カメラマンが嫌いになった朝　

この写真も前回の記事同様にボクの中でターニングポイントになった写真。ただタイトルはターニングポイントよりもキツイ言葉で。これは美ヶ原の有名なニッコウキスゲとビーナスラインの写真で一度この花が咲くタイミングで来てみたいと思っていたので前日から駐車場で車中泊してました。朝５時には満車で周辺えらいことになってました。当時は今と違い鹿対策？柵もなかった頃ですが、クルマがそんな状態ですからカメラマンだらけ、通路にデカイ三脚並べるわ、撮影のタイミングまで吸ったタバコも足元に捨てるわでマナーも何もない。さらに並べた仮設トイレから悪臭がしてるし、この写真を見ると伝わりませんが、自分の後ろには「もう２度と来ませんから」という世界が展開してたわけですよ。以降、有名なところで撮影するのは止めようと思いました。特に関東から日帰りで行ける範囲は人の数が違う。この写真を撮ったこの時以来、美しい風景を見てもその写真を撮ってる後ろ側は人やカメラがいっぱいで雰囲気も何もないところだとして残念なことに「よく出来た風景の写真」も有名なところであればボクは三脚の横に落ちた吸い殻と仮設トイレの悪臭をすぐ思い出すようになってしまったのだ。カメラマンってレンズが向いてない方はどうなっていてもいいんだな、そう思ってから自分がカメラマンと思われるのが嫌になったし、「景色と同じくしてそこの雰囲気が大事」だと言うようになったのだ。この写真は見た目はきれいだけど、結構自分には重たい写真なのです。