2019年10月04日
国土交通省国土政策局幽冥推進課、・・(^。^)y-.。o○。
国土交通省国土政策局幽冥推進課、ちょっと見、何だか本当にありそうな部署名だが、これは日本の国土で様々な障害になっている地縛霊のこの世に残した思いを解決して幽冥界に送ってやるのがお仕事だそうだ。就職した会社が入社式当日に倒産してしまって路頭に迷いそうになった主人公は公園の張り紙を見て藁にも縋る思いで採用試験を受けてこの職場に臨時職員として入省する。
この世に未練を残した地縛霊と言うと何かおどろおどろしいものを想像しがちだが、登場する地縛霊は普通の人と何ら変わりのない善人、いや善霊かな、ばかりでおどろおどろしさは全くない。そして主人公の女性は霊の残した思いをかなえてやろうと一生懸命に立ち回る。それを助けるのが猫に化けた火車と言う妖怪と辻神課長、これも辻にいるという妖怪だけれどなかなかのイケメン、でストーリーはまああり得ない話だが、軽快で読みやすい。
で、何がいいかと言うと主人公の女性が何とか地縛霊の思いを遂げさせてやって幽冥界に送ってやろうとあの手、この手で一生懸命に努力するところがなかなかいい。このストーリーの中で一貫しているのは「優しさ」なんだと思う。全部で3巻のシリーズものだが、2巻にあったコインロッカーに捨てられた赤ん坊の霊が一言母親にお礼を言いたくて6年間待ち続ける話なんか不覚にも涙してしまった。
この世の中、幼児虐待だの、いじめだの、親族トラブルによる殺人だの、ストーカーだの、煽り運転だのと様々な殺伐とした話が多いが、せめて少しくらい他人のことを考えて優しくなれたらいいなと思う。そう言えば2巻の解説は国土交通省国土政策局長さんが書いていた。この人もこの物語にはこの国に生きてきた人たちの思いが、この国に生きてきて愛する者を守ろうという思い、守れなかったという思い、守ってほしいという思い、そうした様々な思いの上に立ってそれを背負って生きていくことだと言っているがまさにその通りだろう。
ところでこの国土交通省国土政策局長って国交省の中で大臣、次官、官房長の次の並列4番目くらいに偉い人なんだけどよくこんな話に後書を書いたな。でも本当に読みやすくてなかなかいい話なので機会があったら是非読んでみるといいと思う。600円ほどで手ごろだし、・・。でも場所を選ばないと公衆の面前で不覚の涙を流してしまうかもしれない。本は文庫で集英社文庫から発売されている、・・(^。^)y-.。o○。
※ 解説を書いた国土交通省国土政策局長さん、現在は官房長のようだ。
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Posted at
2019/10/04 16:22:09
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