2017年12月05日
佐山芳恵再び、・・(^。^)y-.。o○(3)
そんなわけで僕と女土方は相変わらずビアン愛人の関係を続けている。僕は力づくで体型を維持しているが、女土方は体質なのかさほどの経年変化もなく美人熟女を維持して僕を魅了している。女土方ももう何があっても僕と離れる心算はないようで僕にぴったりと寄り添ったまま淡々とした生活を続けている。
そんな僕たちに大変化をもたらしたのはあの忌まわしきクレヨンとその父親である金融王だった。彼らは僕と女土方に自分たちの自宅に同居することを強要したのだった。強要というのは穏やかではないが、何とか一緒に住んで欲しいと手を変え品を変え迫るのだった。
これも理由を言えばクレヨンがまたわがままを言い出したのでそんなことに真剣に付き合って世間的に言えば莫大な金を費やそうとする親ばかには半ばあきれ返ったり驚いたりもした。
しかし元々根無し草のような生活をしていた僕は二つ返事で同意しても良かったのだが、両親の思い出の詰まっている自宅から離れるのは女土方には相当な抵抗があったようだ。
そんな時金持ちはとんでもないことを考えるもので女土方の住んでいるテラスハウスを丸ごと買い取って移築しようかと言い出したが鉄筋コンクリート製の建物を移築するのは不可能と分かって断念した。あれこれ紆余曲折の末、例の箱庭だけを移設することで決着が付いた。
それにも我々にはそこまでするかというほどの金をかけたうえであのなかなか趣のある箱庭は金融王の自宅内の僕らが使っている部屋に設置されたベランダに移設されている。
僕たちには転居に伴う相応の費用が支払われ、女土方の自宅はさる大手の不動産業者によってかなりの高価格で売却された。大体転居費用と言ってもほとんど異常とも言うべき金額が振り込まれ、その上女土方の自宅の売却代金も含めると僕たちはかなりの小金持ちになってしまった。
もっとも不動産の代金は僕のものではないが、女土方は「必要なら何時でも言って。二人のお金よ、用立てるから。」と何とも気前が良かった。この先金融王が何時までこの国の経済界のドンを続けるのか分からないが、当面僕たちは衣食住については安泰だった。
それでもただで住まわせてもらうのは成人男児としては、女子かも知れないが、甚だ外聞が悪いので僕と女土方で月々二十万を家計費食費としてお手伝いに渡していたが、そんな金額はこの家ではほとんど問題にもならない金額だろう。
ただし、豪華なダイニングで高価な食器を使って普通の食事というこの家の仕来りは健在なのでその二十万も僕たちの食い扶持くらいにはなっているのかも知れない。
そして僕はおろか女土方までも宿無し居候にしてしまったクレヨンは何とか大学を卒業して今は正規の社員として僕たちと一緒に働いている。しかし大学を出たからと言ってあのサル並みの低脳が改善されるわけでもなくほとんど僕たちの寄生虫のような生活に終始している。
金融王にしてみればもう少ししっかりして来たら自分の銀行にでも籍を置かせる心算なのかも知れないが、性本来がお気楽、脳天気、いい加減、大雑把、無責任という見事な性格なので金融商品の企画販売、財産管理、金融商品相場予測、買付、貸付、利益計算などという緻密な仕事が出来るはずもなく極楽トンボのようにあっちへふらふら、こっちへひょろひょろという生活に終始している。
ただ、以前と変わったところが一つだけある。それはこのサルも何だか知らないが、あまり男に興味を示さなくなったことだった。始めのころ、こいつは性的異常者じゃないかと思うくらいに男塗れだったのが今ではすっかり僕と女土方の間で満足したように、異性に塗れることもなく、ついでに言えば同性には塗れているのかも知れないが、とにかくその手のことは確かに大人しく生活している。
まさかこいつもビアンになったわけでもないだろうが、たまにギクッとさせられることがないでもない。もっとも僕自身は相変わらず偽ビアンなので女土方とクレヨンの間で難しい舵取りを迫られている。
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Posted at
2017/12/05 16:41:22
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