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ダブルウィッシュボーンのブログ一覧

2014年04月20日 イイね!

N-WGNカスタム(ターボ)試乗記

昨日金曜日は有給休暇をとりました。親知らずを抜いたあとの抜糸を午前中にしてもらうことになっていた事に加え、車検から戻って以降アコードの調子が今一つで、特にブレーキペダルを踏むと廃墟の扉のような“キ~~”という音が鳴るようになり、ブレーキペダル部を分解する必要があるかもとのことで先々週から週末のたびにホンダに行くも客が多すぎて毎回断念・・・。平日の会社帰りはこのところ忙しすぎて残業を早く切り上げることができないため、抜糸を午前中にしてもらい、そのあと午後からこの修理をしてもらうため丸一日休むことにしました。

平日の日中の店内はさすがにガラガラで、幼馴染とも久しぶりにゆっくり話をすることができました。そして修理に結構時間を要すると聞いていたので、いくつかの車を試乗して時間をつぶそうと思っていたのですが、修理が思いのほか早く終わってしまい、最初に試乗したN-WGNだけとなってしまいました。まぁ、他の試乗車で乗ってみたいと思った車はなかったのですが・・・。


因みに今一つというその調子の内容ですが、まずはブレーキペダルの鳴き。これはグリスアップで問題クリア。
そして左前輪ホイールよりも右前輪ホイールの方が倍近く速く汚れる件。ブレーキの引きずりはなかったそうですが、以前よりも汚れの差が小さくなってきているのでこれは様子見となりました。
そして最後はエンジンのかかりの悪さ。もともと購入当初からかぶりぎみで始動することが多かったアコゴンですが、イリジウムプラグを入れてからは一度たりともかぶりぎみで始動することがなかっただけに心配していたのですが、これもいつのまにか改善されてしまいました。車検後からいきなりだったので、考えられるとすればタペット調整が関係していることくらいか・・・。手動クランキングが影響したのかどうかは分かりませんが、いずれにしても改善方向に向かっているので良しとしました。

あ、結局工賃はタダ。いつも本当に助かります・・・。









ということで、久しぶりの試乗となる今回の車はN-WGNカスタムのGターボパッケージです。
実はこの車、3月末のアコード車検時に既に試乗しているのですが、その時は真っ暗な夜で写真なんて撮れなかったし、かなり急いでの試乗だったので試乗記など書くつもりはなかったのですが、この先まだターボモデルの試乗車がお店に置いてあればもう一度ゆっくり乗ってみたいと思っていただけにこの日試乗することができてラッキーでした。


さて、街中で結構見かけるようになってきたN-WGNカスタムですが、メーカーサイトで見た時の第一印象とは多少違うものを感じてきました。









というのは、前面投影面積からするとヘッドライトが少々小さすぎで、精悍な顔つきになろうとしているのは充分感じるんだけど全体のバランスとしてはイマイチかなぁと・・・。もう少しだけヘッドライトが長いと素直にハンサムな顔になれたんじゃないかと個人的には思いました。

とはいえ、N-BOXカスタムのようなド派手な装飾メッキ顔にさせるのを思いとどまったのは偉いと思いました。この程度のメッキ量なら今のホンダからしたら最小限の使い方と言えるかも。









少し横に回ると正面から見た印象とは少し変わってきます。サイドに長く回り込んだヘッドライトによって切れ長で精悍な顔つきに感じるんですよね。

加えてメーカーオプションの15インチホイールのおかげでどっしり安定感のあるフォルムに見えますよね(デザインは別にして・・・)。









全体的なデザインは決して冒険をせず、むしろコンサバで安心感のあるサイドビューですね。ゼストの後継車であることが伺えるデザインで、ウェストラインが高く非常にボクシー。わざとらしいフェンダーアーチラインや複雑に入り混じるようなプレスラインもなく嫌いではありません。そんな中で特徴を探せと言われればクォーターピラーの処理でしょうか。このデザインにどのような意味があるのか私には全く分かりませんが、直感的にこの部分だけは今一つだと思ってしまいました。個人的な意見ですので・・・









全面クリアレンズのリヤコンビランプは個人的にはノーサンキューですが、それを除けば意外と頑張ってるデザインですかね。もうちょっとリヤの表情そのものがしっかりしたものだと良かったんですけどね。なんというか分かりやすい表情じゃないというか、クリアテールのせいなのかテールランプが途中で分割されてるからなのかは分かりませんが、「お?!かっこいいね~」という表情は持っていない。でも悪くはない・・・。

なんとなくこのあたりはMCでしっかり修正してくると予想しています(笑)。









因みに夜間の点灯状態を見られた方は多いと思いますが、私はこれも好きじゃない。導光タイプのLEDの美しさは充分分かりますが、車の表情としては「?」な感じ。精悍な表情、クールな表情、ファニーな表情など色々あると思いますが、N-WGNのテールランプの夜間の表情は飲み屋街のネオンが綺麗に光っているだけ・・・、極めて主観的な意見でオーナーさんの反感を買ってしまいそうですが、車の表情としては別のアプローチをしてほしかったなぁと思いました。オーナーさん、すみません・・・。









足回りはメーカーオプションである165/55R15のタイヤと15インチアルミを履いていました。やはりこれほど背の高いボディだと15インチは欲しいですね。見た目的に安定感のあるフォルムに見えますから。

でもシュリケンのようなデザインは私はノーサンキュー。ボディが流線型デザインならまだしも、ボクシーな箱型でこのシュリケンデザインはあまり似合ってないと感じました。ま、これもまた好みの話なんですけどね・・・。









カスタムの内装はN-ONEのプレミアムと同じ色使いですね。とても質感が高く、もはや軽自動車の域を超えているように感じます。
でも、試乗車にまさかのレーダー装着にはビックリ・・・。どうやら営業マンも乗るらしく、絶対に捕まってはいけないそうで・・・。でも、配線は垂らしっぱなしでこの素晴らしい内装が台無しになってしまっていると思えました。









ハンドルは太く握り心地も素晴らしい。ステアリングスイッチはオーディオのコントロールはもちろん、クルーズコントロールまでが・・・。軽として考えられない高級装備ですが、何よりもホンダがこんな装備を軽自動車に標準にしてしまうことに、ホンダってやっぱり変わってきたんだなぁと思いました。色々な意味で・・・。









Nシリーズに共通のシリンダー形状のメーター。N-BOXは少々奥行きがありすぎで、しかもシルバー塗装のリングのせいで正直見づらいと思いましたが、N-ONEで多少見やすくなり、今回のN-WGNは更に見やすくなったと思いました。









センターパネル部も綺麗にまとめてありますね。特にメーカーオプションのディスプレイオーディオが質感アップに大きく貢献しています。エアコンの吹き出し口もメッキがあしらわれていてGOOD。エアコンはプラズマクラスターが標準。シフト周りのデザインもNシリーズに共通したものですね。









カメラがボロなので色がきちんと再現できていませんが、バーガンディと黒、そして装飾パネルとメッキの使い方がとても上手く、まさにNシリーズの集大成という感じです。









後席はシートが200mmスライドするようで写真のスライド位置がどの程度だったかは分かりませんが、身長171cmの私のドラポジで後席ニースペースがこれほどあるのですから快適そのもの。うちのダンクは私が運転するとその後ろは娘じゃないと座れません・・・。









後席下部の傘置きが非常に便利。N-BOXやN-ONEのように後席のチップアップ機能がない代わりに、N-WGNはシートスライドとこの傘置きが標準。私は断然こちらのほうに有難味を感じます。









さて、走行フィーリングを簡単に。

何よりもビックリなのがボディとステアリングから伝わる剛性感。こりゃ本当に凄い・・・。N-ONEも素晴らしいと思いましたが、N-WGNは更に凄い。特にハンドルから感じるドッシリ感は軽自動車の域を完全に超えてます。ゼストに初めて乗った時もこれに近いものを感じましたが、とにかく素晴らしいと思いました。

その素晴らしいボディ剛性のおかげで静粛性も素晴らしい。ブリヂストンのタイヤを履いていましたが、エコタイヤなのかいかにも安っぽい低燃費タイヤのような音が路面によっては大き目に侵入してきますが、全体的には走行ノイズは抑えられています。


私が少し気になった点は二つ。

一つは足の硬さ。ターボで15インチを履くトップグレードなので分からないまでもないのですが、ちょっと硬すぎなんじゃ・・・。一般路でも常にヒョコヒョコ揺すられるほどの硬さで、その分ロールはかなり抑えられています。でも重心が高く突っ張ったようなコーナリングをし、タイヤが早々にズルズルし始める感じがする・・・。ゼストのターボが全く同じ味付けでしたが、ミニバンを含むホンダの箱型車はもう少し足をしなやかにしてやるほうがいい気がします。慣れはするでしょうけど、直感的にやりすぎだと感じました。









もう一つはエンジン音。S07Aのエンジン音についてはいつも厳しい評価をしてしまう私ですが、やはりこのN-WGNでもエンジン音はゴロゴロガラガラとしています。
ただし、初めてこの車を運転した3月が1000Kmにも満たない新車状態だったのに対し、今回乗った時は5000Kmを超えていました。そのせいか、エンジンの音は明らかに静かになっていましたし、音質もマシになっていました。幸いこのエンジンは低速トルクがかなり太く、2000rpmをキープさせていれば何の不満もなく加速していきますしその際エンジン音はほとんど聞こえない。3000rpmキープだと充分ターボの加速感を感じながら、且つ静かに加速していきます。この余裕感はN-WGNと全く同じ重量のN-ONEターボでは感じることができなかったもので、これは5000Kmを超えてアタリが出てきたことによるものなのか、それともツインインジェクション化による差なのかが分かりませんが、いずれにしても音質は相変わらず悪いものの回さなければかなり静かで力強く加速していくエンジンなんだと少し安心しました。


そういえば、同じターボでもN-ONEではアイドリングストップ機構がなかったのに対し、N-WGNはそれがありました。熱の対策が技術の進歩によって可能になったということですね。この新しいS07Aは、現在新しいイヤーモデルのN-BOXにも搭載されたそうで、N-ONEへの搭載も時間の問題でしょうね。




ということで、なかなかの好印象だったN-WGN。ボディカラーの種類がちょっと地味で少ないのが残念ですが、さすがNシリーズの三男ともなると多くの面でデキがいいと思いました。あとはエンジン音。かつてのホンダが一番得意としたチューニングです。ここをなんとか頑張ってほしい。正直N-WGNからは“臭いものに蓋をする”的な努力を感じますが、本当なら最初から爽快なエンジン音にしてほしいんですよね~。

そうじゃないとS660に載せれないでしょ、ホンダさん?!
Posted at 2014/04/20 00:20:52 | コメント(7) | トラックバック(0) | 新車情報・試乗記 | 日記
2013年10月27日 イイね!

N-WGN


噂のNシリーズ第四弾が11月に登場されるみたいですね。



名はN-WGNだそうで。




ライフの後継モデルかと言われていましたが、どうやらライフはそのまま継続販売で、新たに追加されるモデルのようです。







今や、同じ車の中で優しいノーマル顔と悪顔の二通り用意するのが当たり前となっていますが、今回のN-WGNもそのようです。








話題になるのはやはり悪顔の「カスタム」でしょうね。最近のホンダ顔ですが、少なくとも新型フィットの顔よりはこっちのほうがいいかな。








うちの奥様にこの画像見せたら、かなりのお気に入りでした。性格と顔に似合わず、こういう悪顔が大好きなんですよ・・・(~-~;)。

でも私も今回のこの車はそれほど嫌いじゃない。サイドも割りとシンプルなプレスラインで嫌味がない。







ちょっと気になるのは、リヤクォーターパネルに黒い樹脂が埋め込まれてるのはちょっと・・・。明るいボディカラーだとかなり気になります。ホンダは時々こういう「なんでそこがそんなデザインなんだよ!」みたいな事をするんですよねぇ。







あとは、新型ワゴンRみたいに、LEDがライトの下だけじゃなくグリルの下部にも走っていて、夜は左右目一杯繋がって光るという・・・。







リヤはムーヴっぽいですね・・・。好きじゃないけどもはや今のホンダに贅沢は言えません。ただ、オプションと思われる15インチホイールのデザインはノーサンキューです。まぁ標準は14インチみたいですけど。






内装もなかなかの質感。

色使いはN-ONEに似てますね。中央のメッキがもうちょっとトーンの低い色だと良かったけど、全体的にはいい感じに見えます。







メーター内の照明もN-ONEのように紫っぽいようです。この色、実際にN-ONEで見たら凄く良くて気に入りました。真っ青よりは数段好きです。







シートも結構でかそうだし、後席は圧倒的な広さ・・・。N-BOXと違って200mmスライドするそうで、後席足元の広さと荷室の広さのバランスを調整できるのがいいですね。







こっちはノーマル。

N-WGNに関して言えば、ノーマルモデルも私は嫌いじゃないです。







N-BOXのノーマルよりもハンサムだし、意外とスポーティな顔つきで、幸いなことに流行のホンダ顔じゃなく上品にも感じます(笑)。

このノーマルにもターボモデルが存在しますが、できればターボだけでもライトを変えてほしかったかな・・・。例えば以前のステップワゴンやレガシーの様に上下二段式のヘッドライトにして、ベゼルもブラック、或いはダーククロームメッキだと精悍な顔つきになっていたんじゃないかと。グリルも色をガンメタにするとかハニカムを加えるとか、何かもう一工夫あれば一段と良いかも。







ノーマルグレードのホイールは14インチのキャップのようですが、ホンダとは思えない上品なデザインで(というか、よく見れば極めて普通なのだが・・・)、これなら別にアルミじゃなくてもいいかもと思えます。いや、今のホンダならアルミにするほうがデザイン的にやらかしそうです。







他のNシリーズと同じで、ノーマルグレードはアイボリー基調の内装です。






皆さんはN-WGN、どういう印象でしょうか。





カスタムには最廉価グレードを除いてオートドライブが標準のようです。後席は全車スライド200mm可能。スマートキーはノーマルの最廉価以外全て標準で、とにかく色々な面で軽とは思えない車に思えますが、これで価格がゼストやライフと同等なら驚きです。でもきっと高いんでしょうね。N-BOXもN-ONEもライバルよりもちょっと高めですもんね。










うちはダンクが来年の2月で13年経ちます。一応車検は受けますが、さすがにその次はどうか分かりません。いや、息子や娘の就学を考えると車なんて買い替えはできないかもしれませんが、そうは言っても買い替えの時期はそう遠くない気がします。下手をすると私のアコゴンのほうを泣く泣く買い替えることだってあり得ます。維持費的なものを含めて。

そうなったとき、N-BOXとN-ONEを嫌っているうちの奥様の次期愛車にピッタリなのがこの車になります。特にカスタム。このところのホンダの悪顔が趣味じゃない私ですが、今回は意外と大丈夫(笑)。ゼストの後継車と思えば分かりやすいかっこよさがありますね。

もしカスタムを買うなら、きっとフロントグリル下部のLEDは光らないようカプラーを外すでしょう。アルミは明るいシルバーでスポーク風のものに交換。Cピラーの黒い樹脂はボディ同色化ですね。


本当はライフのような、少し背が低くてウエストラインの低い車が好きなのですが、ウエストラインの高いこのN-WGNも悪くない気がします。少なくともフィットにような腰高感のある高さじゃない。安定感のあるデザインです。
そして私の小さな拘りですが、ワゴンRのように横の窓枠がボディ同色じゃないのもいい。私は車を横から見たときに窓のフチがボディ同色なのが苦手で、明るいボディカラーだとそれがモロに分かるので余計に苦手です。横から見た時にサイドガラスが前から後ろまで一体感のあるものが好き。なのでBピラーは絶対にブラックが好きです。


ちょっと話がそれてしまいましたが、N-WGNの実車を見るのを楽しみしていますし、ライフの新型も楽しみにしています。

多分、これも相当売れるんじゃないでしょうか。後席がスライドする強みがあるので、下手するとN-BOXを引きずり落としてしまう可能性も考えられる?
Posted at 2013/10/27 18:26:36 | コメント(15) | トラックバック(0) | 新車情報・試乗記 | 日記
2013年09月23日 イイね!

FIT3 ハイブリッド試乗記


先日私のアコゴンのセルモーターが瀕死の状態となりリビルト品での交換をしてもらいましたが、どう考えても以前のセルモーターとは音質も軽快さも違い、ちょと驚いております。こういったことに関しては全く鈍感なうちの奥様も、聞いてもいないのに「あ、なんか前と全然音が違うね」なんて言ってきましたし、娘も「車が変わったみたい~~!」と言うほどですから、相当な違いなんだと思います。

今日エンジンルーム内を覗いてスターターを見てみましたが、メーカーを知る表示を確認することはできませんでした。保証書の型式はパーツリストに載っている純正のミツバの型式でしたが、とても同じに思えない音質なんですよね。クランキング時の静かさもこの車を買った当初と比べても断然静か。エンジンをかける事に嬉しさを感じるのって、本当に久しぶりかもしれません。まぁどうであれ、これは嬉しい誤算と言えます。







さて、そのセルモーター交換の時に新型フィットのハイブリッドを試乗することができたので、いつものごとく個人的な意見を好き放題書かせてもらっている試乗記をアップしたいと思います。

因みに会社の帰りに寄ったので、既に薄暗くて手振れな写真が多いのですがお許しください。







試乗車はハイブリッドのLパッケージ装着車。それに最近流行の事故回避支援自動ブレーキ機能と誤発進抑制機能を持ったシティブレーキシステム+前席サイドエアバッグを加えた“あんしんパッケージ”が装着されたものでした。

この色はCMでも使われていますが、イメージカラーなんでしょうね。ビビッドすぎるカラーに加えベッタリ貼られた試乗車ステッカーのせいでオッサンは終始恥ずかしくて仕方がありませんでした(笑)。






さて、まず第一印象。

登場前の社外秘カタログで初めてみた時はどうにも受け付けないものでしたが、その後雑誌やCMで見慣れてきたことと、この車も他のホンダ車の例に漏れず“写真写りの悪さ”もあって、実車は最初ほど悪い印象は持ちませんでした。










ただね、かっこいいかと言われたらそうでもない。

初代から2代続けて縦方向に大きなライトを採用したフィットだけに今回の横長の細いヘッドライト採用は正直予想してはいましたが、もうちょっとグリルを含めて精悍な顔つきだと良かったんですけどね。確かに男っぽさがあって悪くはないんですが、以前のフィットが女性でも男性でも似合っていたのに対し、今回はちょっと男性寄りにしすぎ?しかも、先代はフィットという独自の世界を感じる、ある意味クラスレスな印象があったのですが、今回のはしっかり1.3L付近のコンパクトカーという印象です。これはヴィッツにも全く同じ印象を感じていました。今のヴィッツには先代のようなヴィッツならではの世界と言うものを感じず、そのへんの普通のコンパクトカーになった感じがしてなりません。

すみません、のっけから辛口で・・・。








今回のフィットのフロントマスクでケチをつけるなら、このバンパーの開口デザインですかね。新型アコードハイブリッドと全く同じで、なんでこれ?って感じです。一言で言えばデザインが雑。吟味されたデザインには思えない。いや、実際は時間をかけてこうなったのだと思いますが、それが全く伝わらない。ダイナミックとかいう言葉で片付けられそうですが、ライトが細くなって持て余し気味のバンパー下部をどうデザインするか困り、結果バックリ穴を開けただけ。私にはそう思えました。もっとかっこいいデザインがあったんじゃないでしょうか。きっとMCあたりでここをかっこよく丁寧にデザインしたものが出てきそうですけど・・・。







FパッケージにはLEDヘッドライトが標準になりますが、アコードの片側2連に対しフィットは1つ。これで明るさが充分ということは、2連や4連、或いはアキュラなんかの8連とか、あれってどういう違いがあるんだろう・・という疑問が沸いてしまいました。夕暮れ時の試乗でしたが、結構しっかり明るいと思いましたし。







一方のリヤ。

真後ろからだと結構ワイドに感じますね。少しストリームにも似た筋肉質な感じで、フィットと言う感じじゃない迫力があります。







しかし、ちょっと斜め後ろになるといきなり印象が・・・。

なかなか新しいデザインを受け入れられない私の古い感覚のせいもあるのでしょうけど、それにしても面のつながりが複雑・・・。それにやっぱりバンパーの開口部がね・・・。ふくよかな面構成という意味ではマツダも現在相当取り入れてますが、正直天地の差ほどのデザイン力の差を感じます。







フィットらしさという意味では、ガラスに追加されたランプ類は不要だったようにも思いますが、すでにこれありきなデザインになっているのでこれがないと不自然になるのかもしれません。







先代も結構丸めのお尻でしたが、新型はもっと丸い。丸くなればなるほど、テールゲートに取り付けるスポイラーは派手に飛び出したものじゃないとバランスが悪くなるでしょうね。
それにしてもこれほど波打ったようなテールゲートじゃなく、もう少しシンプル面にならなかったのなぁ。







先代はウエストラインが低く、例えば横から抜かれる際チラッと横を見たとき結構かっこいいなと思ったものでしたが、新型はかなり腰高に見えますね。腰高な車はホイールを大きくしないとバランスが悪く見えがちですが、このフィットも16インチを履いてやっとスポーティに感じるという感じかも。このハイブリッドはまるでだんご虫のように感じました・・・







サイドステップは何やら空力を意識したようなデザインですね。特にリヤフェンダー部はフォーミュラーカーっぽい?







個人的には、三角窓の下端をもっと直線的に下げてウエストラインを低く見せたデザインのほうが良かった気がします。あと、これも個人的な好みですが、ドアミラーがドアからニョキッと出てるのが嫌いな私。先代はこのあたりを上手く処理していて足の長いドアミラーに見えましたが、新型はまたミニバン風に。







ホイールはシュリケン風のキャップ。一応空力を考慮したデザインだそうで。まぁ私なら即社外ホイールに交換ですが・・・








さて、内装です。

フィットに限らずこれまでのホンダ車の多くは大きなガラスがバルクヘッド付近まで伸び、見晴らしの良い低いインパネを見下ろす感じのものが多かったですが、新型フィットは明らかにこれまでのホンダデザインとは違う感じを受けました。とりわけ運転席側はメーターフードの上面が高めで、しかもその高さの両脇にエアコンの送風口が並んでいるので、少し窮屈な感じもあります。

デザインが良いか悪いかは正直微妙で、例のごとくカタログでは最悪と思いましたが実際はそこまで悪くない。雑誌で書かれてるほどクオリティが高いかといえば、確かに高いけど私が思うクオリティとはちょっと違うかなぁと・・・。

これは私が昔から感じている個人的な印象ですが、昔からホンダ車のインパネ周りは使ってる材質とか表面のシボとかのクオリティはあまり高くないけど、造形面(デザイン面)ではクオリティが高いと思っていて、それはドアとの連続感だとかスイッチのシンプルな配置だとか、視界との相関関係だとか、つまりトヨタとは違うクオリティの高さがあったと思っています。トヨタは逆で、デザインじゃなくスイッチそのもの質だとか色使いだとか、ステッチの見せ方や材質などがいい。でもデザインは安心感はあるかもしれませんが、正直平面的でぜっぺき感もある。スカッとした爽快感のあるデザインは昔からホンダが上だと思っていました。その魅力が今回のフィットにはない。でも丁寧に作られたパーツや材質感という面でのクオリティはかなり高い。そんな印象です。







助手席側から見ると、一層ホンダ車であることを忘れそうなデザインです。爽快感よりも、高いダッシュパネルで包まれる安心感をこれほど重視したホンダ車は他にはない気がします。






助手席から前を眺めると、かなりのクオリティ感ですね。ソフトパッドが採用されていて、見た目も触り心地もフィットとは思えないです。







メーターの表示類は、アコードハイブリッドやIMA車とそれほど違いはなし。先代のハイブリッドは低燃費状態になると速度計の目盛りがグリーンに変化して、ちょっと派手すぎで統一感がない印象がありましたが、新型はしっとりした感じでGOODです。







速度計の右側には色々な情報を表示できるマルチインフォメーションディスプレイが。

見慣れた平均燃費計と瞬間燃費計や








燃費履歴







エネルギーフロー表示や







タコメーターもあります。







速度計の左は、これも見慣れたパワー/チャージメーターが。







インパネ中央のナビと空調関係は、全てタッチパネルでした。内装面での売りの一つですね。







見た目はとてもすっきりしていてスマホっぽいのがいかにも今風ですが、操作性という面ではまだまだと言う感じです。タッチしたレスポンスが鈍く、また夜間など手探りで押す時なども分かりにくいですね。指先で操作感を感じないというのは運転中においてあまり好ましくないと思いますが、まぁこれもこの先当たり前になっていくんでしょうね。








ただ、こういったタッチパネル式で嫌なのは操作感よりも指紋の付着。この試乗車も相当な数の指紋があって撮影のために少し拭いたのですが、性格的にディスプレイ面にベタベタ白い指紋が大量に付くのがちょっと苦手です・・・。

高級感があるだけに、私としては悩ましいという感じです。







シフトレバーはプリウス風?シフトバイワイヤーとでもいうべきでしょうか・・・

試乗する一番最初に行う操作ですが、迷った迷った・・(笑)。いや、DとかRとかセレクトはできるんですが、Nにするには?とかパーキングは?とか、まぁ色々と考えながら操作する必要がある。うちの会社の会長がプリウスに乗ってますが、購入当初社員が移動しようとしても動かせないって者が数人いましたけど、分からないまでもないなって思っちゃいました・・・。

試乗を終えたあと駐車場にバックで入れ、そこからPに入れようにもない。「あれ?パーキングどこだ?」となり、Pはボタンであることを知り、更にエンジンを切るのにボタンだったことも忘れ、いっとき車内であたふたしてスムーズに車を降りれませんでした(恥)。高齢化社会なんだから、おっさんに優しい車作りしてくれよ~~って言うのは我がままですね・・・







身長171センチの私のドラポジで後席はこれほど。全長4.7m越えのアコゴンよりも広いです・・・
アコゴンが狭すぎなんですが・・・







さてさて、なんといってもFIT3の話題はハイブリッド。小さなボンネットフードを開けると話題のハイブリッドシステムi-DCDがぎっしり詰まっていました。



i-DCDのドライブモードはアコードと同じく3つのモード。しかし、その伝達メカニズムは全く違います。







まずはEVドライブモード。

EVドライブモードでは、左の二つのクラッチはエンジンとは完全に切り離された状態となり、駆動はモーターに委ねられることになります。そのモーターは7速DCTの奇数段メインシャフトに直結されていて、奇数段のどこかのギヤを使ってカウンターシャフト→駆動輪へと出力されるようです。そして、図の通りモーターの駆動伝達は奇数段からしか行えないようですね。よって回生モードも奇数段のみで行われることになります。発進は原則としてモーターだけで行うそうです。

1速ギヤは他のギヤと違って遊星ギヤとしてモーター内に内蔵されていて、その機構の詳細は省略しますが、メインシャフトと遊星ギヤ1速の中心ギヤが結ばれていて、3速は遊星ギヤのプラネタリーキャリヤと中空軸で結ばれていて、3速と中空軸を拘束すると1速の速比が得られ、遊星ギヤの外輪ギヤを拘束すれば3速が得られる仕組みになっています。3速からあとは全て平行軸式なのでここは割愛。








こちらはエンジンドライブモード。

図は4速なのでセカンダリーシャフト→カウンターシャフトという流れで出力されていますが、奇数段であればメインシャフト→カウンターシャフトという流れで伝達されます。メインシャフトやセカンダリーシャフトと各ギヤはもちろん固定されておらず、使用するギヤのみシンクロナイザーで拘束することになります。








ハイブリッドモード。

奇数段での駆動の場合、エンジン出力とモーター出力がメインシャフトで合流しカウンターシャフトへと流れますが、図のように偶数段での駆動だとエンジン出力はセカンダリーシャフトからカウンターシャフトへと流れ、モーター出力は空転していメインシャフトを伝ってカウンターシャフトへと流れここで合流することになるようです。







7速DCTの機構はこんな感じ。エンジンのすぐ横に奇数段と偶数段の二つのクラッチを持ち、奇数段のメインシャフイトの末端に1速、或いは3速を選択する遊星ギヤ群のアッセンブリが配置されています。そこから逆にエンジン側に戻るようにメインシャフト、セカンダリーシャフト、カウンターシャフトが平行に並べられています。モーターは遊星ギヤを囲むように取り付けている、つまりモーター内蔵という感じで付いていますね。EVドライブモードでは奇数段でしか出力されないのがこれで分かります。







今回のエンジンはLEB型と呼ばれるもので、1.5L-DOHC16バルブ i-VTEC仕様となっています。アコードと違って、基本的にはやっぱりエンジンが主役なi-DCD。なので簡単にですが触れておきます。

低燃費エンジンのスタンダードになりつつあるアトキンソンサイクルエンジンで、VTCを採用するためDOHCとなっています。アトキンソンサイクルとする遅閉じ機構はVTECではなくVTCで。ただし、VTCはアコードハイブリッド用の様な電動式ではなく油圧ベーン式。1.3Lエンジンが電動VTCなだけにちょっと意外です。VTEC機構は低回転で2バルブ、高回転で4バルブの切り替えを行うバルブ休止作動に使っています。

ボア×ストロークは73×89.4。アコード同様完全にロングストローク型で圧縮比も13.5と高い。得られた馬力は110psとまぁそれなりのものですが、モーターと合わせれば137ps。スポーツモデルのRSよりも少しですが高い数値となります。

電池がニッケル水素からリチウムイオンになり余裕ができたことから、エアコンのコンプレッサーとウォーターポンプが電動化されました。つまり補記類のベルトがなくなったわけで、このあたりはアコードと同じですね。これで信号待ちのたびに生ぬるい冷風を浴びなくても済むわけです。







エンジンと7速DCT、そしてミッションに内蔵されたモーターの組み合わされた外観は意外とでっかいのですね・・・。


今回発表した7速DCT化はホンダにとってある意味一石二鳥なトランスミッションだったかもしれません。つまり、DCTは走り出せば抜群にレスポンスの良い機構ではありますが、スタートや低速段階の微妙な変速ショックの逃がしが難しいといわれていて、そういう意味ではモーター発進させる今回のハイブリッドには適しているのかもしれません。
そして、これは以前から何度も書いてますが、ホンダは他社の遊星ギヤ式トランスミッションと違って平行軸式。DCTは平行軸式ですから、これまでの技術や生産設備も生かせます。しかも一気に多段化できる。ちょっと大きいのがデメリットですが、1速を遊星ギヤ式にしてモーター内に収めるなど、かなり工夫されています。このクラスで7速が入ったのですから、とりあえずこの先の展開は一安心と言えるかもしれません。









さて、最後にやっと試乗記です。




~一般的な加速フィーリング~

普通に優しく加速すると、DCTがどうとか意識することはまずないですね。
基本モーター発進ですが、20Km程度ですぐにエンジンが始動。ゆっくりゆっくり加速すれば40Km程度まではモーターだけで粘りますが、思ったほど粘りません。

走り出せばIMAとの違いをほとんど感じませんが、IMAとの決定的な違いは、始動のたびにエンジンがかかるあのウザさがあるかないかの程度でしょうか。正直モーターだけで発進する感動はそれほど大きくなく、アコードのように最後までモーターで加速しきる感動とは大違いですね。でも走り出してそこそこの走行ノイズが出てきてのエンジン始動ですから、エンジンの存在を可能な限り減らしていることには違いありません。




違和感を感じたことも記しておきます。

普通にゆっくり加速していくと、50Kmあたりまででしょうか何となく軽いスナッチのような息つきっぽいような加速をしました。これはエンジンが暖まっても同じで何度も感じました。奇数段しかモーターアシストしないから?DCTの制御に何か迷いがある?でもフル加速ではこんな症状はない。理由は分かりませんが、とにかく速度的にも一番使うところだしシチュエーションとしても一番ある状況なので気になりました。









~フル加速~
これがビックリなほど速い。正直、ここまで速いとは思いませんでした。

加速した瞬間は、正直DCTならではのダイレクト感というものはあまり感じないのですが、あるところから急にダイレクトな感じがし、「おお!なんか急にDCTらしくなったぞ!」という感じでした(笑)。下手すると、RSのCVTよりは速いんじゃないですかね。こうなるとRSにも乗ってみたくなりました・・・。






~変速ショック~
やはりちょっとありますね。特に低速ギヤで感じます。まぁホンダのトルクコンバーター式と似ている程度ですが、CVTには敵わないのは仕方が無いと思います。むしろこの程度なら全然問題ないといえるかも。

できれば、一定速で走っていてグイッと加速するとき、ガツンときてもいいからダイレクトな変速と加速をしてほしいです。アクセルに対するツキが今ひとつで、ダイレクト感が薄いんですよね。





~足回り~
それほど沢山運転できたわけじゃないので何ともいえませんが、ストローク感のある足でしっかりしています。タイヤがエコタイヤなんだろと思いますが、その割には乗り心地がいいです。








ただ、こういった凸状をまたぐ道では、前からも後ろからもポコンという軽い変な音がしました。これは安っぽい。明らかに足回りの何かから音がしてます。相当気になりました。







~その他~

シートの高さは先代と違って自然でした。いや、もしかしたら変わっていないのかもしれませんが、頭上空間とインパネの高さ、それに視界との相関関係から違和感を感じないのかもしれません。

静粛性は抜群。先代のハイブリッドは荷室あたりからちょっと妙な音が聞こえた記憶がありますが、新型はとても静かです。

ハンドルの重さは・・・、あまり覚えていませんが、恐らく軽すぎず重すぎずだった気が・・・。

そろそろ曖昧な記憶になってきたので、試乗記はこのへんで。



幼馴染には、もしRSの試乗車が回ってきたら教えてねって言っておいたのですが、果たしてそんなの回ってくるのだろうか・・・。









早速今日、市内のCDレンタル屋で新型フィットを発見。

奥様に言うと、食い入るように見ていましたが


「う~~ん、結構好きかも。でもライトとライトの間の黒いとこはちょっとかっこ悪いね」

とのこと。基本細目の顔が好きな奥様なので、なんとなく好きだろうなぁとは思っていましたが・・。








新型を眺めていたらちょうど先代ハイブリッドもやってきました。

低くどっしりして安定感があるのはこっちですね。特にドアミラーが開いている時はそう感じました。






でも、そのうちかっこよくカスタマイズされた新型フィットを街中で見るようになるんでしょうね。
そういうフィットを見かけるのを実は楽しみにしています。
Posted at 2013/09/23 23:49:50 | コメント(19) | トラックバック(0) | 新車情報・試乗記 | 日記
2013年07月05日 イイね!

i-MMD、訂正とお詫び

皆さん、こんばんは。最近、夜11時を過ぎて起きているのが非常に辛くなってきているダブルウィッシュボーンです・・・。そういう訳で、夜は半仮死状態ということもあって皆さんのブログに辿りつけない日が多くなっていることをお許しください(笑)








7月に入り梅雨前線の活動が活発になって豪雨の日が続く山口ですが、あと半月でその梅雨も終わるんですよね。そしてそのあとはうだるような暑い夏です。1年前の出来事を思い出すとあまりにも1年間が早く感じます・・。








さて、前回のブログでアコードハイブリッドの試乗記ついでにメカニズムネタを盛り込みましたが、それを読んでくださった方から間違いの指摘を受けました。私もそれなりに詳しい技術解説書を読んで理解していたのである程度自分の知識には自信があったのですが、どうやら私の書いた内容が間違っていたようでした(汗)。








間違っていたのはエネルギーフローの中の“エンジンドライブモード”についてです。





「エンジンドライブモードではエンジンと駆動輪が直結される事に限定されると思っていたが(ただし、開発技術員の雑誌インタビューの中で高速でもEVモードに切り替わることは知っていたが)、実は加速要求によってはクラッチ直結のままモーターがアシストする。」









正直これには驚きました。これまで見てきたカタログや技術解説書、それにメーカーが提供している動画でもこのような説明は一切なく、前述の指摘してくださった方が教えてくれたメーカーサイトでひっそりと短い一文でそれが書かれてあっただけなのです。









つまり、i-MMDはエンジン直結モードでも、プリウスのようにシリーズパラレル式のような運転も行なうということです。正直寝耳に水といった印象で、なぜこれをエンジンドライブモードの説明に加えなかったのか非常に疑問です。エネルギーフローの動画でもこの流れの説明が一切ないんです。ひょっとしてTHSとの違いを明確にしたいがために省略したのではと勘ぐってしまったほどです。

当初私は、エンジン直結モードで加速負荷をかけた場合、クラッチを切りハイブリッドモードに切り替えてエンジンよりも出力の大きい駆動モーターだけで走ると思っていました。しかし、エンジン直結のままモーターアシストする、謂わば“裏モード”なるものがあるのであれば、「エンジンか、それともモーターか」という面倒な選択をする必要がなく、むしろエンジンで走っている途中でモーターがアシストするほうがエネルギーフローからしてもすっきりした印象を持ちます。



ただし、そうすると疑問点もあります。

例えば高速道路でエンジンへ常に負荷をかけた燃費に悪い走りを続けていたとします。その場合エンジン直結モードのままモーターアシストされるわけですから、リチウムイオンバッテリーの消耗が続いてしまいます。又、極普通の高速域では概ね1/3程度をEV走行するとも開発技術者が語っていましたから、どのみちリチウムイオンバッテリーの電力は消耗されていくわけです。


それらを考えると、もしバッテリー残量がなくなったとしたら、

A)エンジン直結のままエンジンパワーだけで走り続けるのか。

B)それとも当初私が思っていたように、エンジン直結を一旦諦めてエンジンは発電モーターを回して駆動モーターで走るハイブリッドモードになるのか



という疑問が湧いてきます。恐らく電力が全くない状態で走り続けるなんてことはいくらなんでも無い気がするので、どこかでハイブリッドモードに切り替わるのではと思っていますが、これはオーナーさんだけが知ることができる納車後の楽しみともいえるのかもしれません。







更に、上記の私の勘違いによって連鎖的にもう一つ間違いを書いたことになります。それは



「システムの最高出力はハイブリッドモードで得ることができると書いたが、最高出力はエンジンドライブモードでモーターアシストしている状態で得られる。」



ということです。どこかの技術解説書に明確に書かれているわけではなさそうですが、これも今回指摘してくださった方に対するホンダの回答ということですので間違いない情報と思われます。





当初エンジン直結状態ではモーターアシストなどないと思っていたので、当然そんな状態で最高出力など出せるはずがないと思っていましたが、モーターがアシストするとなれば話は変わってきます。

エンジンの最高出力143馬力は6200rpmというかなりの高回転で発生されるので、変速機を持たない固定増速ギヤのアコードは当然高速道路でこの馬力に到達するはずはありません。仮に100Km/hが3000rpmだとしたらまぁ普通に考えて50馬力とかそんなもんじゃないかと・・・。

一方の駆動モーターは、最高出力である169馬力は3857~8000rpmの範囲で発生するとカタログで書かれてあります。この回転数は恐らくエンジンの軸回転数とは違う、出力軸から先にある固定増速ギヤで増速された回転数だと思われます。モーターとエンジンの回転数比はカタログで2.45:0.803。つまりエンジン直結状態でのエンジン回転数1264~2622rpmの範囲でモーターは最大出力を発生できることになります。となると、100Km/hからだとアクセルを踏んでもそろそろモーターは最大出力を出せなくなってくる状態といえます。

仮にここでアクセルを踏み込みモーターアシストさせた場合、固定ギヤのまま回転上昇していき馬力も仮定である50馬力程度から徐々に上がっていくでしょう。逆にモーターは瞬時に出せる出力が169馬力よりもどんどん小さくなる・・・。実際は効率などを含めたエンジンとモーターの出力の出し方や比率がよく分からないので正確なことが分かりませんが、エンジン直結時のどこかの速度(回転数)で、上昇していくエンジンの馬力と下降していくモーター馬力の合算値=システムの最大出力199馬力になる・・・ということなのだと思います。もしかしたら199馬力はある一点で出ているのじゃなく、モーター側の出力調整で回転数に幅を持たせて出ているのかもしれませんが・・・





ってことで、

・エンジンドライブモードにおいてはモーターがアシストする。

・システムの最大出力はハイブリッドモードではなくエンジンドライブモードで得られる。


この二つが正解のようです。そして、エンジンドライブモードの時にハイブリッドモードになるのかは定かではない。これも付け加えておきます。
多分充電のために切り替わるとは思うのですが・・・



間違った情報を流しまして大変申し訳ありませんでした。


前回書いたブログの内容も早めに訂正しておきます。
Posted at 2013/07/05 23:11:37 | コメント(7) | トラックバック(1) | 新車情報・試乗記 | 日記
2013年06月30日 イイね!

アコードハイブリッド試乗(メカ解説&新型フィット情報付き)

今週は、週の初めから終わりまでずっと頭痛や肩こりに悩まされました。毎日のように鎮痛剤や風邪薬を飲みながら騙しだましで乗り切った一週間という感じで、PCもほとんど開かなかったのでみん友さんのブログをほとんど覗くことができませんでした。気圧のせいか、それとも湿度のせいかはわかりませんが、ようやく土曜日の今日だけ頭痛なしで出勤できました。なんでだろ・・・。


さて、今週の木曜日に私のアコゴンのエンジン微振動を軽減するために、エキパイ部のフレキシブルガスケットと吊りゴム(マウント)を交換してもらうため一泊二日の入院をさせることになり、その時に話題の新型アコードハイブリッドを試乗することができました。
アコードハイブリッドの試乗車は山口県内でも2~3台しか置いてないらしく、幸い大きめのこのディーラーは大概試乗車は置いてあります。しかし、それ故に他店への貸し出しも多く、今回も試乗を終えた20分後には隣の市の元クリオ店へ試乗車として貸し出されていきました。この日会社帰りに乗れたのはラッキーだったと言えます。


試乗記についてはすでに多くの方が書かれていて、それらを拝読させてもらって私も試乗をとても楽しみにしていました。近年のホンダ車の試乗記に関しては個人的な印象をやや辛口ぎみ(毒舌ぎみ?)で書くことが多い私ですが、果たして今回のアコードはどうだったか、私なりに感じたことを記したいと思います。
尚、今回はハイブリッドということでメカ解説を途中挟んでいます。ですので長めです。時間のない方は暇な時にでも思い出したら読んでみてくださいね。








9代目となる今回のアコードですが、どうやらグレードはEXとLXの2グレードしかないようです。試乗車は上級グレードであるEX。ちと色が地味ですね。幼馴染の工場長も「なんでこんな地味な色にしたんだろ・・・」と言っていましたが、新色ということもあって選ばれたのでしょうか。

スタイルは随分前から雑誌等で見ていたので、実車を目の前にした時は酷く落胆するということはありませんでしたが、このアコードは見る角度によって随分と印象が変わってみえます。近づくとイマイチ、遠く離れてみると意外とかっこいい・・・。色はダントツ黒がかっこいいと思いました。

ボディサイズがクラウンよりも大きいとは聞いていましたが、よほど大きいのだろうと心構えができていたからか、まぁこんなもんだろうなというのが第一印象でした。ボンネットフードの長さがあまり長く感じないので、むしろCP3インスパの方が大きく感じるかな・・・。

全体的なボリューム感は充分あるのですが、フロントグリルとバンパー開口部周りのデザインがそれを台無しにしている・・・、早速毒舌ですがそう思いました。なんというか、顔の重心が上のほうにある感じ。バンパー両サイド下部のエッジを利かせたデザインがその主原因だと感じます。それにこれほど細い精悍なライトユニットを与えるならもう少しボンネットをなだらかにスラントぎみにして今よりも低めに目を持たせたほうが全体的なバランスが良かったんじゃない?なんて素人な考えですが思いました。







怖いことに、ずっと見てると少しずつ慣れてくるんですよ、これが・・・(汗)。

でも、やけに飛び出てるグリルがウルトラマンのカラータイマー周りのデザインに見えて、ここだけはもうちょっと何とかしてほしかった・・・。







なんでホンダのハイブリッドシリーズは、こうもブルーを使うのだろう・・・。安っぽく見えると思っているのは私だけ?







バンパー形状も空力を意識してか、結構大胆なデザインですよね。スポーティな顔つきなんだけど、こういう理詰めで無茶なデザインを取り入れたためにトータルとしてイマイチにしてしまう。これは今のホンダ車に共通したことに思えます。だけどデザインの素がいい車が多いだけにちょっと車高落としたり大きなホイール履かせると激変する。これもホンダ車に共通したことですよね。








アキュラRLX(次期レジェンド)や次期型MDXには「ジュエルアイ」と呼ばれるLEDヘッドライトが採用されていますが、それに似た8角形のLEDライトが片側2連装着されれています。その内側にはハイビーム。配列やデザイン等ここまではかっこいいと思いました。でもその下にはアウディ風のLEDポジションライトが。正直、このアウディ風のポジションはネコも杓子もという印象で、「もうそろそろいいよ・・・」と思ってしまいます。

そして1850mmもの全幅となると、ボンネットフードも平坦なデザインにするわけにはいかなかったのでしょう。マツダが初代アテンザで早くから取り入れていたこのボンネットフードのデザインですが、今やカムリも同じ手法ですから、これが今のトレンドなのでしょうね。







なんというか、スカッとした形に見えないサイドビュー・・・。前から後ろまで平凡で特にCピラーからトランクに続くラインは本当に退屈なデザインに見えます。もう少しカチッとしたCピラーにできなかったものか・・・

それと、これほどのボディサイズともなるとホイールが17インチじゃ足元が貧弱に見えますね。キャビンが大きくとってあるので余計にそれを感じます。







一方、意外とイケてると思った後姿。雑誌を見たときはプレミオに似て全然風格がない、なんて思っていましたが、かっこいい18インチホイールでも履かせれば、後ろ姿はかなりいい感じになりそうです。







あくまでも個人的な意見ですが、クラウンやカムリよりは断然こちらのほうが風格があるように見えて好みです。ただ、欲を言えばあと何か一つ足りない、何かをどうにかすれば更にグッとかっこよくなる、そんな感じがしてなりません。








やっぱり問題はCピラーとトランクのつながりの部分か・・・。なんかハイエナとかジャッカルみたいな尻下がりに見えて、力強さがないんですよね。








似て非なるものとはこの事か・・・・。

居住性やコストなどを考慮するとスケッチのまま製品化するのは無理ってのは分かるんですが、特にリヤスタイルはこのスケッチのままだったらどんなにかっこよかったことか・・・・。








因みに今日の帰宅中、なんと黒のアコードハイブリッドの試乗車を発見!交差点の先頭で信号待ちしていたら、右側から結構なスピードで右折していき、そこから猛ダッシュで加速していったのですが、かなりカッコよかったです。
その後次の信号で横に並んだのですが、室内で若い男性が助手席の営業マンと身振り手振りで楽しそうに話していました。普通は営業マンと一緒に試乗するのが普通なんでしょうね。私の行きつけのホンダでは必ず一人で運転させてくれるので好き放題やってます。同乗者がいるのって遠慮しちゃって嫌ですよね・・・。

話がそれましたが、アコードは止まっている姿よりも走っている姿のほうがかっこいい、そしてやっぱり色は黒がいい。強くそう感じました。フロンマスクもなかなかのかっこよさで、冒頭でスタイルをダメだししたものの、街中で見慣れてしまうのも時間の問題だと思いましたね。







アルミホイールは鋳造品ではなくなんと軽量な鍛造品。でもそんな凄いホイールに全く見えないダサダサなデザインに泣けてきました。

ホンダの純正ホイールのデザインは、正直国産メーカーでも一番ダサいと思っているのですが、このアコードもその例に漏れず。プラグインハイブリッドのホイールデザインなんて、まだよっぽどホイールキャップのほうがマシと思ったほどです。

純正ホイールでかっこいいのは今はマツダかなぁ。好みの問題ですけど・・・

※2013/7/2追記  鍛造ホイールはプラグインハイブリッド用のみの間違いでした。








手ブレしちゃってますね(汗)。

インパネはこんな感じ。先代のCU/CW型よりもオーソドックスになった感じでしょうか。個人的にはCU/CWの方がスポーティでデザインも洗練されているように思いますが、このハイブリッドも充分豪華でハイクオリティです。







センターの計器類。

オーディオ関係が全面ディスプレイでタッチパネル式でした。社外オーディオはまったくもって対応不可。ナビ関係もプログレッシブコマンダー式になっているなど、全体的にボタンが少ないのでとてもすっきりして見えます。その代わり操作性はちょっと慣れが必要であまり良くないかもしれませんね・・・。

エアコン操作部はシルバーの装飾がちょっと安っぽく見えるかな。先代のフィットやエアウェイブっぽい感じを受けました。







ナビ画面は8インチ。右半分にエネルギーフローの表示ができますが、もちろん地図を全画面表示することもできます。というか、エネルギー伝達の状態を表示させるとそこに目がいっちゃって運転に集中できない。ハイブリッドカーって、全般的にそういう傾向にあるんじゃないでしょうか。







眩しいほど高級な感じ・・・。インスパ以上です。







メーターはIMA車に通ずるデザインで「アンビエントメーター」と呼ばれるもの。左側に発電か蓄電かを示すパワー/チャージメーター。右は駆動用バッテリーとガソリンの残量メーターが。タコメーターもありません。速度計の外輪部には例のエコ運転中にはグリーンに、加速中はブルーにと、淡い色変化をするアレがついています。

アコードのエンジンは基本発電用として動くことがほとんどなので、エンジン回転は車速と全くリンクしない動きをします。そういう意味ではタコメーターがあるほうがむしろ違和感を持つかもしれませんね。







エンジン音のしない2モーター式のハイブリッドということで、擬似走行音のカットボタンがありました。
もちろんカットして試乗しましたけど・・・







運転してて結構違和感を持ったミラー形状。見える範囲の広さという意味ではよく考えられていますが、下は三角形で上は斜めに傾斜・・・。なんというかスマートじゃない形状といいますか、自分のアコードはミラーの形状が上下水平でスタイリッシュに見えます。格好を語るアイテムじゃないのですが、どうも整っていない形状に高級感を感じないというか・・・







身長171cmの私のドラポジだと、後席のニースペースはこのくらいあります。まぁ全長4.9m以上の車ですから当然この程度はないとね・・・

因みに前席シートは運転席も助手席もパワーシートでした。名はアコードですが、やっぱりアコードじゃないんだなぁと妙に寂しく感じました・・・










軽いアルミのボンネットフードを開くと、そこにはぎっしりと詰まった最新技術のハイブリッドシステムがあります。でも最新型のエンジンルームしては意外とゴチャゴチャしてますね・・・。




いつもなら、エンジンの馬力は○○○馬力・・・、なんてことを書くわけですが、今度のアコードはi-MMDと呼ばれるハイブリッドシステムということでいつものエンジンうんちく紹介のようにはいきません(笑)。
まずはi-MMDの全体的な動き、つまりハイブリッドの動作状況をざっくりと書くべきだと思いますが、多分もうこれは知り尽くしている方がほとんどかと・・・。なので多少色をつけて分かりやすく箇条書きで。









「EVドライブモード」
後席背面に設置されているリチウムイオンバッテリーの電力のみで“駆動用モーター”を回して走らせる。



「ハイブリッドドライブモード」
上記EVドライブモードに加え、エンジンで“発電用モーター”を回し、そのエネルギーで“駆動用モーター”を回して走らせる。つまりこのとき“駆動用モーター”はバッテリーからの電力と“発電用モーター”で生み出された電力のダブルのエネルギーで回ることになる。状況としては、

・リチウムイオンバッテリーの残量が減ってきた場合
・リチウムイオンバッテリーから供給されるパワーだけでは足りない強い加速を要求された時。



「エンジンドライブモード」
モーターが苦手とする高速回転領域は、逆に効率のよいエンジンだけで運転(モーターは軸回転が速くなるとトルクが落ちる)。エンジン出力軸と駆動輪をクラッチでつなぐことでエンジンのみで駆動する。
その際、図のように「エンジン出力軸→発電用モーター→駆動用モーター→駆動輪」のラインが繋がったままに思えるが、発電用モーターと駆動用モーターの間は電気的な繋がりでしかなく、実際はこの区間は切り離されているのでエンジンのみの駆動となる。
尚、70Km/h以上からでないとこのモードにはならないが、加速力の要求度合いによってはそのままモーターアシストも行う。

バッテリー残量によって、クラッチを切り離して「ハイブリッドドライブモード」に戻すと思われる。




ざっと、こんな感じでしょうか。


エンジンドライブモードの一部では同じ2モーター式のプリウスやカムリのTHSと制御方式が同じになりますが、基本的な考え方は随分と違うものですね。THSは、エンジン出力を動力分断機構なるもので、一方は直接車輪を回し、もう一方は発電モーターを回すというもので、配分率は細かくリニアに調整されます。ただ、その分断機構が遊星ギヤを使用していることから、どちらか一方だけを回してエンジンとモーターのそれぞれ得意なシーンで独立して働かせることができないのがデメリットと言えます。


簡単に言えば、トヨタ式はモーターのみで走るシリーズ式にIMAのようなモーター駆動をエンジンが助けるパラレル式を併せた「シリーズパラレル式」であるのに対し、アコードはシリーズ式はトヨタと同じですが、エンジン併用のシーンではパラレル式と言えるのかというとちょっと違う気がします。基本はエンジンは発電専用か、それとも駆動輪直結かであり、決してIMAやTHSのようにモーターとエンジンが一緒になって駆動輪を回すパラレル式がメインではないからです。











さて、そんなわけで今回のアコードのi-MMDは主役が完全にモーターという印象を受けますが、そうは言ってもモーターに電気を与えたりバッテリーに蓄電する大元はやはりエンジン。なんだか2つのモーターに話題を奪われて脇役ぎみな今回のエンジンですが、そのメカニズムはさすがホンダ。脇役なのに相当気合の入ったエンジンのようですので、カー雑誌ではイマイチ分からない方のためにやや詳しめにまずはエンジンの話を(笑)。

メカに興味のない方は、試乗記まですっ飛ばしてやってください。








もはや今更書く必要もないかもしれませんが、エンジンはLFA型と呼ばれる2000cc直4DOHCのi-VTECエンジン。単体性能は143馬力と16.8Kgmのトルクとなっています。発電用、それにクルージング用と考えれば、この数値は充分であると分かります。







圧縮行程よりも膨張行程を長くとれる吸気バルブ遅閉じアトキンサイクル(ミラーサイクル)エンジンで、仕掛けはVTEC+VTC機構によるもの。パッと見では中央のカム幅が広いのでこれがパワーが必要な時に使うカムで両端が低燃費用に思えます。となると、両端のカムはそれぞれでタイミングがずらしてあり片側だけが遅閉じになるようになっているのかも・・。いずれにしても吸気遅閉じ機構はこのVTEC機構よりもVTC機構をメインに位相を変化させているように思えます。






ホンダのもう一つのアトキンソンサイクルエンジンであるR型にはこのVTCがなく、VTEC機構で可変吸気を行っています。そして、同じ2モーター式ハイブリッドであるトヨタのTHS-Ⅱ用アトキンソンサイクルエンジン2AR型などは逆にVTECのような可変カム機構を持たず、位相変化のみ(VVT-i)で吸気遅閉じを行っています。
しかし、ホンダのR型やトヨタの2AR型のように可変機構が一つの場合、カムプロフィールは燃費とパワーの妥協点で決めるしかないのに対し、アコード用LFA型のVTEC+VTCであれば燃費とパワーの双方を独立して追及することができるのが大きなアドバンテージと言えます。

低燃費用カムと出力用カムの切り替えは5500rpm。意外と高く、恐らく出力用カムに切り替わる事はめったにないのかもしれません。





エンジンフリクション低減の徹底ぶりには驚くものがあります。

トヨタのTHS-Ⅱと同じく、アコードのLFA型もウォーターポンプやエアコンの駆動がベルト式ではなく電気式になりました。加えて、カムの可変位相機構VTCも電動化。私のアコードのK型や軽自動車ユニットS07Aに採用されているVTCは油圧式ベーンですが、LFA型ではこれを制御性の良い電動モーターで可変させています。油圧がゼロとなるエンジン停止状態からの再始動でも瞬時に制御でき、再始動時のショックを軽減できるのもメリット。当然油圧に頼らないということはそれだけエンジンへの負担が減り、前述のウォーターポンプ&エアコンのベルトレス化によってフリクションも激減。更にポンピングロス低減に必要不可欠なEGRも新たに冷却式とし、EGR率を増大させて更なるポンピングロス低減を図っています。
ピストンヘッドは非常に薄く、そのぶんカウンターウェイトも肉抜きして軽量化されるなどフリクション&ポンピングロスへの拘りは相当なもので、結果ガソリンエンジンの効率は30%がいいとこと言われる中、LFA型は39%と、世界一の高効率を達成しています。

ボア×ストロークは81×96と常識から大きく外れたロングストローク型。圧縮比もホンダ車随一の1:13という高さ。マツダのスカイアクティブが早くからこのあたりを達成しているので、高効率低燃費エンジンは今後このあたりの数値がスタンダードになっていくと思われます。








そして主役のモーター。

エンジンの出力軸ラインに並べられているモーターの出力は、169psの出力に31.1Kgmのトルク。ピンとこないかもしれませんが、トヨタのカムリが採用している2モーターハイブリッドのモーター出力143psと比べても格段に大きな数値です。おそらくこれはTHSのバッテリーがニッケル水素であるのに対し、i-MMDはリチウムイオンというのが大きな理由だと思いますが、加えてモーターも一般的なこれまでのものより1.8倍のトルクを出せ、効率も96~97%まで高めたリラクタンスモーターというものにしたのも大きな理由だと思います。

技術資料によると、エンジン側のモーターが走行駆動用で、右端のモーターが発電用。エンジンからの出力軸は増速ギヤを介して駆動用モーターの中空部を通り抜け右端の発電用モーターと常につながっているようです。一方の駆動用モーターは常にホイールとともに回転しています。







この機構の要とも思えるのが、エンジンの出力を駆動輪にダイレクトに繋ぐか繋がないかを行なう丸印の湿式多板クラッチの存在です。先ほどのエネルギーフローの図を見れば分かりますが、クラッチが繋がっていないハイブリッドモードでは、エンジン出力軸→発電用モーター→駆動モーター→駆動輪という流れで出力されますが、クラッチが繋がるとエンジン出力軸→駆動輪というダイレクトな出力伝達になります。
この時エンジン出力軸と繋がっている発電用モーターも出力軸とともに常に回っており、逆に駆動輪と直結している駆動用モーターは駆動輪が回転すれば駆動輪とともに回ることになります。エンジン側と繋がっている発電用モーターと駆動輪側と繋がっている駆動用モーターはお互い隣あわせで並んでいるわけですが、この二つは機械的に繋がっているわけではなくあくまでも電気的な制御による繋がりでしかありません。つまりそれぞれ別々の回転数で回っているのです。



もうひとつ、アコードにはエンジン出力からの先に機械的な変速機がありません。しかし技術解説には「電気CVT」という文字がよく書かれてあれます。最初私はこれがどういう意味が分かりませんでしたが、どうやらこのアコードはエンジン出力軸の先には増速用の固定ギヤがあらかじめ設けてあり、その出力軸の総減速比は並みのガソリンエンジン車のトップギヤに相当するものらしいです。つまり、エンジン直結時にだけこの速比が駆動輪に関係してくるわけで、なるほど、だから70Km/h以上からエンジン直結になるわけですね。

つまり、電気CVTとは駆動用モーターと発電モーターの回転数差の関係を連続的に変化させて常に最大効率を行い、例えば要求加速量に対し発電が多いようであればバッテリーへ充電、逆に足りない場合はモーターアシストさせるなどバリアブルな制御方式を電気CVTと呼んでいるようですね。決してベルト式のCVTがあるわけではありません。









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さて、やっとここから試乗の感想です。ほとんど客のいない平日の帰宅中に乗ることができたので試乗をたっぷりさせてもらえたのはラッキーでした。









まずは軽く街中走行。

やはり何といっても感動的なのはそのドライブフィールでしょう。僅かに聞こえるインバーターのヒュイーーンという高周波音のみで加速していくその感覚は、エンジンフィーリングや音質重視派の私にとってある意味ショッキングなもので、しかも運転すればするほどこの車が持つ雰囲気に実にマッチしたものだと思いました。

では、無音に近い空間で車を走らせていて、運転がちっとも楽しくないとか、後席で踏ん反り返っているほうがお似合いな車だとか、運転していて退屈になる車かというと私はそうは思いませんでした。確かに加速をしていてそこにエンジン音やバイブレーションがないというのは淡白に感じますが、内燃機関では絶対に味わえないアクセルに対する“ツキ”の鋭さは病み付きになるものがあり、ちょっとナンセンスな比較ですがホンダR軍団のアクセルレスポンスの鋭ささえ遠い過去の技術とさえ思えてしまうほどです。i-MMDの発表当時、スポーツハイブリッドという謳い文句に「は?」と思ったものですが、なるほどこのレスポンスとモーター特有の低回転域のトルク感は退屈仕様と呼ぶには余りにももったいないものがあります。







少しばかりアクセルの踏み込みを増やすと、アクセルの踏力とは全く比例しない状態でエンジンがブ~~~ンと動き始めます。ちょっと不思議な感じですが、なるほどこれが発電している状態なんですね。全くの無音状態からのエンジン始動なのでしっかりそれは分かりますが、発電している時間は短いのでそれほど気になりません。








当然ですが、○0Km/h程度までアクセルを床まで踏み込むフル加速もしてみました。

こうすると、アクセル踏力にリンクしたかのようにエンジン回転がグイグイ上がり、結構乾いた気持ちの良いVTECサウンドを感じることができます。ハイカムに切り替わるのは5500rpm。そもそもタコメーターがないのでハイカムに切り替わったどうかが全く分かりませんが、遠くから聞こえるとても滑らかで乾いた音質はとても気持ちよく、あのロングストロークからしても正直加速時のエンジン性能など全く期待していなかったのでちょっとびっくりしました。ただ、全長5m弱ある高級車に相応しい音かと言われればNoですけど、あくまでも加速中のエンジン音は発電のため。発電機が高級でガソリンを食うV6だなんて本末転倒ですもんね・・・。

もちろん、フル加速でのパワー感というかトルク感は全く不満なし。システム合計の出力が199馬力とのことで私のアコゴンの200馬力とほぼ同じですが、スタートダッシュやパーシャルからのフル加速は断然アコードハイブリッドが勝ち。スタートダッシュは3Lクラスの加速らしいですが、モーターの出力特性というのは回転させた瞬間から最大トルクを発生するので、そりゃ速いはずです。




加速性能は街乗りでもフル加速でも素晴らしいことが充分分かりましたが、ハイブリッドでいつも問題になるブレーキ性能がこれまた素晴らしいのです。

一時期、ホンダでの代車はいつもインサイトでしたが、ブレーキのフィーリングは本当に悪かったです。これはフィットハイブリッドでも似たようなものでしたが、ブレーキのタッチが悪く初期はカックンブレーキでその先は効きが悪く、停止の少し前でまたググっと効く・・・。私のインサイトの試乗記ブログでもブレーキの効きの悪さを書いた記憶があります。ハイブリッドは減速時に回生エネルギーを得ていますが、回生をギリギリまでさせてできなくなった最後の方で油圧だけで止めるため、ここでのフィーリングも悪くなるわけです。これにCVTの減速制御も加わるため、滑らかに停止してくれないんですよね・・・。







今回のアコードは電動サーボブレーキシステムと呼ばれる、言ってみればドライブバイワイヤーならぬブレーキバイワイヤーが採用されています。ブレーキの油圧コントロールをペダル踏力に頼らず、踏力を電気的に変換して油圧制御するものになっています。おかげで回生量も増え、油圧コントロールの応答性が上がり緻密なブレーキフィールを実現しているんですね。

変速機であるCVTを使っていないこともあって、アコードのブレーキフィールの素晴らしさはハイブリッド車の中でも恐らくダントツなんじゃないでしょうか。







このような狭い道を走らせて離合も試みましたが、それなりに意識する程度で困ることはありませんでした。ま、私のアコゴンが既に3ナンバーボディなので、対比する車によってはもちろん大きさにとまどう方もいらっしゃると思いますけどね。

実際1850mmという幅があることは確かで、普通の道なら問題なくても我が家の前の路地を走らせるのは少々厳しい感じがします。ま、買わないし買えないので悩む必要は全くないいんですが・・・



その他、いつも書いているボディ剛性はもちろんガッチリして素晴らしい。ワゴン乗りの私はもはやこの点において感覚が狂ってきていて、ノッチバック車の何に乗ってもボディ後ろ側の剛性感に感動してしまいます。


あとは・・その他の感想は箇条書きで。


・シートはタップリ。薄く見えるけど座り心地に問題はなし。
・トランクはさすがに狭い。幅はあるが奥行きは4型プレリュードよりも少ない気がする。
・エアコンはさすが電動コンプレッサー。停車中もエアコンの効きがよいのはIMAとの大きな違い。





とまぁこんな感じでしょうか。とにかく徹底したモーター依存ぶりは本当に凄いですね。




「吹けない」
「音が悪い」
「気持ちよくない」


ここ数年のホンダ車の試乗記では随分とこの言葉を書いた気がしますが、それならいっそ「音がしないこのハイブリッドのほうがよっぽどええわ・・・」と思ったりもした今回の試乗。気持ちよさのベクトルがいつも思う気持ちよさとは全く違いますが、これはこれでアリだと思いました。







このアコードに対する印象は、皆さん色々と複雑な思いをもたれる方が多いと思います。歴代はちょっとスポーティで欧州の香りもするアコードやアメリカのおおらかさを感じるアコードもありました。でも全てのアコードに通ずるものは「らしさ」でしょうか。どこか知的で垢抜けている・・・。そんなこれまでのアコードからこれほどの大きさになったこと、ハイブリッド専用に対する異論などあるんじゃないかと。私も同じです。「これをアコードと呼んでいいのか?」という思いは今もあり、開発陣もまずはそこを悩んだそうです。でも、開発陣はやっぱりアメリカを見ているんですね。こればかりはもうどうしようもないのかもしれません。
世界のライバルと戦うとき、やはりアコードブランドは譲れない。ガチンコライバルのカムリもハイブリッド専用で大きなボディですし、アテンザも。日本市場を出来るだけ重視してきたレガシーもライバル並みの大きさになるのは時間の問題かもしれません。アコードは日本人のための車ではなくなってしまったのだとあっさり諦めてしまえば、私はこのアコードの見方が変わり、更に今回試乗をして素直に受け入れることができました。多くのみん友さんが仰っていたように思いますが、もうアコードとは全く違う車ですね。

私がこのアコードで一番素晴らしいと思ったのはもちろん完全にモーターが主役となっている走りの性能ですが、それがトヨタのTHS-Ⅱの二番煎じとなっていない点がもっとも凄いと思いました。同じ2モーター式ということで世間ではホンダが後だしじゃんけんで勝っただけと受け取られる可能性は大ですが、30Km/Lという燃費はカムリの23Km/Lをあまりにも大きく引き離しており、長さ5m弱、重量1.6トンものアコードが軽くて小さなプリウスの燃費にも迫ったのですから、これはとても二番煎じとは言えない技術の差といえます。これがもし24~25Km/Lという程度のアドバンテージで登場していたとしたら、単なるトヨタの後追いという印象になっていたでしょう。


そういう意味で、私はこのアコードの技術と開発熱意に惚れてしまいました。アコード自体には正直まだ惚れてはいませんが、これがもっとかっこいい別の車に搭載されたら、もしかしたら欲しいと思うかも。とにかく素晴らしい技術です。
結構かっこいいと思うようになってきたんですけどね・・・


















となると、次期フィットも期待できそうですよね。1モーターでありながらDCTのクラッチをうまく利用してEVスタートが可能と言われているi-DCD。



実は金曜日にその次期フィットの社外秘カタログを見せてもらえました!

金曜日にホンダに届いたらしく、入院していたアコードを引き取りに行った際、幼馴染が「まだ誰一人客には見せていないよ」といいながら見せてくれた次期フィットのカタログ。















カッチョ悪かった(爆)

ベス○カーのスクープの絵にほぼそっくりでしたが、絵の方がずっとかっこいいかな。実車は正直、かなり微妙・・・。顔は現行欧州シビックが好きな方は大丈夫かしれませんが、私は苦手かなぁ。ちょっと危ない表情をしてるというか。お尻はバンパーにわざとらしい三角形の開口部が全グレードに・・・。しかもテールエンドがかなり丸っこい。横は妙なプレスラインがザックリ入ってました。

グレード別の仕様はあまりよく見ていませんが、現行フィットのようにハイブリッドが1機種だけ。外観はさしてスポーティではなく、これにあのDCTが搭載されているの?って思うほど大人しい感じ。RSも存在していましたが、DCTではない模様。どうせまた半年とか1年遅れでRSのハイブリッド出すんだろうなぁと予想できました。燃費は見るのを忘れてました(汗)。


まぁホンダ車はカタログ写りが悪いので、実車を見るとまた印象が違うのかもしれませんし、ホイールをかっこいいのにしたら別物のようにかっこよくなる可能性大かも。気になる方はディーラーに行けば見せてもらえるかもしれませんよ。
今日本屋に寄ったら今月号のベス○カーが出ていて、新たに新型フィットの予想絵が出ていましたが、あんなにかっこよくありませんので・・・











さて、アコードハイブリッドの素晴らしく滑らかな走りを体感した帰り・・・





乗って帰った代車はというと













バス!!
フロントガラスの直角度が最高!




じゃなくて












ピンクのN-BOX!

いやぁ、ハイブリッド乗った直後に自分のアコードに乗ることにならなくてよかった~(~-~;)
というか、ハイブリッドのあとのN-BOXって、音も加速も落差ありすぎでした。


相変わらずCVTの減速制御が今ひとつで、停車寸前で滑らかに止まれないことが多々。アイドリングストップも短時間なら我慢できますが、片道40分の通勤 ではなんとウザイこと・・・。最後はECONスイッチをカットしました。私はアイドリングストップが苦手かも(~-~;)



ということで、今回の試乗記はメカ解説とフィット情報を盛り込んだのでかなり長くなってしまいましたね。

最後まで読んでくださいましてありがとうございました。

※2013年7月5日 一部内容を訂正しました。
Posted at 2013/06/30 00:43:59 | コメント(20) | トラックバック(0) | 新車情報・試乗記 | 日記

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「スタビライザーホルダー交換。その他諸々ありました・・・ http://cvw.jp/b/166682/48731695/
何シテル?   10/26 16:22
2005年12月にアコードワゴン(CM2)オーナーになったダブルウィッシュボーンと申します。 スポーティな中にもエレガントなたたずまいのアコードワゴンがと...
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愛車一覧

ホンダ アコードワゴン ホンダ アコードワゴン
'05年12月~ 私にとって5台目の愛車、CM-2の24Tスポーツパッケージです。 1 ...
ホンダ トルネオ ホンダ トルネオ
'97年11月 ~ '05年12月 私にとって4台目の愛車、先代モデルであるCF4です ...
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'93年8月 ~ '97年11月 3台目の愛車はBB4プレリュードSi-VTECです。 ...
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'89年6月 ~ '93年8月 2台目の愛車は、衝撃を与えた名機B16Aを初搭載したイ ...
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