
珍車702は目先を少し変えて…
今2tの商談やってるんでそれを探索していたらOLDトラック発見したのでご紹介致しましょう!
トラックマニア以外には既に忘れ去れたモデル、かつて、60~70年代は日産の代表的2tトラックとしてトラック・ライトユーザーにはトヨタのダイナやトヨエースと並びそこそこ普及したクルマです。
⇒『昭和54年(1979)2(3)代目YC340型日産キャブオール低床3方開き』!!
若い世代は知らんでしょうねー、現在の『アトラス』の先祖に充る車種ですが現アトラスは1.5tクラスこそオリジナルですが2t~は三菱ふそうキャンターOEM、先代のそれはいすゞエルフのOEMですがこの時代は1.5t~3tまで、全て日産オリジナルモデルでした。
乗用車が本業の日産、当時グループに日産ディーゼル(UD)を持っていましたのでアトラス以降はそちらの開発/生産、UD版は『コンドル』を名乗り日産版がアトラス…
ここで日産小型トラックのおさらい(^^;
~70年代は日産、そして吸収合併したプリンスもトラックをラインナップしていたの日産は乗用メーカーながら多数の銘柄のトラックを持っていました、日産がサニーキャブ/チェリーキャブ、ジュニア、キャブスター、キャブオール、プリンスがマイラーやホーマー、クリッパー(ミニキャブやキャリーではありませんヨw)
80年代までに旧プリンスモデルは整理、一時名前を残しながら日産モデルと兄弟としその後日産のみのモデルとしてキャブスター、キャブオール、ホーマー、クリッパーをまとめアトラス(サニーキャブ等はバネット系としマイラーはジュニアに統一)となった訳ですが現車はそのアトラスになる直前の最後のキャブオール!
アトラスに統一されたのが現車の年式の翌々年の81年ですので最終型になりますね、しかしよくここまで生き残ったモノです、しかも美車だし!!
キャブオールは初代(57~66年 C140)は別として66年~の2代目C240と3代目C340はキャビンやフレームは同一、大幅にイメージを変えるBigマイナーですが何故か日産はFMCを謳います。
確かに2代目にあった三画窓を廃止、顔面大幅整形で別車のように見えますがドア、プレスラインは2代目とほぼ一緒でした。
高度成長期に向い2tクラスでもトラックメーカーのモデル(エルフ、キャンター)が台頭、負けじとトヨタもダイナ、トヨエース、ハイエースを次々FMCしますが先記の通りプリンスを合併以降多数のトラックを抱える日産はFMCの余裕がなかったと言えるでしょう、このため2tのシュアはいすゞ>三菱>トヨタに次ぐ4位、下はマツダ、ダイハツ等で乗用の強さはなかったですね。
それでも稼ぎ頭だったキャブオール、旧プリンスホーマーとUD版のバイソンを兄弟に持ち我が横浜は日産と縁が深い地域でしたので兄弟を含めるとそこそこ見かけましたね~。。。
↓三つ子兄弟の一つ、“元祖”?クリッパー
↓もう一つがUD(日産ディーゼル)のバイソン
クリッパーは歴史あるプリンスのモデルをグロリア→セドリック同様に双子化したモノ、バイソンはUD2t参入モデルでその後のアトラス-コンドルの関係同様にキャブオールのボディを使ったモノですがキャブオール自体のモデル末期である79年デビュー、81年にアトラス/コンドルになりますので僅か2年の短命、まぁ『バイソン』→『倍損』という商売に使うクルマとしては縁起の悪いネーミングが嫌われ新型車!?ながら販売は不振、しかし勇ましい名前の通り外観は3兄弟の中では一番押し出しが強く後のコンドルを先取りしたようなイメージ、よほどのトラックマニア以外には知られていないバイソン、今存在しているのかは不明ですがたった2年の短命車なので存在していたとしたらそれこそ“珍車”ですわwww
出品車、当時はそこそこ見かけるも何せ日産のトラックはプロが相手にしない低評価、何も日産だけでなくマツダタイタンやボクサー、ダイハツデルタも同様ですがヘビーユーザーにはいすゞエルフ、三菱キャンターの2択しかなくトヨタダイナにしてもトヨエース/日野デュトロにせよエルフ/キャンターに並ぶプロからの信頼を得たのは意外に遅く先代のXZUからでしたのでね、アトラスですらついに2t~ではOEM化でお茶を濁す結果となりましたのでプロからの受け入れ、キャブオール時代でも当然?ありませんでしたので早々に潰された個体が殆ど、ホントよくぞ残っていました!
首都圏、関西や中京の一部では排ガス規制の関係でOLDトラックは生きようがありませんが地方では田舎の納屋とかに結構旧式トラックが残っていたりします。
しかしさすがにキャブオ―ルやバイソンは見ない、現車は総評3ついてますし距離も走っていない、働くクルマとしては異様に綺麗な荷台や下廻り、殆ど働かずにそれこそ納屋格納で過ごす時間が長かったのでしょう…
↓走行52000弱、総合3の内装Bは40年近く昔のトラックとしては奇跡的!
外装評価は入っていませんが乗用車的に推測したらこれは悪くてもC、Bでもおかしくないレベル、ドアの看板や傷の状況からして恐らく未再生でしょう、全体的程度からして屋根下屋内保管間違いないでしょう、昔はよく米屋とか乾物屋さんなんかは屋内にトラック入れてましたよね~
ボディカラーはオリジナルの青、バイソンは白、クリッパーは黄色が標準色でした。
↓シート切れ一つない室内、インパネなんて新車並みの綺麗さでとても年数経過を感じませんネ!
屋内保管と断定できるのが荷台の状態!
木張りの荷台床ですが張り替えられた様子は感じず程よいクタビレ感、普通ならばこの年式です、腐って抜け落ちているのが当然で張り替えはやってたとしても1度位かな?あくまで憶測ですし前オーナーを知ってるわけではないんでwww
↓木張りでこの状況は40年弱では通常あり得ん!
荷台だけでなく下廻りも少走行と過保護を証明している感じ、フレーム他下廻りは車検時に何度かシャシブラ吹いているようですが錆を隠した跡がない、そしてフレームと荷台に咬ます根太の部分も綺麗な状態でホントこのクルマ、働いてない怠け者ですナ(笑)
↓下廻りでも働かずサボっていた証が見受けられますw
どうですか?変態トラックマニアの心を掴むには充分でしょ(笑)
マニアには旧プリンス時代のホーマーやクリッパーが人気でイベント等でも見受けられますがこの代のキャブオール、バイソンなんて滅多にないのでスター間違いない?新しい(爆)からまだダメか?いずれにせよワタシは商売で携わるだけで変態トラックマニアではないのでよく解りませんがここまでの上物キャブオールは他にはないと思いますヨ!!
↓煽り部分も綺麗なモンです、この頃から出始めた低床3方開き(前輪後輪の大きさが異なる)
↓年式が信じられない極上車!
出品地は北関東、落札額はマイナートラックなので逆に驚く程安いんですがワタシがマニアなら間違いなく手出しする金額。
乗用ならばどんなマイナー車でも大事に過保護に保存するってのもそのクルマに惚れ込んでいたり特別な思い入れがある、という事情なら理解もでき残る可能性も大いにある訳ですがトラックになかなかそこまで思い入れするオーナー、そうはいませんからこのキャブオール、くどいですがかなりの希少度、どうか末永く生き残って欲しいものです(^^)v
Posted at 2017/06/23 22:59:52 | |
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