日本が独自開発した人命救助専用の飛行機
2003(平成15)年の12月18日。日本の航空機メーカー、新明和工業が開発したUS-2救難飛行艇が初飛行しました。飛行艇とは胴体下部が船形をしており、海上でも発着可能な飛行機のことです。US-2はもともと「US-1A改」として開発がスタートした機体です。その名称が示すように、前のタイプとしてUS-1A救難飛行艇があり、さかのぼるとUS-1(US-1Aは出力向上型)自体、新明和工業が独自開発したPS-1対潜哨戒飛行艇が原型になります。
そのため、US-2はPS-1やUS-1Aとよく似た外観です。ただ、エンジンは出力の大きなロールス・ロイス「AE2100J」、プロペラは推進効率に優れた6枚羽になっています。また中身も一新されており、機体の構造材には新たに炭素繊維複合材(CFRP)やチタン合金が使われ、燃料搭載量が増加したほか、機内の与圧化も図られたことでUS-1Aよりも高い高度での飛行が可能となっています。加えて操縦系統は電気信号によるフライ・バイ・ワイヤとコンピュータ制御になり、操縦室も一新され、最新のフルカラー液晶画面を多用したグラスコックピットとなったほか、夜間や悪天候時などに威力を発揮する赤外線監視装置(FLIR)を新たに搭載するなど、さまざまな面で性能向上が図られており、事実上ニューモデルといえるほど一新されています。
山口県岩国が拠点 小笠原諸島にとっては必要不可欠な飛行機
海上自衛隊では、PS-1対潜哨戒飛行艇の時代から一貫して国産飛行艇は山口県にある岩国航空基地をおもな拠点として運用しています。US-2が配備されているのは第31航空群の第71航空隊。なお、小笠原諸島などを含む東日本の周辺海域をカバーするために、神奈川県の厚木航空基地にも1機を分派しています。海上自衛隊は2021年11月までに試作機2機を含めて7機を受領しており、8号機(量産6号機)も今年度中に引き渡される予定です。ただ、少数生産ゆえに調達コストの引き下げが難しく、ゆえに生産機数を増やせないというジレンマも。また民間機への転用も難しいうえ、諸外国への輸出もできていない現状が、より一層、事態を複雑にしています。なお、2015(平成27)年4月には高知県の足摺岬沖で訓練中だった1機が離水に失敗して海面に衝突し、大破水没しています。
とはいえ、原型のUS-1救難飛行艇から数えて1000回以上も出動回数を誇っており、飛行場のない小笠原諸島の救急患者を幾度となく本土まで緊急搬送しているほか、遠洋漁業の従事者やアメリカ人パイロット、ニュースキャスターら数多くの人命を救ってきた実績を有しています。(乗りものニュース編集部)
戦前、戦中の97式飛行艇、2式飛行艇と言った大型飛行艇から戦後の対潜哨戒飛行艇PS-1が生まれ、その派生型として救難用のUS-1が生まれ、さらにこれを進化させたのがUS-2でこの機体、なかなかいい機体だとは思うが、何と言っても高性能と引き換えに価格が高い。またほとんど手作り状態なのでコストダウンも容易ではない。外国からも引き合いがあるようだが、価格が難点となっているようだ。米軍が特殊部隊用に採用しようかとか言っているなんて話もあるが、日本が消防用や離島航路などに購入すればいいのだが、どこがどうやって運用するのか、その経費はどうするのかなんて問題もあるんだろう。この機体も高性能と謳われながら自衛隊で細々と運用されて消えていく機体なんだろう。でも次はできるんだろうか、・・(^。^)y-.。o○。
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2021/12/19 01:37:33