菅義偉官房長官は8日午前の記者会見で、旧日本海軍による米ハワイの真珠湾攻撃から75年を迎えたことについて、「敵国として戦った日米両国を戦後、価値を共有する同盟国に変容させた日米の和解の価値を再認識していくと同時に、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないという決意を新たにする重要な機会だ」と述べた。
どうして何をどうやっても勝てない戦争を始めたのか理解に苦しむ。日本は国内の和が何よりも大事で、その結果、声の大きい連中に引きずられたと言うのが真相だろう。粗鋼の生産量で比較した工業力は米国は日本の20倍、科学技術も劣り、戦略物資の8割を英米の勢力圏に依存していた日本がどうしてその英米と戦争を決意したのか。ハルノートとは言っても今の感覚で見ればごく当然のことしか書いていない。大陸に莫大な資本と人命を注ぎ込んで国家の膨張を図ったが、要は軍、官僚、財界が自分たちの組織と権益の拡大を図ろうとしたと言うことだろう。「軍艦や大砲を作って他人のところから物資を分捕って来るなど強盗のようなことをしないでその金で買ってくればいい」とこれまた至極当然のことを言った海軍の高官もいたと言うが、国家のベクトルが間違った方向に向いてしまうと正論も理性も何もなくなってしまうと言うことだろう。当時中国に利権を有していなかった米国よりは日本と同様に中国に莫大な権益を有していた英国の方が日本に同情的だったと言うのでこれを窓口に国民政府との和平を図り、中国問題を解決し、大陸や仏領インドシナ(現在のベトナム)から撤兵すると言う手もあったんだろうけどナチスドイツの快進撃に目が眩み、また中国の巨大な権益に野望を描いていた陸軍に対し、国内で唯一陸軍の暴走を抑えられる実力を持った海軍が国家存亡の瀬戸際に組織の存続のみを図っていたのではどうにもこうにもならなかっただろう。陸軍海軍、政財界、文化思想界、そして右翼の一部にも英米と事を構えて日本に勝ち目はないと思っている人間が大勢いながらその勝ち目のない戦争へとなだれ込んでいくのはやはり声が大きいもの勝ちということなのだろうか。太平洋戦争を含めた第二次世界大戦で6千万から8千万の人命と莫大な資材が失われたのに未だに戦争が絶えないのはそれが人間の本性に由来するものだからだろうか。
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2016/12/08 16:19:00