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2011年09月10日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編①

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…ブルーバード編①
偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!、前回取り上げたコルト/ギャラン同様、メーカーの屋台骨を支える看板車種でありながらも安定株にはなりれず、激しく人気(UP!!!)不人気(DOWN!!!)を繰り返した“名車”である『日産(ダットサン)ブルーバード』に触れたいと思います!

ブルーバード、ご承知のように昭和34年に発売後最近まで名前は残っていた(ブルーバード・シルフィ)日産の伝統的な車種ですが現行はサニー/パルサー/プレセアの統合モデルとして00yに発売されたもの、従来のブルーバードより下の車格となっておりサニー系=所謂かつては「大衆車」とされたクラス、ブルはその上級で現在で言うミディアムクラス)関連性はなく純粋なる『ブルーバード』としてのモデルはセダンモデルの需要衰退の煽りを受け01yのU14型を最後にピリオドを打っています。

かつては常識だったセダン型で最大のライバル、トヨタのコロナと激しい販売競争が行われ“B(ブル)C(コロナ)戦争”なる言葉まで産まれ後には三菱ギャラン、マツダルーチェ/カペラ、ホンダアコード等新たなライバルとも激しく闘った日産の看板で昭和35年発売の『セドリック』と並んで日産の最大の功労者(車)であったのは間違いないでしょう…

ライバル、コロナはプレミオと名を変えながらも現役ですがブルは上記のように製廃から既に10余年、最終U14型もそろそろ少なくなり淋しい限りなので今回は偉大なるブルの歴史を振り返ってみたいと思います!

ブルーバード、70~90年代にまだまだセダン型が主流の時代には横綱コロナと69年のコルトギャランで第三メーカーにのし上がった三菱ギャランの3車がTOP3であり勿論クラス代表的車種、80年代前半にT社ディーラー(D)に籍を置いた自分はライバル・コロナは直接売ってはいませんでしたがその激戦は目の当たりにしておりまだまだ自動車が“花形産業”だった時代の一人の証人だと思いますネ~、今では部品仕入れに共通下請けを使ったり共同で中古車センターを運営したり随分仲良くなったトヨタと日産ですが90年代まではそれこそ営業マン同士も火花を散らせそこに三菱も巻き込んで値引き、opサービス合戦とその戦略はすざましいもので今では21時にもなればDも電気消えてますがこの頃は0時1時でも光々と明かりが灯るT、Nそして元気だった頃のM社Dさんの姿、懐かしい~。。。

さて、前置きがながくなりましたが早速本題である『ブルーバード』に触れましょう!
と言いながら…ブルーバードに触れるにはその前身である『ダットサン110/210』に触れない訳にはいかずまずはココから…

59yの初代ブルが型式=310を名乗っている事から分かるように本来の“初代”は『ブルーバード』のペットネームがまだない55yに登場したダットサン110型となりますのでまずはこのモデルを取り上げます、 今回の「偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…11」では初代310ブルまで触れますが解り易いように110/210と分けて記載します!

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【ダットサン110/210】

1955年(昭和30年)、まだまだ戦後を思わせる日本(さすがにこの時代、ワタクシ影も形もないので親他諸先輩からの見聞ですが…) そんな時代、これからの日本の自動車市場にとって重要かつ牽引してゆく車種がトヨタと日産から発売されました。
トヨタからはRS型初代クラウン、そして日産から『ダットサン110型セダン』が華々しくデビューしました。
クラウンは当時の小型枠いっぱいの1.5Lめ一杯のエンジンを載せボディもフルサイズ、まだまだ国内はアメ車を中心にした外車が一部裕福層や公用車を占めていた中、孤軍奮闘でまずは公用車/タクシーからクラウンはこれらの切り崩しにかかりました。
一方の110は個人需要=マイカーをも考慮した860ccの小型セダン、つまりは高級部門=クラウン、庶民的部分=110で棲み分けをしていました。
それでもまだマイカーなんて夢の時代、110は主に小型タクシーとして庶民の足を支えていたとの事です!

110は戦前からのダットサン乗用車のあくまで延長線のモデルであり梯子型フレームのS/D(サイドバルブ)エンジン、4輪リジットという旧式な設計思想のモノながら完全一体プレス化されたボディとスタイリングは“もはや戦後ではない”と言った当時の時世にも乗っかり本格的な国産乗用車としてクラウンと共に大ヒット!その勢いはUP!!!UP!!!だったようです…

wikiによると当時の日産は従来型乗用車の車体は半数を現在の三菱、旧中日本重工が製作しておりこの110も関東以北のみが日産自製、その他の地域は中日本製となり自製と中日本製では型式や外観も多少異なり後者は型式を「A110型」としていたようです。
現在になって急に関係強化したような三菱と日産の急接近に思われがちですが実は50年以上前にもそれがあったとは驚きですよね~…

尚、「ダットサン」は現在のような単独な専用車名を与えられる以前の日産製小型自動車に名付けられた共通ペットネーム、110以降のフェアレディ、ブルーバード、サニーへと名付けられトヨタの「トヨペット」と同時に日本の自動車創世記に親しまれた愛称、02yのダットラ製廃まで長く親しまれた由緒あるネーミングでアメリカでは「DATSUN」=ダッツンと呼ばれ今でも“NISSAN”より親しまれるブランドかもしれません。(ブルーバードは910迄が正式には「ダットサン・ブルーバード」でした!)

↓今見ればもはや“クラシックカー”ながら当時は近代的スタイルが脚光
 を浴びた「ダットサン110」


110の車両概要は下記の通り。

(サイズ)
:全長3860全幅1466高1540ホイールベース2200(以上mm)
(車重)
890kg
(定員)
4名
(エンジン)
B型 水冷直4 860cc サイドバルブ 25ps/5.1kg
(駆動)
FR
(ミッション)
3速ノンシンクロ
(脚回り)
ALLリーフリジット

モデル改歴

(55/12)
MCにて「112」型へ。
グリルデザインを変更、シートをスライド化しFrフェイスにあったスモールランプをフェンダー上に移動しています。
尚、112からボディを完全に日産内製化。

↓112の梯子フレームと透視図


(56/6)
再度のMCで「113」型へ。
再びグリルデザインを変更、チューブレスタイヤを採用。

↓56/6~の「113」型ダットサン


↓インパネやテールのデザインは初期110を基本、継承。


(57/11)
従来型をグリル変更した「114」型へMCするのと同時に新開発で近代化したOHV機構を採用し1000cc(988cc)、C型34ps/6.6kgを搭載、114のエクステリアをサイドモールやメッキパーツで高級化し4速ミッションを搭載する『210型・ダットサン1000』を追加します。
1000は2速~4速をフルシンクロ化し運転のしやすさを向上させたのが大きな進歩、車重はエンジンの大型化と高級化で925kgまで増加、サイズの割に重く30ps代の時代で走りがどうのこうのとは語れませんが神経遣いながらダブルクラッチで回転を合わせタイミング良くギアチェンジをするのが当たり前の時代、2速以上は余計な気をまわす事なく難なくギアを入れ替えられるようになった元祖“イージードライブ”の実現に当時のドライバーはさぞ歓喜した事でしょう!
少し古めのトラックやバスではノンシンクロもまだ残っていた頃、ワタクシもダブルクラッチでこれらを動かしていた経験を思い出すとMTに対するAT以上にシンクロの有難さを改めて痛感しちゃいますネー。。。

↓11♯系と較べ心臓も含めより近代的になった210型ダットサン1000




↓現代的OHV機構を採用したC型エンジン

   
新星1L C型エンジンはセドリック以前に日産がノックダウン生産し乗用車造りを学んでいたオースチンのエンジニアによる技術指導から産まれた賜物で30ps超のパンチあるエンジンはかなりの定評と日産の自信に繋がりこの210型が後年で脚光を浴びた510やS30Z、710バイオレット等で快進撃を繰り広げたラリー界での活躍の原点となっていました。
58yにオーストラリア大陸を一周するラリー=オーストラリア・モービルガス・トライアルへ挑戦、大陸一周16,000kmを19日間で走破するこの過酷なラリーへ出走した2台の210、富士号と桜号はそれぞれ完走し、クラス優勝(←Aクラス、総合24位)を果たし日産の、または日本車の成長と実力を実証、大きな注目を浴びたようです!(詳しくは→こちら)

↓50年代からラリーで活躍した210型「富士号」、Rrトランクには日本の象徴
である富士山が描かれていた!



(58/10)
MCでいよいよ最終型になります。
860ccの114型は「115」型へ、210型は「211」型へと進歩、従来のFrグリル意匠変更だけではなくRrもダブルランプへデザイン変更がなされRrスクリーンも大型化、スモールもフェイス内に戻されサイドマーカーやopながらフェンダーミラーも装着されています。(115も211に準じた改良)

↓着物美人も思わず寄り添う58/10~の211型


↓115/210はテールもダブルランプに変更、Rrスクリーンも大型化!


↓211は定評のOHV C型を継続搭載


(59/8)
トヨペットクラウンと並んで戦後初の本格的乗用車として大人気を得たダットサン110/210系は発売以来順調な進化と人気、一定の売り上げを確保、59年8月にこれをより現代的にリファイン発展、FMCとなる310型「ブルーバード」に引き継ぎ製廃となります。


以上がブルーバード以前の元祖ブル、ダットサン110/210型でした!
続いて初代ブルーバード310型に触れていきます。

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【310型初代ブルーバード】

59/8、定評あるダットサン110/210系をFMC、新たなペットネーム=日産の幸を運ぶ青い鳥 という意味合いから『ブルーバード』と名付けられて登場したのが初代310型です!

このモデルは亡親父が20代の若かりし頃、七所借りして中古ながら初めて手に入れた我が家初のマイカーだったとの事、ワタクシは産まれたての赤ん坊で記憶には当然なありませんが7コ上の姉はかすかに記憶があるらしく物置の奥にしまいこんである古~い我が家のアルバムにまだお姉さんぽい今は70代の母親に抱かれたいたいけな赤ん坊のワタクシの傍らにもその姿が写っております、いずれそのお宝写真も公開しようかなー???(^^)

さて、話はそれかけましたが310ブルーバードの紹介でしたね(汗)
310ブルーバード(以下310)は好評だった旧110/210のイメージを継承しながらより近代化しスマートに変身したボディをまとい寸づまり気味だったRrを伸ばしむき出しだったドアヒンジをスマートに隠し(文明開化やね~…笑)スタイリングはヨーロッパ調の伸びやかさを実現します。
110/210時代の57yに発売されたライバルのトヨペット・コロナ(ST10型)の猛追もありましたが310へのFMCで“ダルマ”と揶揄された丸っこく鈍重なイメージのコロナに差を付ける美しいスタイリングは女性をも意識した味付けもなされ110/210の主マーケットだった小型タクシー業界を狙い実用一辺倒だったコロナは足元にも及ばない美しさで310=ブルーバードの人気を不動のモノにしてたようです!
野暮ったいコロナに較べ2トンカラーを取り入れたり後年追加の女性向けグレードの設定など、まだまだ女性ドライバーが少ないこの時代にこのようなイメージ戦略で女性を味方に付けた日産の戦略、“あっぱれ”ですネ!

↓59/8に登場した初代310ブルーバード(前期1000DX)


Frフェイスは110/210を彷彿させるデザイン、Rrビューはそのテールランプの形状から親しみ込めて「柿の種」と呼ばれ今でもOLDファン以外でも有名な“愛称”です。

↓「柿の種」が有名な前期型のRrビュー(1000DX)


それでは車輛概要です。

(サイズ)
:全長3860全幅1496高1480ホイールベース2280(以上mm)
(車重)
860kg(1000)890kg(1200)
(定員)
5名
(エンジン)
C型 水冷直4 1000cc OHV 34ps/6.6kg
E型 水冷直4 1200cc OHV 43ps/8.4kg
(駆動)
FR
(ミッション)
3速MT
(脚回り)
Fr:ウイッシュボーン
Rr:リーフリジット
(バリェーション)
1000STD/1200STD/1200DX

サイズ的には全長は110/210と同一ながらホイールベースは延ばされているので居室は拡大していますね、80mmのホイールベース拡大は後席足元にかなりの余裕を産んだのでは?と推測できます。
定員は5名に増加、高さは抑えられ現代的スタイリングに貢献しています。
グレードは1000/1200のSTDと1200DXの2種、1200DXではメッキパーツやバンパーオーバーライダーが装備され豪華さを演出、1200はグレードに関わらずルーフ部とボディ部を塗り分ける2トンカラーを採用していました。
搭載エンジンは定評あるC型を継承しながらこれの拡大版である1200ccのE型も新搭載され余裕あるパワーを得ています。
従来型から較べての大きな進歩はFrに独立懸架式サスを採用、そして梯子型フレームを継続しながらもセミモノコック化したボディと合わせて乗り心地が大幅に向上した点でしょう!
悪路大国と外国からまだまだ揶揄されていたこの時代に1200という高出力と徹底した振動、騒音の軽減に努めた310は記録的な販売を果たし正に爆発的人気で110/210をも軽く上回るUP!!!UP!!!で自信を得た日産は自動車大国のアメリカにもこの310は日産初の対米輸出が行われ一定の成果を収めたとの事です。

↓最高グレード「1200DX」


↓1000STDのインパネ


それではモデル改歴に移ります。

(60/7)
国産初となるエステートワゴンを追加します。
110/210時代からCMカーとしてパーツ共有をする「ダットサン・バン/トラック」が存在しており310となってもこれは同様、しかしながらエステートワゴンは後年の常識であったバンボディを乗用車に焼き直した流用ボディではなく専用ボディを持つという気の入れよう、まだアメリカ的に週末に荷物を大量に積んでレジャーに!なんて考えがなかった日本ではバンと混同され売り上げや人気には結び付かなかったようですが当時の庶民に贅沢な夢を描かせたモデルだった事でしょうねー…

↓“国産初”のステーションワゴンもブルーバードから!!


(60/10)
エンジン出力向上が行われC型→C1型に変更、34ps→43psに E型→E1型となり43ps→55psへそれぞれ換装されています。(型式→311型となる)
尚、この時にミッションを遂に国産で初めてフルシンクロ化、グリルにはこれを示すように誇らしげに『full synchro』のエンブレムが装着!

(61/2)
女性向けグレードである「1200ファンシーDX」を追加。
80~90年代にAT限定免許の創設もあり莫大に女性ドライバーが増えた頃、各社各モデル、特に軽やリッターカークラスに女性向けグレードが増殖した時期がありましたが60年代、女性ドライバーなんて数える程しかいない時期にこのようなグレードを設定した日産、戦略違いも指摘されながら少しづつながら増えるマイカー需要の中で家族の中での女性=主婦に決定権が大きい事に目を付けた日産の戦略は鮮やかだったと思えますね~。
実際このファンシーDXが310の販売にどれだけ寄与したかは不明ですがイメージ的には非常貢献していたと当時の希少な女性ドライバー→うちの母は申しておりました(笑)
外装も赤とクリームで塗り分けられたファンシーDX、この種のモデルのパイオニアですネ!

↓女性向け新グレードの「1200ファンシーDX」


↓ファンシーDXにはBピラー内側に花瓶、後席には化粧テーブルやポーチを装備、ハイヒールスタンドや傘立て、そして後年お馴染バニティミラーまでもが既に装備されていました!!


(61/8)
MCにて中期型、型式312型となります。
MCではFrグリルとテールの意匠変更及びインパネのデザインが変更されています。
大型化されたFrグリルで顔はより逞しい印象、テールはあの「柿の種」がレッド一色でブレーキ/ウインカー/スモールを兼用させていたのに対しD30セドリックばりに大型化したテールランプに変更、アンバーを入れウインカーを独立させています。

↓中期型1000DX


↓大型テール&時計まで組み込まれた中期型のRrビューとインパネ



(62/4)
イージードライブの走りである「サキソマット」のオートクラッチがop設定。

(62/9)再度のMCにて最終型となります。
好評の為、変更は目立たないモノでグリル内格子状の意匠変更とテールランプのアンバーとレッドの位置を逆転させています。尚、Frサスにスタビライザーが追加されより脚の信頼性を高めています。

↓最終型1200ファンシーDX


↓最終型1000STDのRrビュー


(62/12)フロントセパレートシート付モデルを設定。

(63/9)次期型の「410型ブルーバード」にFMC、310系は4年のモデルライフを順調にUP!!!にてまっとうしました!

↓63/9に華々しくデビューした次期「410型ブルーバード」


以上のように110/210→310ブルーバードと順調に発展したこのモデル、特に初代310ブルではライバルをも寄せ付けない圧倒的UP!!!人気で“ブルーバード、日産にアリ!”と言う感じで日産自動車の名声をも高めました、ただ…
ライバルのトヨタも王者ブルを指をくわえながら見ている訳はなく次期410時代から激しいBC戦争へと突入してゆきます、310までに築いた不動の人気と販売力!410でもそのUP!!!UP!!!は継続されるのか!乞うご期待です!!!!

(次回410型2代目ブルーバードに続く)
Posted at 2017/07/30 12:40:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月06日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編⑦

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編⑦偉大なるUP! DOWN! 野郎たち”!!! 
いよいよミニカの最終回となります、98/10に登場した最終型8代目『ミニカH42A/V・H47A/V型』を取り上げてゆきます!

尚、8代目ミニカには先々代からラインナップされているワゴンタイプの『ミニカトッポ』が基本シャーシ、型式は同一ながら『ミニカ』のネーミングを廃して新車種『トッポBJ』となりメーカーサイドも別車種として独立という形をとっているため詳細はここでは割愛、一方、99/12~00/6までH42ミニカを基本にボディ拡大し1.1Lエンジンを搭載した特別限定モデルの『ビスタチオ』(H43A型)に関してはネーミングこそ違えど普通車版ミニカであった関係上、こちらで紹介させて頂きます!

8代目ミニカは冒頭及び前回のブログ~偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!!…32~でも述べました通りミニカの最終モデル、メーカーの不祥事やかつては当たり前であった軽ボンネットモデルの人気/需要衰退などもあり三菱史上でも最古参ブランドでありながらも惜しまれながら新世代の軽セダン、現行ekワゴンやトッポ、アイに後を託して引退となった訳です。

“ミニカ“のブランドは単一継続生産車としては軽自動車として最古参、62/10~2011/6の48年8カ月という半世紀近い長きに渡り親しまれたネーミングで三菱ファンならずともこれの廃版は非常に残念がられていたのもつい先日の出来事ですネ!

尚、セダン型車種としての長寿ネーミング(継続生産車のみ)は現在までも“ミニカ”は国産車の老舗?であるトヨタクラウン(55/1~現在)の56年10カ月、スカイライン(57/4~現在)の54年7カ月、セドリック(60/4~現在 04以降は営業用のみ)の51年7カ月に次ぐ第4位を記録しているのも興味深い裏話、ちなみに5位はマツダファミリアで63/10~現在(04以降は日産ADバンのOEMであるファミリアバンのみ)の48年1カ月、6位以降がグロリア(59/1~2004/10)で45年9カ月、、7位がカローラ(カローラアクシオ含む…66/10~現在の45年1カ月)、コロナ(コロナプレミオ含む…57/7~2001/12の44年5月)、ブルーバード(シルフィ除く…59/8~2001/8の42年)、サニー(66/4~2004/10の38年6カ月)と続きます…

↓98/10、遂に最終型となる8代目ミニカがデビュー(前期5ドアセダンPj op装着モデル)


↓㊤前期3ドアセダンPg㊦同5ドアセダンPg



さて、H40系ミニカですがワゴンモデルのトッポを独立させた事によりオーソドックスな3/5ドアのHBモデルのみに戻りこれを従来通り4ナンバー商用モデルと5ナンバー乗用モデルをラインナップし登場しました。
先代では女性ユーザーを意識し過ぎ丸味帯びたデザインが可愛らしくも男性/年配ユーザーからは不評、特に後期型からは様々な要因が噛み合い販売は下降してしまいました。
このため今回のFMCでは再び直線を基調としたスッキリ、クリーンでシャープなデザインとなっています。
90年代半ばから三菱はミニカに限らずほぼ全車を丸味帯び重厚ながら重々しくボッテリとしたスタイリングをとりこれ以前の勇ましくシャープなスタイリングが消え失せ大失敗、ギャランやランサーと並び看板車種であるミニカも再度以前のシャープなスタイリングに回帰し落とした人気と販売台数の回復に躍起になっていた時期(90年代後半)ですねー。。。

インパネ形状もH30系の妙に凝ってグニョグニョした形状から一転、スクエアで見切りのいいモノとされますがい意味でも悪い意味でも“個性”が失われしかも完全商業車の箱バンであるミニキャブとほぼデザインを共通化、かつてH10系時代もミニキャブと共通インパネを使用していたミニカ、久しぶりのこの施策でバブリー軽は完全に消え失せた感じがここでも思い知りました。

↓インパネデザインは“ミニキャブ”と共通化!


一方、H20系時代に変わり種ワゴンとして追加されたトッポはシャーシはH40系ミニカに置きながらもスズキワゴンRによってもたらされたハイト系人気に対抗するため先代までのあくまでセダンタイプのミニカを重心は低くしながらハイトップにしていたものからやや発展した“完全なるハイト”のデザインとなり5ドアワゴンのみの新車種『トッポBJ』に独立、ミニカ一族に変わりないながらも距離を置く存在へと発展しています。

↓ベースはH40系ミニカとしながらも独立車種となった旧ミニカトッポ→新トッポBJ(98/10登場)



H40系はこの時期から厳しくなった衝突安全基準に適応するために許された3度目の規格改正=現行の軽自動車規格 に応じたFMCがなされサイズを全長100mm、全幅80mm拡大、シャープなデザインとこの拡大により先代でボンネット型軽クラス最大という車室空間を更新、もはやリッターカークラスのHB車と車室だけを盛ればほぼ遜色ないモノになっていました。

↓3ドアセダンの室内(前期Pg)


ただ、時代は既に軽のメインはハイトに移行しておりその広さは何らアピイールにはなっていませんでしたorz…
先代の後期型頃からこの傾向は顕著であり三菱は急激な売り上げダウンを考慮し同時発売のトッポBJやパジェロミニ、01y発売の『ekワゴン』に軽メインの座を移行、H40系はデビュー時から大がかりなリストラがなされ主に廉価・営業/商用向けの立位置になっていました。
このためバリェーションは大幅に縮小、搭載エンジンも1種に絞られかつてワイドバリェーションを誇ったミニカ、寂しくも感じ時代の流れも切実に感じましたねー。。。

エンジンは従来の3G83 OHC12バルブ キャブ仕様をベースにECIマルチを採用しながら燃費/排ガス性能に有利な希薄燃焼の“MVV”リーンバーンエンジンを搭載、にわかにうるさくなり始めた環境問題にも取り組んだモノでした!

↓“MVVリ-ンバーン”となった新世代の3G83型エンジン


時代の流れもありコストダウン/廉価でありながらも5ナンバーは全て運転席エアバッグが標準装備されたのも数少ない?進歩ですね!

それではH40系の車輛概要です。(主要のみ)

(サイズ)
全長3395全幅1475高1510(以上mm)(車重)
700kg=(3ドアセダンPe)
(定員)
全種4名
(エンジン)
3G83型水冷直3 2バルブOHC 660cc ECIマルチ50ps
(駆動)
FF/フルタイム4WD
(ミッション)
4速MT/5速MT/3速AT
(脚回り)
Frストラット式独立懸架/Rr3リンク(2WD/4WD共通)
(ボディ)
3ドアHBセダン/5ドアHBセダン(乗用5ナンバー→型式FF/H42A、4WD/H47A)
バン(ポ商用4ナンバー→型式FF/H42V、4WD/H47V)
※バンに4MT/3AT、セダンに5MT/3ATを設定。
(バリェーション)
バン=Ce/Cf/Cf4WD
セダン=Pf/Pf4WD/Pg/Pg4WD/Pj/Pj4WD
※Pf4WDは3ドアのみの設定、他セダンは3/5ドア設定。

上記から解るように明らかな退歩は4ATの廃止、今更3AT/4ATの違いを語るべくもなくこれは残念でしたねー。
せっかくMVVエンジンとなっても高速性能ではH30系に劣りますし改良されてるとは言え元来、決して静かではない3G83エンジン、その高速フィールはボディ拡大や防音の充実化がH2/3時代よりなされているも正に“廉価版”そのもでした。
コンセプトの変更により大人しいエンジンのみとなった事、足廻りの退歩(4WDのRrがグレードダウン)は理解できるのですが4ATもがリストラされてしまうと当時のライバルと較べミニカの魅力はより落ちてしまいMVVも街中のみの強みでしかなかった訳ですネ、細かな事ですがかつて軽乗用で始めて後席ヘッドレストを装備したミニカですがこれすら上級グレードから省かれop設定となる始末でした…。

それではH40系のモデル改歴です。

(99/1)
H30系で一定の人気を得ていたレトロ調の味付けなる『タウンビー』が復活しラインナップに加わります。

↓FMCで一度は途絶えた『タウンビー』が復活!



↓タウンビーのインパネ&インテリア



タウンビーは先代同様、ミニカの外観をクラシカルにリ・デザインし内装も高級にアレンジしたもの。
但し個人的にはH30時代よりも更にオーバーデコレートした顔はもはや化け物にしか見えず丸味帯びたデザインがまだH30時代の方が見れた気がします。
内装にしても30時代のセンスは薄れ木目などで高級イメージには仕立てながらもシート生地はグレードダウン、ここでもコストダウンが顕著で好感は持てませんでした。
角張りシャープなスタイリングにはどう見てもアンバランス、Rrにしても無理矢理取って付けたような印象は拭えず市場的にももはや流行遅れにもなりつつあり全く話題にならずワタクシもH40系タウンビーは殆ど見た記憶がありません…
尚、タウンビーも3/5ドアセダン、FF/4WDを設定、5MT/3ATミッションや搭載エンジンや機構に何ら変更はありませんが“あの”後席ヘッドレストはさすが高級バージョン!!しっかり装着されています(笑)

(99/10)
タウンビーを除き小変更実施、バンパー/ドアハンドルをボディ同色化、ヘッドライトクリアレンズの採用、セダンPg以上がウインカーレンズのクリア化、ホイールカバーデザイン変更等。
尚、ここで最上級(タウンビーを除く)のPjにようやく後席ヘッドレストを標準化し更にPjとタウンビーにはATを久しぶりに4速としています。

(99/12)
ミニカをベースに燃費低減を最大のテーマとそのアピールのため官公庁、自治体等に限定販売された『ピスタチオ(H43A型)』を追加します。(50台限定モデル、00/3販売終了)
ミニカをベースにしながら全長のみ40mm拡大し普通車としたものでその拡大はFr部分のみ、従って車室の拡大等は一切なくライトのマルチリフレクター化とグリルのリ・デザイン、バンパー大型化がなされていました。
エンジンはこの頃三菱が躍起になっていた“GDI”の1100ccを搭載、このエンジンはかつてミニカにも積んでいた(当時はパジェロミニのメインエンジン)4A30をGDI化しスケールアップした4A31型74ps/10.2kgmを搭載、これはパジェロジュニアやトッポBJワイド用のものをベースにアイドリングストップ機構を採用し5MTのみの設定、更に徹底した燃費こだわりの為バネ下重量を考慮した極細タイヤ(135/80-13)を履きもちろんホイールはアルミというものでした。
今から思えばこの当時で既に現在話題になっているアイドリングストップを装備したそれなりの力作ではあったと思いますが全てはこの直後に起こった例のリコール隠し事件で忘れ去られるどころかビスタチオを売り込んだ公的機関からも敬遠される事態となってしまったため幻の限定車になってしまい今でもその存在を知るのはよほどの三菱マニアくらいだと???

↓“知る人ぞ知る”限定車でミニカ史上最初で最後の普通車枠になる『ビスタチオ』


(00/1)
タウンビーの細部の意匠をより高級化した『タウンビーG』を追加、4AT 5ドアのみの設定ながらFF/4WDが選べました。

(00/5)
特別限定枠で『タウンビーパールセレクト』を設定、パールホワイトのボディカラーでライトベゼルやドアミラーを同色とした限定モデル。

(00/11)
タウンビーとバンを除いてMC実施、後期型となります。
セダンはFr顔がビスタチオに近いデザインとなりマルチリフレクターのヘッドライト(一部グレード)ウインカーレンズをクリア化したモデルを拡大、グリルも高級感を高めたビスタチオと同意匠となっています。
尚、バンは従来のマスクを継続。
セダン、Rrやインパネ、インテリアにははほぼ変更はありませんが上級グレードは液晶トリップメータを採用。

↓MCでビスタチオ風の高級顔に変貌!(㊤後期5ドアセダンPj㊦同3ドアセダンヴォイス)



↓タウンビーは大きな変更なく継続


尚、グレード整理がこの時行われセダンPf/Pgを統合し『ヴォイス』に、バンCe→『ライラ』に改名しています。

さて、余談ですがこの後期型がこの後11年近くに渡り生きる事になるのですが(もちろん細かな変更や時代にそぐった充実はあります)その大きな要因は先記の不幸な事件によりFMCをする余力がなくなったお家の事情な訳です。
一方でバンモデルに関してはこの事件以後も比較的安定した売り上げを維持、これはライバル達が次々にFMCしミニカは取り残されながらも旧くなるにつれライバル達と価格差が広がり最終に近い頃からは皮肉にも“日本で一番安い車”として認知される事となり業務用などでは最後まで需要が廃れなかったのがミニカ、有終の美を飾ったかと思います!

(01/6)
特別限定車となる『ホワイトエディション』をラインナップします。
ホワイトエディションはヴォイスをベースニ専用ストライプ入りのホワイトバディをまとい携帯電話用ハンズフリーシステムを装着、全体的にスポーティかつカジュアルな味付けがなされもはや足の遠のいた若年層にもアピールしたモデルでした。

↓01/6に設定された『ホワイトエディション』


ホワイトエディションは3ATの5ドアのみ、FF/4WDがチョイス可能。

(01/10)
搭載エンジンをMVV→一般仕様の3G83に換装、出力等に変更はなく換装された3G83は環境性能を向上させ「良-低排出ガス車」認定を受けます。
グレード整理も再度行われ3ドアセダン=ヴォイスのみのモノグレード化、バンは従来のCfとライラに加え快適装備を施す『ライラE』をラインナップしています。
尚、エアコン、パワーステアリングといった快適装備が当たり前になりこれを全車標準装備、安全装備のデュアルエアバッグもセダン系は全てに装備、ABSは全車標準装備としています。

(02/6)
バンのライラEにより環境性能を強化し排ガスをクリーン化したLEVエンジンを搭載、これは「超-低排出ガス車」の認定を受けています。

(02/9)
バンCfを廃止、バンはライラとライラEの二本立てとされています。また、内装の小変更(シート地の柄変更程度)とopにてシートヒータを選択可能に!

(03/1)
セダンに廉価版買い得グレードのPcを追加、主にホイールキャップを省きウインカークリアレンズ→アンバーに仕様を落とし価格を抑えたモデル。

↓新追加の『Pc』


(03/9)
一部変更、ライラ(FFモデル)が超低排出ガス適合モデルに認定、このためFFのライラは3ATはそのままに4MT→5MTに改良。

(03/10)
限定枠にて5ドアセダンのヴォイスをベースにした『サウンドビートエディション』をラインナップ、クラリオンADDZESTの2DIN MD-CD一体型オーディオを装備。

(03/9)
シリーズ全体が超-低排出ガス車の認定を受けたのと相前後してタウンビーがカタログ落ちなります。

(04/5)
一部グレードが2010年新燃費基準+5%以上を達成しグリーン税制に適合、また装備充実が全車になされUV&ヒートプロテクトガラス、4WDへの寒冷地仕様&運転席シートヒーターを標準装備。

(06/4)
一部変更。バンとセダンの顔を共通化、両種の装備差別がほぼなくなり全種ヘッドランプがマルチリフレクター化され液晶式トリップメーターも標準装備されています。
また、ヴォイスのウインカーをアンバーとしデザイン面で全車統一、セダンの3ドアが廃止されバンに5ドアを新設、これは乗用モデルは販売低迷しながらも一定重要が依然見込まれるバンモデルの充実化によるテコ入れでした!
乗用モデルは既に役目を終えミニカ・ユーザーもek他に移行、この時点でミニカの販売台数の約8割がバンであった事から乗用に関してはリストラの対象となった訳ですね。
この時、乗用の最高級モデルのPjが廃盤、これによりミニカシリーズから再び4ATの設定がなくなっています。

整理しますとこの時点でのグレード展開は下記の通りになります。

・バン=ライラ/同4WD
・セダン=Pc/同4WD/ヴォイス/同4WD
※セダンは5ドアのみ、バンは3/5ドア設定し全てに3AT/5MTを用意。

↓06yモデル(4WD除く上からセダンヴォイス、同Pc、5ドアバンライラ、3ドアバンライラ)





↓セダンヴォイス06yモデルのRrビュー


(07/7)
H40系、デビュー10年に近くなりセダンタイプの販売現象は深刻な状況となりついにこれをリストラ、ミニカは64y以来ラインナップしてきた軽乗用車の役目を終え4ナンバー商業バンタイプのみのラインナップとなります。
残るバンモデルもグレードを整理、新設定された『ナッティ』と従来のライラの二種になっています。
ライラがベースモデル、ナッティが装備充実モデルでありセーフティ機構付パワーウインドウ、キーレス、センタードアロック等かつての乗用グレードだったヴォイス同等の装備が4ナンバーながら与えられライラをビジネスユース用、ナッティはビジネスにもファミリーユースにも対応できるモノとして設定しています。
尚、両種ともFF(H42V)と4WD(H47V)を設定し3AT/5MTがチョイス可能。

↓新設、上級モデル『ナッティ』㊤と同インテリア㊦



(09/10)
限定車としてライラをベースに専用ボディカラーであるブラックマイカ色とシルバーのフロントグリルを採用した『黒ミニカ』を設定、標準ライラより1サイズタイヤスペックを上げかつてのセダン用ホイールキャップを装着しエクステリア充実を図っています。
黒ミニカはモデル末期ながらその精悍な外観やお買い得価格(3ドアFFで約69万円)がそこそこ評判になり売れ行きも好調だったとか!これはファミリーユース前提のためミッションは3ATのみ、3/5ドアにFF/4WDが設定されていました。

↓最後の特別限定車『黒ミニカ』!


(10/10)
エンジン改良により燃費向上、「平成22年度燃費基準+25%」若しくは「平成22年度燃費基準+15%」を達成!
環境対応車普及促進税制に適合し“エコカー”認定となります。
またグレード整理がなされライラ5ドアを廃止、ナッティに5MT車を設定、3ドア=ライラ 5ドア=ナッティとなりました。
尚この時同時に三菱が例の一件からの信頼回復をはかる意味で“最長10年10万km特別保証延長”の対象車種となっています。

(11/6)
軽ボンバン需要低迷が大きな理由となり5月にH40ミニカは生産が打ち切られ6月の在庫完売により製廃となりました。
最後は国内で“一番安い新車”(ライラFF 5MT 583,000円)として旧いながらも営業用にそれなりの需要はあり惜しまれましたがボンネット型需要は落ちる一方で三菱に利益の薄いミニカのFMCの余力は既になく01/10に発売されたekワゴンと98/10、ミニカと同時に40系に発展FMCしたトッポBJが03/8に一度製廃後に08/9に外板をBJの殆どを使用しスタイリングもほぼBJ同一ながらekをベースにした(BJはH40ミニカベース)トッポが再度ラインナップ、また06/1にデビューした新世代のアイも含めたこの3モデルにミニカは後を託し48年8カ月で遂にその火を消しましたorz…

↓最終型ライラは“国産新車で一番安い車”として最後まで旧いながらも一定の販売量を確保!


↓最終型ライラのインパネ。98年デビューから形状は不変…


↓歴史ある“ミニカ”の後を引き継ぐ現行ekワゴン㊤とトッポ㊥アイ(ミーブ)㊦




『ミニカ』、ほぼ半世紀という長きに渡り三菱軽自動車の代表的車種で最後の数年は一線を退き最後はひっそりながら車格とは異なるその“ビグネーム”の消滅は未だ三菱ファンから惜しまれる声が多いようです。
昨今、廃止になったネーミングの復活が盛んな三菱ですからいずれ蘇る日もあるかも?しれませんネ。。。

華麗なるミニカ、その長き生涯のUP!!!DOWN!!!を振り返りますと…

初代LA型(当初UP!!!、後半DOWN!!!)→2代目A100系=サブネームがミニカ70~73のもの(大幅なUP!!!)→3/4代目A100系=サブネームがF4・アミ・アミL(エコノ含む)(DOWN!!!)→5代目H10系(大幅UP!!!)→6代目H20系(UP!!!)→7代目H30系(前期UP!!!後期DOWN!!!)→8代目H40系(前半ややUP!!!中期以降バンを除き大幅DOWN!!!)

という結果になると思います。
低価格、低燃費、維持費のかからない軽自動車ですので人気DOWNと言えども一定の販売量を維持してきたミニカ、デビュー時はマイカーに憧れた時代に夢を叶える“国民車”で人気を獲得、やがてハイパワー競争に加わったりセカンドカー需要、女性人気にも対応、最後は国産車のボトムを受け持つという軽自動車本来の姿に戻り人(車)生を終え惜しまれた最後が有終の美を飾ったと思います!!

振り返れば原型はバンであった『三菱360』でミニカの名前ではありませんでしたが最後はバンモデルのみとなったのも何かの因果を感じるのはワタクシだけでしょうか… (^w^;)


ミニカシリーズ・・・終
Posted at 2018/05/27 19:11:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月05日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編⑥

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編⑥偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 
第32弾となる今回はついこないだまで可愛らしい丸目玉で街角を走りまわっていたながら最近は姿を見かける事も少なくなってきた93/9に発売された7代目となる『H31A・H32A/V・H36A・H37A/V型ミニカ』を取り上げます!

7代目H30系は先代20系がモデルライフ途中で軽規格が拡大された事により主にRrを水増しボディにし550cc→660cc換装という言わば「後付け」的新規格対応モデルとなっていましたがFMCにより当初からの新規格で設計されたのが特徴。
スタイリングは先々代10系のペキペキ直線基調を20系では直線を基調としながらもうねりある若干の丸味を加えた重厚ささえ感じるスタイルとなり2代続けてどちらかと言えば男性的なスタイリングだったミニカですが今回のMCでは完全丸味をベースとした女性的で事実、女性からの支持も高かった可愛らしく愛嬌のあるデザインとなりました!

歴代のミニカがそうであったように三菱の看板車種だったギャランを主として角→やや角→丸味というデザインテイストに変わっていったのに呼応した新デザインは歴代同様にトールボーイスタイルでルーフ部も丸みを持たせより居住性を拡大、単なる見た目だけではなく機能的にも“丸味の完全新規格ボディ”は優れモノでした。
先記のように主にRrハングの延長に留まっていた先代とは異なり許されたサイズをフルに居室スペースに振り分けた新設計新規格の車室スペースはボンネット型軽乗用(ボンバン含む)ではTOPクラスの広さを誇りH20系でも見られた軽自動車らしかぬ造りの良さに磨きそ一層かけ当時ワタクシも感嘆したものです。
特に後席の居住性は足元を含め“快適”と言えるレベルで1度コイツの3ドアセダンの後席に乗り150km位の旅に同乗した事がありますがその程度では何ら問題がなく寛げたのを憶えています。

↓可愛らしい丸味の効いたデザインがクラスNo1の車室空間も実現!(3ドアセダンPj前期型)


↓先代で好評のトッポはFr部分だけの変更(1:2セダンQ3前期型)


7代目登場時はやや下降気味になってきたとは言えまだバブルの頃(終焉期)、この為クルマそのものの造りは三菱らしく頑強であり内装の造りなども現代の軽自動車には見られないコストをかけた丁寧さも見られバリェーションも女性の支持が上がった事によりより充実拡大されています。
先代で“強烈ミニ”として話題だったDANGANシリーズもよりグレードアップしてラインアップ、“変わり種”として支持の高かったユニークなトッポもそのイメージを殆ど変えず(鼻先のみH30のデザインとし若干のホイールベース拡大というセミFMC的存在)健在、他に富士重のビストロシリーズが火を付けたレトロ感を強調する『タウンビー』や豪華モデル『アンティ』シリーズ、女性向け『グッピー』シリーズの設定などもあり幅広い車種展開が図られていました。
機構面でも上級車に採用された「ファジィ制御4AT」や世界最小の20バルブ4気筒エンジン(16バルブもあり)等、軽自動車としてはまさに贅沢すぎる装備や機構が奢られていました!
時代的に安全装備にも目が向けられABSやエアバック装着モデルやオプション設定も広く用意、充実装備としてエアコン設定モデル、キーレスエントリー装着モデルも幅広くラインナップされています。

尚、余談ですがCMキャラは浅野温子→石田ひかり(前期)→現イノッチ妻(瀬戸浅香=後期)に変更されています!!

それではH30系の車輛概要です。

(サイズ)
ミニカ:全長3295全幅1395高1475(以上mm、セダンPe)
トッポ:全長3295全幅1395高1695(以上mm、2WDセダンQ2)
(車重)
640kg=ミニカセダンPe 690kg=トッポ2WDセダンQ2
(定員)
1名(ミニカバン1シーター)、2名(ミニカバン/トッポバン2シーターのみ)、ミニカ&トッポセダン系4名
(エンジン)
3G83型水冷直3 2バルブOHC 660cc シングルキャブ40ps→搭載グレードは下記バリェーションに記載。
3G83型水冷直3 2バルブOHC 660cc 電子キャブ40ps
4A30型水冷直4 4バルブ(16バルブ)OHC 660cc 電子キャブ50ps
4A30型水冷直4 4バルブ(16バルブ)OHC 660cc ECIマルチ55ps
4A30型水冷直4 5バルブ(20バルブ)DOHC 660cc ECIマルチ I/C付ターボ64ps
(駆動)
FF/フルタイム4WD
(ミッション)
4速MT/5速MT/3速AT /4速AT
(脚回り)
Frストラット式独立懸架/Rr3リンク(2WD)5リンク(4WD)
(ボディ)
3ドアHBセダン/5ドアHBセダン(ミニカ乗用5ナンバー)・1:1セダン=左右1ドアながら非対称サイズ/1:2セダン=右2枚、1枚ドア(トッポ乗用5ナンバー)・3ドアバン(ミニカ&トッポ商用4ナンバー)
※トッポにはグレードにより標準ルーフ、ハイルーフが設定、サンルーフモデルもあり。
(バリェーション及び型式による搭載エンジン分類)
[型式H31A=3G83 電子キャブ40ps及び4A30全種搭載]ミニカセダン及びトッポセダン
ミニカ;Pe/Pf(3G83)Pg/Pj(4A30 50ps)ST/SR/PX(4A30 55ps)SR-Z(4A30 64ps)
トッポ:Q2/Q3(4A30 50ps)R/RC(4A30 55ps)RT(4A30 64ps)
[型式H32V=3G83 キャブ40ps搭載]ミニカバン及びトッポバン
ミニカバン:1シーター/2シーター/Ce/Cf
トッポバン:C(2シーター)/B/U/U2
[型式H36A=4A30全種搭載]ミニカセダン4WD及びトッポセダン4WD
ミニカ:Pg-4WD(55ps)ダンガン4(64ps)
トッポ:Q2-4WD(50ps)R-4WD(55ps)RT(64ps)
[型式H37V=3G83 キャブ40ps搭載]ミニカバン4WD及びトッポバン4WD
ミニカバン4WD:Cf-4WD
トッポバン4WD:U-4WD

上記を見ても解る通りのワイドバリェーションは先代H20系を整理しながら踏襲、3/5ドアに変わり種ワゴンタイプのトッポ、廉価版4ナンバー1シーターや女性向けに特化したモデルと世界最少660cc4気筒I/Cターボまで揃え幅広い層に対応しています。
先代ミニカのセダン(バン)にラインナップされていた4ドアの変形であった1:2ドア(パセリ)は売れ線でより多用途のトッポに受け継がれH30ミニカでは廃止されています。

注目なのは新搭載の4気筒エンジン!
既に92yに富士重のヴィヴィオが軽4気筒を実用化しており目新しさはないもののその滑らかなフィール、スムーズさと低振動は3気筒とは月とスッポンであり廉価版に従来からのキャリーオーバーにて3気筒の3G83OHCを残すものの先代で注目を集めた5バルブ方式やハイパワーI/Cタ-ボは全てこの4気筒4A30に移行、これ以後ダイハツも4気筒エンジンのミラを発売しかつては2気筒が主流だった軽自動車もついに4気筒がメジャーに!!という時期でもありました。

↓新開発4気筒となる4A30型(I/C付ターボ64ps)


↓廉価版に残された3G83型3気筒エンジン


またATも4気筒に合わせたかのように4速ファジィシフト(学習能力付AT)も上級グレードにラインナップ、軽自動車の一番の欠点である高速走行時の振動、騒音、燃費悪化を共に「4」が付くエンジンとATミッションで一気に解決するものとして期待を集めていました。

↓”4速AT化”を大々的にアピール!!



ワタクシは後期型ですがダンガンにて4ATは体験、H22Aのダンガンの荒々しさは薄れながらも絶対パワーはH31Aが優れしかも静粛でありATとの相性もさほど悪くはなく(と言いましてもMTと較べるとやはり体感パワーは若干劣る感じが個人的にはありました)ダンガン以外にも大幅に設定を増やしたパワステフィールも違和感のないものに仕上がりラクに、しかもパワフルにドライブができやかましさとしっくりしないハンドリングだったH22Aを格段に超えたミニカorダンガンであったと思います!

↓初期型ではI/Cターボでも2駆であると『ダンガン』ではなく新グレードの『SR-Z』とされていました(㊦)


インパネデザインもこの時期の上級ギャランやエテルナ、ランサーとデザインテイストを共通化する流れるようなうねるデザイン、ワタクシ個人的にはこのデザインはあまり好きになれず外観に併せて女性的ではありましたが先代の頃のデザインに魅力を感じました、ギャラン等もそうですがE30やH20時代の方が男性的で力強いデザインで個性もありより三菱車らしいかな!と。。。

↓Pjのインパネ


↓先代同様の広大なヘッドスペースが魅力のトッポのインパネ(Q3)


それではH30系のモデル改歴に移ります。(主要のみ)

(94/2)
トッポに特別限定としてQ2-4WDをベースに背面タイヤ、グリルガード等三菱お得意のRV風味を醸し出した『カラボス』を追加、フルタイム4駆(型式H36A)、ボディは1:2ドア、4A30 50psを搭載し3AT/5MTの2種。
(94/5)
ミニカに特別限定のお買い得女性向け『グッピー』を追加、3/5ドアセダン、4A30 50ps搭載、FF/4WDを3AT/5MTでそれぞれ組み合わされたワイドなラインナップ(型式FF H31A 4駆H36A)
(94/10)
トッポ、5ナンバー乗用グレードは全て1:2ドアに統一。また、Q2をベースに専用色、ハイルーフやパワーウィンドゥ、分割Rrシート等装備充実がなされた限定車『ビックトイ』をFF(H31A)と4WD(H36A)の2種に設定、エンジンは4A30 50psで3AT/5MTをチョイス可能としていました。
(95/1)
ミニカ、特別限定枠で『パルフェ』(H31A)追加。FF 4A30 50ps 3ドアセダンのみで3AT/5MTを設定。
(95/5)
トッポに限定枠として『Q坊』を設定(H31A)FFのみで3AT/5MT。Q坊はQ2をベースにツートンカラーを採用、UVカットガラス、パワーウインドウ、CDチェンジャー、分割Rr可倒シート等、装備充実としたモデル。
また、ミニカに再度『グッピー』を限定発売(内容は前回グッピー同様)
(95/11)
ミニカ/トッポ共に一部変更、車種編成の見直しと安全対策(ABS/エアバック標準装備拡大)が施されます。
ミニカにはそれまで4WD 5MTモデルのみだったダンガン(4)にFF(型式H31A)モデルもラインナップ、5MTのみならず4ATも設定されています、これに譲りSR-Zが廃版、実際はSR-Z→ダンガンへの名称変更です。
特別仕様車としてミニカにお馴染『グッピー』『ライラ(バングレード)』が、トッポに『カラボス』『マーブル』がラインナップしています。
(96/1)
ミニカに『パルフェ』を再度限定枠で設定。
(96/5)
ミニカに『ヴォイス』『グッピー』『アンティ』を限定枠で設定、ヴォイスは3G83を搭載しながら装備充実がなされたお買い得モデルでFF(H32A)と4WD(H37A)をラインアップしミッションは4MT/3Aとなっていました。
グッピーは三度の設定で前回同一の内容、アンティはグッピーをより装備充実させたものでFF/4WD(H31A/H36A)、3AT/5MTという内容。
トッポに『Q坊』を再度限定枠で設定(内容前回と同一)また、『アミスタ』を新規で限定発売していますがアミスタはQ坊のグレードダウンタイプでエンジンやミッションチョイスはQ坊に倣っています。

(97/1)
ミニカ、トッポ共にスバル・ヴィヴィオ(ビストロ)が火を付け人気となったアンティーク調をまとう『タウンビー』シリーズが追加設定されました。

↓ミニカ・タウンビー(5ドアFr/3ドアRr)



↓ミニカ・タウンビーのインパネ&インテリア



タウンビーはヴィヴィオ・ビストロがヴィヴィオをベースにアンティークかつ豪華な施しをし軽自動車らしかぬお洒落さをアピールし爆発的な大人気を博しこれを黙って見てられないライバルメーカーも競ってベースモデルをビストロに倣いそれと同趣向化したモデルで三菱の対ビストロ戦略車種でした。
この“アンティーク調”は一時ブーム化、他ライバルのダイハツ、スズキは勿論の事、普通車コンパクト市場にも飛び火しマーチやスターレット、ミラージュや本家富士重のインプレッサ等でもラインナップされ女性や高齢者を主体にした販売がなされ好評でした!
ワタクシは個人的にパイオニアであるビストロ以外はどれも二番煎じで好感の持てるモノではなくビストロはベースのヴィヴィオに気品あるアンティーク感がうまく調和し違和感なく見れるモデルながらその他はどれも取って付けたような古臭い顔付やオーバーデコレーションで気品より“下品”といった感がどうしても強くビストロ以外オリジナルを上回る見栄えを感じる事はなかったですねー、まっ、それでも各社のこの種のモデルは一定の人気を得て販売も好調でしたのでそこまで辛口に論ずる事はないのかもですが…(汗)

ミニカ・タウンビー(トッポ・タウンビーも含む)もビストロの気品は感じられず好評ながらゴテゴテとした外観がオリジナルの可愛らしさを崩してしまった感があり好感持てませんでしたが木目を使い高級感が高まりより質感の上質さが醸し出されたシート、インテリア等はそれなりに存在価値はあったのかな?と思います。
トッポのタウンビーではライトがカエルのように飛び出ていて“出目金”の愛称でそれなりに好評だったようですがこれはワタクシちょっと勘弁って感じの顔付、これが人気あると知った時は自分の美的センスを疑い哀しみました(;^_^A

↓トッポ・タウンビー(Fr/Rr)



↓トッポ・タウンビーのインパネ&インテリア



タウンビーシリーズは廉価モデルに3G83型エンジンを搭載、上級として4A30型55psも設定されミニカタウンビーはFFのみ、トッポタウンビーはFF/4WDが設定されこれに3AT/5MTが組み合わされていました。

(97/9)
ミニカ、トッポ共にMCを受け後期型となります!
主な変更点は教科書通りのFrフェイスリフトとテールランプの変更、一部グレードの見直しと車種編成整理並びにより安全装備の充実等となっています。

↓MCで後期型となったミニカ(㊤ダンガン㊥同インパネ&インテリア㊦ダンガン4)




↓後期型トッポ(Q3)


後期型はFrフェイスに大型グリルを採用、テールも新意匠のレンズになりましたがFrはいかつさ、迫力は増すも丸味ある愛らしいスタイルには小型グリルの方がどう見ても似合っていた感じがしワタクシなど後期顔見るとあの“仮面ライダーV3”を思い出してしまう、それほどいかついイメージがあります(笑)
ダンガンやSR系スポーツモデルはともかく気のせいか後期型はやはり女性ユーザーが乗っている姿、前期に較べ見かけなかったような(独断ですが。。。)

搭載エンジンや主要機構に変更はありませんでした。

↓後期型ミニカの一部バリェーション
(㊤バン2シター㊥㊤バンライラと同室内㊥㊦セダングッピー㊦パルフェと同室内)





後期型トッポの全バリェーション(タウンビー、限定特別仕様をを除く)






(97/10)
ミニカ、トッポ共にタウンビーにより上質装備、意匠を与えた『タウンビーⅡ』を追加設定、従来型ミニカタウンビーに4WDモデルを、トッポタウンビーに4ナンバーのパネルバン『暗窓バン』を設定しています。

(98/10)
軽自動車3度目の規格改正がなされ排気量は660ccそのままに全長3400mm未満、幅1480㎜未満までサイズ拡大が許される事となりこれに呼応しミニカは現在の新規格サイズにFMC、8代目で最終型となってしまった『H42A/V・H47A/V型』となりました。
8代目H40系はこの後に三菱自動車に起きた前代未聞の醜態もありミニカに限らずFMCなど出来る状況ではなくなり異例の長寿モデルとなり本年2011/6迄生産、実に12年8カ月というミニカ史上最長寿モデル。
また、62/10の初代LA型から実に49年近くに渡り親しまれた“ミニカ”の惜しくも最終モデルとなったのは承知の事実ですね!

↓98/10に登場した最終型8代目H4系ミニカ


8代目ではミニカトッポは別車種の新規格モデルであるトッポBJに発展、シャーシや多くのパーツは共用しますが『ミニカ』の冠は取れあくまでメーカーも“別車種”として扱っていたのもあり次回ではトッポBJの説明は省きます。

H30系はバブルの余韻もありH2系を発展させた丁寧かつ造りの良さと幅広いバリェーション展開が劫を奏しH20系を上回る人気、販売台数を上げましたが次期型H4系発売時には既に軽自動車界はワゴンRやこれに続くダイハツムーブからなる“ハイト系”が主流となり旧来型のボンネットタイプのセダンは一線を退からざるを得ませんでした、ミニカはもちろんこれまで軽自動車界をリードしていきたミラ、アルト、ヴィヴィオも含めて存在感が薄れゆく中、最終ミニカの人(車)生はいかに!!

(次回8代目H42A/V・H47A/V型に続く)
Posted at 2018/05/27 18:21:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月05日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編⑤

 保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編⑤偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 
今回はいい加減古くなり街角からも消えつつありながらも我がGure2号機としてまだまだ(?)活躍中の89/1に発売された6代目となる『H21A/V・H22A/V・H26A/V・H27A/V型ミニカ』を取り上げます。

先代、5代目H10系がそれまでの軽乗用の常識を破る車室の広さで好評を得ていた点を尊重、6代目でも横置き+FF及びフルタイム4駆とトールボーイスタイルを継承しますが世はまさにバブル絶頂期でもありミニカに限らず当時は車格以上の豪華さ、装備、品質が与えられた頃でH20系も“バブリーミニカ”として分不相応なグレードが存在しておりました。

スタイリングは先記のように先代のトールボーイスタイルを継承しますが先代のペキペキした直線一辺倒のボディに随所柔らかい丸味が付けられ87年に登場し人気/注目を得ていた上級E30系ギャラン/エテルナの“うねりのフォルム”をそのまま軽のサイズに縮小したような出で立ちとなり特にサイドの波打つプレスラインやRrウィンドゥ、テールランプ部に付けられたアールがE30系を彷彿させられ以前みんカラブログにもあげたように個人的には勝手に親子と呼んでおります(^^;)

↓Rrからの眺めは誰が何と言おうと“親子”(Gure 1号機/2号機)


先代でも上級E10系ギャランΣ/エテルナΣのスタイリングアイディンティを採用していましたがこの時期、ミラージュもランサーもデリカもパジェロも、そしてギャランもミニカもどれを取っても“三菱車”をいい意味で主張するデザインであり個人的には一番この時期のモデルが好きです!

ギャランでは武骨で勇ましいイメージだった“うねりのライン”は軽のミニカではキュートな丸味を印象付け、当時はまだまだ主要ユーザーだった女性にも大好評!
キャラクターには当時『あぶない刑事』では男性に、各ドラマでは女性に人気だったバブリー時代の“トレンディ女優”の浅野温子を起用、女性にも支持が高かったこのイメキャラは成功し先代H10系末期の88yが2万7000台弱の登録台数だったところ一気にH20系発売の89yには7万7000台弱まで販売を引き上げています。

普及タイプと高級/スポーツ系の二つの顔を持ち普及版は可愛らしくキュートな表情、スポーツ系はいかつい出で立ちでH20系のスタイリングには不釣り合いな“強面”だった感じがします。
テールはRrバンパー上端まで開くテールゲートにギャランやディアマンテ風味のテールランプを採用し高級かつスポーティなイメージでした。

↓トレンディ女優の浅野温子がキャラを勤めた“トレンディ”なH20系ミニカ!!


もちろんイメージだけではなく造りは至ってマジメで軽ボンネットタイプでは最大寸法を誇る車室、新開発で市販では国内初となる5バルブDOHCエンジン(当初はDANGANNのみ)等が話題を呼びました!!
中でもギャランVR-4のミニ版的存在となるシリーズ最高峰の『DANGAN(ダンガン)』は“弾丸”をイメージさせるミニカのやんちゃモデル、先代で常にアルト・ワークスやミラ・TR-XXの後塵を仰いできたミニカ渾身のスポーツモデルであり550CC 3気筒DOHC 5(15)バルブ+I/C(インタークーラー)ターボで軽自主規制いっぱいの64psを発生、三菱のお得意で世界初のHCU式フルタイム4WDモデルもラインナップ(89/8~)されており先代までは機能もパワーもライバルに追い付けなく地団駄踏んで悔しがった三菱ファンはもちろん、ハイパワーミニ指向のユーザーにも高い注目をもって迎えられていました!

エポックメーキングな5バルブDOHC+I/Cターボが人気を博した『DANGAN』
(前期ZZ-4=89/8以降 タイトルは前期バン・DANGANN-ZZ㊤とセダン・XPm)


DANGANは考えられるスポーツ装備はほぼ身に付けられ3気筒からなる排気管はテールエンドのデューザーまでも3つの排気口を設けると言う凝りぶり!しかもピラーに存在するラジオアンテナですらエアロパーツでカバーされるという徹底ぶりには正直、当時は「そこまでやらんでも…笑」って感じでしたが今の時代の楽しさが皆無となってしまった軽自動車、遊び心がまだまだ健在でいい時代だったなー と。。。

尚、当時の三菱(上級車)はタイプ別に3~5つの基本グレードを設定するのがMyブームでありH20系でもそれに準じ普及版ベーシック系/女性向けモデル/エアコン標準装備の『P』=高級系/4WDの『F』系/DANGAN=スポーツイケイケ系に区別、それぞれのタイプ別に内/外装の意匠を変え更にその中で細分化されたラインナップを持ちバブルならではの贅沢で夢のあるユーザーチョイスを可能としていました。
また、5ナンバーと4ナンバーが設定されていたのは従来通りながら81y以来名乗った4ナンバー専用のネーミング『エコノ』は廃止されどちらも『ミニカ』に統一、5ナンバーは『セダン』、4ナンバーは『バン』と呼ばれる事となっています。

それではH20系の車輛概要です。

(サイズ)
全長3195全幅1395高1465/1515(2WD/4WD) (以上mm)
(車重)
650kg=XG
(定員)
2名(バン2シーターのみ)/4名
(エンジン)
3G81型水冷直3 2バルブOHC 550cc シングルキャブ30ps→バン/32ps→セダン
3G81型水冷直3 5バルブDOHC 550cc ECI I/Cターボ64ps
(駆動)
FF/フルタイム4WD
(ミッション)
4速MT/5速MT/3速AT
(脚回り)
Frストラット式独立懸架/Rr3リンク(2WD)5リンク(4WD)
(ボディ)
5ドアHB(乗用5ナンバー)/1:2ドアバン・3ドアバン(商用4ナンバー)
(バリェーション)
バン2WD (型式H21V):2シーター/M/S/レタス/Pg/DANGAN-ZZ
バン4WD (型式H26V):S-4/F-4
セダン2WD(型式H21A):M/XM/XPm/XL/XG
セダン4WD(型式H26A):XF-4

上記のようにサイズは自由の効く高さのみが拡大、先代でも充分驚いた室内空間はより高さが増し身長174のワタクシが座っても拳3個でもまだ余る程の広さ!高さ(ヘッドスペース)だけを見ればもはや当時の規格でも“ボンネット付き軽”の概念ではなかったのがまた驚きでしたネ~…。
インパネもこれまたギャランのイメージが強く大型のメーター(メーターフード)にトレイ形状のダッシュはE30系ギャランそのもので2段式タイプの視認性に優れミニカ独自の円形の空調吹き出し口など洒落っ気も充分、どうしてもタイト気味になる足元に気を配り引き出し式のグローブBOXやセミセンターコンソールを採用していました。

見切りのいいインパネ&十二分なヘッドスペースを誇る室内


もちろんミニカ伝統のH/B+可倒式シートは健在でより広がったヘッドスペースと相まって広大なラゲッジスペース確保も可能、商用専用の2シーターでは軽箱バンに迫る積載スペースを確保していました!

搭載エンジンは普及版は従来型3G81(セダン32ps/バン30ps)をキャリーオーバーして搭載しますが注目なのは上でも述べた新開発5バルブDOHCエンジン!
ワタクシの現在の2号機は後年追加されたNA版ですが当時はダンガンのI/C付きしかなくこれに初めて乗った時はワークス、TR-XXでも感じた【危険】さを覚えた程です。
5バルブとしてのフィーリングは良くできた2バルブOHC/DOHCや4バルブのDOHCと比較して特別“これだ!”というのはなくむしろライバルに遅れようやく電子燃料噴射(ECI)となり確実な燃料供給と圧倒的なターボパワーに5バルブならではの味は掻き消された感じで後年のNA仕様で高回転時の吹け上がりの鋭さとサウンド、そして嫌でもOIL管理に神経質にならざるを得ない事が改めて印象付けられた感じです。
18年落ちで7万近く走った我が2号機、現代のリッターカーには勝る加速をし必死になれば軽ターボにもそれほど置いていかれない実力はやはり5バルブのおかげ?かなと思います、同時に燃費も軽離れしてしまうのは言うまでもありませんが(汗)

↓64psを誇った名機?迷機?5バルブDOHC-ECI I/C付きターボの3G81型エンジン!


これらエンジンに組み合わされるのは4/5速MTと先代で軽初の3速化したAT!!
ATやパワステという現代でイージードライブに必需とされる装備がこの頃既に広い車種に設定されていますがラック&ピニオンのステアリングフィールはアシストなしの感覚の方が重くもなく軽過ぎずで個人的には好きですねー、H20系のパワステは電動ですのでイマイチ感覚が相に合わず特にハードな走りをするとステアリングが1歩遅れる感じが好きになれません、もっともこのクルマでそんなハード走りするのが間違いかもしれませんが。(DANGANを除く)
尚、ブレーキも増えた車重に対応し廉価モデルを除きほぼ大型マスターバック付のディスクブレーキを採用しています。

↓大幅に設定が増えた3速オートマッチック!


↓ブレーキも強化!!


脚廻りは基本、旧型を継承し4WDは後輪を5リンクとしています。
脚は先代同様適度な堅さを持ちながらしなやかさも得られる軽としては上品な乗り心地の部類だと思いますが初期のDANGANはFFという点もありとても安心して飛ばせる代物ではなく強化は必須でした、DANGANに4WDモデルが追加以後足も見直されされたりして後期型でようやく安全?なレベルになってはいましたが初期モデルは完全にパワーに負けワークス/TR-XX以上に不安を感じたのを憶えています…

ボディは従来通りの2BOXですが常識的な5ドア/3ドアに加え変則的な1:2ドアというモデルがラインナップ、これは後年の派生車種である『H30系ミニカ・トッポ』でメジャーになりますが女性向けグレードの『レタス』として当初からラインナップ、左側のみを乗降性に優れた2ドア(前後ドア)とし右側は大型化した1ドア(と言っても右は3ドアのものを、左は5ドアのものを装着しただけですが…)というモノ。
1:2ドアはレタス専用ボディでこれは三菱/西友が特に小さい子供を持つ女性ユーザーのライフスタイルを参考に共同開発したのは有名な話です!
レタスは当初は売れ線だった4ナンバーモデルでしたが先代H10の項で記載した通り消費税導入→物品税廃止による5ナンバー有利を見越して登場後すぐに(89/5~)5ナンバーとなる『セダン・レタス』に変更され女性ユーザーに一早く使い易さをアピールしていました。

当初のバリエーションは上記の通りですが上級セダンXL/XGには軽では異例の後席ヘッドレストが奢られ最上級のセダンXGとバンPg(DANGANはスポーツ最上級として別枠)はフルトリムの内装と簡易式パワーシートまで装備するバブリーさ!
パワーシートはスライドのみでリクライニングは手動ながらスライドにはメモリー機能まで搭載した2L級普通車ですらまだ考えられない装備がなされ当時は目がテンでした、何もそこまでやらんでも~って感じの過剰装備そのものですね~、このような“バブル装備”により価格も全部入れたら軽く100万オーバーとなりもはや軽自動車の範疇を超えた!!と言っても過言ではなかったでしょう。。。

↓高級車顔負けのXG/Pgに採用された“パワーシート”


それではモデル改歴に移りますがH10系同様に女性への軽人気とバブル期の為やたら限定モデル、特別仕様が多く重要モデル以外は詳細を省いている場合もありますのでどうぞご了承願います(^_^;)

(89/5)
4ナンバーのみだった『レタス』を5ナンバーの『セダン・レタス』に変更(既出)

↓セダン・レタス(89/5~の前期型)


また同時に4ナンバー専用ボディだった3ドアにも5ナンバーセダンを追加設定しこれによりセダンシリーズは既存の『5ドアセダン』に加え『1:2セダン』、『3ドアセダン』と拡充します。

↓89/5~新設された『3HBセダン』(XPg)


そして搭載エンジンに新たなチューンとなる3G81型水冷直3 5バルブDOHC 550cc ECI 46psが新設されました。
これは従来のDANGAN-ZZ用の3G81 DOHC+I/CターボをNA化したものでミニカ上級と拡充したDANGANシリーズに搭載、5バルブエンジンの普及版とされています!

(89/8)
消費税導入を睨みセダンシリーズの拡充とDANGANの乗用5ナンバー化が施されDANGANもこれまでのモノグレードから4WDモデル(ZZ-4/Ri-4)、NAモデル(Ri-4/Si)とバリェーション化がなせれます。
これによりグレード編成、グレード呼称が大幅に見直されており新ラインナップは下記となります。

(3ドアバン)
2シーター/S/Pe/Pf/Pg=H21V・3G81 30ps
(同4WD )
S-4/F-4=H26V・3G81 30ps
(1:2ドアセダン)
レタス=H21A・3G81 32ps
(3ドアセダン)
Pe/XPe/XPf/XPg=H21A・3G81 32ps
(同)
DANGAN Si=H21A・3G81 5バルブ46ps
(同)
DANGAN ZZ=H21A・3G81 5バルブI/Cターボ64ps
(同4WD)
DANGAN Ri-4=H26A・3G81 5バルブ46ps
(同4WD)
DANGAN ZZ-4=H26A・3G81 5バルブI/Cターボ64ps
(5ドアセダン))
XS/XPf/XPl/XPg=H21A・3G81 32ps
(同)
XFi=H21A・3G81 5バルブ46ps
(同4WD)
XF-4=H26A・3G81 5バルブ46ps

尚、この時から先代H11V時代から業務用として受注生産に近かった特殊モデルである『ウォークスルーバン』を正式なカタログモデル化しラインナップに加えられます。
これはシャーシ、ノーズ部はミニカそのものながら運転席~荷台を拡大した“変わり種”で当時ミラやアルトもラインナップし小口配達や移動販売車等に活躍しました!

↓89/8~正式モデルとなった『ウォークスルーバン』


(89/10)
3ドアセダンにお買い得モデルの『ライラ』『μf』を追加設定。
ライラには32psエンジンを搭載し贅沢装備を省き598,000円(4MT)という低価格を実現した限定車扱いのモデル、一方のμfはカタログモデルでありパワーアシスト類を装備し高級グレードのXPgに準じた外装、装備が施されながら3G81 5バルブDOHCをそのままにECIをキャブレターに変更(出力を38psにデチューン)しDOHCの高性能と低価格を実現し750,000円(4MT)812,000円(3AT)となっていました。

↓ECI→キャブレターとされ38psにデチューンした3G81 DOHC5バルブエンジンをμfに搭載


※(90/2)
軽自動車規格、二度目の改正がなされ従来の幅1400mm/長さ3200mm、排気量550ccという規格値が幅はそのままに長さは3300㎜以内、排気量660ccと枠が拡大されました。

(90/3)
DANGAN ZZ、同ZZ-4(ターボモデル)を除いて新規格対応モデルとなります。
エンジンは3G81型の基本はそのままに100ccスケールアップ、660ccとなった3G83型に換装されOHC版が40ps(バン/セダン出力共通化)、DOHC5バルブキャブ仕様が46ps、同ECIが52psとなっています。
ボディはFrバンパーを+30mm大型化、Rrはボディ部を拡大しRrオーバーハングを+70mm延長しています。
この時にFrグリルの意匠変更(MC)が行われ中期型となっています。

↓90/3~新規格に準じボディ/排気量拡大がなされMCされた中期型(660 1;2セダンレタス)


新規格は横幅は従来のままのため室内の広がりは後部ラゲッジルームの拡大のみで実質空間は変わらず新鮮味はありませんでしたが100ccスケールアップの3G83、特にアンダーパワーのOHCキャブバーションではトルクフルな印象が顕著でECIや後の同ターボ660版では差が感じられなかった低速トルクの余裕感、特にパワー不足が特に感じられたATモデルで劇的な走りの違いを感じました。
550時代の30/32ps、トルク4.2kgmからpsで約10ps、トルクでたかが1kgmのアップながらその差は歴然で登坂やAC使用時に余裕が産まれた感じでした。

スタイリング的にも特にRrの拡大されたオーバーハングが堂々とした印象となりどことなく660ccになってから頼もしいイメージになった気がします、下手すればRrのみの拡大ですと間延びして取って付けたような印象になる事が多い手法ですが非常にうまくまとめた一部拡大だったと思います。
尚、660cc化され型式を2WDバンがH22V、同4WDがH27V、2WDセダンがH22A、4WDセダンがH27Aに変更されています。

そしてこの時同時に派生車種となる非常に個性的かつ新しい提案である『トッポ』が追加されます!
トッポはウォークスルーバンをヒントにしたファミリーユース向けに開発された当時としては“変わり種”的ワゴンで今から見れば現在の軽乗用の主流であるハイト系のベースを造ったモデルと言えるでしょう…

ウォークスルー同様、ミニカのノーズとシャーシはそのままに運転席~後部ラゲッジルームを新設計したものでこれでもか!と思えるほど天井を上げノーマルのミニカが1465~1515mmだったのに対し1695~1745mmと実に200mm以上の背高モデル、元々のミニカがトールボイーイスタイルでしたのでさほど違和感はないものの出た当初は「何じゃこりゃ!?チョロQの実車版!?」ってな感じでした。
窓面積が大きくこれ夏場エアコン容量不足なんじゃね?とか冬場寒~ぃだろーなー など余計な心配したりして(笑)
リアゲート(Rrドア)が通常の上ヒンジ式ではなく右ヒンジで左から開閉させたり高い天井を活かし運転席/助手席頭上に大容量の物入れを設置したりレタスからヒントを得たのか左サイドドアをRrへの乗降性を考慮して大型化、右は開閉角度を抑えるため短くするなど数々の工夫がなされており三菱の良心が垣間見れました~!

↓ヘンテコ感アリアリながら楽しいカーライフが送れそう!と注目された『ミニカ・トッポ』
個性だけではなく使い易さも徹底追及しRrドアは横開き式!(セダンQ2)


『トッポ』の由来は文献によればイタリア語でネズミ、そして日本語の背高ノッポをもじって名付けられたとの事、ネズミよりは“背高ノッポ”が出で立ちからしっくりくる、そんな感じですネ。
とにかくトッポは軽とは思えない広大な室内空間がビックリで現代のハイト系のように当初からハイトとして専用設計されていないが故に殆ど空気を運んでるような感じながらベースが従来型のため重心が低く見た目から不安定な走行を想像しましたが驚くほどしっかり地に足が付いてる感じで後年のワゴンRやムーブに較べても横風に影響される度合いも少なくノーマルのミニカとほぼ遜色ない走りが得られました。
ユニークなスタイルはきっとウケ狙いもあったのでしょう、見事に新しモノが好きな層のハートを掴み一時はベースのミニカを上回る人気を得て結構見かけたモノです。
競合車種が発売時はなく元祖ハイト系として販売も好調、後にアルトハッスルなどライバルは現れますが93yのワゴンR発売までは唯我独尊の状態でした!
ただでさえ高い天井はハイルーフのため子供なら楽に室内で立てるというのもウケたのでしょう、若いお母さんが小さい子供を乗せて走る姿、今でもたまに見かけます…。

↓広大なるヘッドスペースはもはや軽自動車ではありません!!



トッポも商用4ナンバー登録モデルと乗用5ナンバーが用意され前者を『トッポ・バン』後者を『トッポ・セダン』としています。
セダンは上記のようにファミリー層に、バンは花屋さんとか箱バン並の積載スペースから意外と大工さんとか室内装飾業者なんかが愛用していた記憶も…

↓4ナンバー商業登録もラインナップ(バンU2-4)


トッポに搭載されるエンジンはベースのミニカから3G83のOHCキャブと5バルブDOHCキャブを採用、バリェーションの性格で分けて搭載、設定は下記の通りです。

(トッポ・バン=H22V)
C/B/U/U2=3G83 OHC40ps搭載
(同4WD=H27V)
U2-4=3G83 OHC40ps搭載
(トッポ・セダン=H22A)
Q/Q2=3G83 DOHC5バルブキャブレター46ps搭載
(同4WD=H27A)
Q2-4=3G83 DOHC5バルブキャブレター46ps搭載

それではミニカのモデル改歴に戻りますがココからはトッポも含めた改歴をご紹介してゆきます。

(90/8)
旧規格、550ccのままであった『DANGAN ZZ』『DANGAN ZZ-4』も新規格化、Rrボディ延長とFrバンパー大型化及び排気量660ccへのアップが行われます。(出力変更なし)
先にMCしたDANGAN、NAモデル(Si/Ri-4)に準じた意匠変更も行われています、左右非対象のいかつい顔付はCD5A型ランサーGSR風のいささかジェントルな顔付きになりました!

↓中期型『DANGAN ZZ』


(90/10)
トッポ・セダンに特別限定として『Q坊』設定。

(90/11)
トッポセダン、『マーブル』追加設定。

(91/1)
ミニカ、3/5ドア両セダンに『ライラ』及び3ドアセダンに『μX』追加設定。

(91/3)
トッポ・バンに特装車扱いとなる『フラワーエクスプレス』追加設定。

(91/5)
ミニカ5ドアセダン『μL』『XPe』『XS-4』、3/5ドアセダン『ライラ(限定)』、3ドアセダン『μX』バン『Pf』を追加設定、DANGAN ZZにこれまで5MTのみのラインナップだったところに3ATモデルを設定します。
また、トッポに最上級でフル装備となる『Q3』を設定しています。

↓91/5に追加されたトッポ最上級の『Q3』


(91/8)
トッポ・セダンに限定車として『Q坊』を再度設定。

(91/10)
ミニカセダンに限定車として『ライラⅡ』、トッポ・バンに特装車扱いの『クリーニング仕様』追加設定。

(92/1)
ミニカ/トッポともにMCが行われ後期型となります。
主な変更はFrフェイスリフトと安全対策、新デザインのFrフェイスは廉価版/普及モデルとラグジュアリー/スポーツ系の二つの顔は従来通り、ラグジュアリー/スポーツ系はライトベゼルやラジエータグリル下部を大きく取りフォグランプを両側に埋め込むランサーエボリューション風の所謂『エボ顔』となりDANGANシリーズは一層精悍なイメージとなっています。
普及版もスポーツ系同様にライトベゼルを大型化、彫の深い顔付となり従来型より高級感を増しました!

↓92/1~後期型(1:2ドアセダンレタス)


↓後期型DANGAN ZZ


↓後期型トッポ・セダン(Qtキャンバストップ)


このMCではミニカでは増えすぎた?グレードの整理、見直しが行われトッポでは新エンジン(と言ってもミニカのものを移植ですが…)の搭載がなされており下記にまとめています。

【ミニカ】
(3ドアバン)
2シーター/S/ライラ(限定)/Pe/Pf/Ae
(同4WD)
M-4/ピァチェ4WDバン
(1:2ドアセダン)
レタス
(3ドアセダン)
ライラ(限定)/Pf/ピアチェE/Pe/XPe/XPf/Pg/Am/μf/ピアチェL(限定)/μL/μG/ミラノ(限定)
DANGAN Si/DANGAN ZZ/DANGAN ZZ-LTD
(同4WD)
M-4/XM-4/DANGAN ZZ-4
(5ドアセダン)
XPe/XPf/ピアチェE(限定)/ピアチェL(限定)/XPg/μf/AF/μG
(同4WD)
XM-4/Li-4

↓ミニカ後期型のバリェーションの一部
(3ドアバン2シター)


(5ドアセダンμL)


(3ドアセダンXM-4)


(DANGAN ZZ-4)


(DANGAN ZZ-LTD)


【ミニカトッポ】
(トッポ・バン)
C/B(受注)/U/U2/Ua
(同4WD)
U2-4
(トッポ・セダン)
Q/Q2/Qa/Q3/Qc/Qt
(同4WD)
Q2-4

尚、型式に変更なくバンモデルはH22V、同4WDがH27V、セダンモデルがH22A、同4WDがH27Aとなっています。
上記グレードの性格に応じて3G83型エンジン=OHC40ps/DOHC 5バルブキャブ仕様46ps/同ECI仕様52ps/同I.Cターボ64psが組み合わされ搭載されていますがこれまでトッポには40/46ps仕様のみだったところQ3/Q2-4/QcにECI NA52psを、QtにはDANGAN ZZ同様のI.Cターボ64psモデルもラインナップしシリーズを充実、ボディもより遊び心をくすぐるオープンタイプのキャンバストップをQc/Qtに採用しています。

安全対策部分では普通車にもようやく普及し始めたばかりのこの時代に早くもABS設定モデル(DANGAN ZZ-LTD/トッポ・セダンQa)がデビューしています。
DANGAN ZZ-LTDにはRr3点ELRシートベルトも装備されていました。

↓安全対策で4ABSもラインナップ!


(92/8)
ミニカ生誕30周年記念特別限定モデルの『ミラノ』『ピアチェPARTⅡ』を追加設定、トッポ・セダンにも三度特別限定の『Q坊』を設定。

(93/1)
ミニカセダンに30周年記念シリーズのトリとして『ミラノ4WD』『ミラノLTD』を追加設定します。
この二つの限定モデルはECI 5バルブDOHC 52psを搭載し『ミラノ4WD』はこれまで最上級装備を施されたミラノの4駆版、そして『ミラノLTD』はミラノの装備を更にバージョンアップしピアチェ/ミラノのみ標準のRrリクライニングシートや軽唯一で話題を巻いたパワーシート、そしてカセット付4スピーカーステレオ、パワーウィンドゥ、アルミホイール、ブロンズガラス等高級車並のフル装備を与えたものでした。

↓30周年特別限定モデルのシリーズ最高峰『ミラノLTD』


↓ミラノLTDのインパネ&インテリア


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↓Rrリクラインイグシート(他にピアチェ/ミラノも装備)


ミラノ/同LTD共にフォグランプ埋め込み式の“ダンガン顔”で精悍な顔付きに軽らしかぬメタリックを主流としたボディカラーや各部味付けは高級感漂うもので内装もフルトリム、高級シートに同カーペットと正にバブル時代を象徴するモデル、ワタクシGure2号機も実はコレでこの贅沢装備には古いのでいつ壊れるかビクつきながらも重宝しています(;^_^A

(93/5)
トッポ・セダンに4度目となる『Q坊』及び『Q坊4WD』を限定発売。

(93/9)
好評H20系ミニカは通常のモデルライフを超える4年9カ月で次期型7代目H30系にバトンタッチ、FMCを迎えます。
90/3発売の後発トッポも僅か3年半での同時FMCとなりますがH20系同様、ノーズのみH30系ミニカになりながらAピラー以降の奇抜で個性的なデザインは好評に付きH20系を継承、FMCというよりビッグマイナーチェンジ的変更になっています。

↓93/8より7代目にバトンタッチ!(㊤7代目H30系ミニカ3ドアセダン㊦2代目H30系ミニカトッポ)



先代のH10系で劇的変化を遂げたミニカ、6代目は二度目の軽規格改正を挟みながらもハイパワー・ミニのDANGANや個性派トッポのラインナップがウけ好評、軽専門メーカーのスズキ/ダイハツには遠く及ばないながら富士重、ホンダを上回る人気を実現、バブル真っ盛りの時代を考慮した贅沢モデルの適宣追加も劫を奏しH10時代に較べて大幅に販売台数もUP!!!しました!

次期型H30系では人気のトッポに対抗する本格ハイト系ライバルが出現、軽乗用の世界はこれまでのセダンタイプからこのハイト系に移行し始め新時代に突入、さてさてH30系はこの新時代にどのように対応するのか!!

(次回7代目H31A・H32A/V・H36A・H37A/V型ミニカに続く)
Posted at 2018/05/27 17:40:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ
2011年09月04日 イイね!

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編④

保存版・偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! ミニカ編④偉大なる“UP! DOWN! 野郎たち”!!! 
第30弾は先代、先々代より数えて実に15年ぶりに全面新設計され84/2にデビューした『5代目H11A/V・H12V・H14A/V・H15A/V型ミニカ/ミニカエコノ(以下エコノと記載)』を取り上げます!

この代より三菱の型式改変に伴いこれまでの A~型から新たにミニカに割り振られた『H』を頭文字にしこにて表す新型式ミニカ/エコノの初モデルのため10系と表されています。

排ガス規制や軽規格改正などの荒波もあり結果的には3代目F4から12年の長期間造られた先代(F4~アミL/旧エコノ)、終盤は同社のデボネアと並び~まだあるの?いつまで作るる気?~みたいな半ば呆れられたようなモデルにしか映らず、それでも最後にエポックメーキングのスズキアルト47万円に対抗したエコノ(先代)を発売したり軽初のターボモデルを設定したりして放置にする事なくそれなりに気の入れられたモデルではありましたが旧態以前のFR駆動や次々新作デビューするライバル達の前ではその人気も販売もDOWN!!!、一時はダイハツとの首位争いを演じたミニカはもはや前時代の軽自動車的なイメージに陥っていました…

そこで久しぶりにシャーシから新たに開発、80年代に相応しい明るくクリーンでシャープなスタイリングとようやくFF化され脚廻りも見直された新機構を得て再び熾烈な軽自動車市場の闘いに挑んだのがH10系ミニカ/エコノです!

H10系では車名を乗用タイプはサブネーム(F4やアミ等)を廃し単なる『ミニカ』に戻しますが商用タイプには先代でデビューした『エコノ』を継続しています。

↓84/2、15年ぶりの新作となった5代目ミニカ(㊤XL/㊦エコノ・マリエ)



H10系は前年83/8にFMCした三菱の看板車種であるE10系ギャラン・エテルナΣのスタイリングアイディンティを採用、直線で鋭くとまとめられたスクエアなラインはΣのそれのミニチュアバージョン的佇まいで72年デビューのF4が基本だった先代では70年代特有のゴテゴテしたラインや年を追うごとにオーバーデコレート気味になりクリーンなイメージは皆無となっていたアミLや先代エコノと打って変わってスッキリと軽快感溢れるスタイリングになり一時は1万台まで販売を落としたミニカの台数をデビューの84年には5万台オーバーまで戻すのに成功し今更ながらFF機構の採用や徹底的にタイヤを四隅に追いやり角ばらせたトールボーイ的スタイルが当時の軽自動車の室内の広さでは水準以上で高い評価を得ました!!

それではH10系の車輛概要です。

(サイズ)
全長3195全幅1395高1395 (以上mm)
(車重)
570kg=ミニカXL
(定員)
2名(エコノ2シーターのみ)/4名
(エンジン)
G23B型水冷直2 OHC 550cc シングルキャブ33ps(エコノ=31ps)
G23B型水冷直2 OHC 550cc シングルキャブインタークラーターボ42ps
(駆動)
FF
(ミッション)
4速MT/5速MT/2速AT
(脚回り)
Frストラット式独立懸架/Rr3リンクトーションアクスル
(ボディ)
5ドアHB(乗用5ナンバー)/3ドアバン(エコノ=商用4ナンバー)
(バリェーション)
ミニカ(型式H11A):TL/GL/XL/TURBO
エコノ(型式H11V):2シーター/S/マリエ/G/TURBO-G

サイズは高さが実に80mmも拡大、FF機構の助けもあり室内は横方向を除くと普通車に遜色ないもので乗用ミニカの後席は2名乗車でも足元スペース、ヘッドスペースともに驚くほどの寛げるレベルでした。
乗用ミニカではアミ時代に採用された可倒式スプリットシートも継承、より広くなった車室の多用途性は一段と高くなりアミではせっかくシートを倒して作ったラゲッジスペースにスペアタイヤが鎮座して大して広くない という欠点もなくなり(スペアはフロア下に移設)更にFrシートのフラット機構なども採用し新時代の軽乗用としてのレベルを上げました!!

↓ミニカでは可倒式分割シート、フルフラットFrシートでの利便性を高らかにアピール!




商用エコノは節税バンモデルですので先代やアルト/ミラ・クオーレ同様、後席はミニマムという点に変わりないながら“バン”としての最大の売りでありカーゴスペースは大幅に拡大し先代が“節税乗用”だったところが商用としても立派に通用するレベルだったと思います、H10エコノ、何度か乗りましたがミニカも含め大きく高く開くテールゲートは非常に便利で先代のガラスハッチ(F4~アミL)に較べ利便性は大きく向上していました!

↓ミニカエコノでは従来通りの“節税乗用”ながらカーゴルームも充実!(エコノ・マリエ)


↓ミニカ(乗用)は軽とは思えない快適空間を実現(XL)


↓本格的テールゲートを備えたHB機構が大幅に利便性を上げ高い評価を得ました!
(㊤ミニカエコノ・マリエ/㊦ミニカXL) 



↓外観同様に直線基調のスクエアで視認性の高いインパネ(㊤ミニカXL/㊦エコノ・マリエ)



↓流行りのデジタルメーターモデルもラインナップ!


搭載エンジンは呼称を『G23B』に統一し先代からキャリーオーバーしますが出力特性が見直され“バルカンⅡ”を名乗っています。チューニングは3種でミニカ用には2ps馬力向上させた33psを、エコノには低速トルク重視の31psを(トルクは共に4.4kgm)、そしてターボモデルも健在で依然キャブターボながらインタークーラーを装着し出力は42ps(5.8kgm)を誇りまだアルト・ワークスやミラXXがデビュー前の中で俊足ミニぶりを見せつけていました!
ターボは先代同様ボンネットに不気味!?に輝くパワーバルジが外観上のポイント。

↓“バルカンⅡ”を名乗るG23B型エンジン、もちろんサイレントシャフトも健在!!


↓インタークーラーで武装し当時クラス最高の42psを発揮したG23B型ターボエンジン


H10系での最大のポイントは初代LA型から頑なに守り通してきたFR駆動方式をFFに変更した事です!
LA型の時点で既にスズキが採用、しかしその当時はまだまだ開発途上の機構であり信頼性に乏しかったながらその後の技術革新で特にサイズに制限のある軽自動車では室内、ラゲッジの確保の点から言ってもFFが有利なのは素人目にも明らかであり最後まで伝統のRRにこだわった富士重もこれ故に81yからFFを採用、この時点で三菱を除く全ての軽自動車がFFを採用しており年月を経た80年代では室内の狭さが際立つFR機構の先代ミニカ最大のウィークポイントになっていた部分の改善であり目新しさはないながら“後発FF”としてFFを徹底的に研究し煮つめた技術を採用していました。

↓先代までとは180度異なる横置き+FF機構と新サスペンジョンを採用!


横置きエンジンはもちろん、ロングホイールベーススタイルをとりながら操縦性にこだわり小回りを利かせる新設計のFrサスはクラス最少の最小回転半径を実現、Rrサスも上級のFF・Σと同タイプの高級3リンク式トーションアクスルでしなやかな乗り心地、ドライバビリティを得ています。
ドライブ感覚はFFの悪癖を若干残し、ハンドリングもトルクステアを感じFRで馴れたワタクシにはオーバーステアも強く感じましたが70年代のFF車とは明らかに違い不安、不満を覚えるようなモノではなく足も柔らか過ぎなイメージながらしっかり踏ん張りも効きまさしく上級Σのミニ版という印象で軽自動車としては贅沢な感じでしたネー。

ミッションは4速MTに加え5MTも用意、4MTでもTOPはO/Dでしたが5速ではよりハイギヤードのO/Dが設定され高速走行時の静粛性と低燃費を実現しています。
ATは従来通り2速ながらフルオートマチック化しセミATだった先代から違和感ないイージードライブを約束しました。
尚、5MTはミニカのXLとターボ、エコノのターボGに、2ATはミニカXL/エコノS、マリエ、Gに設定(他は4MT)

ボディは先代まで2(3)ドアオンリーだったモノからミニカ(乗用)では初の4(5)ドアを採用、かつては2ドアが常識だった軽乗用ながらホンダライフで4ドアがメジャー化、(4ドア軽のお初は初代マツダキャロル)ミニカは最後発の4(5)ドアモデルでした。
70年代中盤には既に広まった4ドアモデルに何故か三菱は反応せずこれも先代が年代を追うごとに不調に陥っていった原因ではないかと思われます。
2ドアより4ドアが使い勝手がいいのは承知の事実でありガラスハッチや可倒シートよりも4ドアの追加を待ち望んだ軽自動車ユーザーも多かったのではないでしょうか!?

尚、2(3)ドアモデルも残されますがこれはエコノ専用となり
ミニカ=5ドア
エコノ=3ドア
の図式になっています。

グレードはミニカ/エコノともに1種のTURBOモデルと3種のバリェーション、エコノには商用専用である2シーターを設定、また、エコノには内外装をカラフルにお洒落に彩る女性向けに『マリエ』を先代から継承して設定しています。

それではモデル改歴に移りますがこの代では空前の女性への軽人気とバブル突入により主に女性向け特別グレード、限定モデルも多く全てを網羅はしていませんので予めご了承願います(^_^;)

(85/2)
エコノにミニカXLに準じた高級仕様の『エコノG』を追加、『エコノS特別仕様』『特別仕様エコノアミスタ』も追加設定。

↓エコノ最高グレードとなる『G』


↓85/2以降のミニカ/エコノのバリェーション(特別仕様を除く)



(85/9)
エコノのボディを使った5ナンバーのミニカ3ドアHBを追加しアミL以来、久しぶりの3ドアの復活がなされています。また、パートタイム式4WDをエコノに設定、ミニカターボに700台限定の特別仕様『ジャッカル』をラインナップしています。

↓新設定された『エコノ4WD・G(型式H12V)』


4WDはこの時期、ターボに続いて三菱が売りにしていた“フルライン4駆”の末端を形成するモデルでありFFモデルが10インチホイールだったところ12インチを採用、Frディスクブレーキも従来型FFはターボのみながらNAでも4駆は標準装備、ハブもPCDがFFモデルの100mmに対し114.3mmとなっており雪国/荒れ地対応のため車高(最低地上高)も大きくとられていたクロカン指向も意識した走破性も考慮する4駆でした。
またこの時からミニカ5ドア『XL』のみ4駆同様Frフロントブレーキがディスク化、タイヤ/ホイールが12インチとなっっています。

(86/2)
ターボシャッカルを再度700台限定にて発売、『エコノ・ライラ』(限定1000台)と『エコノGエクストラ』を新設定。

(86/4)
ミニカ3ドアターボ並びにXGに開閉式(手動)キャンバストップのルーフを持つ『オープントップ』を追加しオープン気分が味わえる魅力溢れるこのモデルは大きな注目を集めワタシもディーラー勤務時代に下取りで入れ驚くような価格で再販したのを鮮明に憶えています!

↓オープントップで一段と魅力を高めました!(ターボ・オープントップ)



(86/6~8)
ミニカに『SLエクストラ』、エコノに『ライラ』を(いずれも特別限定車)とエコノにマリエの下級にあたる廉価版女性向け『エコノ・パセリ』をラインナップ。

(86/10)
オープントップの特別限定車『マックペア』を設定。

(87/1)
MCで後期型となりこれまでエコノのみだった4WDをミニカ5ドアにもラインナップしています。ます。(型式ミニカ=H14A エコノ=H14V 両4WD=H15A/V)

外観上の意匠変更は売上も好調によりグリルデザインの変更が目立つ程度ながら中身は大きく変貌、搭載エンジンを全面的に変更し新開発の3気筒、3G81型に換装します。
この新エンジン、この後ミニカはもとより三菱軽モデルの主流エンジンとなり現行ekワゴン等に搭載される660cc 3G83型のルーツで様々なチューンが以降行われますがこれの原型がこの3G81型となります。
3G81は上級ギャラン等で大アピールしていた“CYCLON=サイクロン”を名乗る新世代エンジンで2気筒のG23Bと比較して大幅に静粛性をアップ、低燃費も実現した注目のモノでした。
チューンはやはり3種でミニカが32ps/4.2kgm、エコノが30ps/4.2kgm、ターボは50ps/6.7kgmまでアップしています。(エンジンシ諸元は水冷3気筒OHC シングルキャブ、ターボはインタークーラー付)

↓新設計3気筒エンジンの3G81型


↓3G81には引き続いてインタークーラーターボも設定。


↓後期型ミニカ5ドア㊤4WD/㊦S



↓後期型ミニカ3ドアターボ


↓後期型エコノ・パセリとそのインテリア



(87/5)
エコノ・ターボに『XR』ミニカ5ドアにエコノのグレードだった限定車『パセリ』を追加、エコノに『ライラ/同4WD』(限定)を追加。

↓新設定されたエコノ・ターボの硬派スポーツグレードである『ターボXR』


ターボXRは外装をエアロパーツで固め内装の意匠をよりハードなイメージにしスポーツシートも備えた派手な出で立ち、これはライバルのミラTR-XX(85y)から始まった“第二次軽ハイパワーブーム”に呼応したものでこれに対抗したスズキ・アルトワークス(87/2)に次いで三菱もコレに参戦したものでした。ただ、ミラの52ps(→50ps→64ps)/ワークスの64ps、そしてこれらが電子燃料噴射方式を採用(ミラは88/10~)していたのに対し当初からブービーの50psで最後までキャブターボだった点で話題には乗れず終いでしたがエキサイティングな雰囲気、結構気に入ってました!

↓エコノ・ターボXRのインパネ&インテリア



また、このMC時からはATがクラス初の3速AT化がなされこの部分ではライバルに大きく差を付けています!

↓クラス初の“3速AT”は軽にも本格的イージードライブを訴求するユーザーに大歓迎されました!!


(87/6)
エコノ・オープントップに特別限定の『フィオルッチ』を設定。

(87/8)
エコノ・ターボに三度『ジャッカル』(特別限定)を設定。

(87/9)
4WDモデル、従来のパートタイム4駆に加えスポーツ4駆となるフルタイム4駆も追加、ギャランVR-4で大注目されたビスカスカップリング式フルタイム4WDはVR-4の原型であったスタリオンラリーモデルからのフィートバック。

(87/11)
いずれも特別限定となる『エコノ・ライラ』『ターボジャッカル』『フィオルッチ』を設定。

(88/1)
4WDは全てフルタイム4駆となりパートタイムは廃版となります。
また、ミニカ5ドアに最高グレードで上級車の高級グレード名を名乗る『エクシード』とエコノと同タイプの『パセリ』を、エコノにお買い得モデルの限定『ティコ・シリーズ(G/M)』、エコノ・ターボに『ZEO』を追加します。

パセリなど、この時期からエコノ→ミニカに主力を移す施策が取られたのは翌89年に消費税導入を睨んだモノでこれまで物品税が非課税でより低コストでマイカーが持てた所謂“節税”だった軽商用=エコノ(他アルトやミラ・クオーレ)でしたが諸費税導入によりこれの廃止が決定、従来に較べ軽4ナンバーと5ナンバーのコスト差が殆どなくなるために各社が5ナンバーモデルにシフトしたものであり自動車税の差額程度(3~4000円)であれば後席が後席として使える5ナンバーモデルに需要が移るのは庶民の当然、予測できる行動でありこれに備えたモデル設定/ラインナップ見直しでした。

ターボZEOはより派手になっていくハイパワーミニ(ワークス/ミラXX)に呼応しより派手な出で立ちにしたモデルでしたがやはりキャブターボ50psという当時ではライバルに比較し見劣りする出力が災いしよほどの三菱ファンでない限り選ぶユーザーは少なかったです、ガンダムルック、いかつい出で立ちならお任せの三菱車でも実力は劣っておりZEOでも戦線浮上はならずでorz…
ZEOにはノーマルルーフとオープントップを設定していました。

↓より派手な出で立ちでワークス/TR-XXに挑戦した『エコノ・ターボZEO』


(88/5)
エコノにオーディオ装備を充実させた『ティコGサウンドBOX』、従来のエコノ・ティコG/ティコMの中間グレードとなる『ティコF』を設定、ミニカ(乗用)にも『5ドアティコ』を限定1500台にて追加。

(88/8)
エコノ・ティコGに88年に開催されたソウルオリンピックを記念した『88オリンピック記念車』を限定発売。

(88/9)
エコノ・ティコM に地域限定特別仕様車『ティコYu』、『ティコ・ピーター』を、エコノ4WD・S に『ピーター4』 を設定。

(89/1)
バブルの恩恵とFFになり広大な室内を武器に人気/販売ともにUP!!!に転じた5代目ミニカ/エコノは好評により5年間生存、89/1によりバブルの刺激を受け軽自動車らしかぬコストを賭けた6代目H20系にFMCされました。

↓“バブリー・ミニカ”として?6代目が89/1にデビュー!!


先代で人気/販売を1万台というブービーに落としたミニカ、5代目になりその人気/実力が示すように一気にデビュー直後は5万台まで上げてきました!
しかし86年以降は3万→2万台と落としてゆきダイハツミラ/スズキアルトの25万台前後という驚異的数字には足元にも及ばずスバル・レックスの平均12万台にも遠かったのが事実、しかし言い訳じみていますが上記メーカーが軽自動車を主力にしていたこの時代、普通車を主力にしまだ軽自動車は“片手間“?だった三菱で2~5万台は健闘したと思いますしコアな三菱ファン以外にも評価は高かったモデルだったと思います。
先代と比較したら特に先代終盤期と較べ魅力も人気も充実UP!!!だったと信じて疑いません!

さて、次期バブリーミニカ、ワタクシGureのサブ機愛用中という事もありますます気合を入れて取り組みますので引き続きお楽しみにぃ~(^^)v

(次回6代目 H21A/V・H22A/V・H26A/V・H27A/V型ミニカに続く)
Posted at 2018/05/27 16:53:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | UP!!DOWN!! | クルマ

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