2020年07月25日
カリスマ経営者の後継者選び、‥(^。^)y-.。o○。
先日、「カンブリア宮殿」に日本電産会長が出ていた。この人は危機の中にあっても常に前向きに経営を考え、未曾有のピンチをチャンスに変えようと動いてきてオイル危機の時に立ち上げたプレハブの会社から始まってそれを売上1兆5千億の会社に育て上げた伝説の経営者だそうだ。そして大学まで買収して大学教育まで始めたそうだ。
経営手腕は確かにすごいのだろう。常に前向きで合理性を追求する姿勢はなかなか尋常ではない。大学を買収した理由は「大学を出てもものも売れない、名刺も出せない、英語もしゃべれない、そんなのばかりなら自分で大学を作ってすぐに役に立つ人間を育てよう」と言うことなんだそうだ。
しかし、すぐに役に立つ人間が欲しいなら何もわざわざ大学で教育する必要などないだろう。ものを売れる人間が欲しなら営業専門学校で営業でも習わせればいいし、英語が喋れる人間が欲しいなら英会話学校を卒業したのでも引っ張ってくればいい。現状ではあまりにも大学が多すぎてほとんどの大学は専門学校化しているのであまり言っても仕方がないのだろうが、日本においては普通教育の頂点である大学における高等普通教育の目的はそれぞれの分野で頂点に立ってリーダーとして活動できる人材の育成が目的でありそうした人材の育成には時間がかかる。
本来、普通教育と職業教育とは全く別物でものの売り方なんてものは典型的な職業教育である。職業教育と言うのはある特定の目的を達成するために行うもので他に応用するなどの柔軟性は全くない教育であるが、目的が明らかなために効果も分かり易い。普通教育は将来今日強を分析判断したり取るべき正しい方法を考え出したりするための基礎知識を養うもので適用範囲は非常に広く柔軟ではあるが、効果がなかなか見えにくい。
普通教育における知識とはものを計る目盛りのようなもの、学問とはその目盛りの意味や使い方を学ぶことである。目盛りは細かければ細かいほど状況を正確に判断できる。ただその知識を身に着けるにはそれ相応の時間がかかる。昔の海軍の偉い人が「すぐに役に立つ教育などは丁稚教育だ。兵学校の教育効果が現れるのは20年後だぞ」と言ったそうだが、学校4年間で学問の基礎をしっかりと学んでそれからも実務の様々な局面で知識や経験を積み重ねてそうしたものの効果が出てくるには20年くらいは必要だろう。
日本電産の会長は実績主義で本人はカリスマでとんでもない実績を積み重ねてきた人だろうけど見ていてこの人の下では人は育たないだろうなと思った。一人の天才的なカリスマがいて経営を行うなら下の者は言われたことがしっかりできる人間がいればそれでいいのだろうけど自分で考えて判断して行動ができる人間を育てるにはそれなりの時間がかかる。この会社、次期社長の選任と体制作りに失敗して日産のナンバー3を社長に引っ張ってきたと言うが、カリスマの後継者を据えるのはなかなか難問かもしれない、‥(^。^)y-.。o○。
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Posted at
2020/07/25 22:43:59
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