2016年09月04日
大型二輪に乗ろう(次期CBR1000RRが目指すものは、・・。)
ホンダのCBR1000RRが間もなくフルモデルチェンジすると言う。CBR1000RRはプロジェクトビッグ1、つまりCB1300とともにホンダの2枚看板、GL系も入れれば3枚看板か、だろう。特に目新しい電子装備もなく、ピークパワーも他社のモデルと比較してかなり控えめな現行CBR1000RRだが、なかなか鋭いオーラを放っている。
ホンダは現行CBR1000RRはSC59のマイナーチェンジでも馬力アップを行わず、高度な電子デバイスを装備していない。次期CBR1000RRについてHRCの鈴木哲夫元社長(現本社執行役員)は、「HONDAには今このCBR1000RRのフルモデルチェンジを含んだ大きなプロジェクトがある」と言い、その内容は、次期CBR1000RRはYZF-R1のような究極のレーシングマシンではなく親しみやすいマシンにしたいそうだ。
ホンダはスペックよりも基本性能の向上を目指してライダーフレンドリーなマシンを作り上げたいと言うことだろう。次期CBR1000RRはこれまで通り、公道も楽しめるサーキット車としてではなくサーキットも楽しめる公道市販車として幅広い層にも乗りやすいスーパースポーツバイクとなるのだろう。
「CBRが非力なのはホンダの技術がないからか?」というような否定的な質問をする人も少なからずあるそうだが、ホンダにその程度の技術がないはずもないし、直線勝負ならともかく、バイクの速さはパワーだけではなく制動性と制動時の安定性、機動性、加速性と言った要素が求められ、ライダーがそれをどう使うかによって変わって来る。パワーだけではブレーキング時やコーナー脱出時にマシンは暴れやすくなり、制御が難しい。要するに最高出力をあえて必要にして十分な形でマイルドなものとし、車体の運動性能を上げることで、より多くの人に扱いやすく速さや楽しさを共有するというのが、CBR1000RRのキャラクターなのだろう。
次期CBR1000RRはすでに開発の最終段階だと言う。外観はCBR400RやCBR250RRのような凄みを効かせた迫力のあるものになるのではないか。しかし、その内容はCBRのキャラクターが踏襲され、扱いやすさを強調した乗りやすいマシンになるのだろう。
HONDAは、CBR1000RRの開発に際してYZF-R1を徹底的にマークしてきたのだろうが、R1は初心者に乗りこなせるバイクではなさそうだ。サスの動かし方やアクセルの開け方をそれぞれのコーナーごとに設定ができないとR1のシステム設定はできないだろうという。それに対して次期CBR1000RRが重視するのは価格を押さえて乗り手の手に届きやすく各部の設定ももっとシンプルにしてくるだろう。R1は高級高性能すぎて手が出ないか、買っても使えない人がいるだろうから、パワーはフルスペックでもちょっとマイルドに、そして電子デバイスはその制御設定をできるだけわかりやすく簡単にしてくるのではないだろうか。
ホンダのお家芸になりつつあるDCT(電子制御ダブルクラッチシステム)を載せてくるのではと言う話もあるそうだが、それはちょっとどうかなと思う。DCT付きのSSあるいはRRに乗ろうと言うライダーがいるのだろうか。軽量化が出来れば素人ライダーにはDCTの方が速いかもしれない。
価格も国内モデルで200万円程度だろうか。ショートマフラーを採用した現行SC59型もマイナーチェンジ(以降MC)を繰り返しながら今年で8年目だそうだ。MCごとに洗練され、サーキットモデルのSPも登場し、8耐での戦績も華々しかったようだが、さすがにやや老いてきたかもしれない。
一昨年、ヤマハが旗艦マシンであるYZF-R1に大幅なモデルチェンジを行い、これまでのクロスプレーンエンジンに磨きをかけ、同時に6軸ジャイロセンサーを搭載し、このジャイロセンサーによって走行中の姿勢変化に対応して、アクセル・ブレーキ・トラクションコントロールをコンピューターでトータルに最適化できるモンスターマシンとしてなったそうだ。
このバイクの電子制御化の流れはBMWやドゥカティ―といったヨーロッパメーカーが先行する技術だったそうだが、ヤマハはさらに一層磨きをかけた形で国産車市場に送り込んできた。さらには車両の制御をGPSでコーナーごとのサスの動きまでを最適化できる相当の完成度を持ったシステムを上級モデルYZF-R1-Mに搭載させたそうだ。レクサスみたいだなあ。
こうした電子デバイス化は他社のマシン開発にも影響を与えていて、SUZUKIは旗艦のGSX-R1000に電子デバイスを高度化して搭載し、次期モデルをデビューさせることを明言しており、そのスペックはR1を凌駕するマシンとなり得るのではないかと言う。KAWASAKIも今年からスーパースポーツバイクのZX10Rに3軸ジャイロバランサーを搭載、この3軸で左右と上下、前後の6方向の動きを制御し、6軸と同じ姿勢制御を行うことができるそうだ。
こうした電子デバイスは正しく使えば、ライダーの安全性を確保することにもつながり、メリットは大きいが、車体価格が上がるのはデメリットだろう。これまで150万円~170万円が平均的な価格帯だったスーパースポーツバイクの車体価格は現在YZF-R1・ZX10Rともに230万円~(YZF-R1Mは330万円)と高価になっている。
それでも電子制御デバイスにより車両価格は上昇したにもかかわらず、好セールスを記録するモデルもあり、それがバイクの電子化に消極的と見られていたHONDAやHRCを刺激したところもあるようだ。CBR1000RRは2017年の前半には発売になるのだろうが、僕にはCB1300スーパーボルドールがあるので、さすがに今更CBR1000RRに乗ろうとは思わないが、オーラを放つ先鋭的なバイクが出てくるのは楽しいことだと思う。ところでCB1300のフルモデルチェンジはあるんだろうか。
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Posted at
2016/09/04 12:18:11
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