【話の肖像画】米ヴァンダービルト大学名誉教授 ジェームス・E・アワーさん
〈今年4月に沖縄県うるま市で起きた女性暴行殺害事件では、米軍の関係者が逮捕され、犯人の数々の異常な行動は衝撃を与えた〉
事件の日本での報道ぶりに違和感を覚えています。琉球新報などの報道は反米プロパガンダのようです。犯人の男が嘉手納基地で働く民間人と書く代わりに、黒人の元海兵隊員と書いている点にもメディア側の悪意を感じます。
もちろん、これは悲惨な事件です。しかし、沖縄に駐留している海兵隊員の大多数が法律に従い、行動やモラルも素晴らしい者たちだということを忘れてはなりません。最も重要なことは、彼らが沖縄の人たちから愛されているという事実です。私は100人以上の海兵隊員にインタビューして、地元で嫌われているのか調査しましたが、彼らは一様に沖縄の人たちから歓迎され、感謝されていると胸を張っていました。
実際、沖縄県民による犯罪率の方が、沖縄駐留海兵隊員によるそれより高いのです。しかし、こうした事実は、日本のメディアでは報道されることはほとんどありません。
容疑者の男は結婚して子供もいました。それなのに獲物を探して1時間も車を運転し、犯行に及んだということです。私も妻も衝撃を受けました。男が一生刑務所で暮らすことになるのか、病院送りになるのか分かりません。しかし明らかなのは、男が病気であり、日本の法律で裁かれるべきだということです。
こうした事件が起こるたび、日米の政治問題になってしまいます。普天間基地移設問題の発端は1995(平成7)年の少女暴行事件でした。2人の黒人海兵隊員とヒスパニック系の海軍の男が起こした事件でした。犯罪行為は、海兵隊が駐留している目的でもありません。全ての日本人が素晴らしい人ではないように米国人にもひどい者がいるということなのです。
〈今年5月の伊勢志摩サミットで来日したオバマ米大統領は、事件の被害者に哀悼と遺憾の意を表明し、米国大統領として初めて広島の被爆地を訪問した〉
オバマ氏が広島を訪問したことはとてもよいことだったと思います。オバマ氏は前から広島訪問を望んでいました。個人的な見解ですが、オバマ氏は謝罪する用意ができていたと思います。しかし、彼でさえ、政治的なインパクトを考え、そこまでは踏み込まなかったのでしょう。
私は広島と長崎を何度も訪問し、戦争の悲惨さを思いました。オバマ氏も演説で同じように戦争の悲惨さを訴えていました。その気持ちに偽りはないでしょう。広島での演説は大多数の日本人に支持され、米国でも5割以上の人が評価しました。しかしながら、私はオバマ氏がその前に岩国基地で行った演説の方を高く評価しています。
広島演説は過去を振り返る内容でした。原爆は悲惨な兵器だというのは真実ですが、もはやその過去を変えることはできません。それは起きたことなのです。だが、岩国演説は、その悲惨な過去から日米安保によって平和が保たれているアジアの現在、そして未来のあるべき姿までバランスのとれた内容になっていたからです。岩国演説には、約300人の自衛隊員も出席していました。
しかし、日本では、岩国演説はあまり関心を持たれませんでした。もし、私がオバマ氏の先生なら、広島演説にはA-(マイナス)かB+(プラス)、岩国演説には文句なしにAの評価を与えるでしょう。
日本人はねえ、なかなか物事を広くとらえて評価するのが苦手でしてねえ。一点集中型の民族ですから、・・。またサヨクにとっては米国は永遠の敵なんでねえ。原爆投下は悲惨な出来事だったが、それは戦争中に行われたことで東京大空襲であっても多数の民間人が死んだ事実に変わりはない。駐留米兵の犯罪もごく一部なのだが、米軍自体が犯罪集団のように扱われるのは気の毒なことだ。良い奴はたくさんいるし、職務にも極めて勤勉で責任感が強い。岩国の演説は内容は知らないが、未来志向の演説であればそれはいいものだろう。太平洋を挟んで激戦を繰り広げた日米は今はお互いにかけがえのない同盟国になっている。米国も本気で日本を頼りにしているのだろう。中国なんぞと組むよりはどれほど結構なことかたとえようもない。
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2016/08/31 18:53:04