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2020年05月14日

ラリー競技では何故ドリフト走行が普通だったのか?


昨日、「ドリフト走行は面白い?」と言う記事を書きながら、そして又、読み返していて、何故ラリー車はドリフト走行が主流であったかを考えてしまった。

当時はそれがかっこよく感じて、私が憧れていただけのような気もしていたが、その走法にメリットが無ければ主流とはなり得ない訳で、かっこよく見せるよりも勝つことが求められていたプロたちがコーナーのはるか手間で車を横向きに見えるほどテールを流しながら走る理由をもう一度考えてみることにした。

比較的安定していて固くしまったダート路であれば舗装されたサーキットトラックと同様にグリップ走行で走った場合の方が厳密には良いタイムで走れると思うのです。

しかし、ラリーで使われる一般道のグラベル路は変化しやすく、詳しくレッキ(コースの下見走行でデータを集積する)で調べ上げていたとしても、自車のスタート順位で中ほど以降になってしまえば、路面は前走者の激しい走行による轍の発生、表土の損出、岩の露出、砂利の偏在など様々な変化が起きて、試走時とは異なる条件の路面に遭遇することになることも当たり前となってしまう。

舗装路上での競技と最も異なるのはまさにその点ではないだろうか?

そうした非舗装路での競技では、自分をコースアウトした時の命の危険から守れることも非常に重要ですし、たとえコースアウトしても車を走れる状況の損害で止められれば競争にすぐ復帰できるという事もあります。

それらを考え合わせると、コーナーから飛び出してしまう最も危険な状況が起きた時、エンジン側でなくトランク側からコース外に出るような姿勢であれば、ドライバーやコドライバーの怪我も少なく済むし、エンジンなどを壊して走れなくなる可能性も大きく減らせると考えられるわけです。

実際、国内ラリーでもとっさにサイドブレーキを引いてスピンさせるように後ろ向きでコースアウトさせて前から立ち木に衝突するようなことが無いようにするケースを何度か知っていましたし、エンジンブレーキを強くかける目的で強引に1速へシフトダウンしてエンジンを壊してしまったなどと言うことも聞いたことがあります。

WRCのドライバーにしても、ラリーを完走できなくなることをできるだけ防ぎ、且つ自分とコドライバー二人の身の安全を確保するために、まっすぐ走ってハードブレーキで速度を落とし、コーナリングでもグリップ走行でベストタイムを狙うことが純粋な速さと言う点で良いと思えても、路面状況が刻々と変化しているはずのグラベル路で、最大の制動力を得られる直進姿勢で進入することのリスクを感じてしまうために、むしろ若干のタイムロスは覚悟しても後ろ向きにコースアウトすることがより容易な姿勢でコーナーにアプローチすることを選んでいると思われるわけです・・・・。

特にフロントエンジン・リアドライブの車両であった時代では、コーナーでアンダーステアを出してしまえばハイスピードでフロントからコースアウトしてしまうため非常に搭乗者にとってはリスクが大きかったと言えて、そうしたオーバーステアに振ることができる車と走法で高いアベレージで走ることに特化してチューニングされた車がほとんどであったと思われるわけです。

更にもう一つ考えられることは、トラクションのために重要なリアタイのグリップを高めるために、タイヤの温度を高く保って居たい場合もあり、グラベル路では路面に水分もあることが多いこともあって、長くはないスペシャルステージではタイヤの摩耗を気にすることは少なく、タイヤの温度を下げないために常にホイールスピンが起きるようなスロットルワークでリアタイヤの熱を失わせないことが求められていたという事も考えられます。

残念ながら私はそんな理由ではなくそういう走り方のカッコ良さに憧れていたのでありますけれどね・・・・笑。

ただ・・・、言っておくべきことに、今はやりと言うか新しい競技としてD1GPと言うのもあるのですが、ラリーでドリフトすることとドリフト競技では本質的な違いが有るだろうと言う事です。

当然ですがラリー競技でドライバーがドリフトを用いるのは、リタイヤしないためであり、身の危険から守り、たとえコースアウトしても競技にすみやかに復帰するために選んでいる方法論であり、そして且つ速さをあまり犠牲にしないというバランスから生まれてきた必然的な走り方だと思います。

しかし、ドリフトコンクールのような競技は、いわばそのラリー車の走法のカッコ良さを切り取って楽しんでいるという所があって、広いコースで無理やりテールを動かしているので、その目的がやや歪んでいるよね!と感じないこともありません・・。

まあ、実は私などは競技でそれをしていたわけでなくその走りのカッコよさに憧れていたのですからまさに今のD1GPを人里離れた山岳路でやろうとしていたようなものなのですね…観客はいませんから自己満足のためですけれどね・・・笑。

ラリーに詳しい方もおられると思いますので、ご意見お待ちしております。
ブログ一覧 | モータースポーツ | 日記
Posted at 2020/05/14 14:13:16

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この記事へのコメント

2020年5月14日 14:29
とある漫画ではコントロールできないアンダーステアよりも、コントロールできるオーバーステアって言ってました。
コメントへの返答
2020年5月14日 14:39
こんにちは~・・・。

当たっていると思います。

タイムはグリップ走行の方が速いのは解るけれど、アンダーが出て飛び出せばそこで終わってしまう可能性が多いし、しかし若干タイムは遅くともコースアウトさせないでフィニッシュまで車を持ち帰ることが必要である場合、アンダーステアな車よりもコントローラブルなオーバーステア傾向の方が確実ではないか?その方が走りやすいと思えますね・・・。

それとブラインドコーナーへハイスピードでアプローチせざるを得ない山岳ラリーや林間ラリーでは、危ない!という時に前から突っ込まずに済むような走り方が、やはり求められてきたと思いますね・・・。
2020年5月14日 20:22
オープンコーナーならまだしも、ブランドコーナーの先はどんなアクシデントがあるかわかりませんからね。

前走車がトラブルで止まってたり、落石など道路に異常があったり。

コドライバーがペースノートを間違えたり。
コメントへの返答
2020年5月14日 20:52
こんばんは~・・・。

私もそう思いますね!

つまり即対応できる走りに収斂していったのでしょうね・・・。

F1も好きですが、見に行くなら1000湖ラリーとか、モンテカルロのチェリニ峠、スエーディッシュラリー、RACラリーなどに行ってみたいとずっと思ってました・・・。
2020年5月14日 22:05
こんばんは、D1は別物のモータースポーツですね。
最近はマクドナルドのCMで使われてびっくりしました。
D1は予想通り、アメリカやオーストラリアなどで人気が出ましたね。
Xゲームのようなストリート系スポーツ、ウィンタースポーツで言えば、スノーボードのハーフパイプやビックジャンプ、スキーのモーグルなんかと同じようなカテゴリーと言えますね。
タイムではなく、魅せるもの。ギリギリのコントロールは見ていてしびれますし、迫力もすごいです。

ダートラやラリーもやっていた経験から言えば、やっぱり次のコーナーに対する姿勢づくりとして流していました。というよりもダートは何しても流れる(笑)と言った方がよいかもしれません。
予期せぬところで変な動きになるなら、先にコントロールできるようにしておいた方がと思うようになります。
ちなみに、練習会で全日本ダートで表彰台の常連だった先輩の横に乗せてもらいましたが、壁しか見えませんでした(笑)
コメントへの返答
2020年5月14日 22:40
こんばんは~・・・・。

まあ、ラリーやダートラの楽しいところを切り取ったわけですから面白いですよ見るスポーツの価値は認めますね。

そのカテゴリーで勝という事はやっぱり半端なく攻めないと勝てません。

D1にバタネンやミッコラが出てもいきなり優勝できるとは限らないでしょう・・・。

相当早いのは解りますが、D1で勝つにはD1での走りも覚えなくてはならないと思いますよ。

だけど、D1ドライバーがWRCを走ってみたらどうなるか・・・・そこは言わぬが花でしょうか・・・・笑。

それでも、D1のチャンピオンがWRCに出て大活躍する日が来ないとは言えませんよね?

車を操ることに才能が有るという事ですから、かなりやれる可能性は在りますよね。

レースオブチャンピオンシリーズとか言いましたかね?TVのための企画されたレースかも知れませんが、F1ドライバーがダートレースで意外なほど速いですからね!

是非そんな異種交流を期待します。

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