2016年09月04日
私が勝手に想像したことなので、そういう考えもあるのか?程度に解釈ください。
ディーゼルエンジンにおいて、エンジン制御コンピュータの吸入空気量制御が不適切なため、気筒内の燃料濃度が部分的に濃くなり、燃焼時に多く煤が発生することがあります。そのため、排気バルブが開いた際に煤が排気側バルブガイド周辺に入り堆積して、バルブが動きにくくなり、圧縮不良が起きる。 これはマツダが発表したリコールの詳細の文章です。
と言う部分について考えると、「エンジン制御コンピュータの吸入空気量制御が不適切」という風に非を潔く認めていることは非常に好感できますが、どう不適切なのか?と言う所には触れていないから、エンジニアの端くれである私としては少し残念で、もっとその辺が詳しく知りたくなる訳です。
実際にエンジンストールなどに至る車のドライバーの運転の仕方に何らかの傾向が有るのではないか?という事に私は非常に興味が有ります。
どういう運転パターンがエンジンストールをもたらし易く、またどんな運転ならそうした現象が起きないのかをマツダが調査しないとは考えられないからで、その辺の調査結果、若しくは起こり得る場合の条件を推測する作業から、マツダではその事実を確認しているはずなのです。
何故なら、どの車にも等しく起きる様な現象ならば発売前のテストで簡単に発見出来るし、放置したまま販売してしまう事はあり得ないことだからです。
そう考えるのが自然だと思うから、そのことから次のようなことが推理されました。
マツダのテストドライバーの方々が普通行わない様なスロットル操作が原因ではないか?もしそうだとすれば、エンジンのベンチテストの運転操作パターンも、プロのテストドライバーの方々の運転パターンを基にした物であったという事が原因で、発売前には発見できなかったのではないか、マツダとしてはほぼ想定していなかった運転パターン(アクセル操作傾向)で、そうした症状に繋がることを確認したのではないか?
そのことは、デミオとCX-3のスカイアクティブDエンジンを搭載した105000台と、アクセラの平成28年5月26日~平成28年8月8日の間に生産された1849台のスカイアクティブディーゼルエンジン車の中で846件の症状の訴えがあったとされることから、約0.7%の発生率という事になり、もし実際に症状が出てもディーラーへ連絡しない人が少しいたとして、およそ1%程度の車にそうしたエンジンストールなどの現象が出たと考えられるから、私の考え方では100人に一人いるかどうかの運転方が有るのかもしれない・・・・と言う事になる。
私の車もその対象車だから、今日ディーラーの整備担当マネージャーに聞いてみたのだが、排気バルブ周辺に溜まっているかもしれない固着した煤の掃除はどうやってやるのかは、エンジンをアイドリングよりもかなり高い回転数で一定時間回すことで焼き捨てる方法だと言いますから、通常の使い方では時々エンジンを高めに回すことが普通にあって、あまり煤が排気バルブに固着するいうことは起きないのかもしれません。
ただし、私の高速道路での省燃費運転では、2時間以上1500rpm付近で巡行することも多いし、更に最近はアイドリング回転域で一般道を走る割合もかなり多いが、そういった兆候は無く、燃費の悪化も、DPF再生周期も短くはないから、そのような運転で煤が溜まるのではないことも想像できる。
それに、デミオの省燃費性能から、普段からアクセルを慎重に扱うドライバーが多いはずだから、そうした現象に直結しそうなアクセルワークは省燃費型の運転パターンではないことが想像されるのだが、いかがだろうか?
そこまで考えると、運転方によって発生頻度が上がると考えるなら、それは燃費をほぼ意識していない様な運転をする人で、更に時々アクセルを開けて排気バルブをクリーニングできない様な運転をする人に見られるという事になるが、その二つは、ほぼ矛盾する条件でもあるように思える。
省燃費運転に興味のない人なら、度々アクセルは多く踏み込まれていて、排気バルブ周辺に煤が溜まる可能性はさほど高くないはずだからだ。
そこで更に考えると、DPF再生中のアクセル操作に原因が有るかもしれないのだが、これはかなり核心に迫っているかもしれない。
「みんカラ」を日常的に見ている人であれば、DPF再生中にパワーを多く出すような運転が、次のDPF再生までの時間を短くしてしまって燃費にも悪影響であることを何方かのBlogで読んだりするかもしれないし、DPFの周期を長くするためのコツなども心得ている可能性も有るが、あまりそういう事を気にかけない人も案外多いのかもしれないのです。
「エンジン制御コンピュータの吸入空気量制御が不適切なため、気筒内の燃料濃度が部分的に濃くなり、燃焼時に多く煤が発生することがあります。そのため、排気バルブが開いた際に煤が排気側バルブガイド周辺に入り堆積して、バルブが動きにくくなり、圧縮不良が起きる。」と言う、充分とは言えないマツダの説明にちょっとだけ言葉を足してみるとどうだろう?
「DPF再生時のエンジン制御コンピュータの吸入空気量制御が不適切なため、気筒内の燃料濃度が部分的に濃くなり、燃焼時に多く煤が発生することがあります。そのため、排気バルブが開いた際に煤が排気側バルブガイドやバイパスEGR回路周辺に入り堆積して、バルブが動きにくくなり、またバイパスEGR経路からインテークマニホールドを経由してシリンダー内に侵入してくる大きく成長した煤の塊が、排気バルブシートと排気バルブに挟まれてシール不良を起こして圧縮不良が起きる。」と言う風に少し書き足してみた。
もし、そういう事であるなら、DPF再生時には、DPFに溜まったカーボンを燃焼させるために排気バルブが開いてからポスト噴射してDOC(酸化触媒)で酸素を発生させなくてはならないため、DPF再生中に唐突にアクセルを開けると、NOx低減のための低酸素ガスが不足し、バイパスEGR経路がオープンとなり、軽油ミストを多く含んだ生ガスがPMと共にバイパスHP-EGRパイプの中に大量に流れ込むことになるのではないだろうか?
乾いた煤であれば、バイパスEGRの経路内に堆積する可能性は多くはないが、軽油で濡れた煤はパイプやバルブ付近だけでなくインテークマニホールドやインテークバルブの傘にも堆積することになるだろう・・・・。
そして、度々そういうことが繰り返されれば、可動部品であるHP-EGRバルブ付近に堆積した煤の塊が剥落してシリンダーの中に入り、運悪く排気バルブとバルブシートに挟まれた時、マツダの言うように煤でバルブスプリングの戻る力が弱くなっていれば排気バルブシール不良が起きて気筒の失火が発生して振動を伴うストールに至る・・・・。
以上の様な私の想像が、もし当たっていれば、リコールで行うエンジンの制御プログラムの変更は、DPF再生が行われている時にアクセルが深く踏まれた場合のEGRバルブの制御、若しくはポスト噴射量の抑制にかかるものだと思われます。
まあ、ただの想像ですから間違っていることも在るでしょう・・・もし当たっていたなら、リコール整備後はDPF再生をしている時のアクセルの反応は遅くなって、アクセルを踏んでも瞬間的なトルクアップは出来ずに少し遅れてトルクが出る感じになるのではないでしょうか?それは即応するHP-EGRを使わずにLP-EGRだけでNOxに対応するようにする為、DPF再生時にアクセルを急に深く踏んでも直ちにあまり多い燃料噴射を行わない様な制御に変更されるのではないかと考えたからです・・・・。(リコール整備を行えばすぐに私の推測が間違っているかどうか判りますね、間違っていましたら、残念でしたという事です。)
私の結論は、DPF再生時にも頻繁にアクセルを唐突に深く踏み込む様な運転をする人が1/100程度は居るのかもしれないという事になりました・・・・。
赤色の文字部分は最初にアップロードした後に修正、加筆した部分です。
Posted at 2016/09/04 15:10:44 | |
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リコール | 日記