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2016年09月10日

「総火演」、F2の対地攻撃能力に疑問とか、・・。




実弾飛び交う「そうかえん」 今年も島しょ防衛シナリオ


2016年8月28日(日)、陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)において、毎年恒例となっている陸上自衛隊富士総合火力演習「そうかえん」が実施されました。今年は台風の接近により悪天候が予想されたものの、幸いにも雨とはならず全てのプログラムが滞りなく進行しました。



「そうかえん」は、日本が敵国の侵略を受けた場合を想定し、陸海空自衛隊がどのように対処するのかをシミュレートしており、昨今は島しょ防衛を前面に打ち出すシナリオにて実施されています。今年も東富士演習場をひとつの島に見立てたうえで、他国からの侵略を強く意識した状況設定のもと行われました。

 

多くの登場兵器のなかにあって、特に航空自衛隊F-2戦闘機の新装備である227kg GPS/レーザー誘導爆弾「LJDAM(レーザージェイダム)」の展示は、興味深い演出であったといえるかもしれません。会場上空は残念ながら厚い雲に覆われていたため、飛来したF-2を直接見ることはできませんでしたが、同機は陸自地上部隊がレーザー照射した目標に対し誘導爆弾を模擬投下(実際には何も投下していません)。これを撃破しました。



「F-2はレーザー誘導の支援によって、悪天候に影響されることなく爆撃可能」と、会場では説明されましたが、若干の補足をしたいと思います。



雲の上のF-2に見えた、自衛隊のとある「課題」
 

補足のひとつに、レーザーで使用されている赤外線は、薄い雲ならばともかく分厚い雲は透過しないという点があります。今回のように厚い雲が出ている状態では当然、LJDAMはレーザー照射点を検知できないので、実際にはレーザー誘導をされません。

 

ただし雲の上からの爆撃は、まったく不可能というわけではありません。昨年度よりF-2に対し、自衛隊デジタル通信システム「JDCS(F)」というネットワークへの加入能力付加が始まっており、これに対応した機体ならばレーザー照射が検知不可能だったとしても、地上から目標の座標データを取得し、LJDAMにその座標をセットすることで雲の上から爆撃することができます。

 

このときLJDAMは、GPS衛星によって計測した自分の位置と標的の位置を参照し、誘導しています。その命中精度は、レーザー誘導時は直径3mの円内に半数が着弾するのに対し、GPS誘導の場合は直径10m、GPS衛星の電波も失探した場合は慣性航法誘導で直径30mになります。その威力は自衛隊が保有するあらゆる武器のなかで最も強力で、陸上自衛隊の主要火器である155mmりゅう弾砲およそ5発ぶんに匹敵します。戦車の破壊には直撃が必要になりますが、半径200mにLJDAMの破片が飛び散るため、そのほかの車両ならば慣性航法誘導時でもほぼ確実に撃破できるでしょう。

 

よって、先述の「会場での説明」は、観客へのわかりやすさを優先したと思われます。



F-2とLJDAM、本領発揮はまだ先か


補足が必要と思われるもうひとつは、現時点においてJDCS(F)に対応したF-2は、わずか2機しか存在せず、戦力としてみなせる状態ではないという点です。2016年度予算においても4機しか改修されず、来年度は11機ぶんの予算しか計上されていません。

 

さらにJDCS(F)とLJDAMをフルに活用するには、F-2の頭脳にあたる「ミッションコンピュータ」を新しいものにしなくてはなりませんが、こちらは2017年に開発が終了する見込みという段階です。実戦配備されたF-2にこれが適用されるには、さらに数年を必要とするでしょう。もちろん、F-2だけがJDCS(F)端末を装備しても意味がなく、地上部隊側の「前線航空統制用JDC地上システム」端末も必要です。これらが現実的な戦力になるのは、やはりまだ先の話でしょう。

 

以上のことから、現状において「そうかえん」で示されたようなF-2による作戦の遂行はあまり現実的ではなく、あくまで将来、装備が充実した際に可能なものであるため、少々補足してみました。

 

デジタルネットワークを活用した現代的な航空作戦は、いまや欧米では当然のように行われています。航空自衛隊の次期主力戦闘機F-35Aは、卓越した情報処理、ネットワークによって「戦闘機」という兵器の概念を根底から覆すポテンシャルを持ちますが、残念ながら陸上自衛隊はF-35と同一のネットワークに加入する端末を持っておらず、同機は全能力を発揮することができません。

 

今年の「そうかえん」は、自衛隊のネットワーク・システムにおける今後の課題を明らかにしたといえるかもしれません。




F2の能力向上もずいぶん前から言われていて空戦能力の向上から対地攻撃能力の向上へと進んではいるが、空自もF15の近代化改修もあり、また、既存の戦闘機を改良してしまうと財務省に新型のF35、あるいは次の国産戦闘機の灰初などに影響が出るので痛し痒しだろう。また当然のこと、予算の配分の問題もあるだろうし、・・。でも空自の第一の任務は制空権の確保、次が侵攻してくる船団の撃破で対地攻撃は二の次なのでこんなものでしょう。制空制海権を確保すれば侵攻部隊は補給が続かず自滅するだけなので精密爆撃の必要はないでしょう。


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Posted at 2016/09/10 10:34:32

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