2013年07月28日
大型二輪免許を取ろう(5)
いよいよ検定となった。仕事は半日休みを取って万全の態勢で臨んだ。とは言っても練習ができるわけでもなし、せいぜいコースを覚えることとイメージトレーニング程度のものだが、・・・。しかしいくつになっても試験を受けると言うのは嫌なものだ。
教習所に行くと集合場所となっている教室に入った。中に入って驚いた。そこにいたのはほとんどが20歳前後の若い子たちで僕のようなおっさんは誰もいなかった。まあ、当然と言えば当然だが、・・・。みんなそれぞれ結構緊張した表情で身動きもしないで検定が始まるのを待っていた。
しばらくするとこれまで見たことのない若い教習員が入ってきた。そして検定についての説明を始めた。まずはコースの説明、その後、採点方法の説明、あれをしたら即検定中止、これも検定中止と検定中止事項を並べてから次に減点項目を説明し始めた。ずい分と細々したことまで減点の対象でまともに採点したらみんな点数などなくなってしまいそうだった。どの子もますます緊張の度を深め顔が引き攣っている子もいた。
次に検定順序だが2つのグループに分かれて順次検定を受けることになった。僕は1班の最後に検定を受けることになった。何時ものバイク車庫に行ってプロテクターを着けて準備を始めた。無線とゼッケンは持ち回りで自分の順番が来るのを待った。検定員が引いてきた1班の検定用バイクを見てげっそりした。例の○番のバイクじゃないか、ギアの入りにくい奴、・・・。まあこれもめぐり合わせだろうと気を取り直す。
そして検定が始まった。何だか緊張している子供たちの顔を見ていたらこっちは落ち着いてしまった。検定に落ちてもまた次に受ければいいことだし、何よりも満点で合格する必要もない。一本橋なんて落ちそうになったら速度をあげて駆け抜ければ良い。スラロームも8秒以上かかっても良い。要は検定中止事項だけを気をつければ、・・・。交通規則に従って円滑に走行できればいいことだから。
順次検定が進んだが、坂道でずり落ちる奴も一歩橋から落ちる奴もいなければパイロンを蹴飛ばす奴もいなかった。そしていよいよ僕の番になった。検定員に名前と生年月日を申告して「よろしくお願いします」と一言。バイクにまたがってエンジンをかけてギアを入れる。『入らなかったらぶち壊すぞ』と心の中でつぶやく。
ウインカーを出して後方を確認して発進、最初のカーブを徐行で通過、そうしたら「ウインカーを消して」という検定員の声が無線に響く。『おお、しまった、そうだった』とウインカーを消す。そして最高速、めったに使わない3速まで入れて40キロ、すぐに右にウインカーを出して後方確認、進路変更から右折、順調順調。赤信号で交差点で停止、ギアはもち論ローに戻す。
青に変わると左右と後方を確認、と言っても本当は首を振っているだけで見ちゃいないんだけど。発進して交差点を通過、一時停止はしっかり停止、ぐるっと回って坂道へ、坂道発進も順調、坂を下ってクランクへ。『半クラッチ、後ろブレーキ』とつぶやく。クランクもなんてことはなく無事に通過、この間の失敗は何だったんだろう。スラロームもアクセルを使いながらひらりひらりと通過、S字も何なく通過して難関の一本橋だが、こううまくいくと自信がついていてこれも何なく通過、しかもかなりの低速で、・・。間違いなく7秒以上はクリアしている。
そして最後は急制動だが、制動は車でお手の物なので50キロくらい加速してアクセルを戻してブレーキ、本当にかなりの急制動だが既定の距離でしっかりと止まった。そして開始地点に戻って停止、ギアをニュートラルにしようとしたがこれがまた戻らない。『この野郎、ぶち壊すと言ったろう』と思い切りギアを踏みつけてからつま先でシフトペダルを軽く持ち上げるとニュートラルに戻った。思い知ったか。こうして検定は終了したがこれで落ちたらもうずっと受からないだろう。
結果発表までしばらく時間が空いたので外に出て一服、あまりに順調だったのですっきりしてしまって結果はどうでもいいという気分になった。教室に戻るとやはりみんな緊張の面持ちだった。そして結果発表、何と全員が合格だった。僕はウインカーの消し忘れで5点減点されただけであとは問題なし、「走りは完ぺきでした」とほめられた。こうしてやっと普通二輪免許の限定が外れて遂に晴れて大型二輪免許へのスタート地点に立つことができた。めでたし、めでたし。
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Posted at
2013/07/28 00:52:10
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