2018年09月13日
「幽霊人命救助隊」、・・(^。^)y-.。o○。
「幽霊人命救助隊」と言う本を読んでみた。何となく題に興味を持って買ってみたというところで深い理由はなかったのだが、話の筋は自殺してしまったやくざの親分、中小企業の経営者、フリーター女子、浪人生が天国に行くことができずに途中の山の上かどこかで止まっていると神様が出てきて「49日間で自殺企図者100人を助けたら天国に行かせてやる」と言う。
かくして幽霊として現世に戻された4人の幽霊の自殺企図者救助活動が始まるが、姿は見えない、現世のものには一切手を振れることができない、声も聞こえないと言った悪条件の中で自殺企図者を助けようとする救助隊の悪戦苦闘が始まる。
この作者は自殺のパターンや対処方法についてずい分研究したんだろうと思う。様々な自殺のパターンが出てくるし、対処方法も「うーん、なるほどな」と思う対処方法もあれば「それってどうなのかな」というのもある。中には「そりゃあないだろう」というのもあるが、まあ、そこそこ悪戦苦闘しながらもノルマ達成に向けて邁進していく。
そしてその中で自分が死に至った状況を顧みて後悔したりもする。全体に他愛もない話なんだけど元やくざの親分が言った「未来なんか決まっていないのに未来に絶望して自殺するなんて勘違いもいいとこだろ」と言う言葉が記憶に残っている。
ターミネーター2でも、"Futur is not set."と言っていたが、まさにそのとおりだろう。ただ、自殺に至るまでには様々紆余曲折があって正常な精神状態ではなくなっているのがほとんどだろうから早めに医師などの治療を受けるのが良いのだろう。
人は一生に1度くらいは環境的な要因から観念的にでも死について考えることがあるが、でも、未来は定まってはいない。ただ一つ確かなことは「この世に生を受けたものは必ず滅する」ということだけで何も自分から手を下して死ななくても必ず死ぬのだから生きているうちは周囲の支援を受けても問題を解決して、あるいは回避しても生きるべきだろう。
昔、庄司薫と言う作家が、この人は作家よりも不動産売買の才能の方があったらしいが、「逃げて逃げて逃げまくる方法」とかいうのを紹介していた。問題に突き当たったらとにかく逃げて逃げて逃げまくって逃げ切れたらそれは自分にとって大した問題じゃなかったので忘れていいと、・・。逃げ切れない問題だったら死に物狂いで立ち向かえとか結構無責任な話だったが、ある意味正しいのかもしれない。
夏目漱石の「夢十夜」にもどこに行くのか分からない船に乗っていたが、乗っている理由も行先も分からないので飛び降りてしまったが、飛び降りた瞬間に「乗っていればよかった」と後悔したなんて話があった。これってまさにその手の話なんだろう。手を下した瞬間に深い後悔に襲われるんじゃないだろうか。
まあ、話がそれたが、自殺と言う重い話題の割には内容は横町の人情噺、「横町の人情噺」、これももう死語もいいところだなあ、・・のようなもので結構長い話だがそこそこ読み切れてしまう。あまりこうした人情物は読まなかったんだけど最近こうした人情物を読むようになったのはやはり年のせいなんだろうかねえ、・・(^。^)y-.。o○。
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Posted at
2018/09/13 10:42:16
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