森本敏防衛相は31日午前の閣議で、12年版防衛白書を報告し、了承された。軍事力の実態や将来像を明示しない中国に対し「軍事や安全保障に関する意思決定プロセスの透明性も十分確保されていない」と懸念を強調。特に「共産党指導部と人民解放軍との関係が複雑化している」との見方をあげ、日本の「危機管理上の課題」との認識を示した。また中国海軍の艦艇部隊による太平洋進出について「常態化しつつある」と警戒感を示した。
白書は中国の権力構造の変化について、党と軍の関係複雑化に加えて「対外政策決定における軍の影響力が変化している」との見方を示し、軍の影響力増大の可能性を指摘した。具体例として「国家主権や海洋権益をめぐり、軍が態度を表明する場面が近年増加している」との指摘を紹介。一方で「党の主要な意思決定機関における軍の代表者数は減少し、軍の関与は限定的」との見方にも触れ、意思決定の複雑化を踏まえて「客観的な記述」(森本氏)にした。
森本氏は閣議後の記者会見で、中国について「日本だけでなく東アジア全体で、中国がどういう方向に行くのか一定の警戒心がある」と述べた。
北朝鮮情勢では、金正恩(キムジョンウン)第1書記の新体制について「国家行事や現地指導が整斉と行われており、一定の軌道に乗っている」と分析した。長距離弾道ミサイルについて「今後も発射を行う可能性が高い」と警戒感を示し、4月の軍事パレードに登場した新型ミサイルは長射程の可能性があると指摘した。
ロシアの軍事動向の活発化も指摘し、「自国経済の回復などを背景に、軍改革の成果を検証することなどが目的」と分析した。
領土問題に関しては北方領土、竹島とも「わが国固有の領土」と例年の表現を踏襲した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイはコラムで性能を紹介しただけだった。
やはり当面の軍事的懸念は中国のようだ。やる気が有り余って金もあり軍人の発言力が強いという軍拡にはこれ以上はないという条件で覇権主義丸出しと言う状況では憂慮せざるを得ないだろう。金詰りで政治家が弱腰で軍の発言権はゼロに近いと言う日本が憂慮するのは当然だろう。
しかし、中国も日本に直接武力侵攻をかけるほどの力はないし、離島への侵攻であればそれなりに精強な防衛力を整備すればさほど恐れることはないだろう。後はいざと言う時の決心次第と言うことだろうか。
Posted at 2012/07/31 23:28:53 | |
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