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2023年07月30日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第29弾!!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第29弾!!
今回の”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る、かなり古(いにしえ)のを持ってきましたゼ(^^;


まだ日本にマイカーという文化が根ざす以前、いや、それを根付かせようと各社が奮闘していた昭和30年代のモデル、母体は意欲作でしたしマニア以外でもご存じだとは思いますが派生?であるこのモデルはマニアか爺様世代の広島市民位しか知らんのではないかとw


って訳で今回はこのクルマ↓がお題!

『マツダキャロル600』
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キャロル、一時途絶えるもネーミング復活、スズキアルトのバッジチェンジとして細々今でもラインナップされていますがかつてはマツダを支えた人気車でしたね、ご同輩w

1960年(昭和35年)R360クーペで軽乗用車界に参入したマツダ(当時東洋工業)がそれに続く第二弾で1962年にリリースしたのがキャロル360,R360は簡素な造りとミニマムなボディながら性能もそこそこで廉価という点から評価は高かったも”クーペ”と名乗るだけあり実質の2シーター、これでは家族皆で乗れるファミリーカーとしては失格で先発のスバル360やスズキスズライト(後のフロンテ→アルト)の敵にはなり得ず本格的ファミリーモデルとして満を持して発売したのがキャロル360になる訳です。

昭和37年(1962)2月に発売されたキャロル360
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キャロル360は前年の昭和36年、東京モーターショーにて「マツダ700」として参考出品、その評判が上々だった事もあり当時オーナーカー=軽自動車がマストだった事から360ccにデチューンしR360クーペに変わり軽自動車市場に進出した訳です。

ただキャロル360は将来の普通車(小型車)参入も見込んだ設計であり当時軽が室内スペースの確保からなる2BOXスタイルが常だったところトランクルーム兼用のボンネット、キャビン、車体後部のエンジンルームで構成する見栄えのいい小型車並みの3BOXノッチバックスタイルを採用、当然これだとサイズ制限の部分で特に後席頭上スペースがキツくなるもRrウィンドゥを逆反りさせるクリフカットスタイルとしてこれを解決、外車では稀に見られる特徴的なデザインで国産では初採用でアクは強いながらキャロルの最大の個性として人気の一つでした。

また、小型参入の意欲を表すようにR360クーペから引き継ぐRrに搭載されたエンジンも当時の軽自動車の枠を超える贅沢な4気筒5ベアリングのアルミ製、水冷4サイクルOHV機構を採用し18psを絞り出すモノで軽=2サイクルで白煙モクモクと言った印象を覆す画期的なモノ、Rr搭載の為、風圧が利用できずボディRr後端にダクトを設けファンによる強制水冷としてのも大きな特徴!

4気筒、アルミのRrエンジンが個性的だったキャロル360
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4人がラクに座れ(あくまで当時の感覚)水冷4ストの高性能の割には価格も抑えられたキャロル360は大ヒット、それまでの”国民車”と言われたスバル360を怒涛の勢いで人気を奪い一時は軽自動車No1の売り上げを誇るまでになり気を良くした?マツダはこのキャロル360をベースにいよいよ念願の普通小型車市場に進出、それがお題のキャロル600です。

360発売の9か月後の62/11に発売されたキャロル600
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600は360が2ドアだった事に対し普通車らしく4ドアも設定(2ドアもラインナップ)したのが大きな特徴ながら600発売後の63/9には軽自動車初の4ドアが360にも追加されています!

キャロル600の概要

全長3200㎜
全幅1325㎜
全高1340㎜
ホイールベース1930㎜

エンジン
RA型 水冷4気筒600cc OHV 28ps

グレード
600モノグレード(360はSTD/DX)

駆動方式/ミッション
RR/4MT

サスペンション
前後トレーリングアーム

ただ600は360版とは違い車検制度の対象(当時軽は無車検)、軽免許では乗れない、税金が普通車となり大幅に上がる、その割には走行性能以外はサイズも大型バンパー以外軽のままで室内空間は同じという点から評価は得られず僅か2年での幕引きとなりました…。

オーバーライダーを備え360よりも立派な大型化したバンパーのみが360との外観上の大きな違い!
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室内は360と同一
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エンジンはショーモデルの700ccを100ccボアダウンした600cc
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高度成長期の中でマイカー(小型車)の夢は膨らむばかりの中、キャロルに限らずスバルもホンダも軽ベースの普通車をリリース、これらは輸出用を転用し国内販売したものでしたがやはりキャロル同様の理由からパッとせず短命で終わってます。

スバル450
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ホンダN600E
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キャロル600の場合は1964年発売のファミリア800セダンのパイロット的役割と見なすべきで事実キャロル600のエンジンが基となり新発売ファミリア800に搭載されていました!

以上のようにファミリアの下敷きとなったキャロル600、360は好評でもあり特に1962~63年はベストセラー、総生産台数26万台弱に対し600は2年間で僅か8800台という内容、勿論幼少期でも600なんてワタシも見かけた記憶なく特に東日本ではスバル450やホンダN600Eよりもいなかったんじゃないか?と思います、現存実働が博物館以外にあるか否かですが往年のレア車=変態車として独断で認定です(^^)v

変態度指数:★★★★★
Posted at 2023/07/30 17:09:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ
2023年07月05日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第28弾!!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第28弾!!
”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る、第28弾は80年代の自動車界最大の懸案事項であった”日米貿易摩擦”によって生み出された変態車をご紹介(*^^)v

貿易摩擦、主にアメリカからイチャモン付けられたのは日本、アメリカでは不得手な小型車開発→販売がアメリカでも好調でこれが問題視、自国のガソリン大食いの大排気量大型乗用車が石油などの値上がりもあり自国車が売れなくなりアメリカの自動車産業が瀕死の状態になる、その自国の産業を守るため輸入車(日本車)には高額関税を掛けて締め出したい、そんな言わばアメリカの自業自得な部分を他国になすりつける政策ながらも特に日本は”アメリカがくしゃみすれば日本が風邪引く”と言われる位アメリカさんの意向は無視できない、日本は他国に売りまくるくせに自国輸入に様々な障壁があり不公平との声はアメリカ以外からも囁かれこの声に対し将来の国際的立場に危機を感じた自動車メーカーは半ばアメリカの圧力もありながらもその打開策として海外製のモデルを日本車として日本で売る、その代表例がかつてこのコーナーでご紹介したGM製の小型車『トヨタキャバリエ』であり日産の回答がこのクルマ!

『M30型VW(フォルクスワーゲン)日産サンタナ』
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貿易摩擦に対応(言い訳?)するため~日本も海外モデルに対し寛容ですよー!~的に2大メーカーであるトヨタと日産がババを引き嫌々!?デビューさせたこのようなモデル、結果はどれも芳しくない事で終わりますが当時自動車生産量No1の日本としてはある意味致し方ない施策、50年代、60年代でまだまだ技術が進捗していない時代に海外車両をノックダウン生産し”国産車”として売っていた事例は数多くありましたがサンタナが出た80年代後半は日本は既に世界のTOPを行く技術力を得ておりわざわざ海外車両を売るなんて!とリアル世代は政治的背景を鑑みても何か存在価値のないクルマという感想が正直なところ…

サンタナは当時のファストバックであったVWパサートのセダンバージョン、欧州を始め中国、南アメリカ等で1981年から販売されており日本(日産)ではVWと業務提携し1984年(昭和59年)に発売。

”ドイツの風”と敢えて欧州をアピールしたサンタナ
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サンタナのベースとなる2代目VWパサート㊤シャシ共有のアウディ80㊦
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サンタナは当時の売れ線カテゴリーであるミディアムクラス、1.8~2L級に位置、当時日産にはこのクラス、ブルーバード、スカイライン、ローレルなどが存在し販売前から苦戦は予想されるもサンタナはFFであり当時まだこのクラスのFFは少なくFRモデルに較べ広い室内が訴求できると判断し販売踏み切り、扱いは上位車種のなかった日産サニー店と国内ではヤナセも担当、在りし日の神奈川・座間工場にてノックダウン生産。

サンタナの概要…

駆動 FF(エンジン縦置き)

搭載エンジン
VW JN型 1.8L 直4 SOHC 機械式燃料噴射 100ps/VW J型 2L 直5 SOHC 機械式燃料噴射 110ps/VW J型 2L 直5 DOHC 電子燃料噴射 140ps(後期のみ)/VW CY型 1.6Lディーゼルターボ 直4 SOHC72ps
 
ミッション
5MT/3速AT

足回り
Frストラット/Rrトレーリングアーム

車両寸法
ホイールベース 2550mm 全長4545mm 全幅1690mm 全高1395mm

車重
1150kg(2000Xi-5)

サンタナの最大の売りは本国では大ヒットとなった5気筒エンジン、4気筒の俊敏さと6気筒の静粛さを両立したと言われる5気筒は注目され日本ではこれまで設定されなかったエンジンながらサンタナの後にはホンダやトラックでは日野も採用、いささか異端的印象ながらかつてサンタナ転がした事あるも変な違和感は一切なく静粛さは6気筒と遜色ないレベルだったと記憶します。

5気筒J型エンジン
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サンタナのデビューは従来の国産にはないボディ剛性に優れアウトバーンで鍛えられた秀逸な足回り、そして吹け上りのよいVWエンジンは特筆モノながら当時の日本はバブルの入口、高級車、若しくはそれに準ずる雰囲気のクルマ、そしてハイパワーを競う高性能スポーツ車が人気の中心でオシャレな出で立ち、フカフカのシートにフワフワなサス、オーバーデコレートとも言える見かけ、L/100psを超えるハイパワー等が持て囃されいた頃に地味な外見、特筆するハイパワーもない、4ATが主流のATモデルが車格に合わない3ATのみ、内装も貧相ではないながらも欧州独特の質実剛健で派手さがない部分が日本人の生理に合わず販売は低迷します。

ドイツ車らしい機能的で質実剛健ながら派手さはないインパネ
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シート、室内も決して質感は低くないながらバブル期の日本では”安っぽい”印象?


このようにデビュー時から地味な印象しか持たれなかったサンタナはテコ入れに87年のMCでDOHCモデルを追加、140psまでUPした5気筒DOHCエンジンは小気味いい走りでドイツの質感の極みを感じさせハンドリング、足回りのチューンも絶妙、日産はこのサンタナに学び後の初代プリメーラ(P10)にそれを活かしていますネ。

DOHC搭載のサンタナ2000Xi-5 アウトバーンDOHC
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しかしDOHC追加でも人気/販売浮上はならず6年間のモデルライフで販売は4万台強という芳しくない成績、貿易摩擦問題も現地生産などで解決し日産はVWとの提携‐ライセンス生産を終了させ1990年にサンタナは廃盤となっています…。

スカイライン、ローレル、他社ではマークⅡやチェイサーとモロ被りしそれらBIGネームの前に崩れ去った”ドイツの旋風” 当時でも欧州車を愛する日本人は勿論おりましたがそういうユーザーはアウディなりBMなり本国モノを購入する、ましてローレルマークⅡのように”THE日本車”が好みのユーザーには相手にされず街中で見かける事は皆無と言っても差し支えない、これぞ”変態”と言わず何と言おう!って個人的には思っておる次第です(^^)/

変態度指数:★★★★☆
Posted at 2023/07/05 15:37:33 | コメント(4) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ
2023年06月29日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第27弾!!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第27弾!!
変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る、第27弾は我が国のVIPカー創世期を飾ったモデルをお届け!

まぁ、これは”変態”と言っても車格的に一般に出回るクルマではなく当時、日本の中枢である永田町で位しか見れなかったモノ、しかし長い歴史あるクラウンの中で異端児である事は間違いなく後にも先にもVIP専用クラウンというのはこのモデルだけなので言わば”クラウンの中の変態”と受け止めて頂けたらと…


と言う訳で今回のお題はこのクルマ!


『VG10型クラウン・エイト』
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1955年に我が国初の本格的純国産としてデビューした初代クラウン(RS10~30)、7年間のモデルライフで一部富裕層のオーナーカー、官公庁の公用車、タクシー/ハイヤー、パトカー等と幅広く普及、まだまだクルマが一家に1台なんて夢のような時代ながら日本人に国産車の存在感を植え付け戦後10年を超えて”日本にクラウンあり”と言わしめる存在となります。

そんなクラウンが1962年(昭和37年)に初のFMC、より現代的にアメリカンな低く伸びやかなフラットデッキスタイルを採用、どこから見ても高級車然となる佇まいは当時高級車と言えば輸入車!と言われる中でクラウンはそれらと肩を並べても遜色ない存在…

昭和37年に初のFMCで2代目となったS40型クラウン
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S40クラウンも先同様に幅広く普及、しかし当時、ショーファードリブン(運転手付きの本来の意味のVIPカー)がアメ車に占めらている内情に飛躍的技術力で大型乗用車(法規上は普通車)を各社開発、既存高級モデルをベースにボディを拡大しベース車を超える大排気量エンジンを搭載した内製VIPカーがデビュー、高級車の老舗であるプリンスからグランドグロリア、日産からはセドリックスペシャル、そしてトヨタはS40クラウンをベースにしたクラウン・エイトを1963年に発売しました。

1963年に発売されたクラウン・エイト
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同年2月発売のセドリックスペシャル、5月に発売されたグランドグロリアが既存のボディはそのまま、若しくはホイールベースをやや伸ばした程度でエンジンを直6 2.5/2.6リッター級に拡大したものであったのに対しクラウンエイトは全長(W/B)のみならず全幅も大幅に拡大、エンジンも2.6LながらV型8気筒を搭載、わが国初のV8セダンでした!

国産乗用車初のV8エンジンを搭載
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クラウン・エイトの概要…

駆動 FR

搭載エンジン
V型 ALLアルミ製2.6L 直4 OHV キャブレター 115ps

ミッション
トヨグライド2速AT/4速MT(後期型のみ)

足回り
Frダブルウイッシュボーン/Rr5リンク/リーフ

車両寸法
ホイールベース 2740mm 全長4720mm 全幅1845mm 全高1460mm

車重
1375kg

型式はVG10型としSを基本とするベースのクラウンとは別車種扱い、売出し価格は東京店頭渡し165万円という当時としては超高額、同時期の一般訴求大衆車パブリカ4台分の金額でした。

生産台数は年間500台、ライバルのグランドグロリアが長き伝統から皇室、宮内庁向けに納入されたの対しクラウンエイトは内閣総理大臣を始め政府要人の公用車に採用、他にグランドグロリアやセドリックスペシャルと並んでハイヤー等でも使われていました。

クルマの性格上、ベースのクラウン含みまだ日本では殆ど普及していなかったパワー装備がふんだんに与えられ2速トヨグライド(AT)、パワステ、パワーウィンドウ、電磁式ドアロック、コンライト(オートライト)、オートドライブ(クルーズコントロール)等VIPカーに相応しい内容、後席優先を表すS40クラウンにはないRrセンターアームレスト、Rr開閉式三角窓も与えられています。

基本的にはS40型クラウンのデザインを踏襲したエイトのインパネ


1800mmを超える全幅からなる室内は広大そのもの!
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このクラウンエイト、さすがにワタシも触れた事はありませんが幼少期に1度目撃、都内で前を走るやたらベタンと幅広な異様なクラウンに驚き運転していた父に「あのクラン何?」と尋ねエイトだと言う事を教えてもらい知った次第、MS40クラウンは父が会社の社用車を時々乗って帰ってきていたので馴染みあるもその”異様”なエイトの姿は当時4~5歳の幼児でも腰抜かす驚きw 三つ子の魂百まで!じゃないですが半世紀以上前の衝撃は今も覚えています、首都圏ながら神奈川でVIPカーなんて見る事はまずなかったし都内、しかも永田町に行けば見れる程度の希少なクルマ、恐らく同世代のクルマ好きでもこれ実車見た人間は数える程かと思います…。

1965年MC後の後期型エイト
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以上のように国産VIP市場に一定の功績を納めたクラウン・エイトは1967年にベースのクラウンが次期型にFMCした際に消滅、僅か4年のモデルライフでしたがトヨタはエイトの経験、実績を元に専用設計の新車種『センチュリー』を開発、1967年よりエイトから切り替え新開発のV8エンジンを搭載したセンチュリーを国産最大級の乗用車としてリリース、一時はV12まで搭載する我が国の最高級車として歴史を刻み現在に至ります!

尚、クラウンのV8、エイト以降はセンチュリーの兼ね合いから設定されませんでしたが1987年、S130時代、後の別ブランドであるレクサスLS(国内名セルシオ)の先行モデルとして一時復活するまで20年間未設定、長い歴史の中で直6、或いはV6メインだったクラウンの中で60年近く前に存在したV8のエイト、その少なさ、その知られざる?存在感は充分”変態”の資格があると思いますがどうでしょうか…!?!?

変態度指数:★★☆☆☆
Posted at 2023/06/29 15:19:49 | コメント(2) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ
2023年06月17日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第26弾!!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第26弾!!
変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る、今回は第26、再び我が三菱車からのチョイス(^^;


菱車もかつてはどちらかと言えば変態車の出現率は高い方だと思いますがやはりそれは量産多販売だったギャランとランサーが多い、これまで取り上げた菱製”変態”も全てこの2モデル!


って事で今回目出度くワタシの独断偏見以外何物でもな”変態車”指定を受けたのはこのモデル!!



『A175A型2代目ランサーEX GSLターボ』
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今も昔もスポ車マニアには一目置かれるランタボ、後のランエボの元祖的存在でもあり内外での人気は衰え知らずって感じで現在の旧車ブームにも例外なく乗りほぼまともなのは残っていない現在、溺愛されている動態保存車は高額取引の対象になっている、そんなランタボに変態なんかあるんか!?とお思いの皆さん、これがあるんですわ…

ランタボは1979年、初代ランサーからFMCでデビューした2代目ランサー、サブネームに『EX』を付記し6年もの間存在した初代からのFMCで気合のNEWモデルでした。

そのEXに折からのターボブームにより1981年、三菱内製(重工)フルラインターボ作戦でランサーにターボを追加、この時から今に至る”ランタボ”の愛称が定着する訳ですね。

初代同様海外ラリーで活躍し日本でも導入が熱望されたランサーEXターボ(ラリー仕様)
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ただ、海外版ランタボはG63B型2Lエンジンの2000ターボでしたが日本版は上級になるギャラン/エテルナΣの棲み分けからこれらが2000ターボを設定するため1800ターボに落とされ設定、一部競技系マニアからは1800に落とされた事にブーイングも出るもそれでもNAの標準型が100psだったところ135psというスペックで登場、この数値は少し前の2L DOHC並みの高出力でもありパワーウェイトレシオ7.7㎏(GTターボ)という驚異的なモノ、当時の水準としてこの数値が10㎏を切るとスポーツカーの性能と言われる中でのランタボの出現は上級のΣターボやスタリオンターボを上回る人気と販売を得た訳です。

ランタボには競技向けハードモデルのGTと街乗り快適版GSRを設定、後のランサーエボリューションのRSとGSRの関係の基礎的なバリェーション展開でした。

好評ランタボは1983年にベースのランサーEXと共にMC実施、この時の空冷式インタークーラー(I/C)を装着し出力を一気に165psまで高めたランサーEX インタークラーターボに進化しより戦闘能力を高めましたがこの時、I/Cレス時代には設定の無かった今回の主役=「GSLターボ」が追加されました!

1983/11にランタボMCにて従来型はI/Cターボに進化
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そして同時に従来のG62BT型I/CレスのGSLターボを新設定
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ランサーEX GSLターボの概要…

駆動 FR

搭載エンジン
G62BT型 1.8L 直4 SOHC ECI(電子燃料噴射)135ps

ミッション
5速MT/3速AT

足回り
Frマクファーソンストラットコイル/Rr4リンクリジット

車両寸法
ホイールベース2440mm 全長4225mm 全幅1620mm 全高1385mm

車重
1065kg(3AT)

GSLはそれまでHOTモデルとしての訴求が主だったランタボに対し、その部分は幾分抑え目にし快適度、豪華度を訴求するモデル、走りの部分では装備を落とす分、快適装備はGSRを上回り当時ハイソカーが注目を集める中、HOTモデルランタボもそっち方向に目を向けた感じでした。

GT/GSRとの大きな違いは勿論エンジンですが細かい点(主に装備品)が異なりまずは足回り、基本はGT/GSRと同形式ながらダンパー減衰力を変更し乗り心地を向上、またタイヤもこれらがハイグリップのアドバンHF-Dを標準としていた部分をOPながらコンフォートタイプ(アスペック)を装備、乗り心地向上とロードノイズ低下を実現しています(標準は横浜GTスペシャル)

基本はGT/GSRと同一ながら味付けをソフトに変更したサスペンション!


エンジンは従来型G62BT型I/Cレス135psを搭載!
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GTがAMのみ、GSRがAM/FMラジオが標準に対しカセットステレオを装備、GT/GSRは解禁直後のドアミラーを装備しましたがGSLは乗りやすさ重視で以前のファンダ―ミラーが標準、他2モデルには不採用のリモコンミラー、後席センターアームレストも装備し室内快適性をUPするするGSLターボ!
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まぁ以上のようにハイソブームの始まりかけていた当時の流れに沿ったランタボの豪華仕様かつソフトバージョンという立ち位置のGSLでしたが一番のトピックは先代のA70系ランサーや後年ランサーエボリューションⅥまでは否定し続けたATモデルがこのGSLには設定された事でしょう…

3速ATながらHOTモデルでもイージードライブを訴求!
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このGSLのAT、昔は良く行っていたイベントで遭遇したのが最初で最後、現役時代も仕事上でもお目に掛った事ないレアモデル、イベント出品されていたオーナーさんも子供の頃母親が乗っていたクルマをそのまま受け継いだとかで自分のクルマ以外でATを観た事ないと仰っていたのが記憶にある、元々GSLグレードそのものが失敗?やはりハードさで人気を得ていたランタボには存在価値は少ないモデルで後年のエボⅦ時にデビューしたエボGT-Aの先駆けではあるもGT-Aの時代とは異なりAT普及率は低い時代、普及型モデルですら販売台数の2~3割程度のAT率の頃、スポーツモデルのATなんてのはあり得ないという時代で三菱はこれを良く出したもんだと…。

上級であるΣターボやライバルとなる日産やトヨタもターボモデルには積極的にATを推進し始めた時代ではあるもののそれらツーリングカー的モデルでは許されてもランタボのような硬派モデルでこれを望む声は皆無と言ってもいいでしょう、事実当時ライバルとされたAE86レビン/トレノやいすゞジェミニZZ系にはATは未設定でありこれらに差を付ける意味ではGSLターボの存在は意味アリとは思うも当時ですら4ATが普及していた時期にいかにも旧態以前の3ATを設定して支持を得られたのか?その辺のマーケティングは行ったのかは疑問、ATが欲しければ既に4ATを搭載したΣターボのATを選ぶ筈だし…

GSLのMTなら過去2度ほど遭遇した事はあるもATなんてのは天然物?はまず無かったと断言できこれも立派な”変態車”で間違いナイ(^_-)-☆

変態度指数:★★★★☆

Posted at 2023/06/17 20:12:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ
2023年06月08日 イイね!

”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第25弾!!

 ”変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第25弾!!
変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る、今回第25弾として取り上げるのはトヨタ車、意外にこのコーナーでトヨタ車の登場は多いですがモデルが多くある分、変態車も時折出現する?って感じですナ(^^;

今回目出度くワタシの独断偏見以外何物でもな”変態車”指定を受けたのはこのモデル!!


『3代目KE/TE61,62,65,66型スプリンターHT(1977~1979)』
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以前 ココ でも触れているので手抜きで恐縮ですがそこのコピペを…

~大トヨタの、それもベストセラーカーだったカローラの影武者だったスプリンターですからその揶揄が相応しくない程現役の頃は見かけたと思いますヨ、えぇ…

しかしそんなスプリンターですがまず出会わなかったモデルがKE/TE60時代のHT、元々このHTは74年のカローラ/スプリンターのFMC時にカローラのみに設定されたモノでスプリンターはその代わりクーペをラインナップ、初代KE10カローラ時代にそれのクーペ名がスプリンターでしたがトヨタオート店(現元ネッツ店)向けに70年のカローラFMC、20系時代にカローラのグリルやテールのもリ・デザインした双子モデル ながら独立デビューしたスプリンターは2代目30系でセダン、クーペともオリジナリティを強調、カローラセダンがセミファストバックに対しスプリンターセダンはノッチバック、そしてカローラのHTに対しスプリンタークーペはセダン以上にデザインの違いが明らかでフェアレディZ並みに抉れたヘッドライトやスタイリッシュなクーペボディがカローラHTが当時の日産的なRrサイドウィンドウが切れ上がる所謂インポブルメントデザインだった事からあまり人気無かったのでこれを上回る好評さでした。

しかし77年のカローラ/スプリンターのMCを機に(この時型式を30→50/40→60に変更)カローラにクーペを、スプリンターにHTを設定、つまりはカローラ顔のスプリンタークーペとスプリンター顔のカローラHTが出来上がった訳でわざわざFMCでイメージを異にしたのにこの追加設定で再びまんま双子になると言う施策、トヨタの売るためなら何でもアリという商魂には呆れ、もとい、感心しましたネw

スプリンター時代から好評だったカローラクーペは販売力の高いカローラ店によりシュア拡大の出助けとなりますが元々あまり人気のないカローラHTボディをスプリンターに与えても何も役立たず?セダン、クーペ、そして76年から両車に追加されたLBはかなりの頻度で見かけるもスプリンターのHT、見た記憶がほぼない、この10位というランクインはこのHTの存在が大きなウェイトを占めているのは相違ない!

その後のKE/TE/AE70になって以降のスプリンターは全ボディともカローラと共通化(一部派生車種のカリブ、シエロ等はスプリンター専用)しながらもカローラより少し高級でスポーティさも強調、70のHTはオーソドックスな顔付のカローラに対しスラントノーズ、80系(AE86)ではカローラレビンには装備されないリトラがスプリンタートレノに採用(その後のAE90系まで継続)されアニメの影響もありこれらはカローラの人気を上回りスプリンター独自のファンも存在しましたねぇ。~(以上抜粋終了)

まぁ、地域差もあるでしょうし例えばお膝元の東海地区なんかでは見られたかもしれないスプリンターHTながら次にトヨタ車の登録台数が多い首都圏ではまず往時には見れないモデル、ワタシ等70~80時代、カローラ店勤務で一番40~60系(スプリンター)30~50系(カローラ)の下取りが多い時期でもスプリンターHTを下取りした記憶ナシ!カローラのHTやスプリンターの他車型は飽きる程取っていますがスプリンターHT、それ位希少で変態度もかなりのもかと思いますw

60系スプリンターは4ドアセダン、2HT、LB、クーペが存在
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実際神奈川地区での一番売れたセダンのHTは1割にも満たなかった数字らしくこれ見かけたら幸せが訪れる?(VWビートルじゃあるまいしwww)

60系スプリンターの一番の売れ筋4ドアセダン!
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抉れたへッドライトのFrマスクと流麗なスタイルで人気高かったクーペ!
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近藤正臣氏、アグネスラムのCMで新たなカーライフを提案した今で言うシューティングブレークでもあるリフトバック(LB)も一定の人気を獲得
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60系スプリンターHTの概要…

駆動 FR

搭載エンジン
4K-U型 1.3L 直4 SOHCキャブ 72ps/T-U型 1.4L SOHCキャブ 82ps/2T-U型 1.6L SOHCキャブ90ps/12T型 1.6L SOHCキャブ85ps

ミッション
4速MT/5速MT/3速AT

足回り
Frマクファーソンストラットコイル/Rrリーフリジット

車両寸法
ホイールベース2370mm 全長4163mm 全幅1590mm 全高1360mm(1600GS)

車重
930kg(1600GS)

この時期のクルマはスプリンターに限らず昭和48年から始まる我が国初の厳しい排ガス規制の過渡期、トヨタは排ガス規制の対応にモデルが多い分手間取りまずは50年規制、そして51年→53年規制と段階的にクリア、従来の既存エンジンに排ガス処理を行い著しくドライバビリィティは低下し燃費も極悪、40~60スプリンターはそんな暗黒期のモデル(40系=50年規制、61/62=51年規制、65/66=53年規制)

この排ガス規制により従来1200/1400に付帯したツインキャブエンジンは不適合で廃盤、ソレックスDOHC搭載の2T-Gも一時休止、そして1200パワーダウンが大きく100cc排気量UPした1300ccに換装等が行われエンジンバリエーションは大幅に削減されています。

60系以降は1200 3K-U→1300 4K-Uエンジンに換装
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77年の51年規制適合とほぼ同時に従来の40系→60系に型式改定、この時にDOHCの2T-Gがソレックス→EFIになって復活、当初未対策時代から5psダウンで登場し53年規制適合時に従来通りの115psに戻りクラス唯一のDOHCエンジンの復活は大注目されますが60系スプリンターHTには未搭載、冒頭記述した通り未対策時代はカローラレビン(TE37)としてHTボディでラインナップしているもこれが不人気であり元々スプリンターはトレノ(TE47)ではクーペボディだったため77年にスプリンターに追加されたカローラHTの双子モデルには設定されなかった訳です、尚、カローラレビンも77年復活時はクーペボディに変更されました。

未対策時代、カローラHTに設定されたTE37型レビン
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1977年、一時絶えていたテンロク2T-Gが2T-GEUとなって復活!
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HT追加時でもその販売促進は売れ線のセダン、そして新ボディのLB、若者向けクーペに集中、オート店自体も引き合いがなければあえてHTは売り込みしない状態に近く同時にクーペ追加となったカローラとは差が激しかったですね、元々カローラでも不評なHTをより販売力が小さくネームバリューも低いオート店のスプリンターにわざわざ設定いたのは今もって謎!? まぁその分こうして現代では変質者には注目浴びるモデルになった訳ですがwww

悲運の(!?)スプリンターHT


勿論スプリンターHTはカローラHTのFr/Rrをリ・デザインしたモノで中身は同じ、インテリアもカローラHTを踏襲(但しメーターがカローラは角型、スプリンターは丸形)エンジンは前述の通り2T-GEU以外を全て搭載、グレードはトレノを除いてクーペ系とほぼ同一。

HTのインパネ、カローラ30/50,スプリンター40/60系はセダンとHT、クーペとLBでインパネデザインが異なっていました!
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造れば売れた、モデルが多ければ多いほど売れた時代とは言えほぼ無意味に近かったスプリンターHTの存在、現在その実働車の残存があるのか否か?非常に興味深い、セダンやクーペはカローラの影武者ながらも往時かなりの生息だったスプリンターなのでまだ残存はあるでしょうがHTの生き残り、出会ったら卒倒してしまう、その位の変態度の高さと信じて疑いません(^_-)-☆

変態度指数:★★★★★
Posted at 2023/06/08 15:30:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | 変態車 | クルマ

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