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2022年07月20日

カッレ王朝の序章か

今年のWRCはすごいことになっています。
2020年よりトップカテゴリー昇格を果たした
カッレ・ロバンペラがトップカテゴリー3年目にして
2位に83点の大差をつけて、シーズン後半戦を
進み始めました。

先週末行われたエストニアラリーで今季7戦を消化し5勝目を計上。
ちょっと誰も止められないぐらいの勢いでひた走っています。

■現在の選手権概況
2位に83ポイントがどれだけ大差かというと
現規定のWRCにおけるドライバーズタイトルは
1位が25点、そこに最終SSのパワーステージで
ベストタイムを出せば5点の加点が見込めます。
合計で最高30点の獲得ができるのですが
現段階で、ロバンペラは2戦をノーポイントでリタイアしても
2位のT.ヌービルに逆転を許さない点差
と言えば、どれほどのことかお分かりいただけるかと思います。

この点差は、VW時代に無敵を誇ったS.オジェと大差なく
一時期のオジェ、ローブ、グロンホルム、マキネンら
シーズン席巻の模様を
21歳の青年が再演しているのがまた驚き。

※ちなみに・・・・
Jsportの放送中、触れられていた内容ですが
過去50年のWRCの歴史で、40点以上の差がついたドライバーズタイトルを
逆転したケースは存在しないそうで
既にその基準を倍突き放してるロバンペラやべえええええ
というのもお分かりになってもらえるかと思います。


ラリーという競技はその性質上
経験が重要であり、2022年7月現時点での
史上最年少王者は95年のC.マクレー(27歳)となっており
今年、ロバンペラがそれを更新したら6歳も短縮する計算になります。
ロバンペラの誕生日は2000年10月1日なので
フィンランド、ベルギー、アクロポリスの成績如何では
本当に21歳の世界王者が誕生する可能性があります。

どんなに遅くても、今期中であれば22歳の世界王者になるので
マクレーから5年も早いという、とんでもない記録に立ち会えそうです。

今回のエストニアラリーでは、特にロバンペラの凄さというか
こうして生ける伝説は誕生するのか。という場面がいくつかありました。
もちろん、エストニアに向けて投入されたGRヤリスの
リアウィングの変更や、エンジンのパワーアップなど
エバンスの好タイムからもアップデートが成功だったことは
窺い知るところです。が、それと合わせて、天に愛されてるかのような
ロバンペラのグッドラックについて少し書きましょう。

■天気も路肩の石もロバンペラの味方?
まずは2日目のSS2で、ロバンペラはややコーナーをはらんで
路肩の岩にGRヤリスをヒットします。
しかし、これが特に大事に至らず。
SS4でアウトに孕んでコースアウトした結果
サスペンションを痛めてデイリタイアになったブリーンとは
大きな違いです。

さらにこの2日目の最終SSも天はロバンペラに与します。
天候が全日程を通して不安定だったエストニアは
降ったりやんだりの狐の嫁入りラッシュ。
それを踏まえたうえで・・・・
1日目、2日目は選手権ポイント順でSSをスタートするので
当然ロバンペラが先頭走者なわけです。
普通なら、砂利掃除役とか砂かき役ってことで
タイムを落とす場面ですが

なんとロバンペラが走り切った後から雨

この日、最終SSまでロバンペラをリードしていた
僚友エバンスは、がっつり雨につかまって
いとも容易く2位へ転げ落ちてしまいます。
そして、ロバンペラはここで得た1位を
残るSS全てで手放すことなく、今回の5勝目につなげてしまいます。

全24SS中、21SSでベストを搔っ攫ったのはトヨタ勢
21SS中、13SSがロバンペラによる1番時計ですから
エバンス、ラッピ、勝田をも圧倒しています。


■天気は更に微笑む
ロバンペラの天候に関するラッキーは2日目だけに留まらず
4日目の最終SSパワーステージでも起こります。
この最終SSはWRC2の下位カテゴリーから出走するのですが
1番目に走り切ったTOKスポーツのシュコダを駆る
A.ミケルセンの後から雨脚が急に強くなります。
これをモロに食らったのがフォードのC.ブリーン
Rally1車両ですが、Rally2のミケルセンに1分以上も遅れてしまいます。
フォードのみならず、ヒョンデも当然巻き込まれ
O.ソルベルグ(ペターの息子)はコースオフを喫するなど荒れた展開。

メイクスタイトルとしても、追加ポイントが欲しいヒョンデですが
タナック、ヌービル共に雨に足元をすくわれ、パワーステージの
加点を1点も獲得できずに終了。
ヌービルに至っては、デフロスターのトラブルで視界を奪われ
あわや1分差あった5位勝田に4位を奪われそうになるなど
泣きっ面に蜂状態。ドライバーズタイトル2位の彼は
このラリー本当に辛い展開の連続です。

そして、ヌービルが必死に走り抜けようかというタイミングで
天候が徐々に回復しだし、まずはトヨタのエバンスが
Rally1の意地を見せて、ミケルセンを逆転。
そして、カメラが最後に走り出したロバンペラを映し
画面に出たスプリットタイムは

マイナス21秒

R33のCMキャッチコピーじゃありません
ロバンペラの走るタイミングで、みるみる状況が良くなり
圧倒的なタイムで、ロバンペラはパワーステージを勝利
1位25点とPSの5点を加点して
フルポイント優勝を果たします。

この最終SSは、1番時計ロバンペラ、2番時計エバンス
4番時計ラッピ、5番時計勝田と
3番時計を出したミケルセン以外、全てトヨタというオーダーです。

選手権2位のヌービルは、前戦サファリのように
なんとしてもパワーステージで稼いで
傷を浅くしたかったところを
自身は単に4位の12点、ロバンペラは30点という
倍以上を叩きつけられる完全敗北。

結果、ヌービルの2位は変わりませんが
点差は冒頭に書いた83点という、眩暈がするような差になりました。


■残りの後半戦は
残る6戦で一応、ヌービルの逆転も可能ではありますが
それにはロバンペラが3戦連続でノーポイント且つ
ヌービル自身が3戦連続でフルポイントを達成する必要があります。

今季未勝利のヌービルは同点に持ち込んでも、勝利数の差で
優劣がつけられてしまうため、状況は限りなく困難です。

★フィンランド
次戦はフィンランドで、どちらかと言えばヌービルにとっては分が悪く
ロバンペラがヌービルを上回るリザルト、つまり
もしかしなくても優勝してしまう公算が高いと言わざるを得ません。

先頭走者ですが、ノッているロバンペラを捕まえるのは
尋常じゃない難しさではないでしょうか。
パワーステージも再び負け越すと、差は広がる一方です。
変な話、3位のエバンスと4位のタナックも
フィンランドではヌービルより競争力があるので
フィンランドの後で、ヌービルが選手権4位に転落。
というのも強ち無くはないかもしれません。

エストニア、フィンランド共に、超高速グラベルなので
ドライバー達は口を揃えて
「最初から全開で行かないと置いて行かれる」
と揶揄するぐらいですから、安全マージンを取りすぎては
もう実質敗北宣言になりますし
かといってリスクを背負って攻め込んでも、フィンランドの森に
吸い込まれたらゲームオーバー

ヌービルにとっては針の筵です。

★ベルギー
クロアチア以来のターマックイベントとなります。
2位のヌービルにとっては地元であり、昨年は完勝した地です。
選手権の流れを少しでも取り戻すためにここでは
絶対負けられない戦いになります。

が、さっきのフィンランドの結果如何ではヌービルは4番目の
出走になる可能性があります。
そうすると、インカットで泥が掻き出されるベルギーでは
出走が後になるほど、クリーンではない路面を走らされます。
2位を守って、ベルギーに乗り込めれば、地元優勝は
恐らく堅いと思われますが、4番手で出走になると
思わぬところで落とし穴に落ちることも考えられます。

更に、今年のRally1規定はセンターデフの廃止によって
ヌービルやオジェ、タナックらの走らせ方は
アンダーステアに悩まされる傾向があるとのことで

今年序盤のクロアチアでロバンペラの見せた
ハードタイヤへの積極的な熱入れからの
大逆転劇は記憶に新しく
17年規定マシンとは違い、この22年新規定のマシンで
ヌービルがロバンペラを抑えきれるのか

更に今年、信頼性でかなり苦しんでいるヒョンデは
ヌービルの走りに応えて耐えうるマシンを用意できるのか。

ヌービルにとっては地元と言う以外で
あまり楽観的な材料は多くないように思います。
運にも恵まれているロバンペラが相手なので
ヌービルの一挙手一投足は、どこかでヌービル自身の首を絞める
可能性も穿った見方をすると考えてしまいます。


★ギリシャ
早ければここで、ロバンペラの初戴冠の可能性があります。
フィンランド、ベルギーでヌービルがどちらかを
ノーポイントで終えた場合、尚のことその可能性は高まります。
もちろん、エバンスやタナックの成績も、初戴冠を左右しますが
エストニア終了時点で、すでに96点差のエバンスと98点差のタナックは
終戦状態と言ってもよいでしょう。

ラリーとしてはサルデーニャのようなラフロードになります。
先頭走者のロバンペラには大分不利です。
不利って言われながら気が付いたら3位あたりに立ってそうな
気はしますが・・・・・・

このギリシャの段階で、ロバンペラは2位に90点差をつけたら
自力で戴冠も可能ですから
エバンスやタナックが勝ったとしても、自身は4位完走、5位完走などで
十分自力決着が可能となります。パワーステージでちょいと色が
着けられるならば、6位完走などでも可能性が出てきます。

なにより、昨年ギリシャを勝っているのはロバンペラです。

新規定への適応力、搭乗マシンの信頼性、イベントの巡り
ここまでロバンペラに風が吹くとはだれが予想したでしょうか。

何よりも信頼性で劣るヒョンデや、不調に喘ぐフォードが
黙っていても転げ落ちていくと、ロバンペラに表彰台が
転がり込んでくる結末も無くは無さそうです。


★ニュージーランド
ロバンペラの初戴冠がほぼほぼ決定的なのが
このニュージーランドです。
フィンランドからここまで、ロバンペラが順当に
3位以内で走り抜けてきたら、ここで概ね10位や9位でも
自力決着の様相です。

ニュージーランドは、エストニアやフィンランドとは違いますが
高速グラベルであることに変わりなく
かのマクレーが大得意としていたラリーです。
なので、どちらかと言うと僚友エバンスに期待がかかりますが
ここでもロバンペラ旋風が吹き荒れるかもしれませんし
マニュファクチャラーズタイトルも、ここで決定するかもしれません。

高速グラベルでのGRヤリスの速さと安定感、信頼性は
このエストニアでバッチリ機能しているのを目撃したばかり。
ニュージーランドではもっと研鑽されて、より強いトヨタが
見れるだろうと期待しています。


★スペイン
22年シーズンはここからターマック2連戦で
全戦が終了です。ターマックが得意分野のヌービルにしてみたら
おせえよ!もっと早くこの2戦持って来いよ!
って感じかもしれませんね。
スペインは昨年、ヌービルが意地を見せて勝っています。

今年は昨年までのミックスサーフェースではなく
90年代後半のようなオールターマックイベントに再びお色直し。

エアロ開発の点でいえば、ツーリングカーやGTカーと
遜色のないようなGRヤリスがどんな速さを見せるのか
トヨタは21年の年間9勝を上回っているのか、気になるところです。


★日本
最終戦は我らが日本です。
サービスパークのチケット、SS観戦チケットなどが
販売されたり、概要が公表され

高ェ!!!!

ともっぱら話題ですね。
私もちょっと現地観戦どうしようか悩んでます。
初年度はあれこれ客捌きも混乱が見込まれますので
23年シーズンでもいいかな・・・・という気がしないでもなく・・・・

よく、日本で選手権の決着がつけばいいのに
なんて意見を聞きますが
私は見てて心臓が痛いのは嫌なので
さっさとWタイトルを決定してもらって、トヨタには
凱旋帰国してきて欲しいです。
そしたらドライバー達も自由に走れますし
勝田選手の全開ドライブも悠々見ることができます。

なんて、トヨタもヒョンデもずっこけて
フォードが勝ったりして。

それもラリーですね、あえてここはブリーン初勝利は日本
とでもテキトーな予想を立てておきましょう。

もしくはフルモーが初勝利!とか
無いかな、あるかな?

もちろん、勝田選手が地元で初勝利!という筋書きも
期待したいですよね。日本人の優勝は
W2Lを含めれば、95年サファリの藤本選手
WRCに絞れば、92年コートジボワールの篠塚選手
が最後になりますので

30年ぶりのWRC優勝を勝田選手に達成してもらいたいところです。
もちろん、日本でなくともフィンランドやニュージーランドでも
一向に構いません、むしろ今年中に2勝しちゃったテヘペロ
ぐらいの勢いでも大歓迎です。


■おわりに
このエストニアでの圧倒的なロバンペラの走りに
イベント後記者会見では、タナックが半ば諦めにも似た
コメントをしていたのが印象的でした。

ラリープラスの記事を引用しますと

タナック「だが金曜日のように、自分は陸上の100m決勝を走っているのに、
この人たち(トヨタ)にとってはウォームアップ、そんなレベルなんだ。」
※RALLY+NET公式HPより

どういうトーンでこのセリフを口にしたのかは
文面からは分かりかねますが
このエストニアでのタイム差を見返した後で
このセリフ読むと、諦めに近いような感じだったんじゃないかと思います。
あくまで私の思い込みですがね。

この場面を見て思い出すのは、18年に
ラリードイッチェランドで、あまりのタナック×ヤリスWRCの速さに
オジェがポロリと弱音を吐露したシーンを思い出させます。
そう、あの時のタナックはまさに今年のロバンペラの様でした。

しかし、マキネンとの不仲や、R5車両のビジネスをめぐる問題
ヤリスWRCの信頼性に端を発した不協和音
絶対No.1待遇を求めたタナック側とトヨタ側の折り合い等
明確に発表はされてませんが、19年を最後にタナックは
トヨタを出て行ってしまいました。

タナックの胸中は知る術がありませんが、20年以降も
そのままトヨタに居たら、タナックは今年、4連覇をかけて
WRCを戦っていたかもしれません。

自身の事業の方がプライオリティが高いか
チャンピオンとして君臨する方が高いか
胸中は明らかではありませんが
少なからずの後悔はあるかもしれませんね。

勝てないラリーが続けばモチベーションにも影響しますし
ヒョンデに移籍してからタナックの勝率は
明らかに低下しています。

まぁ1回世界王者となり、有体に言えば
頂点は極めたので、すでに34歳のタナックは
まだまだ現役でいようと思えばいられますが
別の道を模索するのも悪くない。なんて本人の口から出たら
早すぎる引退なんていう言葉が紙面を駆け巡るかも・・・?

同い年のヌービルは、1回でも世界王者になりたいでしょうから
まだまだ攻め続けるはずです。が、ロバンペラの今年の勢いが
来年、再来年、その先もと続くと
年齢的な面からヌービルは不利になる一方です。

今年はここまでの流れを見るに
一体ロバンペラの初戴冠はいつだ!?というのが
もっぱらのところでしょう。
年間11勝はさすがに無理でも、7勝、8勝は達成しそうではあります。
世界ラリー選手権は今後も目が離せません。

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Posted at 2022/07/20 16:45:08

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