社開発となったシャルマンの2代目モデル。
・初代シャルマンがトヨタの2代目E20系カローラをベースに開発、2代目シャルマンもそれを継承し当時現役モデルだった4代目E70系カローラをベースに開発。
・ダイハツ最上級の為6ライトサルーンやマークⅡ並みの豪華装備が与えられ中小メーカーのフラッグらしく他メーカーの大衆車~ミドルカーユーザーまで対象としクラス的には不釣り合いな小さな高級車的出で立ちが特徴。
・駆動はFR、搭載エンジンは直4 1.3/1.5L、ミッションは4MT/5MT/3AT、ボディは4セダンのみ。
【初代シャルマン】
(1974~1981)
・現アルティスのルーツに充るのが初代シャルマン、当時ダイハツはトヨタ傘下入り後にそれ以前にラインナップしていた大衆モデルのコンパーノの代替えユーザー向けとしてトヨタパブリカ/同スターレットのOEM版コンソルテにて対応、これの上級モデルとしてトヨタより条件付きで開発許可が出されたのがシャルマンであった。
・軽専業としてのトヨタグループ入りながらダイハツ企業内需要とコンソルテのグレードUPユーザーに対応するためカローラのシャーシ、パワートレイン、エンジンを用いる事を条件に開発許可を得たシャルマンは久しぶりの登録車自社開発と言う事もありアルティスとは異なる大々的セールスが展開され評判も悪くなかった。
・ボディは4セダンとライトバン(商用)、ミッションは4MTのみ、駆動はFR、エンジンは直4 1.2→1.3/1.4→1.6LとなりE20系カローラを流用するがボディ外板にはダイハツオリジナル度が極めて高かった。
・デビュー時は高い注目を浴びるもシャルマンデビュー時には既に型遅れとなっていた20カローラベースという点で性能や走りは古典的であり高い評価は得られずとも弱小メーカーの恒で当時としては異例な7年の長寿を誇った。
あのクルマの系譜・ダイハツアルティス編…
終
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系譜 | クルマ
Posted at
2020/03/08 16:59:52