戦後初となる国産戦闘機の開発に防衛省が本格的に乗り出す。三菱重工業に研究開発を委託している試験機は、計画通りにいけば来年1月中旬に初飛行する。防衛省は2015年度から性能試験を実施し、実用化の可否を18年度までに判断する方針だ。同省幹部は「国産戦闘機は長年の悲願。何としても実現したい」と熱意を示す。
試験機は全長約14メートル、幅約9メートル、高さ約4メートル。炭素繊維でできた電波吸収素材を機体に用い、レーダーに映りにくいステルス性能を備える。心臓部に当たるエンジンはIHIが開発した。
日本は1980年代、戦闘機F2の単独開発方針を掲げたが、最終的には米国の主張が通り、日米共同開発となった。防衛省関係者は「日本が開発に成功すれば軍事的優位が脅かされると米国は恐れたようだ」とみている。
その後、中国の台頭などで安全保障環境が激変したこともあり、航空自衛隊幹部は「いつまでも海外に戦闘機開発を頼るわけにはいかない」と日本単独の開発に意欲的だ。防衛省は2009年度に研究に着手し、14年度までに総事業費392億円をつぎ込んだ。15年度予算の概算要求には単年度で過去6年分を上回る412億円を盛り込み、開発を大幅に加速させる構え。
防衛省が国産戦闘機の開発に執念を示す背景には、国産機をベースに将来的な国際共同開発につなげたいとの思惑もある。「最低でも5000億円」とされる多額の開発費を調達するため、共同開発は世界的な潮流だ。新たな防衛装備移転三原則により、軍事技術や部品を他国に提供することも可能となった。
「国産機開発の経験や技術があれば、日本が主導権を持った共同開発ができる」。政府関係者は、初の国産戦闘機の実用化に取り組む理由をこう説明した。
ATD-Xは戦闘機ではなく先進技術実証機でこのままこの機体が戦闘機になるわけではない。しかし、少なくとも戦闘機のテストベッドを開発できると言うのは非常に意義深い。少なくともその気になれば戦闘機を開発する能力があると言うことになる。問題は開発費と米国の意向でまた横槍を入れてくる可能性は大きい。特に問題なのは大出力エンジンの開発で戦前から日本は機体開発よりもエンジン開発で世界に後れを取っている。米国以外でその技術を持っているのは英国、フランスなどだろう。フランスは独自の外交・防衛方針を持っているので日本との共同開発に応じるかどうかは未知数だ。英国は日本の機体開発技術に関心を持っているようだし、大出力エンジンの開発にもそれなりの技術を持っている。国際共同開発であれば日英を基軸と言うのが最も可能性があり有望な組み合わせだろう。機体とエンジンの同時開発と言うと1兆円規模の金がかかると言う。社会保障費と比較すれば端金だが、防衛費に1兆円などと言うと目くじら立てる吾人がこの国には多い。航空機はすそ野の広い産業で高度な技術も維持できる経済効果も極めて高い産業だ。国の安全を守れて経済効果が高ければ万々歳で1兆円など安いものだと思うが、どうだろうか。
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2014/12/28 21:48:51