
F1のレース界を見ていると、チーフメカニックレベルの技術者や設計に携わる技術者は引き抜きでの移籍が激しい事に気付くが、他のチームが引き抜きにかかる時は概ね良い成績のチームのスタッフが狙われているのは自然な成り行きだろう・・・・。
少し前はメルセデスのスタッフがレッドブルに引き抜かれ、去年から今年にかけてはレッドブルやフェラーリのスタッフがマクラーレンに移籍したりと、なかなか活発な人材の奪い合いが行なわれて来た。
F1ではエンジン開発が2025年迄凍結されていて、パワーでライバルを圧倒する事が禁止されていることと、去年から空力関係の規則が大きく変更になって、主にリヤウイング由来の乱気流で後続車が先行するマシンに接近しにくくなり、追い越す事でのスペクタクルが減ってきたことを改善すべく、リヤウイングの効果を大きく減らす代わりにボディー下面の気流をダウンフォースとして利用するグランドエフェクト型のマシン製作を許容する事にした為、その辺の空力技術の秘密を知る上位のチームで働くメカニックや設計者を引き抜くという手法で情報を手に入れようという機運が大きくなったと思われます。
最近では、空力の鬼才と言われるレッドブルのエイドリアン・ニューエイを獲得しようとアストン・マーチンやフェラーリ、マクラーレンなどが500億円を超える金額のオファーを出していると言われたりしています。
そんな目玉になるような技術者でなくとも、速さの秘密を知っているメンバーを良い条件で引き抜こうという動きは有って、これまでもそうした移籍が頻繁に行われていたのです・・・・。
少しでも上位に食い込みたい下位のチームが速いチームのマシンの秘密を知る為にお金を使って人材を引き抜くという欲求を放置すると、秘密が売買されることと同じことになってしまう為、チーム内での地位によっては移籍した後1年はガーデニング休暇という名目で一線に出て仕事が出来ないようなシステムを導入しているのですが、ガーデニング休暇中のエンジニアが人と一切会ってはいけない訳でもないし、電話や手紙迄全て監視されている訳では無い為、喉から手が出るほど新しい情報が欲しいチームが1年間何もしないで我慢するという事はあり得ないと考えられるわけです。
かくして、F1の10チームの大きなマシン格差は1~2年で段々と目立たなくなるのが普通で、逆にトップチームがその座を守り続ける為には常に新しいアイディアや理論に依るより優れたマシン設計でリードする事が求められるわけです。
その点を考えると傑出したマシンで去年一度しか負けなかったレッドブルが今年のためにマシン設計を大きく変更して新しいアイディアを盛り込んだ先進的なマシンを送り出したことは、F1界を大いに驚かせたのでした。
マックス・フェルスタッペンが実際に他のドライバーと比べてミスが少なく速いのは事実であろうと思いますが、レッドブルのエンジニアと首脳は危険とも言える改革リスクを恐れずにチャレンジしたことが、他のチームから見れば驚愕するほどに選びにくい方向性であったという事ですが、そうしないとお金でエンジニアを引き抜いて進捗を図る敵対チームからトップの座を守って行けないという事をレッドブルは明確にやって見せたと言えるわけです・・・・。
そんなことが在ってか?レッドブルのエンジニアのトップに居る天才を引き抜いてしまうしかないという結論に達したのかもしれませんね?そんな時にレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表と重鎮のアドバイザーであるヘルムート・マルコやマックスの父親であるヨス・フェルスタッペンなどとの権力闘争が有るとされ、エイドリアン・ニューエイがそれに嫌気を指してレッドブルを去って行くと言われたり・・・・、マックス・フェルスタッペンも2026年からHONDAがエンジンを供給するアストンマーチンに移籍するといった噂も出てきています。
聞くところによればエイドリアン・ニューエイは既にイタリアに住居を探していると言われていて、本当にフェラーリに移籍してしまうのではないかと言われ始めています・・・。
さあどうなって行くのか?F1はレース以外でも目を離せません!
Posted at 2024/04/30 11:06:11 | |
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