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2021年12月15日 イイね!

レッドブルホンダのマックス・フェルスタッペンが勝てた訳


F1に精通してらっしゃる方はご存じかも知れませんが、マックス・フェルスタッペンが最終ラップでルイス・ハミルトンをパスして優勝出来た真相は、幾つかの事実を継ぎ合わせないと実現できなかったことでもありました。

その一つ目は、セルジオ・ペレスのルイス・ハミルトンに対するブロックに依る援護射撃です。
ピットからの音声が放送されていましたが「チェコ!何が何でもルイスをブロックしろ」という強烈な檄の飛ぶ中セルジオペレスは見事な走行でルイス・ハミルトンを1周半に亘って抑えたのだが、それ以前にマックス・フェルスタッペンがソフトタイヤの劣化によりミディアムタイヤを履くルイス・ハミルトンに後れを取り出してピットインしてハードタイヤの新品に交換します。
そしてルイスも続いてハードタイヤに交換しました。しかしそれによってトップに立ったセルジオ・ペレスは戦略的ステイアウトを選択して、タイヤ交換のためにピットインしたことで後ろから追ってくるルイス・ハミルトンの行く手を遮る作戦を取ることが出来たのです。

勿論追い付かれた直後に抜かれてしまう事も有り得ますが、レッドブルはチームとして、セルジオ・ペレスに可能な限りルイスの前に留まってマックス・フェルスタッペンとのギャップ約9秒を奪い取ってしまう事を狙いました。

それは殆どすり減ったソフトタイヤでありながらセルジオ・ペレスの神がかった凄まじいドライビングに依って実現し、ルイスとマックスの差は1.5秒ほどにまで詰まったのでした。

しかし、ルイス・ハミルトンはマシンとハードタイヤのマッチングも抜群で、次第にマックスを引き離してレッドブルは打つ手が無いか?と思われた時にアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツイーがコースサイドに車を止めたことでバーチャル・セーフティーカー状態となって、速度を30%程落としたうえ先行車とのギャップを維持する状態となったのです

そしてその瞬間二つ目の手をレッドブルチームは打ちます。

マックスを再びピットに入れて再度新品のハードタイヤに交換させたのです。(本当はミディアムタイヤがあればミディアムで行きたかったはずですが、マックスは ミディアムの手持ちが無かったのです。)ピットインに依ってルイスとの差は20秒ほどに開いてしまいました。
その上一周に付き1秒づつ差を縮めて行かないとルイスには追いつけないので、ルイスは悠々ステイアウトです。
マックスは必死にルイスを追って差を縮めはしましたが、50周を過ぎる頃11秒ほどの差にまで詰まった後はその差を縮められなくなってしまって万事休したように見えました。

しかし!そこで事件は起きました!、残り6周というタイミングでメルセデスエンジンを積むウイリアムスのニコラス・ラティフィが単独クラッシュでコースサイドに止まりパーツが散乱してセーフティーカーが出ることになったのです。
(ここでメルセデスエンジンを積むウイリアムズのラティフィーがクラッシュしたという事実は重要なことです、何故なら、もしここで角田やガスリーがクラッシュすればレッドブル陣営が仕込んだ故意のクラッシュという疑いがかけられることは確実だからです。)

マックスは、それまで必死にルイスとの差を縮めて11秒ほど迄詰め寄っていたためにルイスはセーフティーカーが出てもピットに入ってソフトタイヤに履き替えることを選択できないマックスとの差になっていたのです。
それはセーフティーカー下でルイスがピットインしてタイヤ交換を済ませるには14~15秒を失うことが解っているので、11秒後方にいるマックスがステイアウトを選択すればマックスがトップに立ってしまう事が確実であるし、もし事故車の撤去が遅れ、残り少ない周回数の為そのままセーフティーカー状態でレースが終わってしまう可能性を考えると、トップにいるルイスは動くに動けない状況になっていたのです。

しかし、マックス・フェルスタッペンは後方に充分な差を築いていたので、ピットインしても2位を維持したままピットアウトが可能なため、すぐさまピットインしてソフトタイヤに交換しました。これはマックスがハードタイヤの新品を使って必死に追い上げていたから可能になったという事でもあります。

(実は最終ラップの少し前にルイスの後ろに付いていた周回遅れのマシン5台ほどをセーフティーカーを追い越させてマックスとルイスの間をクリアにしたことが問題として12月15日にその件の裁定が出るのですが・・・大方覆ることは無いとと考えられています。)

そして残り一周という所でセーフティーカーが去って、使い古したハードタイヤのルイスとユーズドでもかなりフレッシュなソフトタイヤのマックス・フェルスタッペンの今シーズの最後の一周が始まり、マックスがソフトタイヤの利を生かしてルイスをオーバーテイクして勝負に決着がついたのでした。

つまり、結果的に見ればセルジオ・ペレスがルイス・ハミルトンを押さえ込んでマックスに7秒ほどの時間をプレゼントしたことで、その後新品ハードタイヤで必死にルイスを追いかけて11秒差迄近づけたことが勝因と言えるわけで、もしその時ペレスがくれた7秒が無く18秒差である場合セーフティーカーが出た時に迷わずルイスはタイヤ交換出来たことになるので、最期の一周は大変なバトルになったとしてもマックスに抜かれずに済んでルイスがチャンピオンになった可能性が大きいと言えたのです。

レッドブルが打った徒労にも見えた作戦だったのですが、こうしてその判断が全て見事に功を奏して優勝をもぎ取ったと言う訳です。

従って、セルジオ・ペレスのルイスへのブロックがマックス優勝には「どうしても必要なことだった」言うことが出来るのです。

セルジオ・ペレスのアブダビでの走りはレッドブルホンダもマックス・フェルスタッペンも救ったと言えると思います・・・・マシンはメルセデスの方が僅かに良く仕上がっていたように見えましたからね。

レッドブルピットの采配判断はことごとく的中し見事でしたし、それに完全に応えたマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスの完璧なパフォーマンスでした。

追加情報:残り数周という所でセルジオ・ペレスがピットインさせられてリタイヤしたのはドライバーが気づかない程のトラブルであったが、ピットへと送られて来るエンジンのデータから異常が見つかり、もし最悪の場合、セルジオ・ペレスがセーフティーカー周回中にコース上でリタイヤすることになればそのままセーフティーカー状態でレースが終わってしまう事になりかねないという僅かなリスクを消すために、セルジオ・ペレスをリタイヤさせたのでした。
Posted at 2021/12/15 23:21:40 | コメント(1) | トラックバック(0) | F1 | 日記

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