やりました!!!!!!!
おめでとう!!!トヨタ!!!!トヨタガズーレーシング!!!!!
いや~もう最後の1時間、30分、6分と
トヨタにとって魔の時間帯が迫るにつれて
自分の心臓が
キュゥと締め付けられるのを感じていました。
うめき声をあげながら祈るように、画面の前で手を握り締めて
その瞬間、ゴールラインを跨ぐそのときを願っていました。
ゴール。8号車がチェッカーを受けたその時は、とても感動的な瞬間。
画面を見ている視界が、涙でボヤけるんですよ・・・・・
めっちゃ男泣きしながら見てました。
いやだってほんとに嬉しくて嬉しくて
人生で最も嬉しかった出来事に入りますよ。
これ上回るって言ったら、結婚したとか、子供が生まれたとか
そういうのにならないと追いつかないレベルで嬉しい。
トヨタは、ことル・マンにおいて苦汁を舐めてきました。
いつもいつも、目の前でするり勝利の女神が逃げていくのです。
トヨタがこの20回目の挑戦にして、ようやく掴んだ勝利
12年から継続すること早7シーズン目、ようやく
トヨタのラブコールに女神も微笑んでくれました。
実況中継では、ル・マン開催をつかさどるACOとのかかわりも深い
ミスタール・マンこと寺田さんが
「今年は、トヨタによく残ってくれたとリスペクトがとても集まっている」
そう仰っていました。
アウディやポルシェがトップカテゴリーから去った今年
トヨタはまさに自身との戦い。
真っ向からル・マンの優勝を目指して突き進んだ、そして掴み取った。
そんな第86回大会ル・マン24時間レースだったのです。
周回数も388周を計上し、2年前の涙を飲んだ悲劇の16年大会を4周
上回ってのゴールとなり、これもまたマシンの確実な進化が
コツコツと積み上げた4周だったのでと思います。
簡単に今年のル・マンを振り返る前に
今シーズンのWECについても軽く触れておきましょう。
まず、レギュレーションに関してですが
ワークス勢はハイブリッドでの参加が義務になっており
そのうえで、非ワークス、すなわちプライベート勢との能力均衡を図る為
EoT(Equivalency of Technology/技術的な均衡を図るための規定)によって
パフォーマンスに関して差が設けられています。
トヨタはその点において、プライベーター達よりも
ライバルたちよりも少ない燃料で1周を消化し、11周と定められたスティントを
こなしていく必要があります。
もちろん、1周あたりの燃料使用における最大流量も制限されており
ハイブリッドパワーの使えないタイミングでは
LMP1-L勢にいとも容易く差を詰められてしまうのです。
彼らは1スティント/10周なので、その点はLMP1-Hに分があります。
なので淡々と一定でペースを落とさず走るLMP1-Hか
ブレーキングまでキッチリ加速し続けるLMP1-Lかって具合でしょうか。
ただ、ハイブリッドパワーを開放できる瞬間だけは
TS050hybridは誰も寄せ付けず、怒涛の加速を披露していくのです。
このEoTによってテストデーや予選では、プライベーター達のLMP1-L規定車が
昨年や一昨年のポルシェ、トヨタ、アウディのラップと同等か
それよりも速い。というシーンが出てきました。
故に、トヨタも決して単に走ればいいというだけではなく
クルマを壊さないという大前提を守り切らねばなりません。
ポルシェやアウディならば、プライベーター相手の戦いともなれば
もう放っておいても勝ちは見えています。
ですがトヨタは毎年毎年、不運やトラブルによって何度も優勝を阻まれています。
だからプライベーターが相手でも一切油断ができません。
今年は2000年のアウディや、2003年のベントレーに近い様相なのは確かだったのですが
本当に勝てるのか?また止まるんじゃないだろうか、そういう不安との闘いでもありました。
途中、スローゾーンの速度違反によるピットストップペナルティや
7号車がピットインのタイミングを間違えて、ガス欠未遂を起こすなど
ヒヤッとした場面もありました。
嘘だ!!!!!って固唾を呑んで画面にしがみついちゃう勢い。
8号車もジャッキアップ中に
ロリポップ担当(クルマにゴーサインを出す人)が
そのロリポップを一瞬動かしてしまいます。
一瞬の動きに機敏な反応をした
中嶋選手が、発進の手順を行ってしまい前輪が空転。
アンセーフリリースか!?と物議を醸すミス。
これには重いペナルティかとザワつきましたが、
「給油中にエンジンをスタートし動かした場合これを処分する。」
とあり、モーターを空転させただけのトヨタは、ガソリンへの発火の危険性は
ないとしてペナルティを免れるという一幕がありました。
ってなことがあるたびに、長くトヨタを応援していると
あーーー!!!なんてっこったー!!!!!っと悲観的になりやすくなってしまうというか
いつもいつもル・マンだけは、目の前で優勝が零れ落ち過ぎてて
なんでも良くない方向に頭を抱えてしまう変な自意識がありまして・・・・・(俺だけかな
だから、終わってみれば勝ったけれど、見てる途中は下位クラスをオーバーテイクする
それだけで気が気じゃない。13年みたいにAFコルセと絡んで
ミュルザンヌで吹っ飛んだアレとかも思い出しちゃって、いっつもハラハラ
本当に寿命が縮んでる気がします。
また、今シーズンからトヨタに加わったF.アロンソ選手の
深夜帯における目覚しいスパートは、ルーキーとは思えない
驚異的なパフォーマンスでした。
完走さえも一筋縄では行かないル・マン。
スタートからゴールまで、小さなヒューマンエラーは幾度かあったものの
マシン自体に大きなトラブルは無く、3位のレベリオンレーシングに対しては
13周差をつける圧勝で24時間を走り切りました。
完走しつつ高いペースを維持することの難しさは
トヨタチームのクルーが一番知っている事です。
決勝を1-2フィニッシュで終えた上に、日本人選手+日本車による
オール日本による初めてのル・マン優勝。
(91年は日本車が優勝するものの日本人選手はなし)
(95年は日本人選手の優勝もマシンは英国製)
(04年は日本チーム+日本人選手による優勝もマシンはドイツ製)
日本人選手の手でゴールへ導かれた日本車がル・マンを制する。
見てて気持ちよくない訳がない。
ゴールの瞬間、泣き叫んでました。28歳にもなった男が
出しもなくおえおえおえと泣き叫んで、壊れたオモチャのように
拍手をしているわけです(すげー絵ヅラ
トヨタの辛酸を舐めさせられた今までは、これにてようやく
序章のページへと綴じる事となったのです。
16年、第84回大会でのゴール3分前の悲劇は
この日に続くそんな苦難もあったと、今年の結果に花を添えられる
そんなエピソードとして語り継ぐこともできるでしょう。
中嶋一貴選手
セバスチャン・ブエミ選手
フェルナンド・アロンソ選手
8号車の優勝、ほっっっっとにおめでとう!!!
また2位となった7号車
小林可夢偉選手
マイク・コンウェイ選手
ホセ・マリア・ロペス選手
長丁場の戦い、大変お疲れ様でした。
トヨタチームのスタッフ並びに代表の方々も、長く苦しい戦いを突破し
我々へ届けてくれたことに感激しております。
終わってみればトヨタが一度として後続に1-2を崩されることなく
レースを走り切り、他にワークスがいなかったとはいえ
そのペースを維持して、他を圧倒する様は
トヨタが耐久王としてこれから君臨するのではという
ワクワクが胸いっぱいにあふれています。
同時にACOからも20年/21年のハイパーカー規定に関する発表もいくつかあって
トヨタがこの先、ル・マンで活躍する姿をまだまだ見せてくれそうです。
それに先立って、トヨタが1月のオートサロンで発表していた
GRスーパースポーツコンセプトをACOが見初め、ハイパーカーによる
新時代のトップカテゴリーを創設しようか?という流れでもあったようで
今回の初優勝で箔がついたGRスーパースポーツコンセプトは
今後、どういった形で我々クルマ隙の前に登場するのか、とても楽しみですね。
来年のル・マンはこの18年/19年のWECスーパーシーズンの最終戦として
開催されることになります。小林/コンウェイ/ロペス組の優勝にも期待がかかりますね。
でもとにかく今は、すべてのトヨタクルー達につかの間の休息を
最高の週末をほんっっとにありがとう。
27年間、マツダ787Bだけが立ち続けた偉業の隣に、今年からTS050ハイブリッドも寄り添うことになりました。
後は日産やホンダをはじめとした他の日本メーカーがトップカテゴリーで同じ場所に立ってくれればいいなー(チラッチラッ