三菱航空機が開発する日本初のジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)の新しい試験機が、愛知県の県営名古屋空港で初飛行した。まもなく米国へ向かう。【毎日新聞経済プレミア・平野純一】
スペースジェットの新試験機(試験10号機)は、安全性を証明する「型式証明」の取得に向けて配線など大幅に設計を変更した機体だ。3月18日に初飛行。国内でしばらく飛んだ後、4月にも米国に飛ばして型式証明取得に向けた試験飛行を行う。スペースジェットのANAグループへの1号機納入は6度延期され、現在は「2021年度以降」となっているが、三菱航空機の親会社・三菱重工業の泉沢清次社長は2月6日の記者会見で、「試験10号機をアメリカに運んだ段階で、納入がいつになるのかを明らかにしたい」と述べている。4月以降には、次の納入時期が示されることになる。
◇太平洋上を2時間弱フライト
新試験機は18日午後2時53分に離陸。紀伊半島東側の太平洋上の試験空域を高度1万フィート(約3000メートル)前後で周回飛行して基本的な操縦性能を確認し、2時間弱のフライトで午後4時40分に着陸した。パイロットを務めた三菱航空機の高瀬浩義操縦士は「新試験機の改良の結果を実感することができた。機体の完成度は高く、スムーズで安全なフライトだった」とコメントした。また同社の水谷久和社長は「10号機が無事初飛行できたことをうれしく思う。型式証明の取得に向け引き続き全力で取り組みたい」と述べた。今回の初飛行は、当初は三菱航空機によるイベントも予定していたが、新型コロナウイルスの感染の広がりで中止となった。同日の飛行は公表していなかったが、航空ファンは連日、空港に見に来ているようで、展望デッキは大勢の見学者でにぎわった。
◇さらに追加の試験機を投入
三菱航空機のアレックス・ベラミー最高開発責任者は「10号機は型式証明取得に向けた最終形態の試験機」と述べている。10号機が無事飛び立ったことで、型式証明取得に向けたスケジュールが大きく前進したことは間違いない。
だがもちろん、あとは淡々と試験飛行をこなしていけば、型式証明の取得が可能というわけではない。三菱航空機は、10号機と同じ仕様の試験機を現在あと2機製造中で、できれば2機とも試験飛行に投入する考えのようだ。残りの試験飛行を1機で行うより複数機で行った方が、型式証明取得までのスピードを上げられるからだ。「2機のうち1機はそう遠くなく完成する」(三菱航空機)という。逆にいえば、1機でも多く試験に投入したいと考えるほど、型式証明取得に向けた試験はまだ残されているということだ。三菱航空機はすでに米国に送っている4機の試験機で計3500時間以上の試験飛行を行い、一般に型式証明取得に必要とされる2500時間を大きく超えている。これが初めて臨む型式証明取得の苦しさということなのか。総飛行時間をどれだけ積み上げれば型式証明取得にたどり着けるのか、まだ明確なゴールは見えてこない。
◇まもなく示されるANAへの納入時期
泉沢社長が述べたように、試験10号機を米国に送り込んだ時点で、ANAへの納入時期は示される。10号機をいつ米国に送り込めるのかと、さらに追加で投入できる試験機の機数や時期から計算すれば、型式証明をいつごろ取得可能と想定しているかは、おおよそ明らかになるだろう。10号機の初飛行は、快晴のなか、パイロットの目視による有視界飛行で主に飛んだ。米国まで飛ぶには計器飛行や航法装置などの詳細な確認も必要になる。その他、長距離フライトに必要なさまざまな確認を行った後、10号機は4月以降、すでに4機の先行試験機が待つ米国西海岸のワシントン州モーゼスレークの空港に向かうことになる。
三菱スペースジェットは航空機としては非常に素直ないい特性を持った飛行機だと思う。そして、今回、最新旅客機としての安全性を整えた機体が完成したのだからあとは試験をこなしていくだけだろう。遅れているのは三菱重工のせいもあるが、50年ぶりの商業用航空機の型式証明と言うことで国土交通省も慎重に試験を行っているそうなのでそうしたこともスケジュールの遅れに関係しているんだろう。まあここまでくればあと一息、先は見えてくるだろう。とにかく経験を積まないと次が生まれない。今回は貴重な資料を蓄積することができただろう。がんばれ、三菱重工、航空機産業は明日の日本にぜひ必要な産業だ。株も買い足したぞ、・・(^。^)y-.。o○。
ブログ一覧 |
その他 | 日記
Posted at
2020/03/28 21:07:13