民主党が維新の党などと合流し、民進党を作ります。民進党の初代代表は岡田克也氏となりました。最大野党の民主党の党首ですからまあ、当然の展開です。
その岡田氏は3月26日、民進党代表として臨む夏の参院選の結果次第で、代表を辞任する意向を示したことが報道されています。今のところ参議院選しか決まっていませんから、衆参同時選挙について語るわけにはいきません。衆議院解散の権利を持つ安倍首相は、衆議院解散による衆参同時選挙は頭の片隅にもない、と言っています。まあ、今の段階では全面否定するのが当然の話。特に伊勢志摩サミットがありますから、少なくともそれまでは絶対に衆議院解散をにおわせてはいけません。100%否定し続けて、伊勢志摩サミットが終わってすぐに一気に解散ということでしょう。
民進党の話に戻しましょう。岡田代表はなんとも運の悪い時に代表になります。ちょっとタイミングがずれれば首相のチャンスもあったのですが、負ける可能性の高い選挙の時に代表になっているようです。
まずは参議院選挙。今回の改選の民主党(民進党)の議員数は42で、非改選は17です。つまり前回の参議院選挙では17しか勝てていないのです。前々回の民主党政権の時の参議院選挙で獲得したのが44で、現有の参議院議員が42です。前回の参議院選挙の時と比べて民主党(民進党)に対する大きな変化は今のところありません。前回の17議席に多少上乗せすることができても、大幅な上乗せはまず無理でしょう。42議席を守ることはまず無理です。維新の党の参議院議員は民進党にまだ正式には合流できませんが、5名の参議院議員のうち4名が改選組です。これももし足すとすれば、46議席を獲得して現有勢力保持ということになります。ありえない数字になります。
おそらく20議席から25議席の獲得が現実的な目標になります。現状維持は最低の勝利ラインとなるでしょうから、参議院選挙では非常に高い確率で民進党は敗北してしまいます。自民党の自爆的な失策がなければ、現状維持は奇跡的なラインになっています。
衆議院選挙も現状維持が簡単ではありません。維新の党の衆議院議員のほとんどが比例復活組です。つまり小選挙区では敗れています。確かに小選挙区では、「風」の流れで結果が大きく変わります。しかし、今のところ民主党(民進党)に「風」は吹いていません。以前のような逆風はとまっていますが、順風もありません。前回で敗れた選挙区で議席を取り返すのは至難の業。維新の党にも風はありません。2016年3月26日時点での民主党と維新の党および改革結集の会の一部議員の合算した衆議院議員数は96。勝利のハードルはかなり上がりました。民進党で衆議院議員が100くらいにならないと勝利とは言えない状態なのです。
参議院選挙においては現状維持はほぼ不可能、衆議院選挙でもハードルは高くなっており、厳しい状況です。
岡田氏は、小泉郵政解散総選挙の時の民主党の代表でした。 岡田民主党に問題があったわけではなく、いわゆる小泉劇場のもとに大敗をしてしまいました。不運ともいえる展開でした。今回もよほどのことがない限り、現状維持も危うい状況。めぐり合わせとしか言いようがありません。しかも今回は伊勢志摩サミットの終わった直後の選挙です。サミットに野党の出る幕はほとんどありません。安倍首相がクローズアップされるだけです。今は、民進党はなにはともあれ、メディアの話題になっています。おそらく現在は支持率もややアップしているでしょう。しかし、選挙は7月です。その直前には安倍内閣がメディアの主役になっているのです。このままでは不運の代表です。運命を自ら変えることができるか。
思い切った政策も打てず、傾いていく党の改革も出来ない。ただ、数を頼みに政権批判だけで乗り切ろうとするような無策では支持が集まらないのも当然のこと。ネットでも民進党を擁護支持するような書き込みはほとんど見られない。イオングループをバックにした政界のサラブレッドかもしれないが、結局、自業自得と言うことだろう。今は小泉や橋下のような劇場型政治の時代、仏頂面で話にも人を惹きつけるようなものがない岡田はそうした華やかさが全く見られない。日本人は普段は超他力本願の国民、強い指導者が大好きだ。民主党政権で何もできない民主党に絶望的な幻滅を感じて来た国民に鮮やかな政治理念と政権に対抗できる新鮮で現実的で魅力的な政策を掲げて、「民主党は変わった」という颯爽とした姿を国民の前に示せなければ落ちていくだけだろう。
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2016/03/27 09:53:43