2016年01月05日
お小遣い制は日本のお父さんをダメにするか。
我が家では結婚当初から、財布の紐は私が握っており、財務大臣は私です(ちなみに、総理大臣は妻です)。
当初は何となく小遣い制が嫌だったのでそうしたのですが、今思えばこれは非常に大きな決断であり、小遣い制を採用していたら起業もできていなかったと確信しています。
■ 日本のお父さんのフトコロ事情
新生銀行の調査によれば、2014年の「サラリーマンのお小遣い調査」では、2年ぶりに金額が回復して、サラリーマンのお小遣い平均額は前年比1115円増加の3万9572円でした。年代別の差があったり、意識の違いがあったりして読んでいくと結構面白いですが、ここではまず、大体4万円くらいの小遣いが平均だということを押さえましょう。
かつて、リーマンショック前は4万5000円程度だったということですから、アベノミクスで多少は改善されるのかもしれませんが、4万円だと1カ月の「お小遣い」としては大した金額ではありませんよね。毎日ランチを外で食べていれば、飲み会に何回か行って終わりです。愛妻弁当の存在や、苦しいときには追加支給の「お願い」ができるかどうかなど個別の事情はあるでしょうけれども、とても贅沢ができる水準ではありません。
一説によれば、国内では夫が家計を管理している割合は2割程度と言われています。そこから共同管理の3割を除いた分、すなわちお小遣い制を採っていると思われる家庭は5割近くに達するとのこと。
ちなみに、お小遣い制採用の割合は、米国20%、中国20%、イタリア7%、英国6%(出典:週刊東洋経済2010年7月3月号)だとか。これだけ見れば、日本は突出した「お小遣い先進国(? )」と言えるでしょう。
ランチで格安のハンバーガーや牛丼を食べ、部下に奢ることもできず、何か買いたいと思ったら奥さんに頭を下げる、せめて副業をして少しは自由に使えるお金を確保したい・・・。「日本のお父さんはかわいそう」と直感的に思うことは、こんなところからも裏付けられそうです。高校生の話ではなくて、一家の大黒柱として収入を得ているお父さんのお話なので。とほほです。
ああ、小遣い制、絶対反対! なぜ社会人として自立して、一生懸命働いて、結婚して家を建てて、挙げ句の果てに自分の給料の中から「小遣い」をもらわないといけないのか。若き日の私は確たる根拠はないにもかかわらず、「小遣い制にするなら結婚しない」くらいのことは言っていたと思いますが、自分で自分を褒めてあげたいです。
■ お小遣い制によるメリット
とまあ、感情的に決めつけるのも何ですので、一応、かたちばかり小遣い制のメリットも挙げていきましょう。まず、奥さんの方が堅実な性格の場合、お金が貯まりやすいですよね。旦那さんが変な見栄をはったり、「宵越しの銭は持たねえ」みたいな性格の場合、奥さんが家計を管理した方が良いです。
以上。メリットはそれだけです。
大昔は「ずっと家にいる専業主婦が役所に行ったり銀行に行ったりできて便利」というメリットもあったのかもしれませんが、今は時代が違います。オンラインバンキングが普通ですし、役所も土曜も空いています。そもそも、奥さんが専業主婦であることが減っています。
資産全体をコントロールしたり投資をしたりということには、男性(役割的に“外の社会に出ている方”。女性が働いていて主夫なら女性です。お手数ですが全てそのように読み替えて下さい)の方が向いています。私を含め、金融機関に勤務している人の中には比較的、財布の紐を握る人が多いのですが、このあたりの意識が高いことの現れでしょう。
■ お小遣い制によるデメリット
デメリットの方はたくさんあります。一番、恐ろしいのは自分に対する前向きな投資ができなくなることです。予備校に通って資格を取ったり、高額セミナーに行ったり、起業準備や副業のためにシェアオフィスを借りるなどの投資を行ったりという判断が、自分でできなくなっていきます。相談して理解して下さる奥さんなら良いですが、費用対効果の説明を求められたりするともうダメです。高額セミナーの費用対効果なんて、説明できませんよ。
また、お金を自由にコントロールできないことでセルフイメージが縮小してしまうことも大きな損失です。自分ができることに大きく制限がかかり、そもそも起業をしたり、大きな仕事をしようという発想が奪われてしまいがちです。
本来は部下にお酒を奢ることも、時には必要でしょうが、自分の裁量でそういうことができなくなってしまうこと、さらにはそれができないと思い込んでしまうことが怖いのです。
■ 日本のお父さんは財布の紐を握れ
サラリーマン、特に将来起業を志す人は財布の紐を握れというのが私の主張なのですが、起業に限らず、あなたが人生のコントロールをしたいと思うのなら、資産は自分で管理しましょう。細かな日々の出費まで干渉する必要はありませんが、お金の流れ全体を理解しましょう。
お金のことを「面倒くさい」として避けたら、人生は他の誰かにコントロールされてしまいます。これは、家庭内のことだけではありません。会社を経営する場合でもそうですし、サラリーマンとして仕事をする上でもそうです。お金を制するものがプロジェクトを制するのです。
とかく日本人はお金のことを考えることを嫌がります。男尊女卑の傾向があった日本社会において、ここまで小遣い制がはびこっているのは、実は今まで、奥さんにお金のことを「押し付けて」きたというのが実情でしょう。ある意味、それが楽だったんですね。余計なことを考えずに、一生懸命仕事をしていれば何とかなった、良い時代でもありました。
しかし、これからはそうはいきません。国家財政の破綻や企業の倒産など、リスクの高い時代には、自分の船の舵は自分でとらないといけないのです。さあ、さっそくこれから奥さんにプレゼンをして、財布の紐を握りにいきましょう!自分の人生を取り戻すのです!
前の職場では、お小遣い制という男が非常に多かった。聞いてみると、ほとんどが月に3万か4万で高が知れた裏金作りに汲々としていた。もっとも酒ばかり飲んでいて自己投資しようなどと言うのはほとんど皆無だったので奥方が財務を握っていた方が良いのかも知れないが、・・。僕も最初は小遣い制だったが、金がどこでどうなっているか全く分からないことに不安を覚えて途中から独立採算制に切り替えた。かなり摩擦が生じたが、結果としてはそれでよかったと思っている。別に独立採算制に移行しても余剰金が生じるわけでもないし、特に自己啓発に使ったわけでもないが、少なくとも自分の稼ぎは自分で管理できるようにはなった。欧州は男の権限が非常に強いお国柄なので財布の管理は男がしているようだ。米国はそうでもないが、それでも日本よりははるかに男が権限を有しているようだ。大した額ではないのに、金の管理も面倒だが、株を買って経済に興味を持つようになったのは収穫と言えるだろう。それにしても日本の亭主と言う人種は人間ATMとか言われ、幾ばくかの金も自由にならず哀れを誘う種族だと思う。
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Posted at
2016/01/05 15:45:32
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