4月20日に参院で問責決議が可決された田中直紀防衛相の悪あがきに防衛省内で批判が噴出している。陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)で展開している南スーダンとスーダンの衝突激化を受け、5月上旬に現地調査団を派遣することを決めたが、これが田中氏の「国会対策」が目的だったと見透かされているためだ。省内で孤立を深めようとも狡猾(こうかつ)なアリバイ工作を決断したのは、外相時代に外務省を「伏魔殿」と呼び、官僚と対立した妻の真紀子氏の入れ知恵ではとの見方も出ている。
■「任務に影響なし」
「調査団を送れ。2次隊を派遣する前にだ」 今月17日、田中氏は省幹部に強い口調で命じたという。
南スーダンではスーダンとの間で緊張が高まっているが、陸自部隊が活動する首都・ジュバは戦闘地域から約500キロ離れている。陸自側は「任務に影響はない」(幹部)と分析していただけに、田中氏の指示は奇異に映った。
複数の防衛省幹部はこの指示について、「国会答弁対策だ」と証言する。調査団を送る時期を2次隊派遣前と指定したのが、その証拠だという。
治安情勢がきな臭い中、新たな部隊を送れば国会審議で野党の追及は避けられない。ただでさえ答弁で立ち往生する田中氏には重荷となる。それが更迭のダメ押しとなる危険性を敏感に察知し、「調査団が安全を確認した」というアリバイづくりを思いついたのが真相のようだ。
■部隊活動にも弊害
藤村修官房長官も南スーダンとスーダンの衝突について「ジュバから離れており、直接波及する可能性は低い」と述べた。調査団を派遣する理由も、「念のため派遣部隊の活動状況と現地情勢を詳細に把握するためだ」と説明し、切迫性はまるで感じられない。
派遣部隊の活動状況は現地から日々、防衛省に報告がある。活動する上で、現地情勢も十分に把握していることもいうまでもない。そもそも、「すでに活動を始めている部隊の安全確認のために現地調査団を送ることはあり得ない」(防衛省幹部)はずだ。
問責可決後もなおポストにしがみつく田中氏の姑息(こそく)さが浮き彫りとなるが、不必要な調査団派遣による弊害は計り知れない。
南スーダンでは道路や橋といったインフラ整備が急務で、首都での陸自の活動は最重要視されている。事態が深刻化していない段階で軽々に「撤収検討」と受け取られかねない調査を行えば、国連や各国軍の反発を招くだろう。
何より深刻なのは、陸自部隊の活動に悪影響を与えかねないことだ。
調査団派遣の余波で5月末からを予定する2次隊の派遣が遅れれば、現在派遣中の1次隊が現地にとどまらざるを得ず、活動期間も延びる。帰国が遅れることになれば隊員の士気が低下する恐れがある。
■前任者も理不尽指示
継続的な活動に万全を期すための部隊交代をないがしろにしてまで、自身の答弁能力の欠如を補おうとした田中氏。問責決議可決後も更迭しない野田佳彦首相の「不作為」も罪深い。
実は、南スーダンPKOで「答弁逃れ」を目的にした理不尽な指示はこれが初めてではない。
防衛省では昨秋、南スーダン派遣を前に、武器使用基準の緩和に向けた検討を本格化させていた。ところが、一川保夫前防衛相が「おれを国会で矢面に立たせるつもりか」と激しく抵抗し、検討を棚上げしてしまった。
陸自部隊は一川氏に手足を縛られ、今度は部隊交代をめぐり田中氏に右往左往させられているのだ。2代続けて「素人」を送り込まれ、そろって問責されたツケはあまりに重い。
ある防衛省OBはこう断じる。 「民主党政権下で『文民統制』など百害あって一利なしだ」
バ菅の10万人派遣、原発放水もそうだが、こんな連中に振り回されて現場で命を懸けて活動している隊員がいい面の皮だ。民主党などきれいごとを言うが実態はこんなものか。どいつもこいつも早く辞めちまえ。打首獄門だ。
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2012/04/28 23:56:42