私が未だ若かった頃、ラジオでミノ虫の世代交代の話を聞いた・・・・。
その話は私に衝撃を与えたのだが、これを読んでくれている方々の中にも同じような経験がある人も居るかと思うが・・・どうだろう?
↓ ミノ虫=ミノ蛾の幼体→特徴的な蓑でカキの木などにぶら下がって冬を越す。
↓ ミノの中に居るミノ蛾の幼虫
↓ ミノ蛾のメスの幼虫が成熟した姿
↓ ミノ蛾のオスの成体
以下、ミノムシの生態についての文は引用文です。
雄は雌のフェロモンに引かれて夕方頃飛行し、蓑内の雌と交尾する。この時、雄は小さな腹部を限界近くまで伸ばし蛹の殻と雌の体の間に入れ、蛹の殻の最も奥に位置する雌の交尾孔を雄の交尾器で挟んで挿入器を挿入して交尾する。
交尾後、雄は死ぬ。
その後、雌は自分が潜んでいた蓑の中の蛹の殻の中に1,000個以上の卵を産卵し、卵塊の表面を腹部の先に生えていた淡褐色の微細な毛で栓をするように覆う。雌は普通は卵が孵化するまで蛹の殻の中に留まっていて、孵化する頃にミノの下の穴から出て地上に落下して死ぬ。
20日前後で孵化した幼虫は蓑の下の穴から外に出て、そこから糸を垂らし、多くは風に乗って分散する。
葉や小枝などに到着した1齢幼虫はただちに小さい蓑を造り、それから摂食する。6月から10月にかけて7回脱皮を繰り返し、成長するにつれて蓑を拡大・改変して小枝や葉片をつけて大きくし、終令幼虫(8令)に達する。
主な食樹は、サクラ類、カキノキ、イチジク、マサキなど。
秋に蓑の前端を細く頸って、小枝などに環状になるように絹糸をはいてこれに結わえ付けて越冬に入る。枯れ枝の間で蓑が目立つ。
越冬後は普通は餌を食べずにそのまま4月から6月にかけて蛹化する。
そして6月から8月にかけて雄だけが羽化する。
この事は、つまりメスとして生まれたミノ蛾の幼生は自ら作るミノを纏って生き、一度も蛾の姿にはなれず、空を飛ぶことも無く、蓑の中でオスを待ち、交尾の相手である雄の姿を垣間見ることも無く、蛹の姿で卵を孕み、卵をミノの中に産んで、やがて蓑に穴を開け、自らその穴から落ちて生涯を終えるのです・・・・。
多くの蛾や蝶が存在する中、このようにメスが羽化することなく生涯を終える様に進化したのは何故なのか?到底その理由を正しく説明することは私には出来ないし、生存確率を高め得る合理的な進化と言える様な歴史が存在したと思う他ないけれど、私はミノ蛾の雌が不憫に思えてならないのです・・・・。
Posted at 2024/01/13 18:55:25 | |
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