ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、米国防総省の高官は7日、ロシア軍が国境付近に集結させた戦闘部隊の100%近くを投入したとの見方を示した。ウクライナ軍の抵抗により戦況に大きな進展はないが、ロシア軍は遠距離からのミサイル攻撃を増やし、主要都市への圧力を強めている。
米当局は先週末の時点で、9割以上の戦力が投入されたとみていたが、初めて100%近くに達したと認定した。侵攻開始の時点では、15万人以上のロシア軍が国境付近に集結していた。
高官によると、首都キエフなど北部ではウクライナ軍の強い抵抗が続き、ロシア地上部隊による主要都市への侵入を許していない。一方、南部ではロシア軍が少しずつ前進をみせている。(朝日新聞社)
ロシアは100万近い陸軍を擁していると言うが、広い国土を防衛しないといけないのですべてをウクライナ戦に投入するわけにもいかないだろう。投入しても30万がいいところだろう。ロシアは旧ソ連から引き継いだ強力な陸軍を有しているが、太平洋戦争当時の日本と同様に正面装備などは大規模ではあるが、長期戦を支える経済力は貧弱である。戦争を継続するには莫大な物資の補給が必要である。1個師団1万5千人程度の部隊が1日活動するには武器弾薬、燃料、食料、医薬品、その他日曜消耗品など数百トンの物資が必要と言う。20万の軍隊が戦闘を継続するには毎日1万トン近い物資を補給しないといけないが、その分だけでも莫大な金がかかる。また戦闘で損害が生じればその分補わないといけない。さらには経済制裁がロシアの経済を締め上げる。ウクライナ側は国内に20万以上の正規軍に加えて75万の予備役、民兵が存在し、西側から兵器、資金の提供を受けている。ウクライナ側がロシア軍を撃退することは不可能かもしれないが、長期戦に引きずり込むとロシアの経済をさらに締め上げるし、ロシアの侵攻軍の士気はさほど高くないようなので長距離兵器で制圧を目指すが、砲撃や長距離兵器で地域を制圧するのは難しく、最終的には歩兵が投入されないと制圧占領ができない。ロシアにしてもウクライナにしても苦しいのは一緒だろうが、国際社会から孤立しているロシアの方が一層苦しいだろう。こんな戦争は何とも無駄な戦争でプーチンはNATOが脅威と言うが、NATOがロシアに軍事的な行動をとることはあり得ないだろう。この戦争はプーチンが「ロシア中興の英雄」として政権に君臨したいがために行ったもので、プーチンはウクライナの抵抗も国際社会の制裁もいずれもここまで強いとは思わなかったんだろう。それでもここまでやってしまったのだからプーチンにしてもここで引くことはできないだろう。今後国際社会に支援されたウクライナの抵抗がさらに激化すれば核の使用もあり得るが、もしも核を使えばロシアは完全に国際社会から見放されるだろう。プーチンはこの戦争をどう終結させるつもりなんだろうか。明るい先行きは見えないが、被害者はロシア、ウクライナ双方の前線で戦っている兵士と戦闘に巻き込まれて命を落としている民間人、それに経済制裁で不自由な生活を強いられるロシア国民である。愚かな戦争は一刻も早くやめるべきだろう。
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2022/03/08 12:28:27