土日の移動日、フランスのChamberyから2日かけてイタリアのミラノまで移動します。
快晴のA43、フランス東部からイタリア国境方面に向かいます。
普段ならこのままA43をイタリア方面に進んでFréjusトンネルを通ってイタリアに抜けるのですが、この日は天気が良くて朝も早めに出れたので、トンネルを通らず一般道の峠越えを目指します。
個人的にアルプストンネルを通るのは好きじゃないんです。
片道約7000円の通行料が掛かるのもそうですが、通行していて退屈、というか楽しくない、というか神経を使って疲れるんです。
トンネルの前後まで片側二車線以上で来ていた高速道路が、アルプスの下のトンネルでは対面通行なのです。フランスやイタリアを行き来する大型トラックやトレーラーの集団に紛れて対面通行の長いトンネルを通らなければなりません。
フレジュストンネルの東側の
モンブラントンネルでは、1999年に小麦粉とマーガリンを積んだトラックが火災になり、フランス側からトンネルに入ったトラックの後続車の38名とイタリアの警備員1名が死亡しました。
燃え始めたトラックに気づいてトンネルのど真ん中で停車したとたんに爆発的に燃えた。北陸トンネル火災と同じですね。火が出始めたらトンネルを抜け出すまで走り続けないと停車したとたんに空気が入って爆発的に燃焼します。
その後の仏伊の管理センターの連係ミスなどもあって39名もの犠牲者が出ました。
モンブラントンネル火災のわずか2年後、2001年に同じような対面通行のスイスの
ゴッタードトンネルで、トレーラー同士の正面衝突が起こり、11名が死亡しています。ぶつかった方のトレーラーの運転手は飲酒運転しており、対向車線にはみ出して燃料の軽油に引火し、トンネル内火災になったようです。
このゴッタードトンネルについては、第2トンネル建設にスイス地元の自然保護団体が反対し、第2トンネルが完成したら第1トンネルを閉鎖することになったようです。え? 新しいトンネルができても対面通行にするの? どこの国でも極端な自然保護団体の脳内はよく理解できません。
この2つの事故は、私が今の仕事でヨーロッパに通い始めた後に起こっています。同じような対面通行のフレジュストンネルも、いつ同じようなトンネル火災事故に巻き込まれるかわかりません。
そんなわけで、私はアルプスの下の長大トンネルはできるだけ通りたくないのです。
A43との分岐を直進し、Albertville(アルベールビル)方面に向かいます。
この辺りはフランス有数のスキーリゾートで、1992年の冬季オリンピックが行われた地域です。ミハエル・シューマッハーがスキーで事故をしてしまったのもこのあたりのスキーリゾートです。
有料道路のA430からN90の高速一般道に入ってしばらく走ると終点のBourg-Saint-Maurice。
イタリアとの峠道の麓の街に向かいます。
Posted at 2021/07/30 18:59:57 | |
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街道の風景 | 日記