1990年スイス国内S/B選手権第11戦(最終戦)。
第11戦 8月19日
チェコ Brunn(ブルノ)
現在でも有名なサーキットです。
ブルノでのレース。
SS750ccクラス予選で、かなり激しい転倒をしてしまいマシンがかなりひどいダメージを負った状態に。
タイム的には、余裕で予選通過する状態なので決勝には参加できる。
S/Bクラス予選は、転倒もなく予選2番手だったかな。
最終戦は、チームオーナーも最初から同行してくれています。
決勝日は、同僚も含めてファンクラブの方たちも応援に来るようです。
そんな中の、予選終了の夜。
SS750クラスのマシンのダメージが思いのほかひど過ぎる状態。
ライダーは、SS750クラス、S/Bクラスとも出るつもりでいますが、少しチームオーナーさんに相談することに。
「先ずは、SS750クラスのマシンのダメージがひどすぎる事。
決勝に間に合わすように徹夜で直す事は、全力でやってみるが、本来の性能近くに戻せるかは不明。
それと、SS750クラスの決勝は、S/Bクラスの前に行われる。
SS750クラスは、もうチャンピオン獲得のポイントは持っていない。
S/Bは、シリーズチャンピオンの可能性を持っている。
SS750クラスで、何かあった場合は、S/Bクラスのチャンピオンの可能性も無くなってしまう。
出来れば、明日はSS750クラスは棄権してS/Bクラスに集中して欲しい。」
事を提案してみた。
後はチームオーナーとライダーで決めてもらうしかない事。
結果、私の意見を受け入れてくれて、S/Bクラスに集中してチャンピオン獲得を目指していこうとなりました。
結果。。。。。
スイス選手権最終戦11戦、S/Bクラス優勝!!でシリーズチャンピオン獲得!!
もうね、涙が止まらないのよ、うれしすぎて。
昨年の日本国内ジュニア250ccクラスチャンピオンに続いて2年連続チャンピオンを獲得する機会に恵まれ、またスイス選手権では1勝も出来ず最終戦まできて、最終戦での優勝でのチャンピオン獲得という感動過ぎるドラマチックな展開。
もう最高!!でしょう。(笑)
最終戦は、近ちゃんのチームと、250ccクラスのアディーさんのチームともウェアーを統一してレースに参加していました。
そして、S/Bクラスは、年間チャンピオンが私担当のフービー、2位が近ちゃん担当のトニー、250ccクラスチャンピオンはアディーさんが獲得!!となりました。
アディーさんは翌年からWGP250ccクラスにフル参戦を開始するんだな。
合同チームでの最終戦での記念撮影。
最終戦は、私担当のフービーが1位、近ちゃん担当のトニーが2位、250ccクラスはアディーさんが3位という結果でした。
タンク、凹む!!(笑)
ブルノでの最終戦は、実は今回だけ決勝が土曜日。
日曜日以降の1週間後は、WGPが開催されるため土曜日の私たちのレースが終了後WGPのチームの搬入作業が開始されました。
私たちのチームが使用していたピットは、HRCが使用するようです。
又ここで、先輩メカニックでHRCのメカニック移られたSさんと遭遇です。
向こうも私がこんな所にいるとは思っていなかったので驚いていました。(笑)
とりあえず、私たちのチームが「優勝」したピットですから、縁起は良いですよとお伝え。(笑)
思ってもいない、出会いがまたありました。
後日、ファン感謝デーでサーキットを貸し切ってシーズンを戦ったS/BクラスとSS750クラスのマシンを、ファンの方にも乗っていただくイベントで、年間チャンピオンの写真撮りました。
この写真はA3で私が帰国時にフービーよりプレゼントしてくれたものです。
ライダーのフービーは、住んでいるところの州知事からの表彰があったり、こちらはモータースポーツの地位は日本と違い高いですね。
レースにおいては、一応自分の仕事は完遂出来たかなぁと感じています。
先ずは、レースにおいての、まっさくんのヨーロッパ回顧録はひと段落です。
次回からの回顧録は、レースの合間の出来事などが書ければと。
続く。
Posted at 2023/02/13 18:22:02 | |
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