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2017年03月30日 イイね!

F1のエンジンとエネルギー回生

モータースポーツのリザルトを知らせるWeb情報を見ている方はとっくに知っている話だと思いますが、2014年からのF1のエンジンは1600ccターボエンジンです。

そのターボエンジンの排気タービンの余力を使って発電して、キャパシタ(コンデンサ)に蓄えて任意なタイミングでエンジンパワーにモーターの力をアシストして最大パワーを出しています。

さらにその時代の前にあった運動エネルギーの回収で電力を得る方式(KERS)も併せて使われていますから2.4リットルNA時代よりも最大パワーは多く出ていることになるわけです。

去年の春の時点でメルセデスのエンジンは900馬力を超えている?と言われていましたが、FIAに許可されている最高回転数は18000回転までですが、今のF1は燃料消費率にも厳格な制限がかかっていて、回転数×0.009+5(kg/h))という式から計算される燃料消費量に抑えなくてはなりません。

つまり、8,000rpmでは1時間当たり77kg以上の燃料を燃やしてはいけないというルールで、10,000rpmの時なら95kg毎時となり、さらに10,500rpm以上の回転数では毎時100kg以下と決められています。したがってどのメーカーも15,000rpm以上回すことは無いようです。

そしてもう一つのエンジンソリューションとして、ジェットイグニッションという技術が使われているといわれています。(マーレーなどのWebページには情報が少し出ている。)

この技術は、燃焼室に副燃焼室を設け、そこに濃い燃料を直接噴射して着火させ、その火炎をジェットとしてシリンダー全体に放射することによって、シリンダー直径に等しい上死点空間にある希薄な燃料に一気に着火して、ピストンを押し下げるという仕組みです・・・・。(嘗てのHONDAのCVCC的な感じですが、副燃焼室噴射による自然着火という噂も聞かれます。)

したがって燃料の噴射は希薄なポート噴射と濃密な燃料を副燃焼室に噴射する直接噴射の2ウエイであると想像されます。

この方式の最大のメリットは火炎伝播速度が速く瞬時に全燃料を熱に換えやすいことから、着火タイミングを最適に選べば火炎伝搬タイムラグをほぼ無視してクランクシャフトを理想的なタイミングで駆動でき、シリンダー内の燃焼ガス圧力を無駄なく動力として取り出せる熱効率と、燃費の向上にあるのだろう。

燃焼熱による断熱膨張がエンジンの力の元であるから、シリンダー内壁やピストンヘッド、シリンダーヘッド、バルブなどから逃げる熱を最小限にするためにエンジンの内面のコーティングは熱伝導率が低く断熱効果の高い膜でおおわれていることが予想されるが、排気タービンで多くのエネルギーを回収するためにも燃焼室で奪われる熱は少ないほうがタービンでの一次圧と二次圧の差が大きくなるためエネルギーとして取り出せる量は多くなる。(ほぼ閉鎖された機関内部では高い温度=高い圧力の維持という関係があるためだ。)

F1の運動エネルギー回収はKERSと呼ばれた後輪のブレーキ発熱で失う運動エネルギーを発電エネルギーに変換したものだったが、WECでのポルシェではフロントブレーキにも回生発電機が着けられているから、レギュレーションで縛られていないなら、F1もフロントアクスルからの回生エネルギーをまだ利用できることになる・・・。

もしF1がそこまで行けば、あと・・・利用ができそうな捨てられているエネルギーは何があるだろう?
タイヤ表面の発熱による発電は可能か?ダウンフォースを生むウイングは乱流を起こしてエネルギーをロスするからウイングに流れる空気を使って発電することも不可能ではないかもしれない・・・。まあ、効率的に難しいとは思うが・・・。

排気管を極端に冷やすことができれば、排気タービンの一次側の圧力を相対的に上げることになるから、排気管の冷却と排気エンドの走行ドラッグ等の利用による減圧はまだ可能性のある部分かも知れない・・・・。

ガンバレ!HONDA!!
Posted at 2017/03/30 12:05:03 | コメント(1) | トラックバック(0) | モータースポーツ | 日記
2017年03月27日 イイね!

2017年のF1初戦が終わった・・・・。

結果は皆さんご存知かもしれないが、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが優勝し、近年ほぼ常勝を誇ったメルセデスの開幕戦は2位にルイス・ハミルトン、3位にバルテリ・ボタスだった。

そして4位もフェラーリのキミ・ライコネンが入り、5位にはレッドブルのマックス・フェルスタッペンという順位だ。

我ら日本のホンダエンジンを積んだマクラーレンはストフェル・バンドーンが完走したが、完走者の中では最下位であり、あと5週と言う所でリタイアしたフェルナンド・アロンソはその直前まで10位を走ってポイント獲得圏であったが、完走したとしても14台中の10位である。

公道を使ったメルボルンのコースはレース用に作られた純粋なサーキット場とは様子がかなり異なり、ここでの開幕戦の結果を以って一年を占うにはやや疑問もあるコースだが、フェラーリがメルセデスに先着したことは、今年のF1を考えれば、やや面白くなることを期待させるものではある。

F1を数十年と見て来た私から見ればここ20年ほどのF1は特にだが、毎レースと言って良いほど改良した部品が取り付けられていて、レースの度にF1カーは進化を続けている。

今年は昨年までとレギュレーションがかなり変わって、タイヤがそれまでよりも太くなって、車幅も大きくなり、リヤウイングは低い位置に移動させられたが、一番大きな点はシーズン中のエンジンの開発が自由化されたことと言っても良いだろう。

去年までは決められたトークン数を使ってそのトークンの数だけ改良できるという規則で進められていたし、ホンダに与えられたトークンは少なかった。

その方式は、表向きは「エンジンのコストをあまり増大させないため」という事になっているが、本当の目的はHONDAが短期間でメルセデスやルノーそしてフェラーリに追いつき、或いは追い越せないように考えられたルールと言ってほぼ間違いではない。

F1やコンチネンタルサーカスとも言われたオートバイのロードレースはヨーロッパ人の文化であるから、アジアの一国から参加する日本のHONDAは優遇などされないが、今回のHONDAの参加程あからさまに足枷を課されることも少ないだろう。

裏を返せばそれだけHONDAが恐れられていた!ということなのだが、まんまとそのルールによってHONDAは自由な開発を妨げられてしまったから、ヨーロッパの自動車メーカーの作るエンジンに差を付けられていて、現在もその差を埋められずにいるのです・・・。

今年こそは何とか・・・せめて互角のパフォーマンスを示して欲しかったのだが、HONDAはギャンブルをして設計を大きく変更したから、再び2015年の参加した時のように先行するヨーロッパのメーカーが作るエンジンに信頼性でも劣り、残念なことにパワーでも劣っているのです。

HONDAエンジンはスペインでのウインターテストでも散々だったが、開幕戦のメルボルンでもほぼ最下位と言っても良い状態だ。

開幕戦のフェラーリの勝利は常勝メルセデスに喝を入れるからメルセデスの開発にも更に力が入り、それを追うルノーも当然レッドブルと自社ブランドで走るルノーの為に最善を尽くそうとプッシュすることになる・・・・。

HONDAも頑張っているがこの3社のせめぎあいは最大の進歩を促すことになるから、その上をいかねばキャッチアップすることは出来ない・・・・。

HONDAが目覚ましい進歩を見せることは疑いはないが、他の3社も全力で開発を進めているのでその差はなかなか埋められないのです・・・。

HONDAが1年遅くスタートした1.6リットルハイブリッド・ターボエンジンはすでに研ぎ澄まされていて、おいそれとそれらを上回れるようなブレークスルーは起こしにくく、しかも搭載燃料は105kgと決められており、更に回転数に応じた燃料消費量まで上限が課せられているので強いパワーを出しながらもエンジンの熱効率の良し悪しが問われるため、極限的高効率な燃焼が求められており、その上で排気ガスからの熱回収によって発電し、モーターでパワーを追加している状態です。

言って見れば世界的な陸上競技のランナーが4人集まって短距離トラックレースをするのにHONDAだけがスタート時に10M後ろからスタートさせられたような状況が去年までトークン式で維持され、今年からは自由になったとはいえ、それまでにつけられた開発の差がなかなか埋められずに差がついたままになっているという事になると思います。

ですから、今年HONDAはギャンブルを仕掛けてキャッチアップするしか方法は無く、ギャンブルに成功しなければ、到底トップ争いに加わることも出来ない状況ですが、他社も必死で開発をし続けていますからギャンブルに大成功したとしてもやっと横並び迄行くのが精いっぱいではないか?と考えられます。

去年までのトークンシステムに依るエンジン開発の制限はHONDAを押さえつけることに成功したと言えるでしょう・・・・。

F1に日本のHONDAが花を添えることを拒まれはしないけれど、ヨーロッパのメーカーを負かして王者に君臨することを望まれているわけでは決して無いのです。

それが真実ではないかと私は勝手に思っているのです・・・・。

ガンバレHONDA・・・・解っているけど頑張るしかないだろう!!

Posted at 2017/03/27 21:42:06 | コメント(1) | トラックバック(0) | モータースポーツ | 日記

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